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システム統合テスト(SIT)とは?注意点や他のテストとの違い

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システム統合テスト(SIT)のイメージ図

システム統合テスト(System Integration Testing、略称:SIT)は、複数のシステム構成要素やモジュールが統合された際に、それらが期待どおりに機能するかを検証するテストです。

本記事では、システム統合テストの定義や目的、実施するタイミング、さらには他のテストとの違いについて詳しく解説します。また、システム統合テストを行う際の注意点や問題発見後の対応方法についても紹介します。システム開発を成功に導くために重要なシステム統合テストのポイントを押さえ、リスクを抑えた開発プロジェクトを進めるための参考にしてください。

 

目次

 

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システム統合テストとは?

システム統合テスト(System Integration Testing、略称:SIT)は、複数のシステム構成要素(コンポーネント)や部分的なプログラム(モジュール)を統合した際に、それらが期待どおりに機能するかを検証するテストです。

 

●定義と目的

まずはシステム統合テスト(SIT)の「定義」と「目的」について解説します。

 

定義

システム統合テスト(SIT)とは、複数の開発されたシステムコンポーネントやモジュールが組み合わされた時、全体として予定された機能を適切に実行できるかを確認するためのプロセスです。具体的には、異なる部分が統合されることで形成される全体のシステムが、設計されたとおりに正しく動作するかを検証します。この一連の流れがシステム統合テストの定義といえるでしょう。

 

目的

システム統合テストの主な目的は、「システム間の連携確認」と「データや機能の統合性検証」の二つがあります。

一つ目のシステム間の連携確認では、統合されたシステムの構成要素(コンポーネント)やモジュール(部分的なプログラム)間での連携が、予定どおり正確に行われるかをチェックします。インターフェースの整合性、データの正しい交換、プロセス間の適切な通信などを確認するのが主な目的です。

また、データや機能の統合性検証では、統合システムが全体的に、個々の部分を単独で動かした時と同じ動きをするか、それ以上に効果的に機能することを確認します。ここでの確認点には、全体のパフォーマンス、機能の完全性、および予期される業務シナリオでの振る舞いが含まれます。

システム統合テストを実施することにより、統合によって新たに発生する可能性のある問題を早期に特定して修正することで、後の開発段階や実際の運用でのリスクを最小化し、システムの全体的な品質と信頼性を向上させることができます。

 

●システム統合テストを実施するタイミング

システム統合テストを実施すべきタイミングは主に二つあります。まずは、新しいシステムを導入する直前です。この段階でテストを行うことで、新たに導入されるシステムが既存のインフラやシステムと適切に連携できるかを確認できます。もう一つのタイミングは、既存システムの大規模なアップデートを行った後です。アップデート後にテストを実施することで、ほかのシステムコンポーネントに予期せぬ影響を及ぼしていないか、新たな問題が生じていないかといった検証ができます。

 

●システム統合テストを行う必要性とは

システム統合テストを行うと単体のモジュールでは動いていたのに、統合テストをしてみたらうまく連動しなかったという結果が出ることもあります。そのため、システム統合テストが必要なのです。また、統合テストで見つかった不具合を修正することで、さらに規模の大きいシステム統合テストへと移行することができます。システム統合テストはシステムの正常な機能保持と企業運営の安定性を確保するために、欠かせないテストの一つなのです。

 

システム統合テストで注意すべきポイント

システム統合テスト(SIT)は、開発された複数のシステムやモジュールを組み合わせた際に、それら全体が期待どおりに機能するかを確認する重要なプロセスです。以下でテストの際に注意しておくべきポイントを紹介します。

 

●テスト計画の立て方と事前準備

システム統合テスト(SIT)の準備と計画は、プロジェクトの成功に不可欠な要素です。この段階では、テストの目的と範囲を明確に定義し、リスクを最小限に抑えながら最大の効果を得るための計画を立てます。

 

テストの目的を明確にする

具体的には、システムのどの部分をテストするか、どのような結果を期待するかを決定し、プロジェクトの目標と照らし合わせて、テストする価値のある機能やコンポーネントを特定する作業が含まれます。明確なテスト目的を決めることは、テスト範囲を定義し、不要なテストの実行を避けるのに役立ちます。

 

ビジネスの核心的な要件と潜在的リスクに基づきテストケースを選定する

テストケースの選定は、ビジネスの中心となる要件と潜在的なリスクを中心に行います。そして、ビジネスにとって最も重要な機能や障害が発生した場合に最大の損害をもたらす可能性のある領域を重点的にテストします。この作業はテストリソースを効果的に配分し、リスクを管理するためのものです。

 

必要な人材やツール・環境を特定して準備する

テストを正確に行えるかどうかは、適切なリソースに大きく依存します。必要な人材、ツール、環境を事前に特定し、テスト実施に必要な準備を整えましょう。テストを実施するスキルと経験を持つチームを編成し、テストツールについては、要件に応じたソフトウェアやハードウェアの準備が必要です。また、テスト環境は実際の運用環境を模倣するように設定することで、より現実的なテスト結果を得ることが可能となります。

 

テスト活動のスケジュールを立てて各フェーズの期限を設定する

テスト活動のスケジュール計画は、テストプロジェクトのタイムラインとマイルストーンを明確に定義する過程です。この段階で、各テストフェーズの開始と終了日を設定し、プロジェクトのほかの活動を調整します。スケジュールには予期せぬ遅延や問題への対応を考慮して余裕を持たせましょう。これにより、テストプロセスがスムーズに進行し、プロジェクトの遅延を防ぐための支援が可能です。

 

●問題発見後の対応

ここでは、システム統合テストを実施した際に問題が発覚した場合の対応方法を、ステップごとに紹介します。

 

1.問題の識別

問題の識別は、予期しない挙動やエラーを特定するために実際のテスト結果と予定された期待値を比較することから始まります。さらに、システムから出力されるログやエラーメッセージを分析することで、問題の根本原因を特定しやすくなります。この段階で重要なのは、発生している問題がどのような影響を及ぼしているのか、そしてその影響の範囲を理解することです。

 

2.文書化

問題が識別されたら、その詳細を正確に文書化することが重要です。文書には問題の具体的な説明、発生条件、再現手順、影響を受ける範囲、そして既に試された解決策やその結果などを含ませます。文書化は問題の透明性を保ち、チーム間での共有を促進するために欠かせません。また、今後同様の問題が起きた場合の対策にもなります。

 

3.優先順位付け

全ての問題を同時に解決するのは現実的ではありません。そのため、問題の優先順位を付けることが必要です。優先順位の決定にあたっては、問題がビジネスプロセスやユーザーエクスペリエンスに与える影響の大きさを考慮します。例えば、重要なビジネス機能に大きな影響を及ぼす問題やセキュリティリスクを伴う問題は、優先度を高くします。優先度を決める時は、問題の緊急性と重要性を考慮し、限られたリソースを最も効果的に利用するための戦略を立てることも大切です。

 

4.解決策の策定

この段階では、SITで特定された問題の性質と影響範囲を深く理解し、適切な解決策を策定します。技術的修正、プロセスの改善、またはシステム設計の変更を含む潜在的な解決策を検討し、それぞれを評価します。ここでのポイントは、各解決策のコスト、実装にかかる時間、影響範囲、及びそれに伴うリスクを総合的に考慮することです。最終的に、プロジェクトチーム全体が実行可能で効果的だと合意できる解決策を選択することが不可欠です。

 

5.実装のためのチーム間コミュニケーション

解決策の実装過程では、関連する全てのチームメンバーや部門が緊密に協力する必要があります。解決策の詳細、実装計画、および期待される成果に関する情報は、関係者全員に明確に共有されなければなりません。この段階での効果的なコミュニケーションは、解決策の成功を確実にするために欠かせない要素です。実装中に生じる可能性のある問題に迅速に対応し、必要に応じて調整を行うための基盤となります。チーム間の連携と調整を通じて解決策が計画どおりに進行するようになり、プロジェクトの目標達成に重要な役割を果たします。

 

6.問題解決後のレビュー

問題が解決された後には、そのプロセス全体をレビューし、解決策の効果を評価します。このレビューは、実装された解決策が問題をどのくらい効果的に解決したかを判断するために行われ、改善されたパフォーマンスや問題の再発生を防ぐための追加テストを含むことがあります。また、問題解決の方法における成功した点、改善が必要な点、学んだ教訓を共有するためのレビュー会議の開催もおすすめです。レビューを通じて、チームは将来的なプロジェクトやテストでのパフォーマンスを向上させるための貴重な知見を得られます。

 

7.再発防止策の実施

問題の根本原因を分析し、同様の問題が今後起こらないような対策を実施します。これにはプロセスの改善や作業手順の明確化、スタッフのトレーニングなどが含まれます。ポイントは、問題を防ぐための実行可能な改善策を施すことです。改善策を実施した後、その効果を定期的にチェックし、必要に応じてさらに改善を加えます。持続的な改善によってシステム統合テストの品質を向上させ、将来のテストの効率と成果を改善できます。

 

統合テストや結合テストとの違い

統合テストと結合テストはソフトウェア開発プロセスにおける重要なステップですが、目的、対象、実施環境、役割がそれぞれ異なっています。

 

●基本的な違い

これらのテストは、ソフトウェアが開発段階から運用までスムーズに進むために必須であり、それぞれがソフトウェアの異なる側面を確認し、エラーを早期発見することが目的です。 以下で違いを詳しく解説します。

 

システム統合テスト(SIT)

システム統合テスト(SIT)は、内部および外部システムが全体として期待される性能を実際の運用環境で発揮するかを検証するテストです。SITでは、複数のシステムやアプリケーション間の統合を含む広範なテストが行われ、実運用環境に近い条件で、外部インターフェースやテストデータの統合を検証します。

 

統合テスト

統合テストは、異なるシステムコンポーネントやモジュールが全体として正しく機能するかを確認します。このテストは、システム内部の各コンポーネント間や外部システムとの接続も評価しますが、主にシステム間のデータ交換や連携の正確性に焦点を当てます。一方で、システム統合テスト(SIT)とは、内部のシステム統合に加えて外部システムやサードパーティとの統合も含めた全体の機能を実際の運用環境に近い条件で検証するという違いがあります。SITはシステム全体が予定どおりに動作するか、外部との連携が適切に機能するかを確認するために重要なテストです。

 

結合テスト

結合テストは、単体テストを通過した各モジュールやコンポーネントが互いに正しく連携するかを検証するテストです。このテストの目的は、モジュール間のインターフェースのエラーやデータの受け渡し問題など、細部にわたる連携が正確に行われているかの確認です。結合テストは、開発の比較的早い段階で行われ、各機能が集まった時の全体の一貫性を保証します。一方で、システム統合テスト(SIT)は、これらの結合されたモジュールが実際の運用環境やほかのシステムとどのように連携するかを評価するため、より包括的で実際の運用条件に近い環境で行われます。

 

●それぞれのテストの目的とタイミング

各テストを実施する目的や役割、タイミングについて解説します。

 

目的・役割

システム統合テスト(SIT)は、システム全体が統合された状態で、機能要件と非機能要件を満たしているかを確認します。特に、実際の運用環境に近い条件でのテストを重視し、外部システムとの統合を含めた広範な動作検証を行います。システムの総合的な動作確認と外部との統合確認が主な目的です。

そして、統合テストは、異なるシステムやサブシステム間の統合部分が適切に機能するかどうかを検証するのが目的です。このテストは、システム間のデータ交換や連携の正確さを確かめ、外部システムとの接続評価を含むことがあります。また、結合テストでは、個々のモジュールやコンポーネントが正しく連携して動作するかを検証します。モジュール間のインターフェースエラーやデータ受け渡しの問題、機能の連携不具合の特定が目的です。

 

タイミング

システム統合テスト(SIT)は、開発プロセスの後半のタイミングで、全ての結合テストや必要な単体テストが完了した後に実施され、システムが全体として要件を満たしているかの最終確認として行われます。

統合テストは、結合テストの後、もしくはSITに先立って行われることが多く、システムやサブシステム間の統合が焦点となります。異なるシステム部分がうまく連携して機能するかを確認するためのテストです。

結合テストは、単体テストが完了した後に実施され、システム全体のテストに先立って実施します。個々のモジュールやコンポーネント間の正確な連携を保証するためのテストであり、開発プロセスの中盤以降に頻繁に行われます。

 

システム開発を成功に導く外注のすすめ

システム開発プロセスにおけるシステム統合テスト(SIT)の重要性は計り知れません。システムが全体として機能要件と非機能要件を満たしているかの確認は、リリース後のリスクや問題を最小限に抑えるために不可欠です。このプロセスをスムーズに進めるためには、適切な外注先の選定が鍵となります。適切な外注先とは、自社の要件を満たすシステムを開発できる開発力を持っているだけでなく、業界に精通しており、コミュニケーションが円滑であるといった条件があります。外注先を選定する際には、これらの条件を比較検討することが必要です。

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