近年、アメリカのIT企業での導入数が増加傾向にあるプログラミング言語の1つが「Scala(スカラ)」です。Javaとの互換性が良く、その使い勝手の良さで人気を集めています。今後、日本でも導入が増える可能性が高く、すぐにでも勉強したいと思っているエンジニアも多いでしょう。
今回は、Scalaの特徴や開発手法を解説するとともに、Javaとの関係についても触れていきます。Scalaを使ったシステム開発を考えている方は必見の内容です。
目次
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Scala(スカラ)とは
Scalaは、2001年にスイス連邦工科大学のマーティン・オーダスキー教授によって開発され、2003年に内部で公開、2004年にJavaのプラットフォームにリリースされたプログラミング言語です。プログラミング言語として定着しているJavaが登場したのが1995年であり、Scalaは比較的新しい言語といえます。
Scalaは現在も進化を続けており、2006年にはバージョン2が、2021年にはバージョン3が登場しました。2022年6月の段階では、このバージョン3が最新です。
Scalaの最大の特徴は、オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングの両方を実行できる点です。いわゆるハイブリッド言語といわれています。Javaとの互換性が高く、「Javaの後継」として、日本でも人気が高まっています。
Scalaの開発でよく使われている統合開発環境(IDE)は「Eclipse」と「IntelliJ IDEA」の2種類です。いずれもJavaの開発で使用頻度が高いため、イメージしやすいでしょう。
●オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングについて
前章でも記したように、Scalaは「オブジェクト指向プログラミング」と「関数型プログラミング」の両方の特徴を持っています。 プログラミングを組み立てる方法に違いがありますが、オブジェクト指向プログラミングは、不具合の修正・機能の追加という側面で使い勝手が良い特徴があります。一方で、関数型プログラミングは、プログラムがわかりやすい特徴があります。
それぞれ特徴がありますが、Scalaでは「オブジェクト指向プログラミング」「関数型プログラミング」の2つが使えるため、どちらかしか使えない言語よりも柔軟に対応できる魅力があります。
ScalaとJavaとの関係は?
Scalaの開発者であるマーティン・オーダスキー教授は、Javaのコマンドとして使われる「javac」の開発にも携わっているという背景もあり、Scalaは、Javaとの互換性を重視して開発されました。たとえば、ScalaからJavaのクラスを継承できたり、ScalaでJavaのライブラリを使用できたりします。
ScalaはJava同様に、JVM(Java Virtual Machine)と呼ばれるJava仮想マシン上で動作するJVM言語の1つです。仮想マシン上で動くため開発環境や実行環境を整えやすい特徴があります。
Scalaのメリット
Scalaのメリットは主に以下の5点です。
- Javaとの互換性が高い
- 使用するコード量が少ない
- スピーディーな開発が可能
- エラーの可能性を抑えられる
- 柔軟な開発が可能
ScalaはJavaとの互換性が高い特徴があります。Javaのライブラリの利用ができることは大きなメリットでしょう。Javaを習得している方であればScalaを習得しやすいですし、スムーズに開発を行えるでしょう。
また、Scalaを使用すると、コード量を少なく開発ができます。それによりスピーディーな開発も可能となり、エラーの可能性も抑えられるというメリットがあります。 前述しましたが、Scalaはオブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングの両方が使えるのもメリットの1つです。
Scalaのデメリット
Scalaのデメリットとしては、習得の難易度が高いという点が挙げられます。 Scalaはオブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングのハイブリッド言語のため柔軟に開発ができる魅力もあるのですが、両方の概念を理解する必要があります。特に、プログラミング初心者でJavaに触れたこともない方にとっては、一度に両方を学ぶのは困難です。すでにJavaを使っていたとしても、関数型プログラミングを一から覚える必要があります。
Scalaで開発されたサービスとは
Scalaを使って開発されたサービスは身近に存在します。例えば、世界中で使われているSNS「Twitter」もScalaを使って開発されたサービスの1つです。Twitterはすでに3億人を超えるユーザーを抱えるオンラインサービスであり、このことからもScalaの安定性の高さがうかがえるでしょう。そのほか、Scalaではスマホアプリの開発も可能です。クラウド型のビジネスチャットツールを提供する日本企業の「Chatwork」においてもScalaを使って開発されています。いずれも、世界で広く使われているサービスです。こうした状況からも、Scalaが使いやすく機能性が高いことがわかります。
Scalaの将来性
前章でお伝えしたように、すでに、Scalaで開発されているサービスの中には、世界的に活用されている規模の大きいSNSやオンラインサービスなどが多くあります。一方で、日本国内では徐々に利用が増えつつあるのが現状です。Scalaの利便性や安定性に注目する企業も増えており、従来使っていたほかの言語からScalaに移行するケースも見られます。Javaとの互換性が高いだけでなく、IT企業やメディア企業からの需要が高まっており、Javaの後継と考えて期待を集めています。
Scalaで開発を行うには?
Scalaを導入すると従来のシステム開発よりもスピーディーに進められるため、日本でもScalaの人気は高まっています。しかし、新たにScalaを使って自社で開発するためには、オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングを理解し、Scalaに対応できるエンジニアが必要です。もともとJavaを使っていた人材がいれば、関数型プログラミングを学んでもらうことで対応できるでしょう。
一方で、経験者がいない場合は、2つのプログラミングを同時に学んでもらう必要があります。学習にかかるコストを考慮すると、システム開発に特化した企業に外注したほうが良いといえます。外注すれば、無駄に時間を割く必要がなくなるため、スムーズに開発を進められます。
しかし、数あるシステム開発会社の中から、自社の考え方やカラーにあった会社を探すのは簡単なことではありません。闇雲に探していても時間や手間がかかってしまうだけです。そこで活用できるのが、発注ナビです。発注ナビは、システム開発会社に特化したパートナー選定支援サービスを行っています。
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【訂正とお詫び】
2022年9月28日の掲載時、JavaをJavaScripctと記載するなど内容に誤りがありましたため、訂正いたしました。ご迷惑をおかけした皆様には深くお詫び申し上げます。
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