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AI開発のプログラミングで実装できる機能や言語の選び方を解説

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AI開発の機能や言語の選び方のイメージ図

AIを開発するには、システムを構築するプログラミング言語を知らなくてはいけません。また、言語によって得意とする分野や習得コストも異なるため、AI開発を効率的に進めるには各言語の特徴を把握し、開発したいAIシステムに適したものを選ぶ必要があります。

本記事では、AIシステムを開発するにあたって重要となるプログラミング言語についてまとめているため、AIシステムの開発を検討しているご担当者様はご参考にしてください。

 

目次

 

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AIプログラミングとは何を指すのか

そもそもAI(人工知能)とは、人間の脳で行われている作業をコンピュータに模倣させ、自然言語の理解や論理的な推測、経験に基づく学習を行わせるシステムや技術のことです。AIプログラミングはAIを操作・構築する技術を指し、専用のプログラミング言語を使ってAIが意思決定を行うための判断基準となるデータを与えることを目的としています。

 

●AIプログラミングで実装できる機能の例

AIプログラミングを活用して実装できる機能には、以下のようなものが挙げられます。

  • 自然言語処理

  • 予測/データ分析

  • 異常検知

  • 画像認識

  • 自動運転

プログラミングによってAIにさまざまな機能を実装できるため、AIシステムを導入する目的や解決したい課題などをもとに必要な機能を検討しましょう。例えば工場のラインでの不良品検査や社内システムへの不正アクセス検出などがしたい場合は、異常検知が有効です。熟練の職人よりも検知精度が高かったり、未知の不良検知にも対応可能だったり、と人間よりも優れた能力を発揮できるシステムもあります。

 

●AI開発に必要となるもの

AI開発で必須となるのは、システムを構築するためのプログラミング言語の知識やスキルです。プログラミング言語といってもさまざまな種類があり、AI開発に適した言語としては「Python」「SQL」「JavaScript」「R言語」「C++」「Julia」などが挙げられます。

例えばAI開発でよく用いられるPythonは使い勝手の良さを重視して開発されたプログラミング言語で、習得のハードルが比較的低いのが特徴です。SQLはAIに学習させるデータベースを構築するのに用いられます。

また、AI開発では膨大なデータを取り扱うことから、そうしたデータを保存できるストレージや機械学習・ディープラーニングを行える計算能力を備えたコンピュータなど開発環境の整備も必要です。開発環境については、一部をクラウドサービスで補うこともできます。

 

●フレームワークとライブラリ

IT業界におけるフレームワークとは、システム開発でよく利用される機能をあらかじめパーツとして備えた雛形のことです。フレームワークを用いることで共通する処理部分のプログラムを自動で作成でき、あとはシステムに必要な部分を追記すればシステムを効率良く構築することが可能。ライブラリは、システム開発でよく利用されるプログラミングコードをまとめたものです。

ゼロからAI開発を行おうとすると膨大な作業や知識量が必要となるため、効率的にシステム開発を行えるフレームワークやライブラリを活用するのがおすすめです。代表的なフレームワークやライブラリには、NumPyやpandas、Matplotlib、TensorFlowなどが挙げられます。

 

AI開発に適したプログラミング言語の例

AIシステムの開発でよく用いられるのは「Python」「JavaScript」「Julia」「C++」「R言語」の5つです。それぞれの言語の特徴や得意とする開発分野について解説します。

 

●Python(パイソン)

1991年に開発されたPythonは、機械学習やビッグデータ処理などAI開発の分野において最も支持されているプログラミング言語です。

PythonがAI開発との相性が良いとされる理由は、非常にシンプルで読み書きしやすい構文構造と、機械学習やディープラーニングに使えるフレームワークやライブラリが充実しているため。数値計算や統計処理、データ解析などAI開発に役立つフレームワークやライブラリが揃っているので、最小限の機能だけをプログラミングすれば、ほかの複雑な処理はフレームワークやライブラリで実現できるというわけです。そのため、AI開発における優れたツールとして世界中のエンジニアに活用されています。

AI開発を効率良く進められるだけでなく、読み書きしやすい構文構造をしているため、プログラミングにかんする知識・スキルの少ない未経験者や初心者でも習得しやすい言語です。

 

●JavaScript(ジャバスクリプト)

優れた機能性と柔軟性を持つJavaScriptはWeb制作において欠かせないプログラミング言語で、AI開発の分野でも活用されています。既存のWebシステムとの親和性が高く、特に重宝されているのがWeb開発とAIシステム開発を掛け合わせるシーンです。JavaScriptをすでに使える方なら、Web系の知識をAI開発に発展させやすいというメリットもあります。

また、JavaScriptは、Webブラウザを経由して機械学習を行うためのライブラリも公開されています。JavaScriptのライブラリの中でも有名なのが「Keras.js」「deeplearn.js」「TensorFlow.js」の3つ。これらのライブラリを使用すれば、ブラウザ上でWebベースのAIシステムやアプリを容易に開発できます。フロントエンドとバックエンドの両方で使用できるので、開発プロセスを統一しやすいのもJavaScriptならではの魅力です。

一方で、AI開発に特化した言語ではないので、AI開発に強いPythonなどの言語と比べて機械学習やディープラーニングに特化したコミュニティやサポートが少ない点がデメリットです。また、ブラウザの性能に制限があるので、大規模なモデルのトレーニングにも向いていません。

 

●Julia(ジュリア)

Juliaは2012年に公開された比較的新しいプログラミング言語で、主に統計処理や機械学習に活用されています。後発のプログラミング言語ということもあって、Pythonの汎用性の高さやC言語の処理速度の速さ、R言語の統計処理能力など、他言語の優れた機能を取り入れているのが特徴です。また、高速処理が可能で、科学技術計算に特化した文法をしていることから、データサイエンティストやAIエンジニアから人気を集めています。

日本語での情報やAI開発向けのライブラリが少ないというデメリットもありますが、PythonやR言語など他言語のライブラリやモジュールを呼び出せるので機能の補完が可能。また、基本構文がPythonに似ているため、Pythonを使える方なら比較的少ない習得コストで習得できるのも魅力です。

 

●C++(シープラスプラス)

C++はC言語の拡張版として開発されたプログラミング言語です。複雑な演算処理を高速で行えるのが特徴で、AI開発やゲーム開発に適しています。PythonやR言語と違ってAI開発に特化したライブラリが少ないため、AI開発に用いる際はAIモデルをイチから作成するのが一般的です。

言語仕様が複雑なC++は学習難易度の高いプログラミング言語ですが、ゲーム開発や組み込み開発、大規模システム開発など幅広いケースで使用できる汎用性の高さが強み。習得コストや時間はかかるものの身に付けておいて損はない言語で、AIのプログラムをイチからつくりたい方にもおすすめです。

 

●R言語(アールげんご)

統計解析やデータマイニングに特化したプログラミング言語です。統計数学やデータ集計に強いため、ビッグデータを扱う業務では必須となります。統計や機械学習にかんするプログラムを記述しやすく、AIとの相性も良い言語です。

ライブラリが充実しているので、有名なアルゴリズムの多くをパッケージで簡単に使えるのが魅力。ただし、ライブラリを使いこなすには統計学やデータサイエンスといった専門分野の基礎知識が必要となります。C++と同様に習得難易度は高いものの、機械学習やビッグデータを扱うAI開発においては非常に重宝する言語です。

 

AI開発におけるプログラミング言語の選び方

プログラミング言語によって得意とする分野や強みなどが異なるため、AIを活用したシステムを開発するにあたって、どの言語を使用すべきか悩んでいるご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。AI開発におけるプログラミング言語をどう選べばいいのか、押さえておきたいポイントを解説します。

 

●人気の高いプログラミング言語か

プログラミング言語を選ぶにあたり、AI開発の分野で人気が高いかどうかは注目したいポイントです。人気が高いプログラミング言語を選んだほうが良い理由は、使用人口が多いのでコミュニティの規模が大きく、ノウハウやナレッジの共有が活発に行われているためです。学習や開発に役立つ情報を収集しやすいほか、トラブルが起こった際の解決策を見つけやすいというメリットがあります。

また、使用しているエンジニアの数が多く、人員の確保が比較的容易というのも人気の高いプログラミング言語ならではの強みです。何らかの事情で人員を補填したい場合にノウハウのあるエンジニアを確保しやすいのは、少子高齢化で労働人口が減少している日本において大きなメリットといえます。

 

●習得コストは適切か

企業がAI開発に取り組むにあたり、習得コストの低さは重要なポイントになります。例えば習得コストの高い言語を選んだ場合、開発の着手や進捗が遅れる可能性があり、モチベーションの維持も難しくなるので注意が必要です。また、AIシステムは開発後も点検・改良を繰り返す必要があることから、特定の担当者しか対応できない専門性の高い言語だと運用・保守に支障をきたすリスクがあります。人員を教育するにしても日本語で学習できる教材がそもそも少ないというケースもあるため、安易に専門性の高い言語を選ぶのはおすすめしません。

習得にかかる時間やコストをなるべく抑えたいのであれば、シンプルな構文でコードを記載できるか、書きやすく読みやすいプログラミング言語かどうかに着目しましょう。可読性の高いプログラミング言語なら複数の人員で構成されるチームでの開発でも扱いやすいほか、運用・保守がしやすいというメリットもあります。

 

●開発したいAIシステムの特徴と合致するか

プログラミング言語によって得意とする分野が異なるため、開発したいAIシステムの特徴と合致する言語を選択する必要があります。例えば統計解析に強いプログラミング言語を選びたい場合は、R言語がおすすめです。また、機械学習の開発には、ライブラリやフレームワークが豊富で開発のハードルが低いPythonが適しています。高速な演算処理が必要なAIシステムを開発するなら、実行処理の速度が速いC++が有力な候補となります。

各プログラミング言語の得意分野や習得コストなどを考慮したうえで、開発したいAIシステムとマッチするものを選ぶことが大切です。

 

●オープンソースで使用できるか否か

AI開発では、誰でも利用できるオープンソースのソースコードやフレームワーク、ライブラリを使用するのが一般的です。AI開発をイチから行うとなると非常に専門的な知識や技術が必要となり、開発にも時間がかかります。AI開発を効率的に進めるには、できる限りオープンソースを使用できるプログラミング言語を選ぶのがおすすめです。

また、使用したいフレームワークに対応したプログラミング言語を選べば、作業効率の大幅な向上を叶えられます。専門性の高いAIを開発するといった特別な事情がない限りは、AI開発向けのライブラリやフレームワークが充実していて、なおかつオープンソースのものも豊富に用意されているかをチェックしておきましょう。

 

AI開発を進めるにあたって、AIプログラミングについて知っておくことが大切です。ただ、開発したいAIシステムの規模や習得コストによっては自社で対応するのが難しい可能性もあります。自社開発が難しい場合は、システム開発会社に外注するというのも一つの選択肢です。

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