Webサイトの立ち上げを考えた時、Webサイト制作会社に依頼するという方法があります。その際、制作会社から提示されるのがサイト制作にかかる費用の見積もり金額が記された見積書です。
ゼロからスタートする人の中には見積書をどのように見るのかわからない方も多く、見積書の単価は妥当であるのかを判断することが難しいでしょう。記載されている項目の意味がわからず、見積もりの金額や用意できる予算に過不足があるのかなど、頭を悩ませてしまうこともあります。
そこで今回はWebサイトの見積もりを適切に取りたい方向けに、Webサイト制作会社に依頼した場合の金額の相場、依頼する際の注意点について徹底解説します。企業のWebサイトや商品紹介ページなどを作りたい企業担当者の方は、ぜひご参照ください。
目次
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Webサイト制作会社の見積もりの主な項目
Webサイト制作の見積もり金額が適切かどうかを判断するためには、ホームページ制作会社から提示される見積もりの主な項目について理解する必要があります。
Webサイト制作の見積書によくある項目の内訳は、以下の通りです。
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進行管理
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KPI・コンセプト作成
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サイト設計
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デザイン
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SEO施策・マーケティング支援
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コーディング
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素材作成・購入
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撮影
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環境構築
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デバッグ・テスト
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管理・メンテナンス
●進行管理
進行管理は、Webサイト制作プロジェクト全体の進行を管理しつつ、発注者への問い合わせ、質問の対応、制作内容や仕様の説明といった窓口業務を担当する「Webディレクター」や「プロジェクトマネージャー」の人件費を指します。会社によっては「ディレクション費」「企画費」「企画構成費」「プロジェクト進行費」などと記載されている場合もあります。
Web制作においてディレクション担当者の存在は重要で、Webディレクターやプロジェクトマネージャーの実力によって、Webサイトそのものの質も左右されるといわれています。
そのため、エンジニアやデザイナーのように直接手を動かす人ではないからといって、安易に予算を値引きしないようにしましょう。
●KPI・コンセプト作成
KPI・コンセプト作成とは、プロジェクトの企画部分に関する費用を指します。
目標達成のための指標となるKPIや制作物のコンセプトは、Web制作会社とクライアントが打ち合わせや協議をしながら決めることになるため、ミーティング費などもKPI・コンセプト作成の中に含まれます。
●サイト設計
サイト設計費は、サイトの全体像を表すサイトマップやワイヤーフレームを設計するための作成費用を指します。サイト設計に力を入れているWebサイト会社は、単独で「サイト設計費」として見積もりに記載していますが、進行管理費やディレクション費に含まれていることもあります。なお、見積書に「0円」とされている場合には、基本的にサイト設計は制作会社が作成するのではなく、発注者であるクライアントに用意してもらうという意味です。
サイトマップやワイヤーフレームを発注側・制作側どちらが準備するのか、どちらがどの程度の作業範囲で対応するのかなどは、事前に打ち合わせしておけると良いでしょう。
●デザイン
一般的にデザインに関する費用は、制作するページ数で金額が変わるページ単価のパターンと、人日などの日にち単位で見積もりされているパターンの2種類に分けられます。ページ制作内容にもよりますが、おおまかにWebデザインは、PC版の場合スマホ版の倍の費用がかかるものとイメージを持っておくと良いでしょう。
なお、トップページや下層ページなど、より重要度が高いページに絞ってデザインを依頼することが多くなっているため、何ページ程度をどのようなデザインで依頼するのかは制作前に確認しておくことが重要です。
このほか、ロゴ制作を依頼する場合には、追加費用が発生することもありますのでご注意ください。
●SEO施策・マーケティング支援
Webサイトは制作して終わりではなく、ネットを利用する人に制作したサイトの存在を知らせ、実際に訪問してもらうことが大切です。
そのためWebサイトを制作するにあたり、SEO・マーケティング施策は必須です。検索上位に掲載されるために、アクセス解析などの現状分析や競合サイトの調査を行います。また、記事などのコンテンツマーケティングを得意とする会社の場合は、コンテンツの制作・移管・入稿に関する作業がこちらに含まれることもあるでしょう。
SEO施策の場合は、ネット検索を利用するユーザーによく検索されるキーワードを網羅し選定することが重要です。
●コーディング
Webサイトをブラウザで正常に表示されるようコーディング作業の費用がこちらに含まれます。
デザイン案が完成したサンプルをベースとして、HTMLで見出しをつけたりリンクを設定したりしてブラウザで見える形にし、サンプル通りのデザインでブラウザに表示されるようCSSを使って装飾を施します。
なお、現在のWebサイト制作において、ユーザーがパソコンやスマートフォン、タブレットなどどの端末で見ても正常で違和感のないレイアウトで表示されるように自動調整するレスポンシブ化の作業も、通常のコーディング作業の範疇に含むとする考え方が一般的です。
レスポンシブ対応がされていないと、どんなに内容がよくても「自分の使っている端末で見づらい」という理由でサイトから離脱されてしまうため、Webサイト制作でレスポンシブ化は必須と言われるほど重要な工程です。見積もりや契約の際は、制作会社に「スマホ対応をしてもらえるか」は確認しておきましょう。
●素材作成・購入
サイトに掲載するための画像、イラスト、動画などを制作会社に作成してもらったり、素材を用意してもらったりする際にかかる費用です。「デザイン」に含むケースもあります。
イラストレーターやグラフィックデザイナー、動画編集者が制作会社内にいる場合は基本的に社内で素材を制作できますが、制作会社内に担当者がいない場合は、社外にいる専門分野のパートナーを手配し、外注することになるでしょう。
●撮影
企業サイトなどを制作する場合、建物の内観・外観、自社製品、社内の人物などを撮影し、写真画像や動画としてサイトに掲載することもあるでしょう。そのための撮影にかかる費用がこちらに含まれます。
素材作成・購入の場合と同じく、制作会社側でカメラマンやフォトグラファーを手配することになりますが、写真や動画は撮影する個人のスキルや得意分野によって、印象が変わりやすい特徴があります。
可能であれば、制作会社が契約する前にこれまでのポートフォリオやサンプルを提示してもらい、どのような特色の撮影ができるカメラマンなのか確認するようにしましょう。
●環境構築
サーバー・ドメインの購入と設定、CMSの構築、お問い合わせ機能やSSLの実装といった、コーディング費以外の開発部分の費用です。
具体的にどのような作業をどの程度行うのかが制作会社によって細かく変わりやすいため、見積書の内容をしっかり確認しておきましょう。
●デバッグ・テスト
Webサイトが完成した後、ユーザーがサイトを訪れさまざまな操作をすることを想定して、機能が正常に動作するかどうかを確認するための作業にかかる費用です。
具体的には、コンテンツの表示形式や誤字脱字、コラム・ユーザーコメントなどの投稿機能、フォームの送受信動作などを中心にチェックが行われます。
サイトの規模が大きくチェックするページ数が多い場合や、テストのために複雑な作業や機能実装が必要な場合は費用が高くなるケースもあるため注意しましょう。
●管理・メンテナンス
制作したサイトをWeb上に公開した後の運用や保守にかかる費用です。
一般的には障害やバグが発生してサイトを閲覧できなくなった際のメンテナンス対応などが中心となりますが、CMSのバージョンアップやセキュリティ対策、コンテンツの更新なども管理・メンテナンス作業とする制作会社もあります。
どの範疇を管理・メンテナンスとするかは制作会社によって変わりやすいため、事前に制作会社とよく確認・検討しておきましょう。
Webサイト制作の見積もり料金相場
ここでは、以下4種類のWebサイト制作案件を想定し、想定される見積もり金額の料金相場をご紹介します。参考にしてみてください。
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コーポレートサイト
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ECサイト
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オウンドメディア
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WordPress
●コーポレートサイト
コーポレートサイト(企業サイト)とは、商品やサービス、企業の採用などの情報を伝えるサイトです。コーポレートサイト制作にかかる費用は、サイトの規模や作業内容によって異なります。
小規模サイトの場合
シンプルで小規模なサイトの場合の料金相場は、20万~30万円程度です。小規模の場合には、もともとあるテンプレートを使用するケースが多くなっています。大手のWeb制作会社は小規模サイト制作案件を断ることも多いため、フリーランスや個人で活動している制作会社に依頼することになるでしょう。制作期間は1週間~1ヶ月程度の場合を想定することが多いです。
中規模サイトの場合
中規模のコーポレートサイトの制作には、30万~50万円程度が料金相場となっています。さらに、毎月の運用費用として1万円程度かかります。
フリーランスもしくは中小規模のWeb制作会社に依頼することになります。制作にかかる期間は2週間~2ヶ月程度であると考えると良いでしょう。企業ロゴの制作などを依頼する場合は、追加料金が発生します。
大規模サイトの場合
企業の情報をしっかりと掲載した大規模サイトの制作には、50万~100万円程度の費用がかかります。オリジナルデザインの作成や画像素材を制作会社が用意してくれるケースが多く、完成度の高いサイトの制作が可能です。サイトの内容も、サービス情報や採用情報など詳細なものとなります。大手のWeb制作会社に依頼することが可能で、制作会社とクライアントとのやり取りにも時間をかけることができるため、満足できるコーポレートサイトを制作できるでしょう。
制作にかかる期間は、2ヶ月から4ヶ月程度です。100~300万円程度の費用をかけると、SEO対策やSNSマーケティングなどを絡めてWebからの集客を高めることも可能になります。
●ECサイト
ECサイトとは、企業が取り扱う商品やサービスをユーザーに向けて販売するためのWebサイトのことです。
ECサイト制作の料金相場は、ECサイトの種類によって変わるのが特徴です。ここでは、代表的なECサイトの種類をいくつか挙げ、一般的な費用感を紹介していきます。
ASPの場合
ASPとはApplication Service Providerの頭文字を取ったもので、インターネットを利用してサービスを提供する事業者もしくはサービスそのものを指しています。ソフトをインストールすることなく、ネット(ブラウザ)で簡単にECサイトを始めることができます。構築費用、維持費ともに低コストというメリットがあります。費用相場は安価なASPを使えば10万円以下、制作期間は1週間~1ヶ月程度です。ASPの代表的なものとしてBASE、カラーミーショップなどが挙げられます。
オープンソースの場合
オープンソースとは、無料で公開されているECサイトの構築システムのことです。自由にカスタマイズできるのですが、専門的な知識が必要となります。ECサイトシステムに強いWeb制作会社に依頼すると良いでしょう。自社にECサイトに強いエンジニアがいる場合は、無料で構築を行うことも可能です。費用は、10万~100万円と相場の幅が広くなっています。制作にかかる期間は1ヶ月から2ヶ月程度です。
パッケージの場合
「OrangeEC」や「ecbeing」などのパッケージを使用する方法です。初期費用や維持費がかかりますが、カスタマイズ性が高いため、柔軟な対応をすることが可能です。独自機能は開発してもらう必要がありバージョンアップにも費用がかかるため、コストを削減したい場合には不向きです。
費用相場は、100~500万円とかなり高額になります。制作にかかる期間は、2ヶ月~5ヶ月程度です。
フルスクラッチの場合
フルスクラッチとは、既存のコードやアプリを使用することなくゼロから作り上げることです。完全にオリジナルのシステムを開発するため、カスタマイズ性が高いメリットがある反面、必要な作業工程が多く高額な費用がかかります。独自のものが作れるため、別システムとの連携ができるなど機能面においても思いのままに制作することができます。費用相場は、500万円以上で機能の追加によっては上限がないともいえます。制作期間も同様に上限はありませんが、4ヶ月~8ヶ月程度かかると考えてください。
●オウンドメディア
オウンドメディアは「Owned media」、つまり自社所有メディアのことで、長期的な集客を目的とするのに適した媒体です。ブログ形式のWebサイトのことを指していると思っている方も多いのですが、自社の公式ホームページもオウンドメディアとなります。
簡易サイトの場合
簡易サイトを活用することで、コストを抑えることができます。オリジナルデザインの作成やSEO対策は自分達でやらなければならないというデメリットがあります。自社独自の色を出したデザインは望めませんが、ライトな仕上がりでも良い場合はおすすめです。費用相場はおよそ20万円以下で、制作期間は1週間~1ヶ月程度です。
オリジナルデザインの場合
簡易サイトのテンプレートを利用せずオリジナルデザインを作成すると、デザインにこだわったクオリティの高いオウンドメディアが完成します。また、使い勝手の良いオリジナルデザインのWebサイトにすると集客率もアップしやすくなります。費用相場は、20万~100万円以下と高額になります。制作期間は1ヶ月~2ヶ月程度です。
SEO支援を含む場合
オリジナルデザインの制作にライティングなどのSEO支援を含めることで、検索結果の上位に表示されることが期待できます。検索結果の上位に表示されるとユーザーがサイトへ流入しやすくなり、さらに集客率を上げることができます。SEO施策には3ヶ月~12ヶ月の期間がかかることが多く、費用は「初期費用+(月額運用費×月数)で算出されます。初期費用相場は10万~30万円、月額費用は10万~50万円程度です。
●WordPressを使ったページ
WordPress(ワードプレス)は、世界で最も利用者が多いオープンソースのCMSです。ブログやコラムといった記事コンテンツを長期的に投稿する運用法と相性が良く、コーディングやプログラミングに関する専門的な知識がなくても簡単にカスタマイズすることができ、SEO対策がしやすいというメリットがあります。
WordPress利用時のWebサイト制作の料金相場は、その時の状況に応じて異なりやすいのが特徴です。
テンプレート使用の場合
WordPressでは、デザインテンプレートのことを「テーマ」と呼びます。WordPressの公式サイトやテーマ制作者の公式サイトで提供されているテンプレートをインストールすることで、手軽に完成度の高いデザインのWebサイトにすることができます。
テーマはオリジナルで作成することも可能ですが、依頼した場合は有料です。そのため、無料で公開されている既存テーマを使用することで費用が安くなります。しかし、無料のテーマを使用してもカスタマイズを行う場合は工数がかかるため、有料になってしまいます。テンプレートを使用した場合の費用相場は、2万円程度です。
オリジナルデザインの場合
WordPressは世界中で利用されていることから、数百種類以上のテーマが存在しているといわれています。しかし中にはフルスクラッチでのテーマ作成を依頼するケースも少なくありません。オリジナルデザインだと自社の個性をフルに表現可能ですが、その分費用もかかりやすいです。
オリジナルデザインの費用相場は大まかに1万~2万円程度ですが、デザインの要望を減らしシンプルに作成してもらえば、さらに料金を抑えることもできるでしょう。
大規模サイトの場合
大規模サイトの場合、手間や時間をかければ納得のいくものが作れますが、それだけ作業の工数が多くかかりやすく、料金も高くなってしまいます。
ただし、ページ数が多くても既存テーマを流用して作成する、といった方法で外注すれば料金は抑えられるため、目的に応じた適切な作業内容の依頼が重要になるでしょう。費用相場は、おおよそ80万円以上です。
サイトの作成方法や依頼先の企業、サイトに実装する機能によって、サイト制作にかかる費用は異なります。ここまでに紹介した見積もり金額の相場は、あくまで目安である点を留意しておきましょう。サイト制作を依頼する際は、しっかりと見積もりを出してもらい「具体的な金額」を計算してもらうのが理想です。
Webサイト制作の見積もりを依頼する際の注意点
目安となる料金を紹介できたところで、見積もりを依頼する際に注意したいポイントについて解説しましょう。ポイントを押さえることでスムーズに作業を進めることができます。
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情報は具体的に伝える
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見積もりは数社に依頼する
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見積もり前にWebサイト制作の目的を決めておく
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担当者とのコミュニケーションに問題はないか確認する
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不明点は質問して解消する
●情報は具体的に伝える
見積書作成に必要な情報は、具体的に伝えてください。現状の課題や要望や、Webサイトに期待する点、希望納期などを細かく伝えることで、見積もりで正確な製作費が算出しやすくなります。情報が少ないとアバウトな見積もりが出てくる可能性があり、実際に請求された時に差が大きくなり問題になる可能性があります。
●見積もりは数社に依頼する
Web制作会社に見積もりを依頼する場合は、1社だけでなく必ず2社以上に依頼して比較する「相見積もり」をしてください。適正な価格の判断は難しいですが、比較をすることは大切です。契約時にトラブルにならないよう、あらかじめ複数のWeb制作会社に依頼をしていることは伝えましょう。
●見積もり前にWebサイト制作の目的を決めておく
Webサイト制作は、「そのサイトで何をしたいのか」に応じて、最適な制作方法や使用する技術、予算や工数のウエイトが変わってくることが一般的です。
たとえば集客を目的としたオウンドメディアを運営したい場合は、WebデザインやCMSの構築にかかる費用のうちいくつかを減らし、その分を記事制作やライティング、SEO対策の費用に充てる必要が出るケースもあるでしょう。
反対に、制作したサイトで自社サービスのブランディングや認知拡大がメインの目的であり、マーケティングはひとまずSNSのみを考えているといった場合は、ライティングへの予算をデザインのブラッシュアップやSNS運営費用に充てるのが適切です。
Webサイト制作の目的がブレてしまうと、本来であれば適切に使えるはずの予算に無駄が生じてしまったり、必要なはずだった施策に取り組めなくなってしまうなどのトラブルも起こり得ます。見積もりを依頼する前に、「このサイトは何のために制作するのか」を改めて社内で協議したり、認識をすり合わせてみましょう。
●担当者とのコミュニケーションに問題はないか確認する
制作会社からの見積書を並べて、金額の安さや納期の短さだけで発注先を判断するのは危険です。目的をより確実に達成できるWebサイトを制作するため、制作会社からの提案内容や得意分野などを鑑みて、プロジェクトにマッチしているかどうかを必ず考慮しましょう。
特に注意したいのが、制作会社側の窓口役となるWebディレクターやプロジェクトマネージャー、実際に作業を担当するエンジニアやデザイナーといった担当者のコミュニケーション能力です。こちらの意図や要望を正確に把握し適切な対応ができるかどうか、提案や説明に不明瞭で不審な点はないかなどを、ヒアリングやミーティングの席で確認しましょう。
●不明点は質問して解消する
Web制作は意味が分かりづらい専門用語が多く、見積書に記載された項目名も何に関する料金なのかが不明瞭に感じることも多いです。そのため、少しでも疑問やイメージしづらい点があった場合は理解が曖昧なまま放置せず、必ず制作会社へ質問しましょう。
特に、初めてWebサイト制作を依頼する場合は、制作会社の担当者から説明を受けるがまま、何となく契約してしまうことも多いので注意が必要です。本来であれば不要なサービスに多くの費用をかけてしまう場合があります。
制作会社の担当者のコミュニケーション能力を確認できるメリットもあるため、分からないポイントは契約前の段階で必ず問い合わせて、誠実かつ丁寧に対応してくれる良心的なWeb制作会社かどうかを確かめてみましょう。
Webサイト制作の見積もりが変動する主な要因
「複数の制作会社に相見積もりを依頼したら、金額がかなり違う」と驚いた経験を持つ方もいるのではないでしょうか。
同じWebサイト制作案件でも見積もり金額が会社によって変動しやすいのは、いくつかの要因が理由です。ここでは、変動の要因として考えられる代表的な例を挙げていきます。
●価格設定の条件の違い
Webサイト制作の見積もり価格の設定方法には、「作業項目ベースで決めるもの」と「工数ベースで決めるもの」の大きく2種類に分けられます。そのため、制作会社がどちらの方法で見積もりを出しているかに応じて、金額に変動が起こる場合があります。
2つの設定方法にはそれぞれにメリットとデメリットの両方があります。どちらか一方のみが正しい、というわけではないので、どの方法で見積もりを提示されても、適正価格かどうかを判断できるよう理解することが大切です。
作業項目ベースの場合
ここまで解説したように、「サイト制作」「Webデザイン」「マーケティング」……と項目を分け、それぞれの作業ごとに価格を設定しているケースです。
作業ごとに価格がまとまっているため費用感が大きく感じやすい分、どの作業にどれだけの費用がかかるのかが理解しやすいメリットがあります。制作会社側も必要なリソースをある程度把握して見積もりを算出しているため、期待したクオリティのホームページが納品されやすいメリットがあります。
一方、見積もりの段階で想定されていない追加作業が発生した場合は見積もり金額の再算出となり、追加費用の支払いが必要となるのが一般的です。
工数ベースの場合
プロジェクトに関わるエンジニアやWebデザイナー、ディレクターなどの人件費を算出し、作業に必要な日数をかけ合わせて価格を設定するケースです。
たとえば担当者の人件費に3万円かかるとして、Webサイト制作に15日かかる場合、見積もり金額は45万円になります。
作業項目ベースよりもさらにそのプロジェクトにかけられるリソースを重視して見積もり金額を出しているため、仕様変更などに対応しやすいです。
しかし、それぞれの作業ごとの具体的な費用感を出さないことが多いため作業の中身が分かりづらく、見積もりが適正価格かどうかが若干判断しづらくなる面もあります。
●開発要件
サイト制作を行う際は、制作会社側に「どんな目的を持っていて、どんなことができるWebサイトにしたいのか」を伝えることで、制作会社はその要望を叶えられるサイトを作ります。
しかし、使用するプログラム言語や開発手法、実装する機能といったさまざまな条件が要因で、要望の実現のために費用が多くかかったり、想定外の費用が生じてしまったりすることがあります。
このため、制作会社が持つ開発環境や人的リソースに応じてどのような要望をどれだけの金額で叶えられるのかが変わりやすく、制作会社ごとに見積もり金額の差や変動がみられることがあるでしょう。
●制作するページのボリューム
ページ単位で見積もりを出している制作会社の場合、制作するページにどんなコンテンツをどれだけ設置するのか、どんなデザインにするのかに応じて担当者の工数が変わるため、それに応じて見積もり金額が変わることがあります。
もちろん、コンテンツやデザインの質・量にこだわればこだわるほど、それだけ金額も高額になっていくでしょう。また、1ページのみでなくWebサイト全体のデザインを包括することも多いトップページのみ、他のページより金額を高くしているケースもあります。
トップページ直下に設置する下層ページの枚数が1つ増えるごとに金額が増えることもあるため、どの程度の規模のサイトにするのか、どのようなページが必要なのかを事前にしっかり確認しておきましょう。
Webサイト制作の見積もりを安く抑える主な方法
Webサイト制作の見積もりを依頼する際は、次に紹介するいくつかのポイントを押さえることで、見積もり金額を安く抑えやすくなります。
制作会社が無駄のない見積もり金額を提示しやすくなり、正確で無駄のない、質の高い提案をしやすくなるメリットもあるので、ぜひ試してみてください。
●RFP(提案依頼書)を作成する
RFPとは、制作会社に依頼したい内容をまとめた「提案依頼書」のことを指します。今回のWebサイト制作における自社の要望や制作会社に提案してほしい項目を記載し提出することで互いの認識のすり合わせに役立ちます。またそれだけではなく、要望に対して制作会社からプロ視点の提案やアドバイスをもらうこともできます。
制作会社は発注者(クライアント)に作成してもらったRFPの内容をもとに提案書と見積書を作成します。そのため、RFPにまとめた要望・予算・納期などが分かりやすい程不要なサービスを排除しやすく、費用の削減につながります。
●Webページを統合して、作成するページ数を減らす
サイト制作の費用を抑えるためには、ボリュームに無駄がなく、必要な情報を集めたページのみのサイト制作を依頼することが大切です。不要なページ作成の手間が省ける分、制作会社の作業量が減るため、ページ枚数ごとに増える見積もり金額を安く抑えられるでしょう。
Webサイトの目的や本当に必要なページは何なのかを改めて明確にし、不要なページ作成まで依頼していないか、2ページに分かれた情報を1ページに統合できないかなどを検討してみましょう。
●自社でできる作業は自社で行う
制作会社が担当する作業を減らし、発注側である自社でできる作業は自社で行うことも費用を抑えるために有効です。
たとえば、サイトに掲載する画像や動画などの素材を提供する、SEO対策を含めたWebサイトの管理・運用を自社で行うなどは代表的な方法といえるでしょう。
デザインやコーディングなどの専門的な知識がなくとも適切に運用しやすいメリットを持つCMSを使用するサイト制作の場合、特に有効です。
Webサイトの制作会社の選び方
最後に、Webサイト制作会社を選ぶ際は何に注目して選んだら良いのか、選び方のポイントをご紹介します。
●実績を確認する
同じ業界のWebサイトを作成した実績を確認しましょう。制作されたサービスサイトやコーポレートサイトなどを実際に訪問して確認することで、ご自分が理想とするものと近いのかどうかがわかります。実績を積み上げている企業であるほど、より具体的な話を聞くことができるでしょう。
●マッチングサービスを利用する
Webサイト制作を依頼するのが初めてで誰にどのように依頼すればよいのか分からない場合は、Web制作会社と発注者をマッチングしてくれるサービスを利用するのも良いでしょう。条件や得意分野、制作費用などの項目で理想にあったWeb制作会社を見つけることができます。
マッチングサービスを利用する際も、見積もりを依頼する場合と同様、複数のマッチングサイトを利用してみるのがポイントです。必要項目を入力するだけなので、アウトソーシングのノウハウがなくても、手軽にWeb制作会社を探せるのが魅力です。
Webサイト制作の見積もり・発注は複数社で比べて検討しよう
Webサイト制作会社に見積もりを依頼する際には、同じ業界のWebサイト作成の実績があるかどうか確認しましょう。
依頼したい場合、同じ業界もしくは同じ目的のサイト制作実績を積んでいると安心です。Webサイトの目的やターゲットを明確にして、可能な限り具体的に情報を提供するようにしてください。見積書は、1社だけでなく複数の会社に依頼をして比較をすることをおすすめします。Webサイトを作成するための費用は、10万円程度から500万円以上とかなりの差があります。追加料金の発生も考慮のうえで、作成してみてください。
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