スマートフォンの普及により、多くの企業が目的に合わせたアプリ提供をしています。
アプリの利便性が広まった今、自社のアプリを開発しようと検討している企業も増えているのではないでしょうか。しかし、アプリ開発を検討するのが初めての企業の場合「アプリ開発にはいくらかかるの?」「費用はどのくらい見積もるべき?」という疑問を抱えるケースも少なくないでしょう。
アプリ開発の費用は「作業単価×作業時間+固定費用=開発費」という計算式により算出可能です。「アプリの種類」や「搭載する機能」によって、50万円規模~1000万円規模まで大きく変動し、同一ジャンルでも数100万円の幅があります。
当コンテンツでは、アプリ開発を検討する企業担当者の方に向けて、アプリの種類や機能による費用相場、開発費を抑える方法など、詳しくご紹介していきます。
目次
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アプリ開発の費用について
先に述べたように、結論から言えば、アプリ開発の費用は「アプリの種類」や「搭載をする機能」によって大きく変動します。そのため、開発にかかる具体的な費用を提示することは困難です。とはいえ、システム開発における「開発費の計算方法」は存在するので、おおまかな費用の算出自体は可能です。以下では、アプリやシステム開発を含めた見積もりの計算方法を紹介します。
作業単価×作業時間+固定費用=開発費 | |
---|---|
作業単価 | エンジニアやプログラマーが 1ヶ月稼働した時に発生する報酬金額 |
作業時間 | システム開発で実際にかかった時間 |
固定費用 | ドメイン取得やSSL証明書費用、 サーバー維持費など機材や設備にかかる費用 |
上記の計算式を使うと、アプリ開発にかかるおおよその金額を導き出せます。より詳しい詳細は、「システム開発にかかる費用と仕組みについて」にて記載しています。エンジニアの相場や作業時間の計算方法などの詳細を掲載しているので、費用の算出の際にご参照ください。
「アプリの開発費は結局いくらになるのか?」という疑問については、『アプリ開発会社年鑑2015』にて、EC系のアプリやゲーム系のアプリなど、全てのジャンルをまとめたデータを参考にしたところ、約120万円~約2,300万円という結果になりました。この金額から分かる通り、アプリ開発にかかる費用は非常に幅があるのが現状です。
アプリ開発について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
▷「アプリ開発とは?アプリ制作を外注する際に知っておくべきこと」
アプリの種類によって異なる開発費の相場
アプリのジャンル | 費用相場について |
---|---|
EC系 | 100万円~300万円程度 |
コミュニケーションツール系 | 100万円~500万円程度 |
ゲーム系 | 300万円~1,000万円程度 |
チャットボット系 | 50万円~100万円程度 |
管理ツール系 | 50万円~300万円程度 |
ジャンルによって費用差があるのはもちろん、同じジャンルでも数100万円も費用が変わることが分かります。この理由は、搭載する機能や開発規模によって金額が異なるからです。上記の表で紹介している費用相場の内訳は、人件費+固定費用になります。
●人件費
アプリ開発における人件費とは、エンジニアやプログラマーの作業コストのことです。システム開発の業界では、「人月単価」とも呼びます。例えば上級システムエンジニアが1ヶ月稼働した場合、100~150万円ほど料金が発生します。技術者レベルによって料金は異なりますが、この金額こそが人件費と呼ばれ、開発費用の約8割を占めています。
●固定費用
前項で紹介した通り、固定費用は人件費以外にかかる機材や設備費用を指します。ドメインの取得やサーバー維持費など固定費に該当する項目は様々です。ちなみに開発したアプリは、「App Store」や「Google Play」といったアプリストアを通じてユーザーに配布をしますが、このアプリストアへの登録費用なども固定費用に該当します。
アプリ開発を外注する場合の費用
「アプリ開発を外注に任せたい」と考えた際に、気になるのは外注にかかる費用です。アプリ開発の費用は、プロジェクトの内容や人件費によって差が出ると紹介しましたが、「搭載する機能の数」も費用差が出る要因の1つです。以下では、機能にかかる費用の目安を紹介します。開発会社やプロジェクト規模によって差はあるものの、相場があるので外注する際の見積もりの参考にしてください。
搭載する機能 | 費用相場について |
---|---|
ログイン機能(メールアドレス使用) | 20万円~40万円程度 |
決済システム(システム構築を含む) | 30万円~50万円程度 |
ユーザーの会員データ管理機能 | 50万円~100万円程度 |
アプリのデザイン | 10万円~100万円程度 |
データ利用(新規取得) | 50万円~70万円程度 |
他社ツール(SNS連携など)の実装 | 5万円程度 |
データ利用は、最初から自社でユーザーの個人情報データを取得している場合、アプリと既存のデータを連携させる作業になるので、10万円~20万円になります。ただし、新しく個人情報を取得する場合は、データを取り扱うための土台づくりが必要になるので、50万円~70万円程になります。
以上の点を踏まえると、アプリ開発を外注する場合は、搭載する機能に応じて10~100万円ほどの費用が発生します。もちろん「搭載機能を増やす」、「アプリを通してデータを追加する」などの作業が発生すると、費用が上乗せされていく仕組みです。開発コストとアプリの利便性のバランスを両立するには「最低限必要な機能」を洗い出すのがコツです。
例えば、自社製品の販売推進に役立つ「EC系アプリ」を開発するなら、「ユーザーデータ管理機能」や「決済システム機能」が必ず必要になるでしょう。アプリは多機能であるほど優れた利便性を発揮しやすくなるのも確かです。とはいえ、ユーザーが活用しにくい機能を追加すると、アプリの使い勝手が悪くなる上、開発費用も無駄に増えてしまいます。
ちなみにアプリ開発の中でも、「ネイティブアプリは費用が増えやすい」という点を留意しておきましょう。ネイティブアプリとは、いわば「スマートフォン向けアプリ」のことですが、iPhoneやiPad用のアプリならiOS、GALAXY、Xperia用のアプリならAndroid用とで単独開発しなければなりません。各OSは、開発環境や言語が異なるため、別々でアプリ開発を行う分、開発費用が増えやすいのです。
アプリ開発の費用を抑える方法
開発期間と関わる人数を増すほど、比例してアプリ開発の費用も増加します。そのため「コストは最小限で、高品質なクオリティのアプリを作りたい」と考える方も少なくないでしょう。以下では、アプリ開発の費用を抑える方法を紹介します。
●自社で対応できる部分を洗い出す
開発の工程の中でも、アプリのデザインは比較的自社で対応がしやすい作業の1つです。デザインを自社で行うか、依頼先に任せるかで料金が変動する場合があります。デザインも外注に任せた場合の費用相場は100万円ほどになります。しかし、自社でデザインを担当した場合の相場は10~30万円となり、外注と比較をしても大幅に費用をカットできます。
デザイン提案はアプリ開発と同様ハードルが高いように見えますが、最近ではアプリのデザインを豊富に扱うツールもあるので、自社に合ったデザインを見つけられるでしょう。加えて、自社ブランドを一番理解している人が行うことによって、自社の魅力を引き出すデザインを作りやすいのも、理由として挙げられます。
●レベニューシェアを利用する
「レベニューシェア」とは、システム開発会社が開発費用を負担する代わりに、アプリのリリース後に得られた売上・利益をシステム開発企業と発注企業で分配する方法です。開発費用を負担してもらう分、発注側はローコストで済みます。さらに、アプリの利益が双方の利益にもなるため、お互いクオリティ維持のモチベーションを高く保てるのもポイントです。ただし、レベニューシェアで契約するには、「確実に利益になる」という企画力が成功のカギとなります。これは、アプリの利益がシステム企業にとっても収益になるためです。万が一「これは利益にならない」と判断された場合は、契約を成功させること自体が困難となります。
●Webアプリを作成する
外注費用の項で述べた通り「ネイティブアプリ」は、アプリの中でもiOSとAndroid向けで2種類開発する分、コストは高めになります。これに対して、webアプリ(webブラウザにアクセスすると使用できるアプリ)は、ネイティブアプリと違って複数開発する必要がないため、費用を抑えて開発できます。アプリ普及率はネイティブアプリの方が高いものの、「まずは費用削減に注力したい」と考えている場合、選択の1つとして考えてみるのをオススメします。
このほか、開発費を抑える方法として「仕様書を見直して不要な機能を取り去る」、「フリーランスのエンジニアへ開発の依頼する」などが挙げられます。とはいえ、開発費を極端に削減したばかりに「仕様通りのアプリが完成しなかった」、「リリース予定日に間に合わなかった」となっては本末転倒です。結果的に開発費が増えてしまいかねないので、コスト削減だけに着目しないように注意が必要です。
開発費を算出する際の注意点
アプリ開発における注意点として、リリース後の「運用や保守にもコストが発生する」ということを留意しておきましょう。
運用・保守とは、アプリ開発終了後に出るバグやトラブルの改修、OSバージョンアップの対応、サーバーの監視をする作業のことです。ユーザーがアプリを快適に使うためには、欠かせない作業ですが、見積もり時に「運用・保守が費用内に含まれていない」というケースもあります。リリース後の運用については、開発会社のサポートとランニングコストを必ずチェックしておきましょう。運用・保守にかかるコストも暫定的にしか出せませんが、開発費の10~20%と考えるのが目安といわれています。
今回は、アプリ開発における費用相場や、費用を抑える方法について詳しく解説をしました。
「どのようなアプリを作りたいか」が分かれば、実際に開発を行う前の段階でも、おおまかな開発費を算出することは可能です。とはいえ算出する開発費は、あくまで目安として捉えておきましょう。繰り返しになりますが、アプリの開発費は規模や機能に応じて大きく変化します。もしも「アプリの正確な開発費を把握したい」という場合においては、外部のシステム会社へ開発を依頼するのも良い方法です。成果物の納品に対して報酬を支払う「受託開発(請負契約)」という形でアプリ開発を依頼すれば、支払い時期や報酬額が明確になります。内製よりも予算計画を立てやすい分、予想外の出費を抑えることにも繋がるでしょう。
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