「伝わるではなく伝えることが大切」
そう訴えるのはメセナインターコム株式会社（以下メセナインターコム）の代表である宮園篤雄氏だ。自社のビジネスやサービスのストロングポイントをサイト訪問者にどう伝えていくのか。その手法やノウハウが、ホームページ制作会社の新たな評価基準になるかもしれない。
新進のオンライン個別指導塾エイスタートオンラインは、競争が激化する塾業界において、ちょうど自社の強みをどう伝え、集客につなげていくかを考えていた。
発注ナビを介してエイスタートオンラインとメセナインターコムが出会ったのは、そうした両者の熱い思いが見事にマッチした好例と言えそうだ。そこで今回は、メセナインターコムの宮園氏とエイスタートオンライン統括塾長である原田宣氏にお話しを伺った。
オンライン個別指導塾の集客を図るためにホームページを制作したい
――「エイスタートオンライン」について教えてください。
エイスタートオンライン 原田氏：「エイスタートオンライン」は、小中高一貫したオンライン型の個別指導塾で、集団指導。小4～高卒の浪人生までを対象に完全1対1での個別指導をしています。医学部受験生の指導に強いのも当塾の特徴です。
講師も全国から最強のメンバーをスカウトしており、所属講師は、厳選により高い実績を誇る実力者が揃っています。塾の世界では、1対2あるいは1対3での授業でも「個別」を謳っているところもありますが、当塾は完全な1対1というところがポイントです。他の生徒がいると気後れしてしまうという子も、1対1ならば自分のペースで授業を受けられますし、授業時間すべてを占有できるため、密度の濃い学習ができます。
また、オンライン塾は、生徒は遠隔地で授業が受けられても、講師は1箇所に集まって授業を行う形式もあります。それだと集められる講師に限りがあり、たとえば地方在住の講師を起用するといったことができません。当塾では、講師も全国各地に居ながらにして授業が行えるので、生徒さん一人ひとりにとって最適な授業をご提供できます。
――今回発注ナビを通じてホームページの制作を発注されました。どのようなニーズだったのでしょうか。
原田氏：私はこれまで塾講師や、フリーランスでオンラインの個別指導、大手学習塾のスクール長などを務めてきたのですが、2022年6月にエイスタートオンラインのプロジェクト立ち上げに参加しました。準備期間は2カ月ほどと短く、その間にいろいろと準備を整える必要がありました。その中の1つに集客のためのホームページ作成がありました。自分で集客のためのサイト作成をしてこなかったので、ホームページを作ったことも発注したこともなく、右も左もわからないまま、ある会社に発注しました。
株式会社フォーリーブズ
完全個別指導塾Astart-online【エイスタートオンライン】
統括塾長 原田宣氏
――そのホームページでは目的に叶わなかったのでしょうか。
原田氏：スモールスタートをしたいと考え、WordPressで構築してもらいました。最初のうちはブログをメインで更新していました。しかし、集客のためにはもっと根本的に手を入れなければダメだと考え、制作元にコンタクトを取ろうとしたのですが、連絡が取れなくなりました。自社で編集できないかと試みたのですが、WordPressは編集権限しか与えられておらず、管理者権限がないため、改変するというより、根本的に作り直す以外なくなり、今回の発注に至りました。
――実際にご利用いただいた結果はいかがでしたか。
原田氏：実は以前もホームページ制作の発注先探しで1度発注ナビさんにお願いしたことがありました。その時に、自社の要望に合った企業を紹介されるところに良さを感じていました。なので、今回もまた利用したいと思い、発注ナビさんに問い合わせをしました。自分たちで制作会社を探すと、比較的大手の会社ばかりが検索で出てきます。しかし、若い会社にお願いすると倒産のリスクがある。ある程度しっかりして小回りの利く会社を探すとなった際、要望を満たすのは発注ナビさんだと思っていました。
若い人を育てる教育分野は大切！小さな一歩が大きな一歩になると思い、エントリーした
――メセナインターコム様はどのようなビジネスを展開されているのでしょうか。
メセナインターコム株式会社 宮園氏：私たちメセナインターコムは医療・教育・環境・エンターテインメントの4分野を中心に、様々な「伝わる・伝える」を駆使して企画・制作を手がけています。私はもともと広告会社がキャリアのスタートです。プロモーション展開は得意とするところです。
いわゆるクチコミが商品やサービスの価値を左右してきた分野では、Webプロモーションが特に大きな効果をもたらします。当社が医療・教育・環境・エンターテインメントといった分野を軸にしているのも、そこにビジネスの大きな伸びしろがあるからです。
Web制作はもちろんですが、グラフィックデザインや動画制作のノウハウや機材と映像分野のディレクターも在籍している当社は、写真、映像、コピーなど、いずれもハイクオリティな素材を用いて、Webを通じた様々な「伝わる・伝える」企画・制作を手がけています。
メセナインターコム株式会社
代表取締役 宮園篤雄氏
――今回、エイスタート様の案件にエントリーされました。エントリーしようという判断は、どのようになされたのですか。
宮園氏：案件の内容を見て、社内のメンバーに「これどう思う」ではなく「これやろうよ」と言いました。医療・教育・環境カテゴリーの事業は重要だと常々考えています。とりわけ、塾は若い人を育てる事業ですから思い入れも大きいですね。最初のオーダーは、既存サイトがあり、それをメンテナンスするという内容でした。予算と手間を考えると、多くの会社は足踏みしたかもしれません。しかし、お付き合いしてみたら、小さな一歩が大きな一歩になるかもしれません。この案件は、当社として手掛けておく必要性を感じました。
決め手は“顔が見える会社”であることと、熱量の高い提案。メセナインターコム様の提案は学ぶところが多い
――エイスタートオンライン様へは、メセナインターコム様を含めた3社をご紹介させていただきました。その中からメセナインターコム様を選ばれた決め手はどこだったのでしょうか。
原田氏：メセナインターコム様のホームページを見た時に、宮園さんが自らサイトを訪れたお客様に向けて語りかけているところに魅力を感じました。社長として上に立っているだけでない。今後、パートナーとして長くお付き合いすることも考えると、やっぱり顔が見えているところが良いなと感じました。即決だったと思います。
競合他社については、1社は若い会社で経験という面でやや不安がありました。もう1社はレスポンスで後手にまわっていたので見合わせました。
――メセナインターコム様からの提案も響いたそうですね。どのようなものだったのでしょうか。
宮園氏：提案の中にメッセージが必要だと訴えました。生徒さんはもちろん、その親御さんに向けた塾側のメッセージが大事です。言葉と一緒に熱量が伝わる写真も必要だとお伝えしました。
原田氏：学ぶところがとても多く、本当にその通りだと感じました。その時点では気合が入った写真がありませんでした。そこで熱量の高い写真を撮ることにしました。
宮園氏：現在は「伝わる」ではなく「伝える」ことが大切で、能動的なメッセージを打ち出すことを心がけています。今回のホームページは、まさにそこがポイントです。生徒さん親御さんが、それを見てどう感じるかが成功の鍵を握っています。
原田氏：最初に発注した会社では、宮園さんにしていただいた内面的な提案はしてくれませんでした。フォントをこうしましょう、といった細かなものはありましたが、それ以外はありませんでした。
●メセナインターコム社が手掛けた『エイスタートオンライン』の公式ページ
同じ目線で、どうすれば響くホームページになるか、意見を出し合いながら制作を進めている
――制作は現在進行中（取材時点2023年1月）ということですが、どのようなやりとりをされているのでしょうか。
原田氏：前のHP基準にインパクトとして動画が欲しいとか、細かく説明を並べると情報は深くなるが、長い文章ほど読まれないのでどうするか。もっと細かいところでは、どのようなバナーにするか。サイトマップを作る時点で、SEO対策についてもこういうワードは置いたほうが良いとか、自然流入も増やしていきたいといった話もしていますね。
宮園氏：ページのトップで、ワンステップでオンライン塾の魅力をどう伝えるかが重要だと考えています。今、キャッチコピーも組み込んでいますが、原田さんに「気に入っています」と言ってもらえたので良かったと思っています。エイスタートオンラインは対象が小4から高3までと幅広いため、年代に対するアプローチが1つでいいのかという課題があり、苦心しています。また、塾が設立して日が浅いため、ターゲット層が気にする実績が、まだありません。実績だけではないところで納得感をどう出すかも重要ですね。
原田氏：オンライン授業については、すでに多くの人がコロナで経験済みなので、違和感はそれほどないはずです。しかも今の若い人は、動画を倍速で視聴するなど、時短で効率よく情報を採り入れようとしています。対面の集団だと、どうしても平均的な速度で教えていかなければなりませんが、個別なら、その人の速度に合わせられるという点でも、今のニーズに合っているのではないでしょうか。現状、オンライン個別指導は選択肢が少ないので、大手からの流入も期待できるのではないかと考えています。
――まずはサイト公開による集客だと思いますが、その後の計画など、何かあればお聞かせください。
原田氏：最終的には公教育に携わっていきたいですね。夜間、定時性、不登校対策などをサポートして、国としての学力を上げていきたいと考えています。公教育との接点としては、すでに私立の高校と提携しています。私立では成績が大事。良い成績を上げたいが、コストはかけたくないというニーズにも合致しています。
宮園氏：原田さんにお勧めしているのが、Webとリアルの双方でメッセージを発信していくというもので、具体的には本の出版をお勧めしています。なぜなら、親御さんの行動を見ていると、我が子が受験の年齢になると、まず本屋さんに足を運ぶ傾向が強いからです。教育や受験関連の書籍のコーナーを一覧して、そこから情報を取得していくことが多い。ニッチに思えるかもしれませんが、教育熱心な親御さんは、体系的にまとめられた書籍で情報を得ようとするので、ターゲット層に一定の効果が期待できるでしょう。
――マーケティングに強いメセナインターコム様ならではのご提案ですね。ありがとうございました。
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