開発標準化とは?システム開発を進めるには?

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大勢のメンバーが参入するシステム開発では共通認識をベースにしたコミュニケーションが不可欠であり、その一環となる「標準化」は大切な取り組みです。

今回は、標準化の方法や注意点、開発標準を定めるべき理由、標準化したあとの効果について解説します。

 

目次

 

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システム開発の標準化とは?

開発の標準化(開発標準)とは、システム開発における開発手法やプロセス、規約、構成などをまとめて開発全体に適用することです。分かりやすく言えば、「このルールでシステム開発を行おう」という取り決め(標準)を作ることを指します。

どのように開発を進めるべきか分からなくなったとき、あるいはプロジェクトの途中でスタッフの参入または脱退があったときでも、「標準」さえ決めていれば足並みを揃えて開発を進められます。また、標準は運用やメンテナンスの軸となり、製品・サービスのリリース後に必要な対応の効率化にも貢献します。

 

標準化すべき理由は?

もし開発標準というルールが定まっていないと、特定人物のスキルや知識に依存しながら進めることになります。これを「属人化」と呼びますが、属人化したプロジェクトはシステム開発に悪影響を及ぼすケースも少なくありません。例えば、ソースコードを標準化せずに、一人のエンジニアにプログラミングを一任した場合、以下のような弊害が発生しやすくなります。

 

1.時間やコストが無駄になりやすい

多くのシステム開発は、複数人のスタッフでチームを組んで推進するものです。プログラミングは、人によって書き方がまったく異なるケースが多く、属人化したソースコードを他人が読むと「何のための処理なのか?」をいちいち読み解く手間が発生します。

解読に時間がかかる上、途中でエンジニアが事故や病気でも起こすと、被害はさらに拡大します。別のエンジニアがプログラミングを引き継ごうにも残されたコードを読んでもどこまで完成しているのか分かりにくく、ゼロから組み直したほうが早いことさえあります。

システム開発においては、プロジェクト進行を担うPM(プロジェクトマネージャー)や、動作確認をするテストエンジニア、保守・メンテナンスを担当するインフラエンジニアなど、多くのメンバーがソースコードをチェックします。コードを読むのが一人ではないという点を踏まえて、誰が読んでも分かりやすいよう「開発標準」というルールに則って記載しておくのが最適です。

 

2.品質の担保が難しくなりやすい

企業における属人化のデメリットは、「開発物の品質が担保できない」という点が挙げられます。優秀な人材がプロジェクトを推進している状態は、裏を返せば「この人が抜けると今の品質を保てない状態」でもあるのです。

システム開発だけに限った話ではありませんが、業務において「特定の人物に頼りきってしまう」のはリスクが高い行為なのです。もちろん、エンジニアの仕事は高度な専門性が求められやすい分、すべてを標準化するのは困難でしょう。多少の属人化は避けられませんが、標準化を推し進めたほうが開発におけるリスクを軽減しやすくなります。

ただし、やみくもに標準を決めればよいというものではありません。システム全体で共通するルールが各所で適当に決められてしまえば、「何が標準なのか」が不明瞭になりがちです。開発標準を策定する際は、必ずプロジェクトメンバー全員に周知・共有を行いましょう。以下の項では、標準化する具体的な方法について解説します。

 

標準化する方法とは?

標準化は、統一性と保守性に優れたアプリケーション開発に貢献します。開発標準として定めておきたいことは、システム案件によって変わりますが、大きく分けて以下の3点です。

 

●フレームワークを使用する

フレームワークとは、端的に言えば「システム開発をサポートする骨組み」のことです。必要な骨組みがまとまっている分、あらかじめ完成している土台に入力を行うだけで、プログラミングを進めることができます。フレームワークによってコードの書き方が統一されると、開発者は意識せずに品質担保された統一感のあるプログラムが作成できます。

エンジニア間で使用するフレームワークを統一しておけば、効率的な開発を実現しやすくなるでしょう。ただし、使用するフレームワークによっては「エンジニアが扱えないケースもある」、「学習コストが発生する」という点は留意しておく必要があります。

 

●ガイドラインを作成する

ガイドラインとは、開発時の規約や手順、ルールといった決まり事を定めてドキュメント化したものです。あらかじめ作成をしておけば、ガイドラインに則って開発をスムーズに進めやすくなります。システム開発における「虎の巻」とも呼べる存在がガイドラインなのです。

このガイドラインに記載される内容は、要件定義や概要設計、詳細設計、コーディング規定、テスト計画、保守運用計画などが記載されます。システムごとに設計書のフォーマットがバラバラだと、運用担当が読み解かなくてはいけません。規約やテンプレートを定めるのは、開発をスムーズに進めるためでもありますが、リリース後の保守運用やメンテナンスのためでもあるのです。

 

●サンプルプログラムを使用する

サンプルプログラムとはその名の通り、リリース可能なレベルに仕上げられたプログラムのサンプルです。先に挙げたガイドラインだけでも開発を進めることは可能ですが、活字が並ぶドキュメントだけでは正確に伝わらない部分も出てきます。そのため、フレームワーク上でどのように実装するべきかを示す、見本(サンプル)があると、開発をより円滑に進行させやすくなるのです。

このサンプルプログラムはただの参考例ではなく、「プログラムを組む上で雛形」となるものです。サンプルに問題があれば、サンプルを原型にしている現プログラムの大幅な修正を余儀なくされるでしょう。そのため、開発者に提供するサンプルプログラムは、リリースにも耐え得る高い品質が求められます。

 

標準化の効果とメリット

開発標準を策定する効果やメリットは、主に3つあります。開発の効率化、品質担保、そして他のプロジェクトにも横展開できるという点です。以下では、それぞれを詳しく紹介します。

 

●効率化に繋がる

標準プロセスやテンプレートを活用すると迷いが生じにくく、開発時間の短縮に繋がります。標準化が進めば、システム開発全体の効率化に繋がり、工数やコストの短縮にも繋がります。

 

●成果物の品質を向上できる

標準化すべき理由の項でも触れましたが、「開発標準」を定めることで高品質なシステムを安定して開発できます。また、標準化に基づく成果物は、システムの保守運用やメンテナンスがしやすくなるメリットがあります。

 

●他のシステム開発にも活用できる

開発標準を策定すれば、別のシステム開発にも流用できるメリットが生まれます。開発担当者を変更することになっても、開発標準を元にすれば同じ品質でシステム開発を進められる利点があります。分かりやすく言えば、開発標準が「開発のノウハウ」として扱えるようになるのです。

上記のように、システムの開発中と開発後のそれぞれで恩恵があるのは、標準化における大きな特徴と言えるでしょう。以下の項では、システム開発に標準化を定める上で、注意すべきポイントを解説します。

 

標準化で注意すべきポイント

多くのメリットを享受できる標準化と言っても、過度な標準化を進めるとマイナスの影響を及ぼす側面もあります。標準化にこだわりすぎず、標準化が効果的に働くケースを見極めることも大切です。

 

●すべてを標準化しない

開発標準や規約を固めすぎると、開発に携わるスタッフは規約や構成に従うしかなくなり、プロジェクトから創造性と柔軟性が失われがちです。自由な発想を必要とするプロジェクトでは、標準化をしすぎないことも大切です。

数ある開発手法の中でも、「アジャイル開発」と標準化は相性が良くありません。ユーザーの反応を見ながら柔軟にプロセスを変更するアジャイル開発は、短期間の開発サイクルを何度も回して都度リリースしていく仕組みを採用するため、固定的な標準プロセスが必要ないのです。このアジャイル開発は以下のページでも詳しく紹介しているため、基本情報や具体的な手順について知りたい方はこちらをご参照ください。

■アジャイル開発とは?今さら聞けない開発手法のメリット・デメリット|発注成功のための知識が身に付く【発注ラウンジ】

 

●「標準化するコスト」に注意する

ガイドラインの作成やフレームワークの導入など、標準化を定めるには、相応の費用と時間が必要です。開発標準の策定はプロジェクト開始時に整備するのが効果的ですが、小さなシステム開発にいちいち大がかりな開発標準を作っていては、肝心の開発が進まなくなってしまいます。繰り返しになりますが、「標準化を最低限に抑えること」を意識しましょう

 

●小規模システム開発では効果が薄い

開発標準は、複数の成果物に対して統一された開発標準を用いることで効力を発揮します。つまり、製品・サービスの品質向上や作業効率化、あるいは保守・運用のしやすさに繋げるために標準化を行うのです。それゆえに、単発あるいは小規模のシステム開発、開発者が数名しかいない場合は、開発標準を浸透させるメリットが薄いという側面があります。

今回は、システム開発における標準化について解説をしました。「円滑な開発」の鍵を握る標準化といっても、メリットを最大限に享受するためには、標準化の方法やポイントをしっかり押さえておくことが不可欠です。「そもそもシステム開発にはどのような工程があるの?」、「具体的な手順を教えて」という方であれば、以下のページをご参照ください。

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