
株式会社シェアウィズは、申し込みの受付から受講、オンライン試験、証明書発行までを一気通貫で支えることが可能な学習管理システム「WisdomBase(ウィズダムベース)」を開発・提供しているシステム開発会社だ。研修会社や学校、業界団体などの多様な要望にも柔軟に対応できる一方、対象市場が限られるバーティカルSaaSであるため、自社の強みを必要とする企業・団体と出会うことが難しいという課題があった。アウトバウンド営業では顧客獲得単価(CPA)が合わず、新たな接点を求めて導入したのが発注ナビだ。商談日程が確定した時点で課金される仕組みに魅力を感じて利用を始め、東京大学大学院医学系研究科の研究案件を受注。自社営業だけでは思いつかなかった用途を見いだし、製品の可能性を広げている。同社代表取締役社長 CEOの辻川友紀氏に、導入の背景や得られた成果、案件を見極める際の工夫を伺った。
| 社名 | 株式会社シェアウィズ |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府大阪市中央区南久宝寺町3-2-7 第一住建南久宝寺町ビル8F |
| 従業員数 | 1 – 30名 |
| 事業内容 | スキル証明ソリューションの開発・運営 |
| ITセレクト掲載製品 |
WisdomBase |
| ITセレクト掲載カテゴリ | eラーニング・学習管理システム CRM(顧客管理システム) 販売管理システム |
- 集客チャネルの限界:対象が限定的なSaaSのため、Web広告やSEOでターゲット層を集客しにくかった。
- アウトバウンド営業の課題:潜在ニーズを拾い上げにくく、獲得単価(CPA)が合わなかった。
- 費用対効果への懸念:リード獲得数が予測しにくく、固定費型のサービスを利用することに不安があった。
- 新用途の開拓:東京大学の研究案件を受注し、自社では思いつかなかった製品の活用方法を発見できた。
- スムーズな商談の実現:要件や導入目的が固まった発注者と出会えるため、商談から先の進展がスムーズになった。
- コストを抑えた新規商談:商談確定時に課金される従量課金制により、無駄なコストを抑えて商談に挑戦できた。
研修・講習会・検定の運用を一気通貫で支える「WisdomBase」
株式会社シェアウィズは、法人向けITサービスやソフトウェアの開発・販売を手掛ける企業だ。現在の主力製品であるWisdomBaseは、研修、講習会、検定などをオンラインで実施・運営するための学習管理システムで、一般企業の従業員研修だけに用途を限定していない。主な利用者として想定しているのは、社外向けに研修を提供する研修会社や学校、定期的な講習会や検定を主催する業界団体などだ。
代表取締役社長 CEO 辻川友紀氏
WisdomBaseは、受講者の申し込み受付からオンライン講座の配信、試験の実施、受講証明書や合格証の発行まで、一連のプロセスを一つの環境で管理できる。また、オンライン試験では主催者側に管理画面が提供され、試験内容や問題を自ら設定できることも特徴だ。直前に修正が必要になった場合も管理画面から対応が可能で、自宅などから受験するオンライン型だけでなく、指定会場のPCで受験する会場型の試験にも活用できる。
辻川氏は、同製品の特徴について、「申し込みの受付からオンライン教育、オンライン試験の実施、受講証明書や合格証の発行まで、一連の運用プロセスを丸ごとソリューションとして提供できる製品です。多様な要望に柔軟に対応できることと、手厚いサポートを特に評価していただいています」と説明する。
幅広い機能を組み合わせ、顧客が実現したい運用に合わせてカスタマイズできる点が同社の強みだ。ただし、機能の幅が広いからこそ、どの企業・団体に、どの用途で提案すべきかを見極める難しさも抱えていた。
ニッチなSaaSゆえに顧客と出会えない。アウトバウンド営業ではCPAが合わず
WisdomBaseは、研修提供者や試験主催者など、特定の業務に深く対応するバーティカルSaaS(特定の業界・業種向けに作られたSaaS)だ。製品が解決できる課題は幅広い一方、「オンライン試験システムを導入したい」「講習会をオンライン化したい」といった明確なニーズが生まれるタイミングは限られる。そのため、Web広告やSEOなどのデジタルマーケティングだけで、製品に合致する顧客を安定して集めるのが難しかった。
新規顧客との接点を増やすため、同社は過去にテレアポ代行などのアウトバウンド営業も試した。しかし、幅広い企業へ電話をかけても、ちょうど検討時期を迎えた相手に出会える確率は低いという課題も分かった。「手当たり次第にアプローチしても、『ちょうどオンライン試験システムを検討している』というお客様にピンポイントで出会える確率は極めて低く、アポイントすら獲得できませんでした。対象となる市場が限られるニッチな製品なので、CPA(顧客1件を獲得するためにかかった費用)がまったく合わなかったのです」(辻川氏)
細かく対象を絞り込まなければ潜在的なニーズを拾い上げにくい。だからといって、対象を狭めるほど接触できる顧客となる企業、団体の数も減っていく。このジレンマを解消するには、すでに課題が顕在化し、具体的なシステム導入を検討している発注者と効率良く出会える仕組みが必要という結論に至った同社は、発注ナビをはじめとしたITマッチングサービスの利用を検討した。
商談確定時の従量課金が導入の決め手。要件の明確な案件へ効率的に提案
複数のマッチングサービスを比較・併用する中で、同社が発注ナビに魅力を感じた理由の一つが、発注者の要望や予算、納期などが案件情報として整理されている点だ。これにより、相手がどのようなシステムを必要としているのかを確認した上で、自社製品との適合度を判断できる。また、IT関連の案件や、具体的な開発・導入意欲を持つ発注者がそもそも多いということも、他社のサービスとの違いとして感じているという。
また、掲載時点で実現したいことや判断基準がある程度整理されている点も評価している。「『これが実現できるのであれば導入します』という判断基準を持つ発注者様が多く、検討段階がまだ曖昧な相談に比べて、商談から先の進展が非常にスムーズです」(辻川氏)
そして、導入のもう一つの決め手は、商談日程が確定した時点で課金される従量課金の仕組みにあるとのことだ。例えば、会計ソフトのように対象企業が広い製品ならば、一定数のリードを見込みやすく、固定費型の施策でも投資判断がしやすいだろう。一方、同社のWisdomBaseの場合は、対象市場が限られやすいことから、毎月どれだけ自社に合う案件が生まれるかを事前に予測しにくい。そのため、固定費だけが継続して発生する施策は、費用対効果の面でリスクが高いのだ。
「当社のようにターゲットが限定される製品では、固定費がかかり続けると、費用対効果が合うだけのリードを本当に獲得できるか分かりません。発注ナビはアポイントが確定した時点で初めて課金されるので、無駄なコストを発生させず、リスクを抑えて運用できる点が自社の製品特性に合っていました」(辻川氏)
同社では、3人ほどのメンバーが定期的に案件情報を確認している。通常のシステム構築案件を見る担当者に加え、教材、動画、試験問題などの制作案件を中心に見る担当者を置くなど、役割を分けているのが特徴だ。例えば、制作だけを求める案件でも、教育用コンテンツであれば、将来その教材を配信・販売するLMSが必要になる可能性があるだろう。目の前の受注だけでなく、中長期的な接点づくりも視野に入れてエントリーを判断していることも、同社の工夫の一つだ。
また同社は、発注者への提案時、過去に類似する導入事例があれば、実績を具体的に記載するようにしている。案件名に「eラーニング」や「オンライン試験」という言葉がなくても、WisdomBaseの機能を組み合わせれば要望を実現できないかを考える。こうした『少しでもかすりそうな要素』を見逃さない同社の姿勢が、後に大きな成果につながった。
東京大学大学院の研究案件を受注。想定外の案件が製品の可能性を広げた
発注ナビの活用によって得られた象徴的な成果が、東京大学大学院 医学系研究科へのWisdomBase導入だ。相談内容は、医師ががんの病理画像を見て診断する際、医師自身の知識だけで判断する場合と、AIによる補助ツールを使う場合とで、診断の速度や精度がどう変わるかを定量的に評価するための実験環境を構築したいというものだった。
WisdomBaseは、もともと学術研究用の実験システムとして開発された製品ではない。しかし、オンライン試験の機能には、制限時間を設定し、回答までにかかった時間を自動記録する仕組みがある。案件情報を見た同社は、既存の機能を組み合わせれば実験要件を満たせる可能性があると判断し、提案に踏み切った。その結果、必要な機能が研究内容に合致し、導入が決まった。
「『自社製品にこんな使い方があったのか』と、私たちも本当に驚きました。自社営業だけでは絶対に思いつかなかったユースケースです。発注ナビで案件を見つけてエントリーしたからこそ出会えた案件で、発注ナビがなければ獲得できなかったと感じています」(辻川氏)
同案件はWisdomBaseの公式サイトで導入事例として公開され、新たな活用方法を社外へ示す実績にもなった。定量的な成約率や案件数は集計していないものの、自社の既存チャネルでは届かなかった顧客と接点を持ち、製品の用途そのものを広げられたことは大きな効果だ。
一見すると対象外の案件でも、積極的に可能性を模索していく
辻川氏は今後も、製品をそのまま導入する案件だけでなく、一見すると対象外に見える案件の中からも新しい可能性を見つけたいと話す。WisdomBaseは一度導入されると長く利用されることが多く、だからこそ最初の顧客接点をどう生み出すかが重要になると考えているためだ。教材や動画、試験問題の制作を入り口として、将来のLMS導入まで長く伴走できる顧客を増やすことも目指している。
同社はこれからも発注ナビの案件情報を丁寧に読み、キーワードだけでは拾えない「別の角度から提案できる案件」をどう発見するかを軸に、自社の機能を起点に可能性を考え、これからも新たな接点とユースケースを開拓していく方針だ。
リード獲得の課題は「発注ナビ」で解決!SaaS・IT製品に特化したビジネスマッチング
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