はじめてJavaScriptに触れる方は、「JavaScriptの開発環境を構築するにはどうすればいいの?」「おすすめのツールはあるの?」といった疑問がでてきます。本記事では、JavaScriptの概要やできることに加えて、JavaScriptの開発環境としておすすめのテキストエディタやIDE(統合開発環境)や勉強方法についてご紹介します。JavaScriptを使って開発したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
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JavaScriptとは?
JavaScriptは、Webページ上で動きのあるコンテンツを作るために開発されたプログラミング言語です。Webページで、画面から飛び出すように現れるポップアップ、画像がスライドして切り替えるカルーセルといった「動き」を見たことがあるはずです。JavaScriptを使えば、動的なコンテンツを更新したり、画像・動画・音声などのマルチメディアを処理したりと、様々なことができます。
ブラウザを通してアプリケーションのように操作できる「Webアプリ」の作成にも用いられています。JavaScriptは、汎用性が高いプログラミング言語のため、Webアプリだけではなく、様々なアプリ開発に応用できるという点も魅力で人気の高いプログラミング言語です。
JavaScriptでできること
JavaScriptは汎用性が高いプログラミング言語ではありますが、主に以下のような用途で使われています。
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Webサイトに動きをつける
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ブラウザの状態に合わせたリアルタイム処理
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非同期通信(Ajax)
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サーバーサイド開発
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スマートフォンアプリ開発
●Webサイトに動きをつける
HTML、CSSだけでもWebサイトは作成できますが、JavaScriptを併用することでよりユーザー体験の高いWebサイトに仕上がります。例えば、マウスオーバーをしたら色が変わるボタン、定期的に画像が切り替わるスライドショー、リンクをクリックすると自動で小さなウィンドウが現れるポップアップウィンドウや元画面の上に別枠で画面が表示されるモーダルウィンドウなど、ユーザーの行動を促す動きをWebページに組み込むことが可能です。Webページに動きを加えることで、Webサイト内でユーザーをナビゲートできます。
●ブラウザの状態に合わせてリアルタイム処理をする
マウスの移動、スクロール、フォーム入力、ページの読み込みなど、ブラウザの操作・状態をトリガーにした処理も可能です。例えば、「読み込み状況をパーセンテージで表示する」「ある程度スクロールをするとTOPへ戻るボタンを表示する」といった仕組みもJavaScriptで作れます。JavaScript単体でも複雑な処理を実装することは可能ですが、複雑なアニメーションやサーバー通信を要する場合は「jQuery」というJavaScriptのライブラリを利用すると、より簡単に実装できます。
●非同期通信(Ajax)ができる
「非同期通信」とは、簡単にいえば、相手からの応答を待たずにどんどん処理を進める通信方法。JavaScriptを用いた非同期通信を行う技術として、「Ajax」が有名です。
非同期通信ではページ遷移を行わず、ページの一部だけを更新します。スピーディーに読み込みができるうえ、応答を待っている時に別の操作を並行して行うことも可能。地図アプリで自由自在にマップを動かしたり、タイムラインに流れてくる投稿に「いいね」をつけたりする際にもわざわざページ全体を更新しないため、快適かつリッチなユーザーインターフェースを実現できます。
●サーバーサイドも開発できる
JavaScriptは、クライアントサイドでもサーバーサイドでも動かせる言語です。
Webアプリ開発では、HTML、CSS、JavaScriptを使ってフロントエンドを開発し、Java、PHP、Ruby、Pythonなどを使ってバックエンドを開発するのが一般的です。以前は、フロントエンドとバックエンドでは使う言語が異なりました。
しかし、フロントエンドとバックエンドの技術者同士の認識が一致していなければ、仕様どおりの実装が難航していました。言語がJavaScriptで統一されていれば、技術者同士で仕様の解釈をすり合わせる時間も短縮されるため、開発工数を削減できるというメリットがあります。
●スマートフォンアプリも開発できる
iOSならSwift、C#、AndroidならJava、Kotlin、dartなど、それぞれ別の言語で開発するという認識をお持ちの方も多いかもしれません。しかし、近年ではJavaScriptを使ってiOS・Androidどちらにも対応するネイティブアプリやハイブリッドアプリを開発するためのプラットフォームが登場しています。
JavaScriptを使ったスマートフォンアプリ開発プラットフォームにはPlatioやMonacaなどがあり、ECサイト、コミュニケーションアプリ、勤怠管理アプリなど様々なツールの開発に使われています。
JavaScriptは世界的で用いられている言語なため、自社システムの構築や新システム移行のために外注先を探そうにも、様々な会社がある状況では1社ずつ比較検討していくのも時間がかります。外注先の選定にお悩みの方は、発注ナビのご利用をご検討ください。発注ナビは、システム開発会社をお探しの企業向けのマッチングサービスです。システム開発に詳しいスタッフが要望をお伺いし、ニーズを叶えるパートナー企業を紹介します。
JavaScriptの開発時に役立つおすすめのツール
JavaScriptに限りませんが、開発を進める際には、テキストエディタや統合開発環境(IDE)といったコーディングを快適にするツールが不可欠です。JavaScriptの開発時によく活用されているツールの概要をそれぞれ紹介します。まだ使いたいツールが決まっていないという場合には、こちらを参考にしてください。
●おすすめツール1.Visual Studio Code(VS Code)
Visual Studio Code(VS Code)は、Microsoft社が開発したオープンソースのテキストエディタです。macOS、Windows、Linuxで動作し、プラグインによって日本語化もできます。ソースコードを編集しやすくするだけではなく、デバッグ機能、インテリセンス(コード補完機能)、Git連携といった機能が豊富であり、JavaScriptを用いた開発をスムーズに進められます。使用している言語を問わず世界的に利用者の多いテキストエディタです。
●おすすめツール2. GitHub Codespaces
Codespacesは、GitHubが提供しているクラウドの開発環境です。GitHub社内でも活用されています。Codespacesへはブラウザから接続できますが、VSCodeを使いローカルから接続することも可能です。開発者のローカル環境にリポジトリのクローンを作成するという手間が省けます。GitHub開発チームによれば、リポジトリのクローン作成にかかる時間は20分から90秒まで短縮され、Codespaceの準備時間も最終的に10秒で済むようになり、時短につながっています。
●おすすめツール3.Glitch(グリッチ)
Glitchは、Node.js を使ってWebアプリを作成・公開できるクラウド統合開発環境です。Glitchだけでクライアントサイドもサーバーサイドも両方開発でき、環境構築をしなくてもブラウザ上で作成から公開まで行えるため、セットアップの手間もありません。いくつかの制限はありますが無料で利用でき、制限がない有料サブスクリプションに加入することも可能です。
●おすすめツール4.Eclipse(イクリプス)
IBMが開発したオープンソースの統合開発環境です。主にJavaを対象としていますが、Web開発向けのプラグインを導入することでJavaScriptでの開発が可能になります。依存関係チェック、コード内のインクリメンタルサーチ、バージョン管理システムとの連携など、各種プラグインによるカスタマイズ性の高さも特徴です。利用者が多いため、使い方に悩んでもナレッジを探しやすいという利点もあります。
●おすすめツール5.npm
npmとは、Node.jsのパッケージ管理システムのことで、Node.jsインストール時に付属するため、別途インストールする必要はありません。
パッケージとは、複数のプログラムをまとめたファイルのようなもので、JavaScriptのライブラリやフレームワークを指します。パッケージを入れることで、ゼロからコードを書かなくてもライブラリやフレームワークを用いて機能の実装ができます。JavaScript開発においては、パッケージの導入・削除や、全パッケージの管理が可能です。
●おすすめツール6.Xcode
Xcodeは、Apple社が提供しているMacOS向けの統合開発環境です。Mac、iPhone、iPadなどApple製端末のアプリ開発に特化しており、MacOS向けアプリを作成する際には必須のツールでもあります。ボタンや入力フォームといったパーツをドラッグ&ドロップで配置できる手軽さが魅力です。Apple公式の開発者向けツールでもあるため、App Storeから無料でダウンロード可能です。
●おすすめツール7.Node.js
JavaScriptをサーバーサイドで動作させる実行環境のことで、大量の同時接続に対応するネットワークアプリ構築を目的に開発されたプログラムです。Node.jsはサーバーサイドのJavaScriptとして知られており、Webサーバーの構築もできます。
一方で、単なる実行環境であるNode.jsはクライアントサイドでも動かすことができるため、Node.jsがクライアントサイドの開発環境として利用されることもあります。
●おすすめツール8.PLAYCODE
PLAYCODEはブラウザ上で使えるJavaScript開発環境です。コードを入力したらその場で結果を確認できる仕組みを採用しています。PLAYCODEを開発環境に採用することで、開発時間の短縮につながります。セットアップに時間を取られることなくJavaScriptを学習したり、新しいコードをデバッグしたりできます。
●おすすめツール9.Emacs(イーマックス)
Emacsは古くから存在するテキストエディタです。カスタマイズ性の高さから現在でも人気があります。特に、UNIXの技術者に愛用者が多いエディタです。歴史があること、今なお利用者が存在するテキストエディタであることから、トラブルが起こった際の情報が豊富にWeb上にあるため、不測の事態に対処しやすいという利点があります。
●おすすめツール10.Git(ギット)
Gitはファイルのバージョン管理が簡単にできるツールです。複数の開発者がプロジェクトのソースコードを扱う際には、同時に編集してしまうことで直前のソースコードが消えたり、ソースコードの整合性が取れなくなったりするといった問題が発生する可能性が高くなります。Gitには、そういったトラブルを防ぐのに有効です。
好きなタイミングで更新履歴を保存できるため、一度編集したファイルを過去の状態に戻したり、編集箇所との差分を表示したりする際にも、ミスが起きにくくなります。
JavaScriptエンジニアを目指す方に役立つ資格
自身の知識・スキルがどのラインに達しているのか客観的にチェックする手段として、資格取得を中間目標に掲げるという方法もあります。ここでは、JavaScriptにかかわる資格を2つ紹介します。
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資格1:HTML5プロフェッショナル認定試験(レベル2)
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資格2:CIW JavaScript スペシャリスト
●資格1:HTML5プロフェッショナル認定試験(レベル2)
HTML、CSS、JavaScriptを活用したWebページ・Webアプリの設計・デザイン・構築に関する技術と知識を認定する試験です。レベル1とレベル2という難易度に分かれ、JavaScriptの知識が問われるのはレベル2からです。Web系にかかわりたい方はもちろん、サーバーエンジニアや組み込みエンジニアを目指す方にとってもスキル向上に役立ちます。取得することで、Webコンテンツの設計・構築に関する体系的な技術を有していると証明できます。
●資格2:CIW JavaScript Specialist
国際的に知名度の高いCIWが主催するJavaScript試験です。日本語には対応していないため、英語で受験する必要があり、JavaScriptの知識・スキルに加えて、英語力も問われる試験でもあります。取得することで、JavaScriptを扱うフロントエンジニアとしての知識・スキルがあることを証明できます。
JavaScriptエンジニアを目指す方の勉強方法
JavaScriptエンジニアを目指す方の勉強方法についてご紹介します。
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勉強法1:構文を理解する
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勉強法2:簡単なプログラムを作ってみる
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勉強法3:複雑なプログラムに挑戦する
●勉強法1:構文を理解する
JavaScriptに限ったことではありませんが、プログラミングを学習するなら、最初は構文を理解するところからスタートします。構文は言語の基本です。console.logによるメッセージ出力、コメントアウト、文字列操作、定数・変数の宣言、条件分岐といった基本的なところから始めてみましょう。
構文を学ぶうえでのポイントは、書籍や学習サイトを読んでインプットをするだけではなく、コードをアウトプットして動作確認をすることで理解を深めることができます。
●勉強法2:簡単なプログラムを作ってみる
基本的な構文に目を通したら、学んだ構文を組み合わせて動かしてみます。簡単なサンプルをピックアップして改造をし、変化を加えるとどのように動作が変わるのか確認する、という流れを繰り返すと、構文の使い方がわかってきます。簡単なToDoアプリや電卓アプリのコードを真似て、実際に作ってみることもおすすめです。面白いと感じるプログラムが作れるようになれば、学習のモチベーションも上がっていきます。
●勉強法3:複雑なプログラムに挑戦する
簡単なプログラムでアプリを作成できるようになったら、少しずつ複雑なプログラムにチャレンジします。最初から高度なプログラムを作ろうとすると、理解が追いつかなくなって挫折しやすいため、簡単なプログラムから始めて徐々に複雑化させていくのがポイントです。
実際に動作するかどうか、動作しなかったとしたら何が問題だったのか、トライアンドエラーを繰り返すことで、確実に知識が身につきます。成果物はポートフォリオに掲載することもでき、就職や転職活動に活かせます。スキルアップのためにも、どんどん成果物を作ってみましょう。
JavaScriptはWebページ上で動作するように開発されたプログラミング言語ですが、実行環境を整えることでサーバーサイドでも使えるようになります。Webだけではなく、多種多様なネイティブアプリ・ハイブリッドアプリの開発に応用できるところも魅力です。
JavaScriptエンジニアとして働きたいと考えるなら、ポートフォリオに使える成果物を作っておくことが大切です。手を動かして、JavaScriptに慣れ、知識・スキルを客観的にチェックする手段として、資格を活用するという手もあります。
自社ではJavaScriptを用いた内製化はせずに、開発は外注を選択するという場合でも、JavaScriptを学ぶ意義はあります。言語の知識があれば、外注先に対して、的確にニーズを伝えられるでしょう。
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