企業にとって、「ウェビナー(Web+セミナー)」は主要なマーケティング手法の1つです。採用を効率化したり、集客や成約率を上げたりする手段としてのウェビナーはメジャーになりつつあります。そして質の良いウェビナー開催を支えているのがウェビナーシステムです。そんな切っても切り離せないウェビナーシステムですが、知識がないから導入を踏みとどまっているというご相談を数多く受けています。
そんな悩みを解決すべく本記事では、ウェビナーの基本、配信方法、ウェビナーシステムの機能や選び方についてご紹介します。自社でウェビナーを実施したいが、踏みとどまっているという方は、ぜひご覧ください。
目次
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ウェビナーとは?
ウェビナーとは、Webとセミナーを掛け合わせた造語であり、その名のとおりオンライン上で行うセミナーのことです。近年、テレワーク推進によって急激な発展を見せているマーケティング手法の1つで、従来のセミナーとは異なり、ウェビナーには以下のようなメリットがあります。
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遠方にいる方でも参加しやすい
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会場設営や移動費用などのコストを削減できる
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開催時間が縛られない
オンライン上でセミナーを開催するので、国内・国外を問わず参加者を募ることができます。また、会場設営の必要がないため、セミナーの運営にかかる手間やコストも省けます。動画配信ができるのはもちろん、リアルタイムで配信を行うため、主催者と参加者が双方向のコミュニケーションを取ることも可能です。
2020年には、新型コロナウイルスの拡大防止のため、大人数が密集するセミナーや講習会の開催が困難になる事態が発生しました。このような情勢に対する打開策として取り上げられたのが「ウェビナー」です。
対面することなく大人数とコンタクトを取れるウェビナーは、感染症対策になるだけではなく、会場を押さえる必要がないという手軽さも相まって、様々な場面で活用されるようになりました。
セミナーや講演会はもちろん、会社説明会、商談、新商品発表会にもウェビナーとして開催する企業が増えています。場所にとらわれず主催者と参加者がコミュニケーションを取れるウェビナーの需要は、急激に増加し、今後もさらに増えることが見込まれています。
また、参加者も移動の手間が省けたり、拘束時間が短くなったりしたことで非常に利便性を感じており、今や、ウェビナーはお客様との接点を持つうえで欠かせないマーケティング手法として成長しています。
ウェビナーの配信方法
ウェビナーの配信方法は、「リアルタイム配信」と「オンデマンド配信」に分けられます。オンラインで行うという共通点はありますが、配信方法に違いがあります。どちらの配信方法も得意不得意があるので、開催する際は自社にとって適したほうを選ぶようにしましょう。
●リアルタイム(ライブ)配信
時間を決めてリアルタイムで配信を行う方法です。スムーズに進行できるように通信環境をきちんと整えておく必要があるほか、トラブルが生じた時には登壇者による臨機応変な対応が必要となります。
一方で、チャットやアンケートなどの機能を使うことで、その場で参加者からの意見をリアルタイムで聞くことができるため、参加者の反応や状況を見て内容の変更ができる自由度の高い進行が可能です。
そのため、トーク力を活かした配信を行いたい方に好まれる傾向にあります。
●オンデマンド(録画)配信
あらかじめ録画したセミナーの動画を配信する方法です。決まった時間に配信する方法と、配信開始後にいつでも閲覧可能にする方法があります。すでに終了したセミナーの録画を流すため、参加者とコミュニケーションすることや、後から進行内容を変えることはできません。
一方で、動画編集次第では、インパクトのある動画にしたり、落ち着いた雰囲気を演出したりと、自社にあった演出がしやすくなります。
ウェビナーシステム導入で押さえておきたい3つのポイント
従来の会場型セミナーと比べても優位性のあるウェビナーですが、配信を支える要となるのがウェビナーシステムです。そのため、ウェビナーを成功させるためにも、慎重に選ぶ必要があります。そこで、ウェビナーシステムを導入するうえで押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
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セミナーの質は配信環境に左右される
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参加者はモバイル端末で参加する場合もある
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参加のハードルが高いと離脱してしまう
●セミナーの質は配信環境に左右される
通信環境は、ウェビナーの満足度を左右する大きな要素です。十分な回線速度を確保しておかないと途中で配信が途切れてしまう事態にもなります。カメラやマイクといった専門機材の品質が低いと画質・音質が悪くなってしまいます。
配信トラブルが、続いてしまうとセミナーが時間どおりに進行できなくなり、参加者の満足度低下を招いてしまいます。
そのため、不具合が起きないような配信環境を整え、画質・音質を一定の水準以上に担保できる機材を用意する必要があります。
●参加者はモバイル端末で参加する場合もある
ウェビナーの参加者の中には、スマホやタブレットなどのモバイル端末を使用している方がいることも考慮しなくてはなりません。こちらから膨大なデータの送信を行うと受信側で固まってしまう恐れがあります。
結果として、あまり良くわからないウェビナーだったと思われてしまっては非常にもったいないものです。
近年では、5Gの普及が進んでいて、データ遅延が発生しにくい状況にはなっていますが、必ずしも参加者が対応地域にいるとは限りません。ウェビナー開催側はこういった状況も考慮しながらシステムを選択する必要があります。
●参加のハードルが高いと離脱してしまう
ウェビナーに参加するためのセットアップが煩雑だと、参加のハードルが高くなります。ウェビナーシステムによっては、事前にアプリをインストールしたり、参加にユーザー登録をさせたりといったセットアップが必要です。ウェビナーのリピーターを対象にするのであれば良いですが、デバイスの操作に不慣れな方や新規ユーザーが多いウェビナーであれば、参加のハードルを低く設定するほうがキャンセルなどは発生しにくくなります。
例えば、ユーザー登録をせずとも利用可能なツールや、ブラウザからURLをクリックするだけで参加できる仕様にするといった方法があります。
このように、機会損失を生みにくいウェビナーシステムを選択しましょう。
配信環境を整えれば手軽に集客できるウェビナー。しかし、最大の課題はウェビナーシステムの選定や開発、回線の設置、専門機材の購入といった要件定義です。ウェビナーシステムの選定の最中に、「しっくりくるツールがない…」と悩まれる方から多くの質問をお受けします。
そのため、弊社では要件定義をしっかり行ったうえで、自社にあったシステム構築をおすすめしています。
ウェビナーシステムの構築を検討している方は、発注ナビのご利用を検討ください。発注ナビは、システム開発会社をお探しの企業向けのマッチングサービスです。システム開発に知見のあるスタッフがご要望をヒアリングし、ニーズにあったパートナー企業を紹介します。
ウェビナーシステムの選び方
数あるウェビナーシステムの中から、自社にぴったりなシステムを選ぶ時に注目すべきポイントを解説します。
●参加者にとっての使いやすさ
参加のハードルが高いとユーザーは集まらないため、ウェビナーシステムの使い勝手の良さは最初に押さえるべきポイントです。参加者の手続きが少ないシステムや、使用端末によって参加者を限定しないマルチデバイス対応のシステムを採用しましょう。
ウェビナーシステムの中には、利用の際にユーザー登録を必要とするものがあります。
しかし、参加する前に事前準備が必要なウェビナーは面倒に思われ、参加者が集まりにくいという側面があります。また、事前準備が複雑だと、当日になって参加者が「閲覧できない!」という事態に陥り、参加を断念してしまうこともあります。ウェビナーシステムを選ぶ際には、参加者側の負担にならないようなツールが望ましいです。
●機能の充実度
ウェビナーシステムには、録画、点呼、アンケート、チャット、メール通知、アプリ連携といった機能があります。そのため、ツールによって搭載している機能は異なるため、自社のウェビナースタイルにあったシステム選びが重要です。
リアルタイム配信の場合は、質疑応答をしながら進行するため、コミュニケーション機能の充実度は外せません。参加者から質問を受け付ける時には「挙手機能」や「コメント機能」が必要です。さらに、多数決を取る際に便利な「アンケート機能」は、あるとより便利になります。
ウェビナーの「録画機能」があれば、後から見直したり、リアルタイムで参加できなかった方向けのオンデマンド配信に使えたりします。録画した内容は、宣伝やプロモーションに転用することもできます。
これらの機能がすべて必要という企業もあれば、一部しか使わないという企業もあります。既存のウェビナーシステムを使う時には、機能数によって料金が変わることもあるため、自社にとって必要な機能を事前に見極めることが大切です。
●同時接続可能な人数
ウェビナーシステムは、無制限に参加者を呼び込めるわけではありません。同時に接続可能な人数は、システムや料金プランによって異なります。ウェビナーの参加人数を踏まえたうえで、最適なシステムを選ぶことが大切です。特に、大人数の参加を想定している場合は、「参加者の上限人数」は必ずチェックしましょう。
無料のツールはコストがかかりませんが、同時接続できる人数や、機能が制限されている場合がほとんどです。企業で利用する場合は、有料のウェビナーシステムのほうが適しているケースが多々あります。
●サポート体制の充実度
サポート体制の充実度は、ウェビナーシステムを選ぶ際に注目すべきポイントです。万全の状態でウェビナーを開催するためにも、どこまでサポートしてくれるのか、確認が必要です。
有料のウェビナーシステムには、ツール導入サポートや不具合時のトラブルシューティングなどのカスタマーサービスが用意されていることもあります。仮にサポートがない場合は自力で調べて問題解決を行うしかありません。リアルタイム配信中に映像・音声が途切れるといったトラブルの場合は、早急な復旧が望まれます。ウェビナーをこれから始める方は、サポート体制が充実したツールが安心です。
おすすめのウェビナーシステム
知名度があり、利用企業の満足度が高いウェビナーシステムを紹介します。
●ON24
エンタープライズ企業向けのON24(オン・トゥエンティーフォー)は、自由なカスタマイズ性とアナリティクス機能から、多くの企業に支持されているウェビナーシステムです。リアルタイム配信もオンデマンド配信にも対応しているので、ライブのみ視聴する層もオンデマンドのみ視聴する層も、どちらでも利用可能です。
Q&A、アンケート、投票、お問い合わせ、理解度テストなど様々な機能を実装できるほか、画面共有やSNS告知も容易なので、イベント運営の手間を減らしてくれる機能がたくさんついています。しかし、欠点として挙げられるのが、リリースしているのが海外企業のため、日本語でのサポートを受けられない時間があります。英語でのサポートであれば、24時間体制で受けることができます。
●Zoom Webinars
Zoom Webinars(ズームウェビナー)は、Zoomミーティングの有料ライセンスを取得している場合に契約できるオプションです。最大1万人まで接続可能で、大規模のウェビナーに適しています。
通信環境などによって参加者をグルーブごとに分けるブレイクアウトルームが作成できなくなったり、利用者が多いと通信が不安定になったりすることもあるものの、ウェビナーを開催するために必要な機能はほぼ揃っており、Zoomを使い慣れている方にとっては使いやすいツールです。すでにZoomミーティングの有料ライセンス契約を行っている企業であれば一考する価値があります。
●ジンジャーミーティング(旧:Calling)
バックオフィス向けの国産ツールであるjinjerサービスの1つです。ジンジャーミーティングは本来、Web会議システムですが、ウェビナー機能が標準搭載されています。
スマートフォンの場合は専用アプリをインストールして使うことになります。最大1,000名まで参加できるので、セミナーや講習会はもちろん、会社説明会、研修、株主総会などの様々な場面で活躍します。付随して、人事管理ツールをjinjerで統一することで、社内に散らばるデータも一括管理できます。
アプリをインストールしてもらう手間があるため、新規の獲得には不向きですが、リピーターへ向けた配信を定期的に行うことを前提としている場合は、導入の価値があるといえます。
現在のウェビナーシステムはクラウド型サービスを利用するのが主流ではありますが、自社が欲している機能がないというケースや、脆弱性やトラッキングのリスクといったセキュリティ面など気になるポイントなども散見されます。自社にあった安全なウェビナーシステムを使いたい方には、プライベートな環境でウェビナーシステムを構築する方法のほうが適しています。
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