動画配信システムとは？選定のポイントやおすすめのシステムを解説

近年、SNSやIT技術の発達により、自社従業員向けの社内研修や、社外に向けたWebマーケティングに動画配信を活用する企業が増加しています。
しかし、本当に動画配信を自社で運用できるかどうか不安な方や、そもそも動画配信をどのように活用できるのか、どのような方法で導入するのかよく分からないという方もいるでしょう。
今回は、動画配信システムの種類や目的別の選び方、導入のメリットなどについて解説します。おすすめの動画配信システムもご紹介するので、導入をご検討中の方はぜひご覧ください。

 

目次

 

 

動画配信システムとは

動画配信システムとは、映像や動画コンテンツを配信するためのシステムのことです。動画配信システムの中には無料で不特定多数の方が利用できるYouTubeのようなプラットフォームもあります。ですが、法人がターゲットに向けて配信する場合は、もう少しクローズドな環境が必要です。その際に必要となるのが、セキュリティ対策や参加者管理といった機能です。

情報提供先を制限したい、参加者の情報を得てマーケティングに活かしたいといった目的がある場合は、オープンプラットフォームではなく、自社に合う映像配信システムを利用するのが望ましいといえます。

• 動画配信システムは、映像や動画・リアルタイムでの配信などが行える

• 配信先を限定したい・参加者管理をしたいなどの場合は法人向けのセキュアなシステムを導入

• 自社が欲しい機能を備えている動画配信システムを選ぶ必要がある

 

動画配信システムの利用目的

動画配信には、録画映像や制作した動画を配信するパターン（オンデマンド配信）とリアルタイムで配信を行うパターン（ライブ配信）があります。そのため、配信システムをどのように使うかは重要なポイントとなります。法人が動画配信を行う目的として、主に以下の2つの理由が挙げられます。

 

●社内教育・ナレッジ共有

新卒や新入社員、中途採用者向けに社内で新人研修を行う企業が大半です。その際に、毎回同じ内容の研修を実施するのに、人手を割いていませんか？

研修の頻度によっては、社内のリソースが大きく割かれてしまいます。このような場合に、録画した研修動画を動画配信システム上で視聴してもらえば、教育担当者の負担を減らせ、ほかの業務へリソースを割くことができます。また、研修だけでなく、社内セミナーや情報の共有会といったイベントも残しておけば、社内のナレッジ蓄積にも寄与します。

そのため、法人用の動画配信システムには、様々な管理機能が備わっていることが多いです。

例えば、研修を受けたかどうかがわかったり、アンケートを回収して研修内容のブラッシュアップに役立てたりといった機能です。

これらの機能を上手に使うことで、新たなソリューションを生むことができます。

 

●社外への動画コンテンツの提供

社外に向けて動画コンテンツを配信する場合にも、動画配信システムは役立ちます。

例えば、コンテンツマーケティングの一環として、取引先や顧客、自社会員に向けた講習やセミナー（ウェビナー）を開催すれば、顧客獲得や自社への信頼度の向上が期待できます。

システムの機能によっては、ウェビナー配信中に双方向のやり取りができるため、関係性やサービスの理解度を深める効果が得られます。コンテンツの有料化によるマネタイズも可能です。講習やセミナーを録画しておけば、リアルタイムで参加できなかった方に向けてもアプローチでき、蓄積したコンテンツを活用して新たな市場を開拓できます。

こうした取り組みの1つとして、営業活動時に自社サービスの解説動画を使い、興味を誘う企業も増えています。

 

動画配信システムの種類

企業活動においてメリットも多い動画配信ですが、配信システムの特徴は大きく3つに分かれています。

具体的には以下の3つの特徴に分かれます。

• 配信メインのタイプ

• ポータルサイトを構築できるタイプ

• 独自機能を有するタイプ

 

●配信メインのタイプ

動画コンテンツの配信機能がメインのシステムは、オンデマンド配信かライブ配信のどちらか、もしくは両方に対応しています。動画配信という機能に絞っているため、比較的安価で導入できるのがメリットですが、目的にそぐわない可能性もあります。

例えば、「社外セミナーを開いて顧客ロイヤリティを高める」という目的なら「録画したセミナー動画をただ見てもらって終わり」ではいけません。誰が見たのか、どういったセミナー動画の人気があるのかなど、データ収集まで必要です。また、リアルタイムのイベントで利用したいなら、配信時に遅延の少ないシステムかどうかがポイントになるでしょう。

このように、一口に動画配信をメインとしたシステムといっても、目的に合う機能が備わっているかが重要です。

 

●ポータルサイトを構築できるタイプ

動画配信機能に加え、ポータルサイトや会員向けサイト、LPなどが作成できるシステムです。動画視聴の入り口となるサイトの作成が直感的に行えるタイプが多く、HTMLやCSSといった知識がなくても作成できるのが大きなメリットです。比較的容易に、社内研修の動画をまとめてサイト上に表示させたり、社外会員向けに限定して動画を公開したりできます。

例えば、Webページ上に動画を配置してコメント欄を設けたり、アンケートを設置したりすれば、リアクションを得やすくなります。また、サイトのテキストコンテンツと一緒に動画を置くことも可能です。社内向けに活用するなら、マニュアルやノウハウの共有が期待できます。動画以外のコンテンツと掛け合わせることによって、配信するメリットの最大化が見込めます。

 

●独自機能を有するタイプ

既存システムの中には、自社の課題やニーズに合わせて、独自機能を追加できるサービスもあります。また、多機能な中から一部の機能だけを搭載できる・収益化が行える、といったシステムもあるので、利用目的に沿って選びましょう。

特に、法人向けに活用する際は、セキュリティ対策が重要となります。不正ダウンロードや不正アクセス、トラブル時の対応といった点をカバーできるサポート体制かも確認しましょう。動画の内容によっては、個人情報や社外秘の情報が含まれるケースがあるため、情報漏えいには配慮が必要です。

リモートワークが広まり、オンラインでのやり取りが一般化した結果、動画配信システムでは多くのサービスがリリースされています。しかし、自社の求める内容と合わないこともあり、動画配信システムを独自開発して導入するケースが増えています。

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法人向け動画配信システムを選ぶポイント

社内・社外を問わず、法人が動画配信システムを導入する際には、注意すべきポイントがあります。要点を押さえておかないと、目的と手段が入れ替わってしまったり、システムが活用されなかったりと、導入した意味を成さなくなるためです。基本の以下3つのポイントについて解説します。

• 利用目的に応じた機能

• セキュリティレベル

• 使いやすさ

 

●利用目的に応じた機能

まず行うのは、動画配信の利用目的を明確にすることです。目的が明確になれば、必要な機能が何かも自ずと見えてきます。

例えば、社内研修として動画配信システムを利用する場合は、「動画配信が行える」だけでは機能が不足しています。受講した社員や理解度チェックができるほうが、研修内容の改善点や社員の状況がわかりやすくなります。

機能が洗い出せたら、必要な性能を考えます。オンプレミスかクラウドか、ストレージ容量はどのくらいか、といった点を追求します。

利用目的や利用環境に合わせて考えるべき機能は多岐にわたります。トライアル可能な製品を検討しているなら、試しに運用担当者に使用してもらうのも1つの手です。

 

●セキュリティレベル

情報の取り扱いが適切に行えるかは重要な要素です。情報漏えいを引き起こしてしてしまえば、自社の信頼は落ちてしまいます。

結果、今後の企業活動にも悪影響を与えることにもなりかねません。利用者の使用できる機能に制限をかけられる、不正ダウンロードや不正コピーがしにくいといった機能を持つシステムを選びます。

 

●使いやすさ

たくさんの機能を備えていても、従業員にとっても、顧客にとっても使いにくい場合は導入した恩恵を享受できない恐れがあります。そのため、使用しやすいかどうかも重要な要素です。使いたい機能へすぐにアクセスができるか、映像コンテンツの登録や視聴はしやすいかといった部分を確認しましょう。

また、高度な専門知識がないと運用が難しい動画配信システムを導入してしまうと、属人化する可能性があります。そのため、どのくらいの人数が使用するのかをある程度把握してそのレベル帯にあったシステムの導入が望ましいといえます。

 

おすすめの動画配信システム

評価の高い動画配信システムを4つ紹介します。既存のサービスは、何ができるのかが明確なのが良い点です。動画配信システムの特徴を把握し、自社に合うシステム選びの参考とすることで、自社開発をする場合にも役立ちます。

 

●riclink

riclinkは株式会社シーズ・リンクが提供しているBtoB向けの動画配信システムです。動画だけでなく、資料も一緒に提供できるのが特徴で、動画視聴ページに外部URLを設置して、来た方を遷移させることもできます。追加機能を使い、SlackやChatworkといったコミュニケーションツールとの連携も可能です。セミナーや研修、営業など、幅広いビジネスシーンに向いています。

 

●ON24

ON24合同会社が提供しているBtoBエンタープライズ企業向けのシステムです。イベント管理や参加者管理機能があるため、ウェビナーに力を入れたい企業に向いています。動画はリアルタイムだけでなく、オンデマンド配信にも対応しています。ウェビナー参加者のデータ収集もバッチリなので、営業活動にも役立てられます。

 

●ブライトコーブ Video Cloud

ブライトコーブ Video Cloudは、ブライトコーブ株式会社が提供している動画配信システムです。クラウドタイプで、視聴者数が大幅に増えても耐えられる設計になっています。大規模イベントの開催を考えている企業に向いています。動画コンテンツにはタグをつけて管理でき、視聴分析も可能です。また、MAツールやアナリティクスツールとの連携で、得たデータをより有効に活用できます。

 

●Vimeo

Vimeo.comが提供しているVimeoは動画配信プラットフォームです。限定公開や収益化といった機能が充実しているのが特徴で、「スターター」、「スタンダード」、「アドバンス」といったプランがあります。また、無料お試し期間があるため、使用感を確かめることもできます。有料プランではランクごとに、収益化や公開動画本数の上限増加、双方向コミュニケーションが可能なウェビナー機能などが追加可能です。

人気の動画配信システムやプラットフォームは、得意とする分野が異なります。そのため、利用目的と照らし合わせた取捨選択が必要です。自社の要件と合わないこともあります。そのような時は、自社で動画配信システムを開発するのがおすすめです。

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