会社のサービスをAndroidスマホで利用してもらう目的で、Androidアプリ開発をしたい方が増えています。自社で開発する方法とアプリ開発を依頼する方法がありますが、どちらにしても事前に必要な知識を身に付けておくのが理想です。開発に必要な準備や手順などを知っておけば、希望に見合ったアプリを、スケジュール通りに開発しやすくなります。
そこで今回は、Androidアプリの開発の悩みを解決したい方やアプリ開発の難易度を知りたい方に向けて、Androidアプリ開発に必要な準備や言語、Androidアプリの開発手順などを解説します。
目次
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Androidアプリを開発する前に準備するもの
Androidアプリの開発には以下の2つが必要です。
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開発用パソコン
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Android Studio
まずは、開発用のパソコン(デバイス)がなければ何も始まりません。アプリ開発は、コンピューター上でプログラミングをして作り上げるものです。そのため、必要な場合は開発用のコンピューターを用意するところから始めましょう。ちなみに、プログラミングするからといって、特別スペックの高いパソコンを用意する必要はありません。ただし、タイピングがしやすいパソコンを選んだほうが作業ははかどるでしょう。
また、Androidのアプリ開発なら「Android Studio」を導入すると、アプリ開発がしやすくなるのでおすすめです。このツールがあれば、Androidアプリ開発が効率良く進められます。Androidアプリの開発ができたら、Google Playデベロッパーアカウントに登録することで、実際に開発したアプリをリリースできます。Androidアプリ開発の準備物の詳細は、以下のページでも紹介しています。
Androidアプリの開発に必要な言語とは
Androidアプリの開発に必要な主な言語は以下の2つです。
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Java
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Kotlin
●Java
Javaは、Googleが開発でよく用いる三大言語の1つで、世界中で使われる人気の高い言語です。主な特徴として以下のものが挙げられます。
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オブジェクト指向型
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ガベージコレクション
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技術的に安定感がある
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学習しやすくて需要も高い
ここでいうオブジェクト指向型は、端的にいえばプログラムをモノとして捉える考え方のことです。開発するアプリの属性や動作を初めから明確にしておいて、それに合わせて開発を進めていきます。これにより、ソースコードを状況に応じて臨機応変に変更するのが簡単になります。
もう1つの特徴であるガベージコレクションは、不必要なメモリデータを自動で削除してくれる機能のことです。必要ないデータを残してパソコンの動作が重くなって、アプリ開発がスムーズに進まない状況を改善してくれます。また、Javaは世界中で普及しているプログラミング言語ということもあり、バグが生じてもすぐに誰かが対処法を見つけて公開してくれます。そのため、安定したアプリ開発が進めやすいです。
ほかにも、学習しやすいプログラミング言語として高く評価されています。C言語などと構文の形が同じものが多いため、C言語を経験している方だと特に学習しやすいです。逆にJavaをベースに作られた開発言語も多いため、新しい言語の学習にもリーチしやすくておすすめです。Javaの特徴などについて、詳しくは以下のページをご参照ください。
Javaとは?世界中で利用されるプログラミング言語の人気の理由
●Kotlin
Kotlinは、先に紹介したJavaとの互換性があり、Javaの欠点を埋める形でも使われている言語です。主な特徴として、以下のものが挙げられます。
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Javaとの相互運用がしやすい
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コードの書きやすさに優れる
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安心安全に使える
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セミコロンが省略できる
KotlinはJavaとの相互運用が可能で、KotlinからJavaを呼び出したり、JavaからKotlinを呼び出したりするのが可能です。開発したアプリに新しい機能を追加したい場合に、Kotlinで記述してJavaに変換する方法がしばしば使われます。このKotlinは、初心者でも扱いやすい言語としても知られていて、簡単にコードが記述できるシンプルな仕組みとなっています。そのため、幅広い現場で使われやすいです。
また、Kotlinは安心安全に使いやすい言語としても評価されています。KotlinはAndroidアプリ開発の公式言語に位置づけられていて、それにより安心して利用しやすいです。ほかにも、Kotlinはセミコロンを省略することが可能です。それ以外にも、変数宣言や型宣言の仕組み、ifやwhenなどの役割もJavaとは大きく異なります。
Androidアプリの開発手順
Androidアプリの開発に必要なものがそろったら、以下の手順で開発を進めていきます。
- 開発環境を構築する
- 動作するアプリを企画する
- 画面設計図を制作する
- 開発を開始する
- 動作テストを行う
- アプリをリリースする
●開発環境を構築する
まずは、パソコン内にAndroidアプリの開発環境を構築していきます。具体的な手順は以下の通りです。
- JDKをダウンロード・インストールする
- AndroidStudioをダウンロード・インストールする
- 足りないSDKを追加でインストールする
- エミュレーターを設定する
JDKは、Javaでソフトウェア開発を行うために必要な機能を1つにまとめたパッケージのことです。Android StudioもJDKと同様にパソコン内に入れていきます。インストール方法の細かい解説は割愛しますが、いずれもオフィシャルサイトが存在するので、サイトの手順に従う形が望ましいでしょう。
インストールが済めば、このままでもAndroidアプリ開発が進められますが、どんなアプリを開発するかで必要な機能が変わってくるでしょう。もし必要な機能が足りない場合は、追加で必要なSDKをインストールしていきます。このSDKはWebサイトの構築やアプリ開発に必要な機能がセットとしてまとまっているツールのことです。なお、アプリの動作を確認するのに必要なAndroid端末を持っていない場合は、エミュレーターを設定すれば動作確認が行えます。
●動作するアプリを企画する
開発環境の準備が整ったら、どんなアプリを作っていくのか具体的に企画を立てていきます。個人でアプリを開発するものならともかく、組織としてアプリを開発するなら意見をすり合わせて、アプリの具体的なイメージを考えることが大事です。そして、企画の内容が決まったらその内容を自分たちの中で完結させないことも大切です。開発陣の中で異なるイメージを持っている方が1人でもいれば、作業を進めていくのに支障が出てしまいます。現場で開発に取り組むすべての社員に、企画した内容が正確に伝わるように言語化していきましょう。
●画面設計図を制作する
動作するアプリの企画ができたら、言語化と合わせて、画面設計図を制作します。アプリ画面の設計図を視覚的にも伝えられたほうが、実際に開発を行う上でイメージが湧きやすいです。ProttやCaconといったツールを使って制作できるため、それらのツールの設定も事前に済ませておいてください。
●開発を開始する
準備が整ったら、実際にアプリの開発を開始していきます。開発ツールにソースコードを書き込んでいくことで、開発を進めることが可能です。複数人でコーディングを行う場合は、都度ミーティングを行って、進捗確認を行います。これにより、品質やスケジュールのずれなどを回避しやすくなります。
●動作テストを行う
晴れてアプリが完成したら、正常に動作するか動作テストをしていきます。もしエラー・バグなどが見つかれば、その都度で修正していきます。一部のユーザーだけにバグが発生するようなこともあるため、動作テストは1人ではなく、複数人で進めるのが望ましいです。
●アプリをリリースする
動作テストをして問題なければ、アプリをリリースするための準備を進めていきます。Androidのアプリをリリースするには、まずGoogleデベロッパーアカウントを作成していきます。このアカウントがないと、Google PlayにAndroid用アプリの登録ができません。次に、デジタル署名したパッケージファイルを準備しておきます。Google Playに登録しやすいように、アプリの中身を1つのパッケージとしてまとめてください。最後に、Google Playに開発したアプリを登録してリリースします。一度リリースしてから修正をかけるとなると手間がかかってしまうため、念入りに動作テストをしてからリリースしましょう。
上記のような流れでアプリの開発を行っていきます。ただ、開発環境がなく「自社でアプリ開発はできない」という会社も少なくないでしょう。そういった会社がアプリをリリースする場合は、システム開発会社に外注をして、アプリ開発を進めることも可能です。以下のページではおすすめのアプリ開発会社を紹介しています。アプリ開発会社に外注する際に、どこに外注依頼をすればいいのかわからないという方は、比較検討にご利用ください。
Androidアプリで収益を得る方法
Androidアプリで収益を得る方法としては、以下の方法が挙げられます。
- 有料ダウンロードにする
- アプリ内課金システムを採用する
- アプリ内広告を表示する
- 定額課金制にする
アプリには有料のものと無料のものがあって、有料のものにすることで収益が入ります。ただ、その分アプリ利用のユーザー数が一気に少なくなるでしょう。そのため、多くのアプリは無料ダウンロードできるものとして打ち出されています。その代わり、アプリ内広告を表示するようにして収益を得ています。そして、広告が嫌なユーザーに向けては、月額課金すれば広告が表示されなくなる仕組みを採用しているところが多いです。
「Androidアプリ」と「iOSアプリ」どちらがおすすめ?
アプリには、AndroidだけでなくiPhone向けのiOSアプリもあります。
最近では両方に対応しているアプリも多いですが、どちらかに絞ってリリースするならAndroidがおすすめです。Androidはリリース時の審査の敷居が低くてリリースしやすいといわれています。Androidスマホのほうが世界的にはiPhoneよりもシェアが大きいですし、国内でもAndroidスマホユーザーが増加しているのもポイントです。
Androidアプリの開発難易度
「Androidアプリは敷居が低くておすすめ」と説明しましたが、アプリ開発の難易度は高めです。そのため、初めてアプリ開発を行うには、ハードルが高いかもしれません。とはいえ、Kotlinは書きやすい開発言語なので、Kotlinがより普及すればアプリ開発の難易度は下がっていく可能性があると考えられています。また、将来的にアプリ開発に役立つフレームワークなどが登場すれば、より開発の敷居も低くなるでしょう。
アプリ開発のアイデアにつまった時にすべきアクション
中には、「アプリ開発のアイデアが思いつかない」という方も多いでしょう。そのような場合は、以下の方法を試してみてください。
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現状の不満を抽出する
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フレームワークを使う
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ブレインストーミングを試みる
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ほかのアプリを参考にする
ゼロの状態からプラスを生み出すより、マイナスの状態をゼロにする視点のほうがアイデアも浮かびやすいです。そのため、まずは現状の日常生活での不満を書き出します。次に、その課題をより深く掘り下げるためにフレームワークを使っていきます。課題についていろんな角度からの質問に答えていくことで、何かしらアイデアが浮かんできます。これを複数人数でディスカッションするブレインストーミングで行うと、より答えにたどり着きやすいです。また、ブレインストーミングをする中で、ほかのアプリのアイデアを参考にするのもおすすめです。
●アプリ開発の参考にしたいおすすめのアプリを紹介
ほかのアプリを参考にしてみると良いと説明しましたが、具体的には以下のアプリを参考にするのがおすすめです。
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Genius Scan
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Manything
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Wakie
Genius Scanは、外出先でも紙の文書を一瞬でスキャンして、PDFファイルとして出力できるアプリです。このアプリを使えば、紙の文書を保管しているとかさばってしまうという課題が解消できます。ManythingはiOS端末を遠隔カメラにできるアプリです。このアプリを使えば遠隔で自宅やペット、赤ちゃんの様子を監視できて、外出中に緊急事態に陥ってもすぐに対応できます。
最後のWakieは、友人だと相談しにくい悩みを匿名電話でほかの人に相談できるアプリです。このアプリを使えば、相談したいことがあるけど相談できる相手がいないという方の抱える悩みを解消してくれます。こういった視点を参考に、アプリ開発のアイデアを出してみてください。
失敗のないアプリ開発のためには外注も検討して
極端な話をすれば、アプリ開発も十分な開発環境やプログラミング言語を扱うスキルさえそろえていれば誰でもできます。
ただ、組織で作る際にはアプリ開発に携わる社員全員がアプリの中身のイメージを持てるように共有することが大事です。アプリ開発を組織で進めていく際には、誰でも企画どおりのアプリ開発ができる環境を整えていきましょう。もし自分たちでアプリを開発するのが難しい場合は、アプリ開発会社に外注する方法もあります。外注する際には、アプリ開発会社のアプリ開発のスキルや実績などを参考にして、失敗のないように外注先を選んでいくことが大切です。発注ナビでは、専門のコンシェルジュが開発内容の詳細を丁寧にヒアリングすることで、最適な開発会社とのマッチングが可能です。まずはお気軽にご相談ください。
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