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アプリ開発の運用保守とは?必要な理由と費用目安を解説

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アプリ開発のイメージ図

アプリの価値を最大限に引き出し、サービスを継続させるためには、リリース後の運用と保守が必要不可欠です。
サービスの維持を考慮せずにアプリを作ってしまうと、リリース後の不具合への対応が遅れるばかりか、ユーザーからの要望に応えることさえ難しくなります。
アプリの目的や機能・デザインも重要ですが、アプリのアクティブユーザー数を増やし、アプリ開発をビジネスとして成功させるためには、不具合や要望に対して柔軟に対処できるような体制まで気を配らなければいけません。
また、運用・保守には費用がかかるため、アプリ開発に携わる担当者は、開発費というイニシャルコストだけでなく、運用・保守のためのランニングコストまで予算に組み込む必要があります。

 

目次

 

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アプリを維持するために運用・保守が必要不可欠

アプリ開発はリリースして終わりというではありません。リリースした後にも、継続的に安定したサービスを提供するためには、アプリの「運用」と「保守」が重要です。運用・保守のフェーズでは、アプリユーザーからのフィードバックの収集、不具合の修正、新機能の追加・改善など、アプリの品質を高める作業を行います。技術の進化や市場の変化に対応してサービスの信頼性を高め、アプリの価値を最大限に引き出すことが、運用・保守の主な役割です。

アプリの運用・保守は、以下のようにそれぞれ異なる業務です。

  • 運用:アプリをより良くするために、管理・監視を行う業務

  • 保守:予期せぬ不具合やエラーの修正対応や改善・アップデートを行う業務

 

●アプリの運用とは?

「運用」業務では、アプリのパフォーマンスを維持するための管理・監視などを行います。具体的な作業内容は多岐にわたりますが、主に以下のような作業を指します。

 

  • アプリケーションの起動と停止

  • システム環境の監視

  • データのバックアップ作成

  • データの入力・出力

 

アプリの動作を安定させるために計画的な再起動を行ったり、メンテナンスやアップデートに伴うアプリの停止・再起動を実行するほか、システム環境の監視も行います。監視とは、アプリの動作状況を定期的にチェックし、問題が発生していないかを確認する作業です。具体的には、マシンやネットワークなどの運転状態、メモリ、CPUなどシステムリソース、バッチジョブなどの状態を見守ります。万が一異常を発見した場合は、即座に関係部署へ修正・改善を依頼を行い、ユーザーへの影響を最小限に抑えます。データのバックアップを作成し、アプリを復元可能な状態にすることも運用の重要な仕事です。

 

●アプリの保守とは?

「保守」業務は、アプリが抱える問題の修正、改修などのトラブルシューティング作業を指します。具体的な作業内容は以下のとおりです。

 

  • アプリケーションのアップデート

  • OSアップデートに対応した修正作業

  • アプリケーションへの機能追加

  • 不具合発生時の修正対応

 

保守では、アプリに不具合が発生した場合に原因を特定し、修正・改善するトラブルシューティング作業を行います。監視担当者から異常を検知したと連絡を受けた際には、迅速に解決策を講じます。加えて、アプリが依存するOSやソフトウェアのアップデートに伴い、アプリのアップデートも行います。アプリのセキュリティを保つため、新たに発見されたセキュリティ上の脆弱性を修正するパッチをアプリに適用するのも、保守業務の重要な役割です。アプリの機能追加や改善、バージョンアップ、パフォーマンスの最適化など、アプリをより良くするための作業も保守業務に含まれます。改善やアップデートは、ユーザーの要望や市場の変化、競合他社の動向、あるいは技術の進歩を踏まえ、戦略的に行われます。アプリがユーザーにとって価値あるものであり続けるため、品質管理に手を尽くすのが保守の役割です。

 

アプリ運用・保守の費用目安

ユーザーにアプリを愛用してもらうためには、アプリの動作を安定させ、ユーザーが飽きないよう定期的な更新を行う運用・保守業務が必要不可欠です。一方で、運用・保守には費用がかかります。アプリの開発をする際には、アプリの制作費用(イニシャルコスト)だけでなく、運用・保守を見据えた維持費用(ランニングコスト)も考慮しなければいけません。

運用・保守を外部依頼する場合、費用目安は以下のとおりです。一般的にはアプリ開発費用の15%が目安といわれています。例えば、300万円かけてアプリ開発を行った場合、運用・保守にかかる費用目安は45万円です。

 

運用・保守の項目 費用目安
サーバー費用(Webアプリの場合) 無料~数十万円
ドメイン取得・更新費用 500円~5万円程度/年
OSアップデート対応費用 10万円~50万円ほど/1機能
保守にかかる費用 10万円以上
機能追加・機能改善費用 数万円~/1機能

 

●運用・保守にかかる費用の種類

運用・保守にかかる費用は、主に以下のような種類があります。

 

  • サーバーにかかる費用

  • ドメインにかかる費用

  • OSアップデートにかかる費用

  • 保守対応にかかる費用

  • 機能追加や改善のための費用

  • アプリのコンテンツ更新にかかる費用

 

●サーバーにかかる費用

サーバー費用は、主にWebアプリやハイブリッドアプリでデータの保存・管理・通信などの機能を実現するために必要な費用です。サーバーを利用するには、自社でサーバーを保有するか、レンタルサーバー(共有サーバー)を借りるか、クラウドサーバーを利用する方法があります。

 

自社でサーバーを保有する場合 物理サーバー(ハードウェア)を自社で管理する方法です。ハードウェアの購入費用、サーバールームのレンタル費用が発生するほか、光熱費、冷却システムの費用、ハードウェアの交換費用が別途かかります。
レンタルサーバー(共用サーバー)を利用する場合 物理サーバーをレンタルする方法です。サーバーの設定や利用できるリソースは固定されていますが、月額費用が変動しません。
クラウドサーバーを利用する場合 仮想化した専用サーバーを個別に設置する方法です。必要に応じて設定を細かくカスタマイズでき、使用したリソース(ストレージ容量や転送量など)で費用が変わります。

 

●ドメインにかかる費用

Webアプリの場合は、インターネット上からアクセスするためにドメインが必要です。ドメイン取得には「登録費用」と「更新費用」が発生し、年間で500円から5万円ほどかかります。価格はドメインの種類(.com、や.jpなど)やドメイン登録企業(レジストラ)によって異なりますが、一部のドメインは人気が高いため、登録費用が高価です。

また、ドメイン名を保持し続けるためには、定期的(一般的には1年/3年/5年ごと)に更新費用を支払う必要があり、更新を忘れてしまうと、他人や別企業にドメインを取得されてしまうことがあります。

 

●OSアップデートにかかる費用

iOSやAndroidでは、大きなアップデートが1年に1回ほど、OSアップデートが行われます。OSのアップデートは、サーバーやアプリケーションが安全に動作し続けるための重要な作業です。アップデートでは、セキュリティパッチの適用や機能改善が行われる一方で、機能の一部が使えなくなるケースもあります。OSアップデートの影響によって発生する不具合を迅速に解決するため、専門知識のあるITスタッフや外部の専門家に対処してもらうための費用が必要です。

 

●保守対応にかかる費用

保守対応では、アプリのトラブルやバグを解決するために必要なコストを指します。アプリに異常が生じた場合に対応が遅れると、ユーザーへ不信感を与える要因となり、ビジネスへ大きな影響を与えかねません。

保守対応には、人的リソースや外部サービスのコストがかかります。具体的な費用は、アプリの規模、複雑さ、使用技術に左右されますが、保守費用は10万円以上かかるといわれています。予算に組み込む場合は、開発費用の15%ほどを見込んでおきましょう。

 

●機能追加や改善のための費用

市場の変化やユーザーのフィードバックを通してリリース後に需要が高い機能を追加することで、利便性を高めてユーザーの数を増やしたり、アプリの価値を高めたりできます。新機能の追加・改善のためには、機能の設計・実装・テスト・デプロイに伴うコストが発生し、費用目安としては、1機能につき10万円~50万円ほどは必要です。

 

システム例 費用目安
決済システム 20万円~50万円ほど
課金システム 10万円~20万円ほど
Googleマップ搭載 10万円~20万円ほど

 

アプリの維持費を抑えるポイント

運用・保守費用はアプリの維持に必要不可欠なコストとはいえ、ランニングコストが大きくなりすぎると、長期間の運営は苦しくなります。ここからは、アプリの維持費を抑えるためのポイントを解説します。

 

●バグの少ないアプリをリリースする

不具合やエラーなどのバグが多発すると、原因究明や修正、ユーザーサポートにリソースを割かれるため、コストが膨らんでしまいます。バグの多さはアプリの信用を損ない、ユーザーが離脱する原因にもなりかねません。開発時点で定期的なテストを行い、想定しうるバグを解消したうえでアプリをリリースをすると開発費用は増加しますが、長い目で見ると維持費の削減につながります。

アプリに余計な機能が多いと、バグが発生しやすくなります。要件定義の段階で必要最低限の機能を洗い出し、機能の数を絞ることも検討してみてください。

 

●クラウドサーバーを活用する

物理的なサーバーを自社で設置・運用する場合、ハードウェアの設置、サーバールームの維持費、光熱費などが必要ですが、クラウドサーバーを活用することで、これらのコストを抑えられます。また、クラウドサービスはスケーラビリティに優れており、需要に応じてリソースを迅速に拡大・縮小できます。リソースを必要な分だけ利用できるクラウドサーバーは、コスト面で大きなメリットとなります。

 

●定期的に最適化やアップデートを行う

アプリに悪影響が出てから大規模なアップデートを計画するよりも、小さなアップデートを繰り返して不具合やエラーにつながりそうな問題を都度解決するほうが効率的です。大きなアップデートには時間がかかるため、そのぶんコストが高くなる傾向があります。加えて、機能を追加・改修するタイミングも、アップデートやバージョンアップと同時に行うことで、別々に行う場合よりコストを抑えられます。機能の追加・改修はバグが発生しやすいですが、最適化やアップデートを計画的に実施することで、バグを軽微な段階で食い止めることも可能です。

 

アプリ開発と保守・運用を外部に依頼する際のポイント

アプリの開発だけでなく、保守・運用まで外部に依頼したいと考えている場合は、プロジェクトの要件と予算に適したパートナーを選ぶことが重要です。以下2つのポイントを参考に、信頼できるパートナーを探してみてください。

 

●契約内容を明確にする

発注者・受注者両方の誤解を避けるためには、アプリ開発を始める前に詳細な契約を締結することが重要です。特に、アプリの運用・保守まで依頼したい場合には、以下の内容に気を配り、認識のすり合わせを行ってください。

 

運用・保守の範囲 運用・保守はどの程度サポートされるのか明確にします。例えば、バグ修正、機能追加、アップデートの頻度、監視方法、セキュリティ対策など、どこまでの対応を含めるべきか検討してください。
サービスレベル契約(SLA) SLAによって、保証サービスや責任範囲を定義できます。一般的には、アプリの稼働率(アップタイム)や応答性、アプリにおけるサポートの責任範囲などが含まれます。
契約期間と更新条件 契約期間と更新条件を明確にすることも重要です。プロジェクトの内容によって、自動更新するのか、新たな契約を締結するのかを検討してください。
費用 運用・保守にかかる費用を明確にすることが重要です。月額費用だけでなく、追加作業の費用、アップグレードやスケーリング時の費用も考慮する必要があります。

 

●費用と品質のバランスを見極める

アプリの運用・保守を任せるパートナーを選ぶ際には、費用と品質のバランスを見極めることが重要です。例えば、他社と比較した時に明らかに見積もり額が低い場合は、低コストを実現できる理由を明確にする必要があります。コスト削減のために品質が犠牲になっているかもしれませんし、後から隠れたコストが浮上する可能性もあるからです。逆に、他社よりも大幅に見積もりが高いからといって安心はできません。見積もり額が高い場合は、価格が品質やサービスに見合っているかを検討することが重要です。

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