音声認識システムの費用相場とは？導入のポイントも解説

音声認識システムはAIの進化が進んだことで、より一層ニーズが増加しています。
本記事では音声認識システムの導入を考えている方へ、導入に向けた費用相場や選ぶ時のポイントなどを解説しています。業務効率化や自動化など多くのメリットがある音声認識システムの導入に向けて、ぜひ参考にしてみてください。

 

目次

 

 

 

音声認識システムの費用相場とは

音声認識システムは、リアルタイムで音声認識を行うものや録音で音声認識を行うものなど、様々な種類があります。そのため、どのような種類の音声認識システムを導入するかで、費用は大きく変わってきます。

簡易的なものであれば、数万円から導入できるものもありますが、優れた機能を備えたシステムだと数百万円かかるものもあります。さらにクラウド型やオンプレミス型など、様々な形態もあり、月額費用が数十万円に上るものもあります。そのため、どのような目的で音声認識システムを導入したいのかを明確にしてから選ぶことをおすすめします。

多くのシステムでは、料金表示が「要お問い合わせ」となっていますので、利用したい人数や規模、条件などを整えたうえで気になった音声認識システムに問い合わせてみると良いでしょう。

 

●システムを選ぶ時のポイント

音声認識システムを選ぶ時のポイントは主に下記の2点です。

• 認識精度で選ぶ

• メンテナンスコストで選ぶ

それぞれのポイントについて解説していきます。

 

認識精度で選ぶ

音声認識システムの認識精度は、システムの肝に当たる部分になります。せっかくシステムを導入したとしても、認識精度が低ければ効果的な導入にはなりません。音声認識システムの認識率は、コールセンター向けのシステムでオペレーターが80~90%、顧客側は50~80%とされています。オペレーター側の認識率が高い理由は、話し方の丁寧さにあります。丁寧にゆっくり話すことで認識精度は上がっていきます。

また、音声認識システムには、認識精度を上げるために「音響モデル」と「言語モデル」が多くの製品で採用されています。

「音響モデル」とは、音波の最小単位である音素を特定するものです。特定には数千人単位から数時間分の音声を統計処理したものをベースとして利用されるので、精度が高まります。

一方で「言語モデル」とは、単語や文字列の組み合わせがどのように出現するかの確率の高さを評価するものです。評価するためには大量の日本語テキストを統計処理しており、文字起こしされた際に自然な文章になるよう変換してくれます。

認識精度の高いシステムは、主にAIが搭載されたもので自己学習が可能です。AIは機械学習を繰り返すため、利用すればするほど認識精度が上がっていきます。そのため認識精度を高めるシステムを選びたいのであれば、AI搭載は必須です。加えて音声認識システムの中には応対品質評価機能を搭載しているものもあります。

応対品質評価機能とは、その名のとおり音声通話に対して自動で採点を行うシステムです。このシステムを活用することにより、応対品質の向上などが見込めます。こうした評価機能が付いている音声認識システムは、高性能であることが多いため、認識精度も高いことが期待できます。

他にも音声認識データを他のデータと紐づけたいと考えた場合は、正確な認識精度を顧客データに紐づけることで、マーケティングに活かしていくことも可能です。これらの音声認識精度は非常に高いものとなっているので、認識精度に加えて付加価値も付けたいと考えている場合は最適です。

 

メンテナンスコストで選ぶ

メンテナンスコストもシステムを選ぶ時の重要なポイントです。なぜならメンテナンスは導入したシステムがきちんと動作するために重要であるため、コストは必ずかかってくるからです。システムは導入して終わりではなく、継続して運用し、効果を出すことが求められています。継続的にシステムが問題なく稼働するために、メンテナンスコストがどれくらいかかるかを把握することが大切です。

コスト面での負担が大きいと安定した音声認識システムの稼働にはつながりません。中長期的に利用することを考え、自社の負担が少ないようにすることも大切な点といえるでしょう。

なおメンテナンスコストは導入した規模感やシステムによって、大きく変わってきます。毎月支払うものになるため、コストの負担が少ないものや費用対効果が高いシステムを選ぶと良いでしょう。

 

音声認識システムとAIは関係している？

結論からいえば、音声認識システムとAIは密接に関係しています。前述したようにAIが搭載されている音声認識システムは、高い認識率を誇っているからです。例えばスマートフォンにもAIを搭載した音声認識システムが採用されています。iPhoneのSiri、AndroidのGoogleアシスタントが音声認識システムです。細かい表現をきちんと認識されたり、文字起こしをした際に漢字の一言一句まで、間違いなく表示されることで驚かれた方も多いのではないでしょうか。とても便利なシステムのため、街中でお店を探す時などに利用したことがある方も多いでしょう。

ビジネス向けでは音声認識システムを利用して議事録の作成に活用する、業務のコンピューターに音声で指示を出すなどにも利用されています。このように音声認識システムとAIは密接に関係しているといえるでしょう。昨今では音声認識システムのニーズは伸びてきており、様々な種類の音声認識システムが出てきています。汎用性の高いシステムも多いため、自社の業務に合えば導入してみるのもよい選択といえるでしょう。

汎用性の高いシステムとは「Google Cloud Speech-to-Text」や「Watson Speech to Text」などです。それぞれGoogleやIBMが提供している音声認識システムになります。それぞれの音声認識システムにはAIが搭載されているため、非常に高精度な音声認識が可能です。

「Google Cloud Speech-to-Text」では、Google独自の機械学習技術が活用されており、日本語でも問題なくサポートされています。リアルタイムでの即時変換はもちろんのこと、録音データの文章化も可能です。

また、「Watson Speech to Text」では、IBMのAIエンジンである「Watson」が使用されており、こちらも高精度な音声認識が可能となっています。シンプルな音声認識はもちろんのこと、専門用語の学習や表現の学習を追加で行うことで、より精度の高い音声認識につながります。

AIを搭載することで、機械学習が可能なため、認識率は大きく向上できるといえるでしょう。また独自の音声認識システムを開発したいと考えている方も多いかもしれません。独自システムを開発したい場合は、AIシステムの開発実績がある会社に依頼するのがおすすめです。

 

AIシステム開発にかかる費用について

AIが搭載された音声認識システムを導入することで、認識率の向上や習得したデータの利活用まで行える場合もあります。そのためAIシステム開発にかかる費用は、数十万円〜数百万円になるのが一般的です。システムの規模が大きくなればなるほど、費用も大きくなっていきます。

システム開発にかかる費用は「（作業単価×作業時間）＋固定費用」で構成されています。

作業するエンジニアのスキルが高ければ作業単価は高くなりますし、システムの規模が大きくなれば作業時間は増えていきます。導入前にはきちんと確認しておくと良いでしょう。

また導入する目的によっても費用が変わってきます。例えば

• 単純な音声認識システムを導入する

• 音声認識システムにAIを搭載する

• チャット機能を搭載する

• 既存のシステムと連携したい

などの場合は開発にかかる工数が変わってくるため、費用が変わってきます。システム開発を行う目的によって、自社の予算も変わってくることを理解しておくと良いでしょう。

そのため自社がシステムを開発し、導入を行う際には、「どんな機能をどこまでの範囲で」を明確にしておくことが大切です。

また、システム開発は、運用開始後にも改善やメンテナンス、バージョンアップなどの費用が必要になってきます。これらもいくらかかるのかを押えておくと、開発への予算が組みやすくなります。

なおシステム開発にかかる費用構成の詳細については以下のページで解説していますので、参考にしてみてください。

▶ システム開発にかかる費用はどのくらい？費用計算の方法も解説！

自社でAIシステムを開発したいと考えている場合は、ぜひAIシステムの開発実績がある会社に相談してみてください。

 

●AI開発会社を選ぶコツ

AI開発会社に依頼をする際には、多くのAI開発会社から選ぶ必要があります。本章ではAI開発会社を選ぶコツを3点紹介していきます。

具体的には以下のとおりです。

• 開発会社ごとの得意分野、開発言語を調査し把握しておく

• 目的や課題を明確にして依頼内容を固める

• 予算をあらかじめ決めておく

コツの詳細については以下のページでも紹介していますので、合わせて参考にしてみてください。

▶ AIシステム開発にかかる費用相場とは？AIの活用事例なども解説

 

開発会社ごとの得意分野、開発言語を調査し把握しておく

一口にAI開発といっても、AI開発には様々な言語が使用されているため、会社によって得意とする分野などが違ってきます。

具体的には「Python」という言語での開発を得意としている会社もあれば、「C++」という言語での開発を得意としている会社もあります。そのため自社で開発するAI開発に適した言語が得意かどうかを調査し、把握しておくと良いでしょう。

 

目的や課題を明確にして依頼内容を固める

AIシステムは導入することが目的ではありません。自社の課題を解決する、自社の目的を達成するための手段として、AIシステムの活用を検討すると良いでしょう。そのためAIシステムの導入を検討する際には、なぜ自社で導入するのかを逆算して考えることが大切になります。

また、自社のどんな課題を解決したいのかが明確になっていないと、依頼を行うにしても曖昧なものになってしまいます。きちんと目的や課題を固めてから依頼をかけるようにしましょう。

 

予算をあらかじめ決めておく

予算がたくさんあれば、素晴らしいAIシステムが開発できるかといえばそうではありません。繰り返しになりますが、大切なことは自社に適したAIシステムを導入することです。予算を超えてしまう場合に備えて、取り付けたい機能の優先順位を決めておくと、依頼する際に迷わずに済むでしょう。

また、予算を決めておかないと、不必要な機能まで付いてきてしまう可能性もあります。そのため予算はあらかじめ決めておくことが大切です。

 

システム構築・改修のみの依頼は可能？

結論からいえば、システム構築・改修のみの依頼は可能です。なぜならシステム開発や改修を、開発業務支援サービスとして取り扱っている企業があるからです。開発業務支援サービスとは、システムの開発や構築、改修などで困っている企業を支援するサービスのことです。なおサービスを取り扱っている企業のHPでは、具体的な支援について記載されていない場合もあるため、事前に問い合わせることがおすすめです。

また、システム構築・改修のみの依頼でもコスト面では新規開発の場合と変わらない場合もあります。なぜならシステム開発や構築にかかわる費用は「（作業単価×作業時間）＋固定費用」で決まるからです。そのためシステム構築・改修のみの依頼は開発よりもコストが抑えられるとは限らないので、注意が必要です。

 

まとめ

音声認識システムは日常生活からビジネスシーンに至るまで多く活用されているのがポイントです。AIを活用することで認識精度はより向上するでしょう。実際音声認識機能を用いたデバイスは精度を上げており、通常の生活でも利用価値が上がってきています。

パッケージシステムの導入はもちろんのこと、新規で開発するのも自社に適しているのであればよい選択になります。ぜひ自社の課題を解決し、目的を達成する音声認識システムの導入へ動き始めてみてください。

 

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