Windowsアプリとは、WindowsというOSで動作するアプリのことです。Windowsアプリを開発するためには、何から始めれば良いのかわからない、どの言語を選べば良いのか迷っている、外注するか自社開発か決められないなど、様々な悩みを抱えている方も少なくないでしょう。
今回は、Windowsアプリ開発の概要と開発前に行うこと、おすすめの開発言語とその選び方、プログラミング手順について詳しくご紹介します。あわせて、開発を外注する場合の費用相場やポイントについても解説しますのでぜひご参考にしてみてください。
目次
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Windowsアプリ開発とは
Windowsアプリ開発とは、WindowsというOS上でのみ動作するアプリを開発することです。単純作業の自動化が得意 なため、企業の業務効率化を助けるアプリを開発できます。Windowsは広く普及しているOSであり、多くのユーザーが利用しています。PCのOSでは約80%のシェアを誇ります。また、誰でも簡単に操作できるという魅力もあります。
アプリ開発をする前に行うこと
Windowsアプリ開発を行う場合、アプリ開発の目的を明確にすることから始めなければなりません現状の課題の洗い出しを行うことで、それを解決するためにはどのようなアプリが必要なのかをはっきりさせます。アプリ開発を行う目的が明確でないと、後から必要な機能を追加する必要が出てきたり、開発に最適なプログラム言語を選べなかったりと、アプリ開発が長引いたり、失敗に終わる可能性が高まってしまいます。
アプリ開発の目的を明確にしたら、次に開発で使用するプログラミング言語を選定します。Windowsアプリで使われるプログラミング言語としては、JavaやC言語などが挙げられますが、それぞれ向き不向きがあるため、開発したいアプリに合わせて選ぶことが求められます。
次に開発環境を整えます。Windowsアプリの開発には、Windows8.0以降のWindows OSがインストールされたPCと統合開発ツールのVisual Studioが必要となります。MacからWindowsアプリを開発することも可能ですが、その場合はBoot Campや仮想化ソフトのParallels、VMware Fusionなどの準備が必要です。
開発環境を整えることができたら、いよいよアプリ開発に着手することができます。開発に必要な言語を習得していなければ、その勉強も必要になってくるため、開発の前段階の準備にも時間がかかることを頭に入れておきましょう。
Windowsアプリ開発におすすめの言語
Windowsアプリ開発におすすめの言語やプラットフォームとしては、Java、C言語、C++、C#、VisualBasic.NET、Node.js、ASP.NET、Visual Studio(ビジュアルスタジオ) などが挙げられます。それぞれの言語の特徴とどんな開発に向いているのかを解説します。
●Java
Javaは、JVM(Java仮想マシン)というソフトウェアを実装することで、幅広いOSでプログラムを動かせることが特徴のプログラミング言語です。Windowsはもちろんのこと、Macでも動作させることができるため、Windowsアプリのほか、Webアプリの開発にも適した言語です。
●C言語
C言語は、ほかのプログラミング言語と比較してプログラムを高速で動作させられることが特徴のプログラミング言語です。古くからある言語ながら、高い人気があります。アプリ開発というよりも、組み込み系ソフトの開発で使われることが多いです。ポインタと呼ばれる技術は難しく、習得難易度は高いといわれています。
●C++
C++は、C言語の発展版のようなプログラミング言語です。オブジェクト指向という考え方がプラスされています。高性能なプログラムを開発できることが特徴で、アプリだけでなく組み込み系ソフト、業務システムの開発で使われています。オブジェクト指向により、プログラムの継承機能を利用してひな形のように整理し、プログラムを再利用しやすくできるというメリットがあります。
●C#
C#は、JavaとC++がもとになって生まれたプログラミング言語です。マイクロソフト社が開発した言語で、Webを使用するアプリの開発に向いており、Webを使うWindowsアプリ開発に使用されることが多いです。基本的にポインタを使う必要がない分、C言語やC++と比べると、習得しやすいでしょう。
●VisualBasic.NET
VisualBasic.NETは、C#と同じく、マイクロソフト社が開発したプログラミング言語です。普段使う自然言語に近い文法のため、初心者でも習得しやすいのが特徴です。一方で、汎用性に欠けるという課題もあります。プログラミングに慣れていない場合や短期間でアプリ開発をしたい場合におすすめのプログラミング言語です。
●Node.js
Node.jsは、JavaScriptを実行するためのプラットフォームです。JavaScriptは、Webブラウザ内で実行されることが多い言語ですが、Node.jsを使うことでWebアプリのデータを管理するサーバー上の処理も可能になります。また、Node.js向けのフレームワークも豊富でWindowsアプリ開発だけでなく、スマホアプリの開発も行えます。
●Visual Studio(ビジュアルスタジオ)
Visual Studio(ビジュアルスタジオ)は、統合開発環境と呼ばれるソフトで、コーディングやデバック、テストを簡単に行うことができます。GUI(グラフィックユーザーインターフェース)を活用し、簡単に画面作成できる環境を整えられるなど、プログラミングに慣れていない方でもスムーズにアプリ開発を進められるように設計されています。
アプリ開発に最適なプログラミング言語にについて詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
▷「アプリ開発」に最適なおすすめのプログラミング言語を教えて
言語選定の基準
プログラミング言語は、それぞれ習得難易度や得意とする分野が異なります。どの言語を選べば良いのか悩んでいる方も多いでしょう。ここでは、言語選定の基準を3つ紹介します
●アプリ開発が可能か
プログラミング言語の選定基準の1つ目は、Windowsアプリの開発が可能かどうかという点です。言語の習得のしやすさのほかに、開発を進めやすいフレームワークに対応しているかも確認しましょう。Windowsアプリの開発を簡単に行えるフレームワークとして、「.NET Framework」があります。Visual Basic .NET、C#、C++、F#など、数多くのプログラミング言語に対応しています。
●汎用性
2つ目の基準として挙げられるのが、汎用性です。例えば、C#は開発環境を使用しUnityに連携させればゲーム開発が可能な点やJavaはフレームワークを使用して様々なOSで動作させることができるといった点です。汎用性の高い言語を選んでおけば、開発途中で必要な機能が増えた場合にも新たに言語習得をせずに対応できます。
●学習面
3つ目の基準は学習面です。既に学習済みのプログラミング言語がある場合、その言語を選べば学習コストを低く抑えることができます。既に語を習得しなければならない場合には、環境構築に要する時間が短く、すぐに学習を始められる言語や、C#のようにインターネット上に解説記事が多く存在している言語を選ぶと良いでしょう。
プログラミングの手順
Windowsアプリ開発をしたいが、開発のやり方がわからないという方も多いと思います。ここでは、実際にアプリ開発で必要となる作業手順を解説します。
●要件定義
アプリを開発する際の最初の手順は、要件定義です。要件定義は、どんなアプリを開発したいのか、どんな機能が必要かなど、アプリ開発の目的をはっきりさせる作業のことです。アプリ開発の目的が曖昧な状態で開発を進めてしまうと、後から必要な機能が出てくる可能性があり、必要以上に開発期間が伸びてしまうことが考えられます。
要件定義を行う際に重要なのは、実装したい機能や解決したい課題を整理しておくことです。普段使っているアプリを参考にすると、実装したい機能が思いつきやすいでしょう。開発を進めていけば、追加したい機能や修正したい点も見えてくるはずです。そうなれば、既にあるアプリとの差別化も図ることができます。要件定義の詳細については、こちらから確認できます。
▷「アプリ開発」に最適なおすすめのプログラミング言語を教えて
●設計
要件定義が終われば、次は設計です。要件定義で決めた内容をもとに、具体的な機能設計を進めていきます。
設計を進める際、課題を解決するためにはどんな機能を実装すれば良いのかというアプローチで実装する仕組みを設計します。また、機能を活用するためのデザインについても検討します。どのようにシステムを構築すれば良いのかを考える段階のため、効率の良いアプリ開発を実現するためにもプログラミングの知識が必要となります。
●実装
設計の次は、実装の工程に入ります。実装は、設計内容をもとにプログラムのソースコードをコーディングする作業のことです。コーディングした後には、デバッグ作業に移ります。想定どおりにアプリが動作するか、フリーズや誤作動などの不具合が発生しないかなどを確認し、必要に応じて修正を行います。Windowsアプリ開発は、Visual Studioという統合開発環境を使うことがおすすめです。Visual Studioには、開発に必要なライブラリやフレームワークが含まれており、スムーズに開発・実装を進めることができます。
アプリ開発を自社でやる場合と外注する場合の違い
アプリ開発では、自社で開発する場合と外注する場合が考えられます。ここでは、自社開発と外注のそれぞれのメリット・デメリットについて解説しています。
●自社でやる場合
自社で開発を行う場合、柔軟に対応できることが大きなメリットです。アプリ開発では、途中で仕様変更や機能追加が発生することは少なくありません。外注していると、対応できない場合や追加費用が発生する場合なども考えられますが、自社開発であればスケジュール調整や仕様変更に柔軟に対応できます。
また、自社開発の場合、自社にアプリ開発のノウハウを蓄積できる点もメリットです。その後のアプリ開発でも内製化できることが期待できます。一方で、自社で抱えているエンジニアやディレクターのスキルが高くない場合、希望どおりのアプリが開発できない可能性がある点がデメリットとして挙げられます。ほかの業務とのバランスを取ることも難しく、スケジュールどおりに開発が進まないというリスクもあるでしょう。
●外注する場合
外注するメリットは、専門知識を持つプロにアプリ開発をしてもらえることです。アプリ開発に精通した開発会社に任せることで、クオリティの高いアプリをスピーディーに開発することができます。また、社内にエンジニアがいなくてもアプリ開発を行うことができる点もメリットといえます。もし継続的にアプリ開発を進めたいのであれば、エンジニアを採用して社内に開発チームを発足させても良いでしょう。長期的な目でみれば、開発費用を抑えられる可能性もあります。しかし、単発のアプリ開発であれば、外注するのが現実的です。
一方で、外注には当たりはずれがあることがデメリットとして考えられます。アプリ開発会社によって、スキルの差が大きいのが現状です。外注先によっては、クオリティの低いアプリになってしまう可能性があります。また、社内にノウハウが蓄積されないこともデメリットです。今後もアプリ開発を続けていきたい場合には、アプリ開発の経験値が得られないことは、痛手となるでしょう。さらに、アプリは開発して終わりではなく、リリース後のメンテナンスやバグ修正が必要となります。アプリ開発のノウハウがなければ、そういったアフターケアを自社で行うことも難しくなります。外注先を探す際に、アフなーサポートも行っているかを確認して選ぶようにしましょう。
Windowsアプリ開発外注の費用相場
Windowsアプリ開発外注の費用相場は、300万〜500万円程度です。ただし、アプリに搭載する機能やアプリの種類によって大きく変動します。
アプリ開発にかかる費用の多くは人件費です。そのため、どれだけの人数や期間でアプリ開発を行うかによって開発費用が増減します。機能の多いアプリ、複雑なアプリであればあるほど、開発にかかわる人数が増えるため、開発費用もかさむというわけです。
人件費の目安としては、エンジニアの人月単価が60万円程度、プログラマー・デザイナーの人月単価が50万円程度となっています。エンジニアやプログラマーのスキルによっても人件費は異なるため、大手アプリ開発会社であれば、人月単価が100~200万円程度となる可能性もあります。
Windowsアプリ開発の外注のポイント
Windowsアプリ開発を外注する際には、まず、アプリ開発の工程を知っておくことが重要です。外注先にすべてを任せてしまうと、希望どおりのアプリ開発が行えない可能性があります。ある程度の知識は事前に身に付けておき、任せっきりにならないようにしましょう。
また、開発先に依頼する段階でアプリ要件を明確にしておくことも必要です。開発途中で仕様変更すると、追加で開発費用が請求され、莫大な費用がかかってしまう可能性があります。開発前に要件や仕様をはっきりさせておけば、費用削減にもつながります。
さらに、外注先を選ぶ際には、複数社に見積もりを取ることをおすすめします。Windowsアプリ開発は、外注先の業者の実力が顕著に出ます。開発費用も開発会社によって異なります。安いという理由だけで外注先を選んでしまうと、安かろう悪かろうという状況に陥ってしまうことも考えられます。そのため、相見積もりを行い、複数社をしっかりと比較検討してみましょう。
Windowsアプリ開発は、WindowsというOSで動作するアプリを開発することです。自社開発、外注にかかわらず、アプリを開発する目的を明確にしてからアプリ開発を始めると、スムーズに進みます。外注先を選ぶ際には、複数社に見積もりを取り、十分に比較検討してから選ぶことが重要です。しかし、比較検討には手間がかかるものです。
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