アプリケーションソフトウェア(application software)こと「アプリ」は、業務に特化したビジネスアプリから、娯楽向けのゲームアプリなど多彩に存在します。パソコンやスマートフォンが普及し切った現代では、「アプリを使ったことがない」という方のほうが少ないでしょう。
仕事や日常生活で誰もが使っている分、アプリは大きなビジネスチャンスを秘めている存在でもあります。企業や個人を問わず、「アプリケーションを作りたい」と考える方も多いのではないでしょうか。今回はそんなアプリ開発を目指す方に向けて、アプリ開発における基礎知識から外注の方法に至るまでを、詳しく紹介します。
目次
システム開発会社選びはプロにお任せ完全無料で全国5000社以上からご提案
アプリの種類とは?
アプリの種類 | 概要 |
---|---|
Webアプリ | Webのブラウザなどで動作するアプリ |
ネイティブアプリ | AndroidやiPhoneなどで動作するアプリ |
ハイブリッドアプリ | 様々なデバイス機能を利用しているアプリ |
アプリ開発を検討するにあたって、まずは「作りたいアプリがどの種類に属するか」を確認しておきましょう。ひと口にアプリ開発といっても、アプリの種類や区分は様々ですが、以下ではWebアプリ、ネイティブアプリ、ハイブリッドアプリの3つを紹介します。
●Webアプリ
スマートフォンやパソコンなど、インターネット接続できる端末で利用できるアプリを指します。インターネット環境さえあれば、すぐに利用できる手軽さが魅力です。Webアプリは、ユーザーにインストールさせる必要がありません。しかし、webブラウザを介する分、スムーズな動作に関しては後述するネイティブアプリに劣ってしまうのがデメリットです。
●ネイティブアプリ
ネイティブアプリとは、AndroidやiPhoneといった端末にインストールして利用するアプリのことです。ユーザーに「アプリをインストールしてもらう」という動作は必要になるものの、ユーザーを獲得できれば、サービスを継続してもらいやすい魅力があります。インターネット環境による「動作の重さ」の弊害を受けないのも特徴です。
●ハイブリッドアプリ
ハイブリッドアプリは、端的に言えばwebアプリの特徴とネイティブアプリの特徴を組み合わせたアプリです。iOS向け・Android向けに分けて作業せずに済み、低コストで作成しやすいのが利点です。欠点として、ハイブリッドアプリは特定のフレームワークを使っているため、仕様を変更しにくいデメリットがあります。
アプリ開発において何が必要?
どのようなアプリを作るにしても、プログラミングやコーディングを行うためには、パソコンの存在が欠かせません。以下では、アプリ制作を行うにあたって、OSやネットワーク環境など「何を基準に選ぶべきか」を紹介します。
●PC環境
WindowsやMacOSなど、パソコン全体の管理を担うOS(オペレーティングシステム)は「制作するアプリ」によって最適なものが変化します。簡単に言えば、Windowsで動作するアプリを開発する場合は、開発にもWindowsのOSが適しています。iPhoneやiPadといったiOS向けのアプリであれば、MacOSが適しているという仕組みです。WindowsでiOS向けのアプリを作ることも可能ですが、「開発環境を別途で用意する」といった手間が発生します。
●メモリの容量
アプリ開発には仮想環境の利用、webサーバ、データベースなど、容量の大きなデータを扱うケースがほとんどです。そのためアプリ開発を行う場合は、メモリの大きいPCほど快適に制作を進められるでしょう。開発するアプリの規模によって求められるメモリ容量は異なりますが、AndroidやiPhone向けのアプリを制作する場合であれば、目安として4Gから16Gのメモリ容量が必要となります。
●ネットワーク環境
開発環境やソフトウェアなどによっては、アプリ開発にネットワーク環境が不可欠です。有線はLANケーブルが必要、ネットを繋ぐための工事が必要といったデメリットがあるものの、安定した回線速度を保ったままネットワークが利用できるのがメリットです。無線は、配線や工事が不必要で、すぐにインターネットが使用できる点が魅力です。ただし、電波に左右されるため、環境によってはネット回線の不調が起きやすいというデメリットがあります。有線と無線の違いを知り、最適な環境で作業できる回線を選びましょう。
●アプリ開発用のツールやソフト
アプリ開発に特化した開発ツールは数多く存在します。豊富な機能と動作性に定評がある「Visual Studio Code」、MacやiPhone向けのアプリ開発に最適な「Xcode」など、その種類は様々です。ツールごとに、扱える言語や費用などが異なるため、個々の特徴を見比べた上で、開発したいアプリに最適なツールを選ぶ必要があります。企業で導入する場合は「社内のエンジニアが扱えるかどうか」、「習得に時間は掛かるのか」といった要素も、選ぶ判断基準となるでしょう。
アプリ開発のメリットやデメリットとは?
●個人でアプリ開発をするメリット
個人でアプリ開発を行う一番の利点は、収入に繋げられることです。アプリの販売規模によっては、副収入や不労収入として稼ぐことも可能となります。また、制作したアプリをポートフォリオとして、就職や転職活動に活かすことも可能です。設計開発やプログラミングといった直接的なスキルを身に付ける上でも、アプリ開発は優れた効果を発揮します。
●個人でアプリ開発をするデメリット
アプリ開発におけるデメリットは、開発やリリースまでに膨大な時間、開発環境を整える気力や体力などが必要という点です。アプリ開発は、競争が激しい業界ゆえに、ヒットを生み出すのはなかなかの難易度です。時間と労力をかけたわりに「思っていたより稼げない」とモチベーションが下がる可能性があります。
●企業でアプリ開発をするメリット
企業がアプリ開発を行うメリットは、ユーザーへ自社サービスの認知度向上、来店や購入に繋げられるきっかけを作ることです。アプリには「プッシュ通知」という独自の機能があるので、最新の情報をリアルタイムでユーザーに届けられます。また、アプリにはポイント付与やクーポン配布など、利用ユーザーが得をする機能で興味・関心を維持して飽きさせない仕組みができる点もメリットです。
●企業でアプリ開発をするデメリット
アプリ開発には、大きなコストが掛かってしまう点です。場合によっては、webサイトを作るよりコストが掛かってしまうことも少なくありません。個人開発もアプリ開発には費用こそ発生しますが、企業のアプリ開発は規模が大きくなりやすい分、コストのリスクも比例して増大しがちです。このほか、ユーザーにアプリをダウンロードしてもらうための細かな動線設計が必要という点も、デメリットと言えるでしょう。
アプリ開発は誰でもできる?外注した方が良い?
結論から言えば、アプリ開発は誰にでも可能です。
とはいえ、アプリ開発を行うには、デザインやプログラミングに関わる技術や、ITに関する知識など幅広いスキルやノウハウが必要になります。知識が全くない場合、セミナーに参加・参考書からプログラムのノウハウを学ぶところからスタートします。開発環境が整っていない場合は、機材の購入やネットワーク環境の見直しなど手間や費用が掛かることも念頭に置いておきましょう。
先に挙げたスキルを備えたエンジニアの方や、豊富な設備環境が揃った企業であれば、外注を行わずともアプリ開発をスタートできるでしょう。反対に、社内にアプリ開発のスキルをもった人がいない、開発設備に恵まれていない場合は、専門知識をもった外注に依頼するのも手です。
アプリ開発を外注する際の流れと注意点
アプリ開発を外注する流れ |
---|
①アプリ開発の企画書を作成する |
②プラットフォームを選択 |
③アプリ開発を依頼する会社を選ぶ |
④要件定義をする |
⑤見積もりを取る |
⑥基本契約書を締結する |
⑦要求定義書を作成する |
⑧外部設計と内部設計を行う |
⑨個別契約を結ぶ |
⑩開発と納品 |
以下では、「実際にアプリ開発を行いたい」と考える方、もしくは企業担当者の方に向けて、アプリ開発におけるおおまかな外注の流れを紹介しましょう。以下の手順で外注を行うことで、知識や技術を備えてなくとも、アプリ開発をスタートさせることができます。
①アプリ開発の企画書を作成する
アプリ開発を検討する際は、まず「どんなアプリを作りたいのか」、「ターゲットは?」、「マネタイズの仕方は?」、「いつリリースするか」など、企画を具体化しましょう。曖昧なまま進めてしまうと、イメージしていたアプリと違っていたなんて齟齬が生じる可能性があります。
②プラットフォームを選択
アプリ開発におけるプラットフォームとは、対応する端末を選択することを指します。例えば、スマートフォン向けアプリならiOS向けとAndroid向けのどちらか、または両方を発注します。対応できる端末が多いほど、開発には費用が掛かるので注意です。
③アプリ開発を依頼する会社を選ぶ
アプリ開発を外注する際に注目するポイントは、「作りたいと思っているアプリを得意分野としている会社か」です。会社によってゲーム系が得意、コミュニケーションツール系が得意など特色は異なります。得意分野ということは、そのジャンルに関する知識や技術に優れている証です。信頼性の観点からも、開発したいジャンルに特化した会社を選びましょう。
④要件定義をする
要件定義とは、アプリ開発内容の方向性を固めていく作業のことです。最初はアプリ開発の目的を明確化。必要な機能・課題を抽出し、どれくらいの作業やコストをかければ目的にたどり着けるかを逆算していきます。
⑤見積もりを取る
要件定義でアプリ開発の方向性が固まったら、次は見積もりを取ります。この時、安さだけで会社を選ぶのは厳禁です。安いコストで納めることに集中すると、本当に必要な機能を削除してしまう形になったり、追加依頼ごとに費用が重なり支払うお金が増えたり、トラブルに見舞われる可能性があります。これからアプリ開発に向けて、パートナーとして付き合っていく会社ですので、料金はもちろん「見積もり時の担当が真摯に向き合ってくれたか」といった会社の姿勢も判断材料にしていきましょう。
⑥基本契約書を締結する
見積もりを取った後に作成する基本契約書とは、「どこまで作業を行うか」、「システムのテストの方法」、「保証内容」、「納品日」など、依頼先との契約をまとめた書類のことです。この契約書の内容に基づいて、本格的に開発を進めていきます。
⑦要求定義書を作成する
要求定義書とは、アプリをリリースする際に必要な機能や性能をまとめた資料のこと。あとから「必要な機能が実装されてない」といったような、開発者側と依頼する側の認識をズレさせないために必要な書類です。要求定義書の内容をもとに、外部設計と内部設計の作成を行いましょう。
⑧外部設計と内部設計を行う
外部設計とはシステムの仕様決定や見た目といったアプリの外部仕様の部分、内部設計とはアプリの性能といった内部仕様をいいます。外部設計は、ユーザーがアプリの使いやすさを決める判断材料になるため、依頼会社と二人三脚で決めていきましょう。外部設計と内部設計が終わったら、個別契約を結びます。
⑨個別契約を結ぶ
個別契約で交わされる「個別契約書」は、端的に言えば「アプリ開発会社が行う作業と責任・自社が行う作業の線引きと責任」を示した書類です。責任の所在を明らかにしないと、後々のトラブルになりかねないため、個別契約は開発工程に進む前に必ず必要となります。
⑩開発と納品
個別契約書を結ぶと本格的に開発作業が進みます。この段階ではアプリ開発会社が主体となって動く段階ですが、依頼者側は何もしなくていいわけではありません。依頼先の進捗がどうなっているのか定期的な確認が大切です。依頼先の方で何らかのトラブルがあり、開発の進捗が思わしくないという可能性がないとも限りません。トラブル回避のためにも、依頼先に任せきりにせず、進み具合を確認していきましょう。
滞りなく開発が完了すれば、晴れてアプリが納品されます。納品完了後は、今後の運用や保守について依頼先と話し合います。自社で運用や保守をする場合、依頼先が開発時に使ったツール・コーディングなど引継ぐ必要があります。ただし、運用・保守も依頼先に任せる場合は、引継ぎの必要はありません。
外注企業や発注方法によっては作業の順番や取り交わす契約書が変化するケースもありますが、以上がアプリ開発における外注のおおまかな手順となります。アプリ開発の外注依頼の際は、発生するコストや期間などを事前に明らかにした上で、外注をしていきましょう。
今回は、アプリ開発における基礎知識から外注の方法まで、詳しく紹介しました。
とはいえ、アプリやシステム開発の外注に不慣れな方の場合「どこに依頼をすればいいの?」、「アプリ開発に最適な会社を探す方法は?」という疑問を覚える企業担当者の方も少なくないでしょう。繰り返しになりますが、企業によって開発を得意とするアプリは大きく異なります。
開発会社を探す方法はいくつか存在しますが、アプリ開発やシステム開発においては、複数の企業から比較検討がしやすいWebサービスの利用をおすすめします。発注ナビは、アプリ開発やシステム開発に特化した発注先選定支援サービスです。全国にあるシステム開発企業の中から、貴社に代わって要望に最適な制作会社を選定いたします。「クオリティの高いアプリ開発会社を探したい!」という方であれば、発注ナビに是非ご相談ください。
システム開発会社選びはプロにお任せ完全無料で全国5000社以上からご提案
■アプリ開発に関連した記事