プログラミング言語には多くの種類がありますが、C#はどのような特徴や歴史を持つ言語なのか知りたいと感じている方は多いでしょう。現代において、様々な場面でプログラミングの重要性が問われていることからも、メジャーな言語の1つであるC#について基礎知識を持つことは大切です。そこで今回は、C#とは何かという点をわかりやすく解説したうえで、C言語やC++との違い、主な使用例などを紹介していきます。C#を用いたサービスやアプリ開発を検討している方は、まずC#について正しく理解を深めていきましょう。
目次
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C#はマイクロソフト開発のプログラミング言語
プログラミング言語には様々な種類があり、それらの特徴や主な使用シーンは異なります。その中でもC#は、マイクロソフトが開発したプログラミング言語として有名です。C系のプログラミング言語の種類はたくさんありますが、C#はそのうちの1つです。C++を拡張(++)した言語(C++++)で、4つの+を並び替えると#になることからC#になったという説もあります。ただし、CやC++とは別の言語であり、互換性はありません。
C#の歴史を簡単に説明すると、C#を開発したのはマイクロソフトに所属するエンジニアのアンダース・ヘルスバーグ氏です。C#は主にWindowsと高い相性を発揮する言語ですが、開発当初はほぼWindows専用として使用されていました。開発からある程度時間が経った現在ではさまざまなOSに対応していますが、最初の頃はWindowsでのみ活用できるという特徴を持ったプログラミング言語だったのです。
そんなC#は、主にC++とJavaをもとにして開発されたという経緯のほかに、Delphi、Eiffelなどの言語から様々な影響を受けているとされています。
●C言語とC++、C#との違い
C系のプログラミング言語は非常にバリエーションが豊富です。今回紹介するC#のほかには、C#のもとになったC++が有名な言語として挙げられます。ここでは、C言語とC++、C#の違いを知るうえで最低限チェックしたいポイントを紹介していきます。
C言語は、プログラミング言語の中でも長い歴史を持つのが特徴で、開発された時期は1972年頃です。処理速度が速く、システム開発の分野において幅広いシーンで使用されています。
続いてC++は、C言語をより使用しやすく機能を拡張したもので、登場の時期は1983年の頃です。C言語に対してオブジェクト指向をプラスすることで、さらに高度な開発を実現させました。なお、C++は従来型であるC言語との互換性があります。
そして、さらに派生して登場したC#は、C言語やC++とは異なるプログラミング言語を理解する特徴を持っています。C#はC++とJavaをもとに作られた経緯があるため、両方の言語の良いところを持ち合わせています。したがってC#はこれまでのC言語やC++との派生言語ではあるものの、進化に伴って性能が多少変化しており、Javaを理解している方にもなじみやすくなっているのです。
C#の5つの特徴
ここからは、C#の5つの特徴について整理していきましょう。C#には、主に次のような特徴があります。
- オブジェクト指向
- Javaと似た文法
- 初心者でも使いやすい
- C#はVisual Studioと相性が良い
- C#はUnityとも相性が良い
上記の特徴を事前に理解することで、C#の学習やC#が必要な開発プロジェクトをより円滑に進められるでしょう。それでは、それぞれの特徴について詳細を見ていきます。
【特徴1】オブジェクト指向
マイクロソフトから登場した言語であるC#は、オブジェクト指向が取り入れられています。このオブジェクト指向とは、C#のベースであるC++やJavaなどにも良く見られる特徴です。オブジェクト指向言語であるC#は、独立性や再利用性、拡張性を実現する言語として有名です。
これまでの開発において、プログラムの追加や修正をするたびにほかのプログラムに影響が出てしまい、ほかのプログラムの修正工数も追加で発生していました。その問題を解決するために生まれたのが、オブジェクト指向という開発方法です。オブジェクト指向を用いるプログラミング言語は、プログラムの追加や修正の際にほかのプログラムに影響を及ぼしません。独立性・再利用性・拡張性が保たれているからこそ、それぞれのプログラムを「モノ」として組み立てるようなイメージで構成していくことができます。
【特徴2】Javaと似た文法
C#は、C++とJavaのプログラミング言語をもとに開発されました。そのため文法などはJavaと良く似ている特徴があります。学習を進める時は、Javaをあらかじめ習得しておくと、よりスムーズに理解できるでしょう。もしくは、先にC#について学習をある程度済ませていれば、Javaを新たに勉強する際に役立ちます。
【特徴3】初心者でも使いやすい
C#はプログラミング言語の中でも比較的使いやすく、初心者にとって易しいのが特徴です。もともとC#はマイクロソフト生まれの言語ということもあり、マイクロソフト提供のツールで開発がサポートされています。そのためプログラミング初心者でも、ある程度学習を済ませればスムーズに使いこなすことができるでしょう。さらにC#には20年以上の歴史があります。公式ライブラリだけでなく他社製のライブラリも多数備わっており、扱いやすい環境が整っています。
【特徴4】C#はVisual Studioと相性が良い
C#は、開発環境である「Visual Studio」と相性が良いです。その理由は、C#とVisual Studioともにマイクロソフト生まれで、相性が良いからです。Visual Studioはマイクロソフト提供の総合開発環境です。アプリ開発において重要なツールになるため、エンジニアであれば多くの方が触れることになるでしょう。そんなVisual StudioはC#に対応しており、プログラミングにあまり慣れていない方でもアプリ作成を感覚的に理解しつつ、開発を進めていけます。
【特徴5】C#はUnityとも相性が良い
C#は、「Unity」とも相性が良いことで知られています。Unityは主にゲーム開発に使用される人気の開発プラットフォームで、比較的シンプルな手順で3Dや2Dゲームを作成できます。また、Unityは「Visual Studio Tools for Unity」で連携することも可能です。実際に、UnityにおいてC#を使って開発に至ったゲームアプリの数は多く、スマートフォンゲームの「ポケモンGO」や「Shadowverse」などがあります。
C#を使ってできる開発とは
C#を使用したシステムやアプリは様々なものがあります。C#で開発可能なものもチェックしていきましょう。
主に開発可能なものとして下記が挙げられます。
- Webサービス
- デスクトップアプリ
- スマホアプリ
- ゲームアプリ
- Webアプリ
- コンテンツ
このように一覧を見てみると、C#で開発できるものは多岐にわたります。では、詳細について1つずつ見ていきましょう。
●Webサービスの開発
Web上で展開されるサービスやシステムには、頻繁にC#が取り入れられています。活用するのは「ASP.NET Web Form」や「ASP.NET MVC」などのフレームワークです。前者では簡単な操作でサービス開発ができ、後者では細やかなコントロールを加えたうえでの開発が可能になります。
●デスクトップアプリの開発
C#はデスクトップアプリの開発も可能です。Visual Studioを活用すると、「.NET Framework」上で動作させることができます。「.NET Framework」ではWPFというGUIのサブシステム、Windows FormsというGUIのAPIがあります。そのためこれらを使用すれば、初心者でも比較的簡単にデスクトップアプリを作ることが可能です。
●スマホアプリの開発
デスクトップアプリだけでなく、スマートフォンで使用されるスマホアプリの開発にもC#は使用されます。マイクロソフトの「Visual Studio 2015」ではXamarin提供の開発フレームワークが組み込まれています。そのためスマホアプリもC#を用いて簡単に開発ができるようになりました。OSはAndroid、iOSどちらにも対応しています。これまで省略するのが難しかった開発工数やコストを減らすことができ、開発の効率化が可能です。
●ゲームアプリ開発
C#を使用すれば、ゲームアプリを簡単に開発することができます。代表的な開発プラットフォームの1つである「Unity」は、ゲーム製作に必要とされるほとんどの機能を提供しています。Unityを活用することで、AndroidとiOSのゲームを一度に作ることができるだけでなく、動作処理を円滑に実装できます。
●Webアプリの開発
Webアプリの開発の際にも、C#が用いられることがあります。開発におけるフレームワークの1つである「ASP.NET」を使用すれば、様々なOS上でC#を用いたWebアプリを作成できます。ASP.NETはマイクロソフトが開発しているため、Windows上で動作するシステムやアプリ開発と相性が良いです。また、「Visual Studio」を使えば、WindowsだけでなくAndroidやiOSにおいて、アプリを開発するための便利な環境を簡単に手にすることができます。
●コンテンツ開発
C#は、様々なコンテンツ制作にも役立ちます。代表的な例を挙げると、ARやVRなどが挙げられます。ゲームアプリを作成する際に使用できる「Unity」と連携すれば、スマートフォン向けのARアプリなどを効率良く開発できるようになります。
C#で開発されている有名なサービス
C#を使用して様々なシステムやサービスを開発するには、具体的な例に触れておくとよりイメージがつかみやすくなります。ここでは、C#を使用して開発されている有名なサービスを紹介していきます。
例としては、以下のサービスがあります。
- MSN
- Bing
- 価格.com
- ニッセン
- 神獄のヴァルハラゲート
上から2つに関しては、マイクロソフトが提供するサービスです。そのため、開発にはマイクロソフト生まれのC#が積極的に使用されています。
「MSN」はInternet Explorerのデフォルトページに設定されているポータルサイトで、ご存じの方も多いでしょう。「Bing」は、マイクロソフト独自のアルゴリズムを反映して開発されている検索エンジンで、MSNの検索ボックスに使用されています。Googleと比べると検索エンジンとしてのシェア率は低いですが、同じ検索キーワードでもBingとGoogleでは結果が違うことがわかります。
「価格.com」は、気になる商品の価格を比較して最安値のショップを見つけられるサイトです。次に、「ニッセン」はカタログ通販として長い歴史を持つサービスで、主に女性向けのアパレル商品やインテリア、雑貨などを扱っているのが特徴です。C#はこれらのサービスにも採用されています。
ゲームアプリでいえば、スマートフォンゲームの「神獄のヴァルハラゲート」にC#が採用されています。速度の安定性やそのほか生産性などを意識し、C#が選ばれたといいます。
C#の将来性
プログラミング言語の種類は豊富にありますが、C#の学習やC#を使用したアプリを開発するうえでC#の将来性は気になるところです。結論からいえば、C#は今後も大きな成長が期待されています。何といってもC#は、マイクロソフト関連のサービス開発において象徴ともいえる言語で、今後も頻繁に利用されていく可能性が高いからです。すでに多くのサービスで利用されているため、将来に向けて期待値は高いといえるでしょう。開発環境においても、多様性を意識してWindows以外でも使えるようになっていることから、今後も成長していくことが予想されます。
C#の注意点
C#は多くの開発において利用されている言語ですが、主に次のようなシーンには不向きのため注意が必要です。
- グラフィック系の処理
- 高度な計算処理
C#の使用は、ハードウェア能力が大きくかかわるような処理には向いていません。そのため、3Dグラフィックや3Dゲームなどの処理については、C++をはじめとしたハードウェアに近い特徴を持っている言語を使用することが望ましいです。
また、C#を使用しているアプリは、中間言語形式に変換のうえ.NET Frameworkにて実行されるのが特徴なため、開発者によってハイレベルな最適化処理を行うことは難しいでしょう。したがって、計算処理は.NET Frameworkに頼る必要があります。
C#を使用したサービスやアプリを開発する際には、専門のシステム開発会社を頼ることも多いでしょう。開発に時間を費やすことができない会社や、C#を適切に扱えるか不安な方においては、課題やニーズに合うシステム開発会社を見つけたいところです。
そんな時におすすめなのが、「発注ナビ」です。発注ナビでは、システム開発に特化したパートナー選定支援サービスを行っています。例えばC#開発を依頼したい場合、C#に強いシステム開発会社の提案を受けられます。自社の独自の基準ばかりを優先すると、開発パートナーを適切に選べないこともあります。特に開発部門に関しては、開発したいサービスや使用する言語に精通した人材がいなければ、より一層パートナー選定が難航しやすいでしょう。
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