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AIシステム開発にかかる費用相場とは?開発会社を選定するポイントも解説

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aiシステム開発の図

人間の代わりに思考・処理をしてくれるAI(人工知能)は、今や人にとってなくてはならない存在になりつつあります。そんなAIを活用したシステム開発を外注する場合は、AIシステムの種類やできること、開発にかかる費用相場などに着目しましょう。

本記事では、AIシステム外注の費用相場や開発会社を選定する際のコツ、費用を抑えるためにやっておきたいことをご紹介します。また、AIシステムの導入事例も業種・業務別にご紹介しますので是非ご参考にしてください。

 

目次

 

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AIの特徴

そもそもAIとは、「人工的に人間の脳に近い思考・処理を再現する取組や技術」を指します。コンピュータシステムやソフトウェアといった形でモデルが作成され、提供が行われているのがポイントです。AI自体は昔からある概念ですが、ビジネスで実用的、そして汎用的に使えるような段階になったのは比較的最近のことです。AIがビジネスで広く使われるようになったのは「効率的な機械学習技術が確立された」、「ビッグデータの登場によって基礎データの学習がスムーズになった」、「AI開発を行い競争する企業が増えてきた」という点が関係しているでしょう。

AIシステムを開発・導入の目的は、業務効率化や生産性の向上であるはずです。そのためには、AIの開発・導入だけにコストをかけるのではなく、「社内資料のペーパーレス化」「AIに任せる業務の優先順位をつける」などの作業を行い、AIシステムの真価が発揮されるような土台を整えなくてはなりません。AIシステムの開発・導入がゴールにならないよう、目的意識を明確に持つことが重要です。

 

AIの種類別にみる開発・導入費用目安

AIシステムの種類によって、開発や導入費用の目安は異なります。以下では、AIチャットボットをはじめとする4種類のAIシステムの開発費用の目安をご紹介します。

 

●AIチャットボット:50万円~200万円

AIチャットボットは、顧客からの音声や文章による質問に対し、ロボットに学習させたデータや、集積されたデータから最適と思われる回答を選び出し回答するAIシステムです。AIチャットボットの開発費用は、50万円~200万円ほどとなります。AIチャットボットには、機械学習によって回答精度を高めていく機能が搭載されているのが特徴です。したがって、あらかじめ用意された応対シナリオやルールに沿って応対する従来型のチャットボットと比較すると、開発費用が高額になる傾向があります。

 

●AI外観検査システム:1,000万円~2,000万円

AI外観検査システムは、汚れや破損、異物混入などの製造品の不良を検知できるシステムです。開発費用はシステムの規模にもよりますが、大規模な工場に導入されるようなものであれば1,000万円~2,000万円ほどかかるケースは少なくありません。一方で、クラウド型のAI外観検査システムも登場しており、そちらは初期投資が数十万円・月額費用が数万円ほどで利用できるケースが多くみられます。

 

●需要予測システム:300万円~600万円

AIによる需要予測システムは、過去の売上や在庫数などのデータをAIが読み込み、機械学習することで法則性を導き出し、需要を予測するシステムです。需要予測システムの開発費用は、300万円~600万円ほどが目安です。各種の法則性を客観的に分析できるようになれば、売上の最大化や在庫の最適化といった効果も見込めます。

 

●音声認識システム:100万円~

人間の声の認識・会話を解析して、テキストデータとして出力するシステムが「音声認識システム」です。開発費用相場としては100万円~となっていますが、システムの規模やタイプによっては1,000万円単位の開発費用が必要となるケースもあります。「自動対応機能に特化しているタイプ」「会議の議事録作成に特化しているタイプ」など、自社に導入したいのはどのタイプの音声認識システムかを明確にしておき、予算計画を立てましょう。

 

プロセスごとに解説!AIを用いたシステム開発にかかる費用とは

AIシステムは、コンサルティングから始まりAI化可否の検証やモデル開発など様々な工程を経て開発されます。工程ごとにどの程度の費用が必要となるのか、どのような作業を行うのかを以下で解説いたします。

 

●コンサルティング:40万円~200万円

AIシステムを開発する目的や現状の課題などを洗い出し、整理するところからスタートすることができるので、自社内のみでの洗い出しや整理が難しい場合は、コンサルティング業者へコンサルティングやマネジメントを依頼することも可能です。コンサルティングの費用相場は、40万円~200万円となります。コンサルティングでは、「現状発生している課題の発見・整理」や「要件定義書の作成」といったプロセスをサポートしてくれるので、より円滑にAI導入前の土台を準備できるのがポイントです。

 

●AI化できるかの検証:40万円~100万円

AI化できるか否かの検証費用は、40万円~100万円程度が相場です。自社が保有するデータや種類、必要なAIの精度といった点を洗い出し、AI化が実現可能か否かを総合的に判断します。ただし、「教師データ」と呼ばれる機械学習に必要なデータの整備ができていない場合は、収集工程などで費用が上がってしまうリスクがあるので注意しておきましょう。

 

●検証用プロトタイプの作成:100万円~

検証によってAI化が可能だと判断されたら、AIシステムのプロトタイプ(試作品)を作成します。プロトタイプの作成には、100万円~が相場となっており、数百万円単位の費用が必要になることもあります。この工程では、「企画した仕様どおりの処理ができるか」「基準値以上の精度になっているか」という点を主に検証します。ただし、AIテンプレートを基にカスタマイズができるのであればコストが抑えやすくなる点もポイントです。

 

●AIモデルの開発:80万円~250万円×人月

プロトタイプで検証が成功したら、次は実際の製品モデルを開発していきます。検証で発見できた問題もフィードバックしながら開発が進められます。「80万円~250万円×人月」というのが相場の一例です。人月とは「開発に必要なリソースに開発期間をかけて算出される単位」のことであり、AIモデルに必要な開発リソースが増えたり、開発期間が延びたりすると費用増加になるのがポイントです。

 

●連携させるシステムの開発:開発規模・施策内容により異なる

AIモデルを開発できたら、次はそのAIを活用するシステムを開発していきます。データ表示用のUI開発などが工程に含まれます。ちなみに別途AI精度改善のための保守・運用費用が発生するケースもあるので注意しましょう。開発規模や施策内容などで費用は変動します。

 

AI開発会社を選ぶ時のポイント3つ

AI開発会社を選ぶ際のポイントを、以下で3つご紹介します。今回は、予算や契約前の見積もり書、開発会社ごとの得意分野に着目する重要性についてまとめました。

 

●契約前に見積もり書の作成を依頼しよう

いくつかの開発会社に目星をつけたら、開発したいAIシステムの要件を具体的に伝えたうえで見積もり書の作成を依頼してみましょう。複数の開発会社から事前に見積もりをとることで、適正価格での依頼がしやすくなります。くわえて、実際の費用感を掴めるため予算計画も立てやすくなるでしょう。

 

●開発形態に合わせて予算計画を立てる

開発したいAIシステムの種類と大まかな費用相場、実際の見積もり額をもとに、予算計画を立てましょう。くわえて、開発形態に着目することも大切です。例えば、オリジナリティの高いAIを開発する必要性がある場合は、ゼロからシステムを開発する「フルスクラッチ開発」になることも考えられます。フルスクラッチ開発の場合、数千万円単位の予算が必要となります。一方で、既存システムをベースに部分的に開発を行う場合であれば、費用を抑えられる可能性があります

 

●開発会社ごとの得意分野・開発言語を調査・把握しておく

開発会社ごとに得意とする分野や開発言語などを調査・把握しておくことも重要です。培ってきたノウハウや抱えているリソースなどは、開発会社ごとに違いがあるためです。「依頼したいシステムと類似するAIシステムの開発実績があるか」といった実績に注目するほか、得意としている開発言語にも着目しましょう。例えば、AIシステムの開発に適しているとされる開発言語には、以下のようなものが挙げられます。

 

Python(パイソン)

Python(パイソン)は、シンプルで学習しやすい記述と豊富なライブラリ(汎用性の高いソースコードをまとめている機能)を備えた開発言語です。特に、AI開発に強いライブラリがあることから、中~上級者はもちろん初級者もPythonを使ったAI開発に取り組みやすいという背景があるのです。なお、2023年5月には、Pythonに近い特徴を持った開発言語「Mojo」も登場しています。

 

JavaScript(ジャバスクリプト)

JavaScript(ジャバスクリプト)は、Web開発の分野でよく使用されるプログラミング言語です。画像のスライドショーやポップアップウィンドウ、スクロールアニメーションの作成など、動きのあるWebサイトを制作する際に活躍します。ポピュラーな開発言語であり世界中にノウハウが共有されていることにくわえ、Pythonと同じくAIシステムの開発に役立つライブラリを豊富に備えているのも特徴。Web開発だけでなく、AI開発の現場でも活用されている言語です。

 

C言語

C言語は、優れた処理速度や高い汎用性を備えたプログラミング言語です。組み込み系や制御系のシステム開発に応用可能という特徴があり、AIの分野ではエッジAI(デバイスへ直接搭載するAI)の開発にも役立ちます。実行ファイルのサイズが小さく、なおかつ高速な処理速度を備えていることから、ハードウェアのリソースが少ないエッジAIの開発に適しているプログラミング言語だといえるでしょう。

 

Julia(ジュリア)

Julia(ジュリア)は、高度なデータ解析や計算を得意とする言語です。また、高速でストレスの少ない動作とシンプルな文法を兼ね備えているのも特徴です。2009年に開発され、2012年にはオープンソースの開発言語となりました。ほかの開発言語に比べると認知度はやや低めですが、現在も精力的に開発が進められています。

 

開発費用を抑えたいと思ったら

AIの開発費用は、工夫次第で節約できる可能性があります。費用を抑えるために、知っておきたいポイントを以下で解説いたします。

 

●アジャイル開発で進める

アジャイル開発とは、プロジェクトを小さな工程ごとに区切って開発作業を進める開発手法です。「計画」「設計」「実装」「テスト」というサイクルを小さな開発工程ごとに繰り返し、プロジェクトを進めていきます。したがって、開発中に修正作業や仕様変更が発生しても後戻りを最小限に留められ、時間や費用のロスを抑えられます。

 

●補助金の活用

各種システム開発が対象となる補助金を使うのも手です。利用できる可能性がある補助金の例としては、「IT導入補助金」「ものづくり補助金」が挙げられます。それぞれの補助金の応募要項や採択条件、申請期限などをしっかりと把握したうえで利用を検討しましょう。

 

IT導入補助金

IT導入補助金は、小規模事業者・中小企業を対象とした補助金です。ITツール導入のほかに、AI技術を搭載した各種業務システムの開発・導入にも活用できます。通常枠・セキュリティ対策推進枠・デジタル化基盤導入枠という大きく3つの枠に分かれており、補助額や補助率はそれぞれの枠によって異なります。

 

ものづくり補助金

IT導入補助金と同じく、中小企業や小規模事業者を対象とした補助金の1つです。生産性向上のための設備投資やサービス開発などを支援する補助金とされており、通常枠をはじめとする5つの枠が設けられています。補助額は100万円~4,000万円となっており、事業の規模や従業員数によって補助額が変動するのが特徴です。

 

AIでできることとは?導入事例を紹介

ここからはAIでできることを、導入事例とともにご紹介していきます。

 

●事務業務

人間のような高度な思考・処理を行えるAIは、まだ誕生していません。しかし、基本的な業務サポートの場面では十分に活用可能です。例えば、「見積もり書を自動で作成する」「受注・売上を自動で分析する」「経費精算作業をサポートする」といった事務業務はAIが得意とする分野です。事務業務、特にルーティン的な意味合いの強い定型業務をAIシステムによって自動化できれば、より優先度の高いコア業務に人的リソースをかけられます。また、人材不足の解消にも一役買ってくれるでしょう。

事務業務のAI活用においては、某メガバンクの事例が参考になるでしょう。某メガバンクでは手書きの帳票業務といった業務処理へ時間がかかっており、社員の負担になっていました。しかし、AIシステムにくわえOCRやRPAツールを活用、連携させることで業務を自動化。実証実験により、8割の人的作業削減といった効果を得られました。

 

●飲食・サービス業務

「商品の価格設定を行う」「食品を自動で製造する」「商品在庫を管理・最適化する」などの業務で、AIシステムが活用されています。例えば、某大手寿司チェーンでは会計計算を自動化するAIシステムを開発・導入しています。皿のカウントといった従来人の手で行われていた作業を、画像認識といったAIに関係する技術で自動化することに成功しました。

 

●建設業務

建設業務では「建造物の点検自動化」、「老朽箇所の自動検知・アラート」といった場面でAIが活用されています。AI活用により現場の安全性が上がり、同時に建設の質も確保できるのがポイントです。某大手建築会社では、AI開発に強みを持つ企業と共同でAIの研究を始めました。具体的には自社で行うマンション設計などへAIの技術や知見をミックス、自動設計といった設計手法の実現が可能か、また設計を効率化できるかといった観点から研究を進めています。今後もほかの企業・団体と協力して大規模な改革を実行していく方針です。

 

●小売業界の人員配置の事例

AIシステムにより、適切な人員配置を割り出せるようになった事例もあります。人員配置計画やシフト表の作成は、社員の雇用形態や時給、勤務時間など様々な要素を考慮しなくてはなりません。AIシステムによってこれら複数の要素を割り出す時間が短縮され、一定の精度のもとで現場に適した人員配置が行えるようになったと報告されています。

 

●農業における農薬散布自動化・効率化の事例

画像確認機能付きのAIドローンを活用し、農薬の散布を自動化・効率化した事例です。このAIドローンは上空から害虫を発見すると自動的に農薬を散布する仕組みとなっており、農薬散布にかかるコストの削減や、農薬使用量の低下などに貢献していると報告されています。

 

AI開発のポイントを押さえて上手に委託先を探しましょう

AIシステムを開発する際は、プロセスやAIシステムの種類別の費用相場を抑えることが大切です。事前にAI導入の目的や解決したい課題などを洗い出しておき、依頼の事前準備も忘れずに行いましょう。

また、開発会社の選定も重要です。発注ナビは、各種システムの開発を依頼したい企業と、案件を探している開発会社をつなぐマッチングサービス。ITの専門知識を持ったコンシェルジュが、丁寧なヒアリングをもとにご要望に沿う発注先を厳選してご紹介いたします。「開発会社の選定・発注に悩んでいる」「IT知識の自信がなく良い開発会社を選べるか不安」という方は、発注ナビへお気軽にご相談ください、「自社に合った開発会社がわからない」「選定にできるだけ時間をかけずにスムーズに導入したい」とお考えのご担当者様はぜひ一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

 

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