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課題の”若手育成”改善へ。発注ナビのカスタマーサクセスにより受託案件の営業スキームを確立

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株式会社エープラスの扉絵

SIerなどからのSESの営業と、エンドユーザーからの受託開発の営業とでは、そのアプローチから商談の進め方に至るまでまったく異なる。自社のビジネスをSESから受託開発に広げようとして、いざエンドユーザーから直接受注しようにも、どうして良いのか分からないということも少なくない。今回ご紹介する株式会社エープラスは、発注ナビを通じて受託開発の営業スキームを確立していった。その経緯を同社取締役の陳磊氏、および営業の平野佳代子氏にお話を伺った。

 

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社名 株式会社エープラス
所在地 東京都中央区新川2-17-14 桜井ビル4F
従業員数 31 – 50名
事業内容 スマホアプリ開発、Webシステム開発、SES開発支援
掲載カテゴリ

WEBシステム アプリ開発

 

  • 導入前の課題
    日本人エンジニアと中国人エンジニアでSESを軸にビジネスを展開してきたが、コロナ禍で中国人エンジニアが帰国。エンジニアの不足を補うには、日本人の若手育成が課題となったが、SESの現場では難しいため、自社内で開発できる受託案件を増やす必要があった。
  • 導入後の効果
    半年間様子を見たり営業スタッフを採用したりして、入念に準備した後に利用をスタート。発注ナビのサポート担当者に相談しながらエントリー案件の絞り込みや、商談の進め方の改善などを行いながら営業スキームを確立。1件目の受注を契機に、いよいよ本格運用し、若手技術者の育成を開始する。

 

コロナ禍で中国人エンジニアの採用が難しくなり、日本人エンジニアの若手育成が課題に!

「当社は2018年の設立からSESを軸に会社の事業を展開していました。そして3年がたちエンジニアも育ってきたのでお客様先の現場よりも自社内で開発をする機運が高まりました。エンジニアからは、現場から持ち帰って自社内で開発する、あるいは直接エンドユーザーから受注して自社内で開発するといった、受託開発がやりたいという声が聞かれるようになりました」(陳氏)

株式会社エープラスの陳様

取締役 陳磊氏

ちょうど新型コロナウイルスが流行し、渡航自粛や制限が本格化していった時期でもあった。同社では日本人エンジニアと中国人エンジニアが在籍していたが、次第に中国人エンジニアが減っていった。

「みんな母国に帰ってしまい、コロナで出入国が難しくなったこともあり、中国人エンジニアの新規採用も難しくなりました。社員数の減少を補うには日本人のエンジニアを増やすしかありません。しかし、SESの現場に経験の浅い若手を送り込むのはなかなか難しく、若手をどう育成していくのかが大きな課題でした」(陳氏)

SESは開発力をサービスとして提供するため、顧客のニーズにスキルレベルが達していない若手を送り込むわけにはいかない。

「受託開発ならばチームのメンバーを自社で編成できるため、若手とベテランを組ませることで若手を育成することができます。利益よりも今は新人育成が先。喫緊の課題解決のため、自社内開発をメインに据えていこうという方針を打ち出しました」(陳氏)

しかし、それまでほとんど手掛けてこなかった受託開発の案件を、どうやって受注するのか悩んだ。そして、ネットで検索して、案件マッチングサービスをいくつか探し、発注ナビを含めた3種類のサービスを検討したという。

 

最初は様子見。新たな営業スタッフを採用して利用をスタート!

発注ナビの利用を決めるまでに、準備期間を要したという。

「発注ナビの営業担当の方とは2回ぐらいお話をしました。担当者と話すうちに、当社でマッチングサービスを運用していくためには、まずは、エンドユーザーとの商談を担当する営業担当が必要だという結論に至りました。幸いなことに、募集をかけると一人採用できました。他社でマネージャを務めていた人物で、営業兼マネージャとして動いてもらえることになりました。そうして『いよいよ利用を開始しよう』ということになりました。ここまでに半年ほどかかりました」(陳氏)

ようやく利用を開始したものの、最初はなかなか成約に至ることができなかった。

「利用を開始してからトータルで30件ほど紹介してもらいました。紹介後は、当社の商談力が問われるところですが、最初のうちは手探りで進めていたこともあり、なかなか成約には至ることができませんでした。少しずつ反省点をフィードバックしながら、ようやく初受注に至りました。上場企業からのご発注で、内容はスマホアプリの開発でした。既にリリース済みで、現在第二フェーズに入っています」(平野氏)

 

失注の反省をフィードバックしつつ、発注ナビの担当者からアドバイスをもらいながら営業スキームを固めていった!

受注できるということがわかり、同社は発注ナビの契約を更新。これからどう利用していくのかを考えた。

「受託を伸ばしていきたいという点は当初から一貫していました。そこに半年の利用経験から見えてきた、自社の改善すべき点を挙げ、検討していきました。当社のエンジニアは技術のカバー範囲も広く、どのような開発でも一通りできてしまいます。そのため、発注ナビでも、案件の開発分野や開発対象を問わず、すべてにエントリーしていました。発注ナビの担当者から、もう少し案件の対象を絞ってみてはどうかというアドバイスもありました」(陳氏)

「確かに、それまではエンジニアの立場からしか見ていなかったことに気づきました。お客様の立場からすると、当社がどの分野に強いのか、これまでの実績などが気になるとのこと。考えてみたらもっともなお話だったので、当社としても、エントリーする案件を絞り込むことにしました」(平野氏)

最初はWebサービスとスマホプリの開発に集中した。特にスマホアプリは伸びしろと考え「スマホアプリなら何でもお任せ」という体制で臨んだという。ところが、スマホアプリの実績は、初受注した業務用スマホアプリの1件のみというのがネックとなり、なかなか成約に至らなかった。

「音楽アプリやゲームアプリなどは、同カテゴリのものを作ったことがあるかないかという、実績が大きく影響するという印象を受けました。一方で、業務アプリは他のアプリと比較すると実績を求めない傾向だと分かりました。業務アプリは、お客様のビジネスに特化した部分の業務理解の方が重視されるようです。納期や予算が重要なファクターになることも多く、当社としてはオフショア拠点を活用できるメリットがあるため強みを前面に押し出す方針に切り替えました」(平野氏)

そうした分析をもとに、同社は業務システムおよび業務系アプリの開発にフォーカスしてエントリーするようになった。

「発注ナビのサポートがとてもきめ細かく丁寧で助かっています。何よりも、発注企業としっかりつながっているところは安心感があります。ご提案を差し上げたものの、メールのお返事がいただけないときも、きちんと先方に状況を確認してくださるのはありがたいですね。さらに、どうすれば受注に近づけるかを相談して、いくつかアドバイスをもらうといったケースもあります」(平野氏)

こうして同社の受託開発案件に向けた営業スキームは確立されていった。

 

最終段階まで進む商談が増えてきた。二次請けや運用などにつながる案件も視野に入れ、今後は受注を増やして若手の育成を本格化したい!

「ちょうど今、いい感じになってきています。商談もいくつかが最終段階まで進んでいて、いくつかは新たな受注につながるのではないでしょうか」(平野氏)

また、業務アプリ以外にも、受注していきたい案件を見つけ出したという。

「発注ナビの新着案件情報を見ると、開発パートナー探しの案件も数が多いことが分かりました。開発会社からの二次請け案件も数が見込めるかもしれません。二次請け案件だと利益率が良くないかもしれませんが、もともと発注ナビの導入は若手の育成が目的であり、自社内でチームを編成して開発が行えるのなら、それもありだと考えています」(平野氏)

さらにシステムの運用業務を受注するチャンスがあれば、そちらにも手を広げていきたい考えだ。

「当社のオフショア拠点は中国の大連にあり、オフショアでシステムの運用・保守も可能です。大連には世界中から運用保守オフショア拠点が集まっており、周囲には日系のオフショア拠点も数多くあります。システム運用のための人材の調達という面からも同地でのシステム運用をご提案していければと考えています」(陳氏)

今後、同社が期待しているのは当然、若手エンジニアの育成だ。

「SESではエンジニアが、限られた業務しか行わないことがほとんどです。たとえばコーディング担当はひたすらコーディングで、設計を手掛けることはありません。その点、自社内での開発ならば設計からコーディングや、テストまでトータルに携わることができます。技術やノウハウもそうですが、何よりも本人の視野が広がることが大きいですね。早期にその体制を築いていきたいですね」(陳氏)

また、案件ごとに少しずつ違った技術に触れる機会が増えることにも期待しているという。

「技術にこだわりたいエンジニアは、一つの現場に長くいると転職してしまう傾向にあります。技術や知識の幅を広げることで”時代に取り残されてしまうのではないか”というエンジニアの不安を払拭してあげることができれば良いなと考えています」(陳氏)

発注ナビを導入したことで営業スキームを確立しつつある同社だが、他の案件マッチングサービスに手を広げていくかどうかは慎重に検討していくという。

「お客様と接触するチャンスが増えればビジネスも増えていきますが、なかなか手が回りません。現状は、限られたパワーを量に回すのではなく、質に回そうと思っています。受注に向けてどう商談を進め、どう提案をしていくかというところに工数をかけていきたいですね。営業スタッフを増やせばたくさん案件はとれますが、営業コストをどう考えていくかも検討課題だと思います」(陳氏)

 

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