VR(仮想現実)は、メタバースを支える技術として注目されています。VRとは、本物そっくりの状況をデジタルに作り出すことができる技術。時間や場所にとらわれずリアルな体験を提供できたり、用途に合わせて仮装空間を作り出し、その中で商品やサービスの理解を高められることから、VRをマーケティングに活用する企業が増えています。
興味はあるけど、どのようなVRがあるのか、制作にはどれくらい費用がかかるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、VRアプリを外注して開発した場合の費用相場を開発ケース別に解説していきます。
目次
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VRアプリ開発にかかる費用相場とは
ここでは開発ケースごとVRアプリ開発にかかる費用の相場をご紹介していきます。
※下記の説明で取り上げる相場はあくまで一例です
開発ケース | 費用の相場 |
---|---|
360度写真のパノラマ映像を掲載する | 20万円~40万円 |
画像処理機能があるVRアプリの開発 | 30万円~60万円 |
撮影済みの映像をVR化する場合 | 100万円~200万円 |
VRのライブ映像を配信できるアプリの場合 | 150万円~200万円 |
VRでプレイのできるゲームアプリの場合 | 1,000万円~ |
●360度写真のパノラマ映像を掲載する
VRというよりは、360度で確認できる映像をアプリへ掲載するケースです。ぐるぐると回る映像で物件の中などを確認できるようにする際に有効です。
相場としては「20万円~40万円」です。撮影や編集、打ち合わせや掲載作業まで含まれた金額です。撮影の方法やカメラの台数、カメラのグレードによって費用は変動します。ちなみに魚眼レンズや編集ソフトがあれば、自力で制作することもできます。
●画像処理機能があるVRアプリの開発
画像を処理してVRとして描写するようなアプリを開発するケースです。相場としては「30万円~60万円」となります。
簡単な画像の処理であればこれより低額になる可能性がありますし、複雑な処理が発生する場合はアプリ速度なども考えて制作する必要があるので高額になる可能性があります。
●撮影済みの映像をVR化する場合
撮影された映像が用意されているものをVR化してもらう場合は、「100万円~200万円」といった費用がかかります。現実世界の風景をアプリ内で立体視できるように調整して、どこでも見られるようにする場合にVR処理が必要です。
撮影済み映像のVR化は、「季節に関係するスポットの映像を、VRアプリで見られるようにする」といったケースで役立ちます。ただし撮影までを依頼する場合はさらに高額になります。
●VRのライブ映像を配信できるアプリの場合
Vtuberがライブを行っている映像を見ながら、コメントなどが打てるアプリがすでに開発されています。そういった配信向けのVRアプリを制作する際は、「150万円~200万円」が費用相場となります。
配信ができるVRアプリでは、描写精度や速度の調整や、コメントといった関連機能を追加した場合、作業が大規模になると開発費用が数百万円では収まらない可能性があるので注意しましょう。
多くのユーザーを配信者や動画閲覧者として惹きつけられる機能的独自性や集客施策も必要ですが、そこまで依頼するとさらに高額になるため、検討が必要です。また、YouTubeや他の配信サービスが競合となるので、高額なコストに対してコストメリットが得られるのかよく吟味しましょう。
●VRでプレイのできるゲームアプリの場合
VRでプレイができるゲームアプリの例を紹介します。「Oculusといった専用端末でリリースするゲーム」や「スマートフォン+アタッチメントでゴーグルを作ってプレイするゲーム」を開発する場合、その相場費用としては「1,000万円~」となります。
こういったVRゲームアプリでは以下のようなポイントで費用が変わってきます。
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3DoFと6DoF(動きの自由度)のうちどちらを採用するのか
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専用のリモコン等と連動させる必要があるのか
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描写精度やゲームアプリ自体の作り込みをどこまでするのか
6DoFでは足の動きなども再現するためより高額なVRアプリとなります。また専用の周辺機器が必要な場合は、連動させる準備が必要な分さらに高額になるでしょう。そこからさらに描写の鮮明さやアプリ世界観の作り込みまで求めると、かなりの金額になるので注意が必要です。
ゲームアプリとなると、ほとんどは専用の3DCGを作る必要があります。ベースとなる風景があったとしても1から手作りになるので、一番VRコンテンツとして費用がかかるのがネックです。速度や作り込みなどに少しでも問題点があるとプレイ人数が減りますし、集客戦略で失敗してしまう事例もあります。かなり注意して戦略を立てておく必要があります。
なぜ開発費用がかかる?アプリ開発の工程と費用内訳
アプリ開発において開発費用が高額になるのは、次のような複数の複雑な作業が発生するからです。開発規模が大きいアプリだと複数の企業が各工程を分担して作業、すり合わせを行うケースも多いです。
アプリ開発の主な工程
- アプリのコンセプト決め
- 機材の準備
- VR映像の撮影・映像の編集
- 3DCGの作成
- アプリシステムの開発
●アプリのコンセプト決め
たとえばコンセプト決めにおいては、デザインの下地を用意する作業が発生します。デザインを制作する際は
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想定ユーザーに分かりやすくする
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自社のアプリジャンルが分かりやすいカラーリングにする
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すっきりした見た目を心掛ける
といったポイントがあります。こういった作業を外注する場合、
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資料を自分で用意できる、コンセプトが決まっている状態:10万円~30万円
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企画決定などの作業まで一任する場合:100万円前後
などの費用が発生するのがポイントです。
コンセプトの概要までは自社で決めておくと良いでしょう。
概要まで決まっていない場合は、外注先とのすり合わせが上手くいかない可能性があります。また丸投げになってしまうリスクが伴います。概要決定は自社で行うのを前提にして、細かい仕様まで決められない場合に企画の決定などの作業まで任せる気持ちでいると安心です。
●機材の準備
VRアプリの開発に必要な機材には、以下のようなものがあります。
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3DCG制作ソフト
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魚眼レンズ
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VR対応カメラ
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ドローン
自前で用意する場合は3DCG制作ソフトが0円~、また魚眼レンズはスマートフォンに装着するタイプだと数千円程度で購入できますが、専用カメラを購入すると数万円や数十万円といった値段になります。ちなみに専用のカメラには大体専用の編集ソフトが付属しています。
ドローンは安いものだと数千円、ただしトイドローンと呼ばれるようなジャンルになるのでビジネス利用には向かないかもしれません。高度な撮影や飛行調整機能が搭載されているものだと、数十万円といった購入費用が発生する可能性があります。
外注する場合は機材本体の代金は必要ありませんが、手数料として外注先の設備を利用する費用がかかるのがポイントです。
●VR映像の撮影・映像の編集
VR映像となる素材を撮影・編集してもらう際の費用です。簡単でよければ自社でスマートフォンを使う手もありますが、高画質で多機能なVRアプリの基になるVR素材を用意するには専用のカメラなどで撮影を行う必要があります。
費用相場としては撮影・編集ともに「10万円~50万円」などが発生します。360度映像の撮影・編集程度であれば10万円程度で済む可能性がありますし、本格的な撮影・編集だと100万円を超える可能性があるでしょう。
また、撮影に必要な人数、ロケーションの確保、キャスティングの有無、映像に必要な技術などによっても費用相場は変更になります。
●3DCGの作成
3DCGの制作が必要なパターンもあります。正直撮影よりも費用が高額になる可能性があるので、外注する場合は気を付けて依頼を検討してみてください。
相場の一例としては「100万円~200万円」となります。3DCGのみに絞った場合の費用なので、当然実際の費用はさらに上乗せされます。また
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CGのリソース量が相場よりも多くなる
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描写に関して世界レベルの高画質・高レートを要求する
といったパターンでは外注先が限られますし、技術が必要なので相場がさらに値上がりする可能性があるでしょう。
●アプリシステムの開発
VRアプリはVR映像を組み込むだけでは起動しません。ジャンルに応じて、ログインや決済、会員データのバックグラウンド管理といった機能が必要となります。
ログイン機能はメールアドレスを使う場合「20万円~40万円」ほどです。ちなみにSNSアカウントとの連携などは「5万円」などが発生します。また決済システムの独自構築には「30万円~50万円」、会員データのバックグラウンド管理には「50万円~100万円」が相場の一例として掛かってきます。
グローバルメニューといったデザイン・レイアウト費用は「10万円~100万円」です。
機能が増えれば増えるほどバランスの調整が難しくなり、速度低下などのトラブルが発生します。そしてコストも高額になるので、必要でない機能は削除しながらどの機能が必要なのか優先順位をつけるとよいでしょう。
アプリシステムの開発工程や費用内訳については、以下のページでご紹介しています。
▶ アプリ開発を成功させる8個の手順。リリース方法まで詳しく解説
VRアプリは低コストで開発できないの?
VRアプリを制作する際にコストを抑えるには、次のような方法があります。
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ツール・材料費を抑える
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社内で制作を行う
-
保守・管理も自社で行う
VRアプリを開発する際のツールは無料でも入手可能です。そういったディベロッパー向けのツールを使った上で、素材となる映像素材や機器も自前で用意すればコストが低くなります。
また、外注すると手数料が発生しますから、社内でインハウス開発するとコストが下がります。併せて保守・管理まで自社で行うことで継続的なコスト削減となるでしょう。
ただし、VRアプリを制作するノウハウがある前提での話です。中途半端に開発を行うと手戻りが生じたり、ツールの機能不足で思った通りのアプリが制作できなかったりします。結局低品質なVRアプリが無駄なコストでできてしまうリスクが高まるのがデメリットです。
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消費者向けの大規模・多機能なVRアプリを開発したい
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検証程度にVRアプリをまず作るではなくいきなり提供を開始して稼ぎたい
といった方は、外注したほうが手っ取り早いです。当然開発の手数料は発生しますが、以下のようなメリットもあります。
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将来的に自社でアプリを作る際のノウハウを提示してくれる
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高品質で多機能なアプリを納期通りに制作してくれる
VRアプリを制作する際のノウハウが不足している場合は、外注を行って将来的な利益へつなげてみましょう。
VRアプリの開発会社を探すコツ
VRアプリを制作してくれる開発会社を探す際は、次の3点に注意しましょう。
●目標・課題を明確化する
VRアプリで達成したい目標・解決したい課題は様々でしょう。
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自社で作るコンテンツの幅に限界を感じるのでVRを試したい
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物件の内覧などに使えるVRアプリを開発したい
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VRで商品を分かりやすく確認できるECアプリが欲しい
まずは目標・課題を明確にして、VRアプリが果たしてそれを解決してくれるのかよく確認する必要があります。VRアプリを制作する手間やコスト以上にメリットが得られないと数値付きで判断できる際は、開発を行うべきではありません。
課題を設定すれば自然と作るべきVRアプリのジャンルや、開発費用の相場が分かるので判断材料になるでしょう。単純なVR組み込みであれば安くなりますし、ゲームアプリとVRを組み合わせたリアルな対戦ゲームなどを制作する際はコストが高くなるはずです。またWebサイトで公開するようなVRコンテンツを制作する際は安くなりますし、アプリストアで配布するようなアプリを開発する際は高くなります。
●VRアプリ開発会社の強みや実績をよく吟味・比較する
VRアプリ開発会社には、主に2つのタイプがあります。VRアプリ開発を専門としている会社と、他のコンテンツ制作まで総合的に対応している会社です。
また、会社によって強みも異なります。WebVRの組み込みのほうが得意な会社や、ゲーム系のアプリ制作が得意な会社、
マーケティング戦略まで見込んだ工程を任せられるなどの違いがあります。
こういった強みを確認した上で、様々な分野での開発実績まであるのかチェックしたほうが安心です。
できれば担当者の知見や、実際に対面した際のヒアリングスキルなども判断材料に含めて検討できると安心です。コストについても相見積もりを取って比較することで、自社の想定した機能と予算のバランスが取れた企業を見つけやすくなります。開発会社の相見積もりは発注ナビなどのマッチングサイトから一括でリクエストできるので活用してください。
●課題解決の見込みやシナジー効果に関する有無を確認する
外注先は単なる下請けではありません。今後も仕事を継続依頼する可能性のあるパートナーです。パートナーとして考えないとすり合わせや納期などの面で悪影響が出てくる可能性があります。
「その企業は外注先として課題の具体的解決案を策定してくれるのか」また、「シナジー効果でお互いにメリットが得られる関係性を構築できそうか」などを確認できると安心です。
課題に関して具体的な案の提示ができない企業は危険です。もちろん基本的な骨子はこちらで作成しないと失敗するリスクが高まりますが、外注するということはこちらで細かいVRアプリの活用方法や課題の解決策まで考えられる状態にない可能性が高いでしょう。よって案の作成まで含めて将来的な展望を描いてくれる企業なのかは確認しておく必要があります。
また事業分野の違いなどによって、シナジー効果が得られるかは変わってきます。自社と同じ分野での開発実績が合ったりするとシナジー効果も見込みやすいですし、提案スキルなども考えて任せて大丈夫か確証を得られるとさらに良いでしょう。
まとめ
今回はVRアプリを外注して開発した場合、どのくらい費用がかかるのか相場を解説しました。活用する企業が増えてきたとはいえ、VR制作の技術はまだ確立されておらず、記事の中で紹介した開発ケース1つをとっても外注先によって金額に大きく差が出てくる可能性があります。
そのため、あらかじめいくつかの外注先の候補に相見積もりを行い、実際の費用感を比較するのがよいでしょう。そこで提案力や品質などの差を見極め、一番適切な提案を行ってくれた開発業者へ依頼できれば安心です。
ぜひVRをDXの一環としても組み込んで、アプリとして提供、DXの推進にお役立てください。
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「なにを基準に探せば良いのか分からない…。」
「自社にあった外注先ってどこだろう…?」
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などなど、疑問や悩みが尽きない事が多いです。
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