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事業再構築補助金でシステム開発・構築する条件とは?申請方法を解説

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事業再生補助金のイメージイラスト

新型コロナウイルスによって、多くの企業が事業の転換や業種の転換を迫られました。事業再構築補助金は「ポストコロナ・ウィズコロナ時代に対応するための補助金」として、こうした事業転換を行う企業の支援のために設けられた制度です。本記事では事業再構築補助金の申請方法や条件について解説しています。ぜひ本記事を、事業再構築補助金の申請準備の参考にしてください。

 

目次

 

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事業再構築補助金の概要

事業再構築補助金とは、新型コロナウイルスの感染拡大によって事業の縮小を余儀なくされてしまった企業や、新しい事業への転換を図りたい企業、感染拡大防止に取り組む企業に向けた補助金制度のことです。

こうした事業転換に対して補助金が出される理由は、コロナ禍における社会やビジネスの変化です。

例えば、コロナ禍によってデリバリーの需要が大幅に増加しました。そのため、これまで行っていなかった企業も、社会情勢の変化に対応するためデリバリー事業を始めています。こうした新たな事業デリバリー展開を行っていくために発生した経費として、事業再構築補助金は補助されます。

 

●給付額について

事業再構築補助金は、中小企業の場合は転換や再編にかかった費用の2/3(6,000万円超は1/2)が補助されます。中堅企業の場合は1/2(4,000万円超は1/3)の補助となります。1社あたり最大上限額は、従業員規模に応じて下記のように設定されています。

<補助額・補助率>

従業員 補助額 補助率
20人以下 100万円~2,000万円 中小企業:2/3(6,000万円超は1/2) 中堅企業:1/2(4,000万円超は1/3)
21~50人 100万円~4,000万円
51~100人 100万円~6,000万円
101人以上 100万円~8,000万円

参照元:経済産業省 事業再構築補助金の概要(令和4年7月1日)

 

申請に必要な条件

事業再構築補助金を申請するために必要な条件は下記の3つです。

  • 売上が減少している

  • 補助の対象となる事業に取り組む

  • 事業計画を立てる

それぞれの条件について解説していきます。

 

●売上が減少している

新型コロナウイルス感染拡大防止のために対象となる都道府県で発令された緊急事態宣言に伴う不要不急の外出・移動の自粛により、売上が減少していることが条件となります。

売上減少の要件は下記の通りです。

<要件>

(a)2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高が、コロナ以前(2019年または、2020年1~3月)の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。
(b)2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月間の合計付加価値額が、コロナ以前の同3ヶ月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること。

(a)の要件を満たす場合は下記のような場合です。

月/年 2019年 2020年
8月 200万円 100万円
9月 150万円 120万円
10月 200万円 100万円
3ヶ月合計 550万円 320万円

表の通り、3ヶ月合計の売上高を比較すると10%以上下落していることが分かります。この場合は売上が減少しているので、対象であると言えます。

(b)の考え方もこの(a)と同様の考え方なので、自社が対応しているかどうかを当てはめてみてください。

参照元:中小企業庁 事業再構築補助金

 

●補助の対象となる事業に取り組む

補助の対象となる事業は下記の5つが該当します。

  • 業態転換

  • 事業転換

  • 業種転換

  • 事業再編

  • 新分野展開

それぞれの事業について簡単に解説していきます。

 

業態転換

業態転換とは商品の製造方法を変更することなどが挙げられます。新しい製造方法を用いて、製品を製造することで転換を図るなどが該当します。業態転換に該当するためには、下記の4つの要件を満たす必要があります。

  • 製品等の新規性要件

  • 製品等の新規性要件

  • 商品、サービスの提供方法を変更する場合:「商品、サービスの提供方法の新規性要件」もしくは「既存設備・店舗の撤去縮小要件」
  • 売上・付加価値要件

 

事業転換

事業転換とは業種をそのままに、事業を変えていくことです。例えばラーメンを展開しているチェーン店がカレーのチェーン店を展開するなどです。事業転換に該当するためには下記の3つの要件を満たす必要があります。

  • 製品等の新規性要件

  • 市場の新規性要件

  • 売上高構成比要件

 

業種転換

業種転換とは新たな商品を作り、業種も変更していくことです。保険の事業を行っていた企業が、保険事業から不動産事業へとまったく異なる事業へと転換するなどが該当します。

業種転換に該当するためには、下記の3つの要件を満たす必要があります。

  • 製品等の新規性要件

  • 市場の新規性要件

  • 売上高構成比要件

 

事業再編

事業再編とは、自社の組織を会社法上にのっとり再編し、新たな事業形態をもとにして、事業転換、業種転換などを行っていくことです。他者との合併や自社株の株式移転などが事業再編に当てはまります。

事業再構築補助金で「事業再編」に該当するためには、下記の2つの要件を満たす必要があります。

  • 組織再編要件(組織再編行為等を行う)

  • その他の事業再構築要件(業態転換、事業転換、業種転換、新分野展開のいずれかを行う)

 

新分野展開

新分野展開とは事業や業種を変更することなく、新たな製品を作り、新たな市場を開拓することです。これまで自社が行っていなかった場所へのチャレンジを示します。新分野展開に該当するためには、下記の3つの要件を満たす必要があります。

  • 製品等の新規性要件

  • 市場の新規性要件

  • 売上・付加価値要件

 

●事業計画を立てる

最後の条件は事業再構築にかかる事業計画を立てることです。事業計画は自社のみで立てるのではなく、認定経営革新等支援機関と策定することが求められます。申請する補助事業終了後3~5年で、付加価値額の年率平均3.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定することが条件です。

また、補助金額が3,000万円を超える案件の場合は、金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加しての策定が条件になります。なお金融機関が認定経営革新等支援機関となっている場合は、金融機関のみでの策定で問題ありません。目標が達成できる見込みのある事業計画の作成が求められます。

 

補助対象から考える設備投資・システム投資の範囲

事業再構築補助金の設備投資・システム投資の範囲は主に下記の2点です。

  • 設備投資

  • システム投資

それぞれの補助対象について解説していきます。

 

●設備投資

設備投資とは事業を行うのに必要な機器へ投資を行うものです。システムを稼働させるためのパソコンや製品を作るために利用する専用の機械などが該当します。

大切なことは補助金を受けるための事業にだけ使われるという点です。支援を受けたものを、他の設備に投資するなどは認められていないので注意が必要です。

 

●システム投資

システム投資とは文字通り、事業を行うために必要なシステムへの投資です。例えば製造業で新商品を開発するにあたって、必要なソフトウェアを購入するなどです。

注意点としては事業を行うための、専門性があることです。汎用性が高いシステムやソフトウェアについては対象外になってしまうので、導入したソフトウェアや情報システムが要件に定まっているかを確認しておくと良いでしょう。

 

事業再構築補助金を活用した事例を紹介

本章では事業再構築補助金を活用した事例を1つご紹介していきます。

佐賀県に拠点を置く「佐賀冷凍食品株式会社」では、コロナ禍によって飲食店への卸売の売上が大きく減少してしまいました。そのため同社は自社の強みを活かした事業再構築を行うことにしました。同社の強みは高い調理技術と冷凍技術にあります。元来、地元事業者との結びつきが深かった同社では、地元とのローカルビジョンを共有し、自社の強みを活かしたコラボ商品を開発することで事業再構築を行っています。

具体的には飲食店とのコラボレーションです。コラボ商品は単なる冷凍食品ではなく、「手作り感のある冷凍食品」を目指しています。「手作り感のある冷凍食品」によって、付加価値の高い商品として、他社と差別化を図り、新たな販路開拓を目的としています。加えてコラボ商品を開発することで、飲食店はもちろんのこと、地元の漁業者や農業者とも連携が取れます。そのため新たな商品開発や事業創出も事業再構築によって見込んでいます。

 

申請の流れ

事業再構築補助金を受けるための申請の流れを解説します。ステップは全部で7ステップあります。

  • 申請準備

  • 申請

  • 審査結果の通知・公表

  • 補助金の交付審査申請

  • 補助事業実施期間

  • 補助金の請求・支払い

  • フォローアップ

それぞれのステップでどのような動きをしていくかを解説していきます。

 

●申請準備

まずは申請の準備を行います。申請の準備とは「事業計画書」の作成、「オンライン申請のためのアカウント取得」、「必要書類の準備」です。「事業計画書」の作成は、認定支援機関と共に策定および作成を行います。認定支援機関は、中小企業庁の認定経営革新等支援機関「検索システム」から探すことが可能です。都道府県別で検索ができるため、自社の拠点がある都道府県から検索をかけると良いでしょう。

また申請はすべてオンラインで行います。申請には経済産業省の「GビズID プライムアカウント」の取得が必要になるので、事業計画書が完成するまでには取得するようにしましょう。

加えて申請にはいくつかの書類が必要です。詳細については「申請に必要な書類」の章で解説しますので、参考にしてみてください。

 

●申請

事業計画書や申請に必要な書類が準備できたら、専用サイトから申請を行います。申請時には必要事項の入力や必要書類の添付を行うので、ひとつずつ確認しながら進めていきましょう。

 

●審査結果の通知・公表

申請結果は事務局から通知が届きます。審査に通過した場合は、以下の情報が公表されます。

  • エリア

  • 都道府県

  • 市区町村

  • 事業者名

  • 法人番号

  • 主たる業種(大分類)

  • 連携体

  • 事業計画名

  • 事業計画の概要

  • 認定支援機関名

  • リース会社:事業者名

 

●補助金の交付申請

申請の通過後に補助金を問題なく交付して良いかの、補助金交付審査申請を行います。補助金がどのような経費に利用されるのかの確認を行い、問題がなければそのまま支給されます。しかし補助金の対象となっていない経費が含まれている場合は、補助金額の減額がされることもあるので注意が必要です。

 

●補助事業実施期間

策定した事業計画書に沿って、補助事業の実施を行います。システムの導入や必要な機器の購入など、交付審査申請で認められた経費を利用して進めていきます。

 

●補助金の請求・支払い

補助事業実施期間が終了後、事業者が適切な経費として補助金を利用したかの確認を行います。きちんとした経費利用が認められれば、確定として補助金が事業者に支払われます。

 

●フォローアップ

事業再構築補助金は実施期間終了後5年間に渡って、事業計画のフォローアップが行われます。フォローアップとは事業者側の経営状況について、年次報告を行うというものです。補助金を利用して購入した設備などは、厳格に管理することが求められます。

 

申請に必要な書類

事業再構築補助金では、以下のような書類の提出が求められます。なお書類の数は多岐に渡るため、準備は早めに進めておくことが大事になります。

  • ①電子申請入力項目

  • ②認定経営革新等支援機関による確認書、金融機関による確認書

  • ③最低賃金確認書

  • ④賃上げ表明書

  • ⑤研究開発・技術開発計画書

  • ⑥人材育成計画書

  • ⑦別事業要件及び能力評価要件の説明書

  • ⑧連携の必要性を示す書類(代表申請者用)

  • ⑨連携体各者の事業再構築要件についての説明書類(連携体構成員用)

  • ⑩組合特例に関する確認書(参考様式)

  • ⑪新築の必要性に関する説明書

  • ⑫リース取引に係る宣誓書

  • ⑬中小企業活性化協議会等による確認書

  • ⑭足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けていることの宣誓書

※詳細を知りたい方・申請をする方は最新の公募要領をご確認ください。

 

まとめ

事業再構築補助金の申請には多くの書類の準備が必要です。期間内にきちんとした申請が進められるように、早めの準備を心がけると良いでしょう。コロナ禍によって社会情勢やビジネスは大きく変化してきています。ぜひ自社の事業を未来へ進めるためにも、事業再構築補助金を活用してみてください。

※上記は2022年11月時点での情報です。詳細は公式サイト等にてご確認ください。

 

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