近年、動画配信サービスの利用が拡大しており、インターネットやSNSを通じて動画を視聴することが一般的な時代になっています。その結果企業も動画コンテンツをビジネス活用する流れが広がり、動画配信システム導入を検討する企業が増えています。
しかし、動画配信システムの導入には高額な費用がかかる場合があるため、事前に費用目安を把握し予算内に収まるか確認することが重要です。そこで本記事では、動画配信システムの費用相場や活用メリット、選定のポイントについて詳しく解説します。動画配信システムの導入を検討しているご担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
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動画配信システムの費用相場を紹介
動画配信システムの構築には、大きく分けて、“クラウド型とオンプレミス型”の2つの方法があり、どちらの方法で構築するかによって費用が異なります。まずは、クラウド型とオンプレミス型のそれぞれの具体的な費用相場と特徴をご紹介します。
●クラウド型の費用相場と特徴
クラウド型の動画配信システムは、初期費用は10万~30万円、月額料金は10万円~20万円程度が相場ですが、初期費用が無料のケースも存在します。このタイプの動画配信システムは、インターネットを通じ、外部の会社が提供している動画配信システムを利用します。そのため、初期費用に加えて月額料金が必要です。さらに、使い方に応じてオプション料金が発生する場合もあります。オプションには、ほかのシステムとの連携機能や動画プレイヤーの機能強化などが含まれます。予算を考慮しつつ、目的に合わせたオプション機能を選定しましょう。
●オンプレミス型の費用相場と特徴
オンプレミス型の動画配信システムの場合、初期費用が300万円~1,000万円、運用・保守費用が年間30万~100万円程度が相場です。クラウド型に比べて初期費用は高くなりますが、月額料金は発生しない点が異なります。ただし、システムを安定して稼働させるための運用保守費が別途必要です。また、クラウド型と同じく、オプション機能を追加する場合には、追加で料金が発生します。
オンプレミスの動画配信システムは、自社でシステムを保有する形態で、セキュリティが強固な点が特徴です。そのため、セキュリティに厳しい企業ではオンプレミス型の導入が推奨されることが多くあるようです。
●フルスクラッチの場合より高額に
オンプレミス型には、一般的に必要な機能が組みこまれたパッケージでシステム導入するパッケージ開発と、ゼロからシステム構築するフルスクラッチ開発の2種類の開発方法があります。パッケージ開発で導入する場合は、先述の費用相場で動画配信システムを導入できます。しかし、フルスクラッチ開発を行う場合、高額な開発費用が必要となり、費用相場は2,000万円~となります。
フルスクラッチ開発が高額になる理由は、企業に合わせてオーダーメイドで開発するためです。自社独自のシステムを作りたい場合やカスタマイズ性に優れたシステムが必要な場合のような特別な事情がない限り、パッケージ開発での導入を検討することが望ましいでしょう。
●動画配信システムの費用は条件によって変動する
動画配信システムの費用は、開発方法のほかに、動画を見るユーザーの使い方にも大きく左右されます。特に、利用人数(ライセンスの数)やストレージ容量、1ヶ月で動画を配信できる量、同時ログイン人数などの条件が費用に大きくかかわります。
例えば、複数の拠点を持ち、多くの従業員や顧客に対し動画配信を行いたい場合は、費用もその分多くかかります。そのような要件でのシステムの場合15万円~25万円程度必要とされるようです。しかし、数人だけが動画を視聴する環境であれば5万円程度で済むケースもあります。
費用を抑えることも大切ですが、低価格で利用できる製品には十分な機能が搭載されていないこともあります。そのため、導入前に自社のニーズに合ったシステムかどうかを慎重に検討することが必要です。
●費用の詳細は見積もりから知る
動画配信システムの費用相場は、システムのタイプや利用条件によって異なるため、正確な料金を一概に提示することは難しいです。提示される料金は基本料金や最安料金と捉えると安心です。自社の課題に対応する最適なプランを選ぶ場合、掲載されている金額よりも高くなることも珍しくありません。費用の詳細が知りたい場合は、自社の利用方法や解決したい課題を開発会社に伝え、見積もりを依頼しましょう。
動画配信システムの魅力とは?
企業が動画配信システムを導入することによるメリットは様々です。ここでは、動画配信システムを導入することの魅力について解説していきます。
●一度に多くの情報を伝えられる
動画配信では、映像・音声・文字の3つの要素を用いて情報を伝えます。聴覚と視覚に同時に訴えかけることで、多くの情報を一度に伝えることができます。動画60秒分の情報量は、約180万語のテキストや3,600ページ分のWebページに相当するといわれています。
また、動画は細かなニュアンスまで伝えられるコンテンツです。テキストや写真では伝わりにくい商品やサービスの魅力を明確にし、ナレーションや文字情報を加えることでより理解しやすく伝えられます。商品・サービスの特徴だけではなく、使用感を表すレビュー企画や企業イメージ、経営者の思いを伝えるメッセージ動画など、様々な用途に活用できます。従って、動画配信は多様な情報を一度に伝えることが可能です。
●情報の拡散性が高い
近年、スマートフォンの性能が向上し、Wi-Fi環境も整備されてきました。その結果、外出先でも快適に動画を視聴できるようになっています。InstagramやTwitter、TikTokなどのSNSにおいても、動画は閲覧されやすく、魅力的なものは徐々に拡散されます。爆発的な拡散が起こると、ターゲット層だけでなく、幅広い方々に情報が届くことが期待できます。
●配信形態によって異なる強みがある
動画の配信形態は、大きく、オンデマンド配信とライブ配信の2種類に分類されます。
オンデマンド配信は、完成済みの動画コンテンツを配信サーバーにアップロードし、ユーザーがアクセスして視聴する仕組みです。ユーザーは、時間を選ばず、好きなタイミングで視聴できるため、利便性が高いといえます。
一方、ライブ配信は、テレビの生中継のように、撮影中の映像をリアルタイムに配信サーバーに送る方法です。ユーザーはその瞬間の情報を得られ、リアルタイムならではの盛り上がりを体験できます。
●顧客への情報共有だけでなく社内間の情報共有も円滑に
動画配信システムは、顧客に情報を伝えるだけでなく、社内の情報共有にも役立ちます。社内で動画を配信することで、遠隔地の支社や支部とも同じ情報を共有できます。さらに、電話やメールで伝えるよりも効果的に情報を伝えられるため、意思疎通がスムーズになり、迅速な意思決定ができるようになります。つまり、動画配信を社内で利用することで、業務の効率化が期待できます。
動画配信システムの選定ポイントとは?
現在、動画配信システムは多くのサービスが提供されています。それぞれのサービスによって、動画配信の方法やオプション機能などが異なります。しかし選択肢が多すぎて、どのシステムが自社に適しているのかわからないという方もいるでしょう。
ここでは、動画配信システムを選定する際に注目しておきたいポイントを解説していきます。
●フルスクラッチ開発かパッケージ開発か
動画配信システムには様々な開発形態が存在し、それぞれで費用が異なります。前述のとおり、フルスクラッチ開発とパッケージ開発では初期費用に大きな差があります。
どちらの形態にも、それぞれの魅力がありますので、自社に最適な形態がどちらかを慎重に検討した上で、システムを選択することが重要です。
●オンデマンド配信かライブ配信か
動画配信の方法には、ストリーミング配信とライブ配信の2種類があります。法人向けの動画配信システムは、セキュリティ上の理由から、ストリーミング配信を基本としているものがほとんどです。イベントやセミナーなど、ライブ配信での利用も考えている場合には、ライブ配信機能が付いているかどうかも動画配信システムを選ぶ上で重要なポイントとなるでしょう。
●必要な機能が揃っているか
動画配信システムを導入する際は、事前にシステム利用の目的を明確にし、必要な機能を洗い出すことが重要です。
利用目的によって必要な機能は異なります。システムを導入してから自社の課題解決に適した機能が揃っていないと、オプションで機能を追加する必要が生じ、追加費用が発生することもあります。そのため、事前に目的を明確にしてから比較検討を進めましょう。
●ほかシステムと連携させやすいか
動画配信システムをほかのシステムと連携させやすいかも重要なポイントです。自社で既に導入しているほかのシステムとの連携が可能であれば、業務効率化が期待できます。ほかのシステムとの連携を検討する場合、APIの種類を確認することが大切です。APIは公開されている場合も多く、サービスによっては新たなAPIの開発や提供が可能なこともあります。そのため、一度企業に問い合わせて情報を収集することをおすすめします。
●セキュリティ機能は十分か
動画配信システムを利用する上で、セキュリティ機能が十分かどうかは欠かせない選定ポイントです。
社内共有を目的とした動画の場合、社外に漏れてはいけない情報が含まれていることも考えられます。導入前に、セキュリティ機能を確認してからどのシステムを導入するかを決めるようにしましょう。
●保存容量は十分か
動画配信システムは、プランや料金によってデータの保存容量、通信規模、月間転送量などが異なります。視聴可能なアカウントID数(視聴者数)や各動画の再生時間・ファイル容量などを事前に確認し、自社に適したプランを選択することが重要です。
●わかりやすい操作性を備えているか
動画配信システムにおいて、わかりやすい操作性も重要な要素です。多くの機能が搭載されていても、専門的な知識がなければ使いこなせない場合、社内で継続的に活用することが難しくなります。そのため、直感的に操作できるかどうかを確認することが必要です。システムの中には、無料トライアル期間を設けているものもあるため、社内で実際に運用して使いやすいシステムを選ぶようにしましょう。
●オプション機能はどの程度備わっているか
オプション機能にどのような機能が備わっているかの確認も欠かせません。今は必要としていない機能であっても、将来的に必要になる可能性もあります。その際に、必要なオプション機能がなければ、動画配信システムすべてを入れ替える必要が出てきてしまい、費用も手間も余分にかかってしまいます。将来的に必要になりそうな機能まで考慮し、動画配信システムを選ぶようにしましょう。
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