
ECサイトは、多くの事業で新たな販路や顧客接点として活用されるようになっています。しかし、「どんな方法で始めればいいの?」「費用はどれくらいかかるの?」といった悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では、これからECサイトを作ろうと考えている方のために、主要な構築方法ごとの特徴や費用、注意点、そして実際の作成手順までやさしく解説しています。自社に合った方法を選び、まずは小さく始めてみたい方も、本格的に売上アップを目指したい方も、この記事を参考に一歩を踏み出してみてください。外部サポートの活用方法まで紹介していますので、ぜひ最後までお読みいただき、ご自身にぴったりのECサイト構築に役立ててみてはいかがでしょうか。
目次
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まずは自分に合うECサイト構築方法から考える
ECサイトを始めるとき、最初に大切なのは「事業に最適な構築方法はどれか」をしっかり考えることです。どの方法で始めるかによって、後々の運用やコスト、機能面での満足度が大きく変わってきます。ここでは、初心者から本格的に運用したい方まで、さまざまなECサイトの作り方について詳しく見ていきます。
●初心者や個人は「無料ASP」「有料ASP」が始めやすい
はじめてECサイトを運営する方や、小規模でコストをかけずに始めたい方には、「無料ASP」や「有料ASP」が向いています。ASPとは、サービス提供会社が用意したシステムをインターネット経由で借りる形のサービスです。たとえばBASEやSTORES、カラーミーショップのフリープランなどが該当します。
無料ASPは、初期費用や月額費用がかからず、アカウント登録と簡単な設定だけで、誰でも短時間でネットショップをオープンできます。専門的な知識はほとんど必要ありません。その反面、商品が売れるたびに決済手数料やサービス利用料がかかるため、売上が増えると手数料の総額が膨らみやすい点には注意しましょう。例えばBASEの無料プランでは、クレジットカード決済で3.6%+40円、さらに売上ごとに3%のサービス利用料が発生します。
一方、事業が順調に成長してきたら、有料ASPに切り替えることで、手数料を抑えたり、独自ドメインやデザインのカスタマイズ、メールマガジンの配信、アクセス解析といった高度なマーケティング機能も使えるようになります。たとえばBASEの有料グロースプラン(月額5,980円)では決済手数料が2.9%に下がり、一定以上の売上が見込める場合は総コストを削減できます。ECサイト運営に慣れてきたら、有料ASPへの乗り換えや機能拡張も検討するとよいでしょう。
●自作・カスタマイズに挑戦したい方は「オープンソース」や「WordPress」
もしも「自分のブランドをもっと個性的に表現したい」「細かい機能もこだわりたい」と考えている場合は、オープンソース型やWordPressによる自作にもチャレンジできます。たとえば「EC-CUBE」は、日本で広く使われているオープンソース型のECサイト構築システムです。これらはプログラミングやサーバー管理の知識が必要になるものの、デザインや機能の自由度がとても高いことが特長です。
WordPressの場合は、WooCommerceなどのプラグインを導入することで、ブログと連携しながら商品を販売できます。ただし、決済機能やセキュリティ対策には自分自身で注意を払う必要があるため、もし難しいと感じたときは、制作会社やフリーランスへの外注も選択肢のひとつです。
| 構築方法 | 特徴 | 必要な知識 | 主なサービス例 |
|---|---|---|---|
| 無料ASP | 初期・月額費用0円、手数料型 | 不要 | BASE, STORES |
| 有料ASP | 月額数千円〜、多機能・低手数料 | 不要 | Shopify, MakeShop |
| オープンソース | 高度な自由度・自己責任 | サーバー・プログラム | EC-CUBE |
| WordPress | プラグインで機能拡張 | サーバー・WP運用 | WooCommerce |
ECサイト構築方法を選ぶときのポイント
ECサイトの構築方法を選ぶときには、費用・カスタマイズ性・サポート体制など、さまざまな観点から自分に合ったものを選ぶことが重要です。ここでは、特に押さえておきたい3つの視点を紹介します。
●初期費用・運用コストを比較する
無料ASPは初期費用も月額費用も0円で始められる一方、有料ASPやクラウドECは月額数千円から数万円の費用がかかります。オープンソースやWordPressは、サーバー費用やドメイン取得・更新費用が必要になるうえ、開発を外部に依頼する場合は数十万円から数百万円の初期費用が発生することもあります。
費用の比較をする際には、目先の金額だけでなく、手数料やサーバー代、SSL証明書代、商品の登録や顧客対応、広告費など、すべての「運用コスト」を見積もることが大切です。こうすることで、後になって想定外の出費で困るリスクを減らすことができます。
| 構築方法 | 初期費用 | 運用コスト(月額) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 無料ASP | 0円 | 0円+手数料 | 手数料が高くなる場合も |
| 有料ASP | 0円~10万円 | 数千円~数万円+手数料 | 独自ドメイン・機能拡張可 |
| オープンソース | 10万円~500万円 | 数千円~(サーバー等) | 外注時は初期費用大きい |
| WordPress | 10万円~ | 数千円~(サーバー等) | サーバー・WP運用が必要 |
●カスタマイズ・拡張性がどれくらい必要か考える
テンプレートや標準機能だけで十分ならASP型が最適です。一方、独自機能の追加や社内システムとの連携、大規模運用や越境EC展開など、より柔軟なカスタマイズが求められる場合は、オープンソースやパッケージ型、フルスクラッチ開発なども選択肢に入ります。
現状だけでなく、将来的にどんな機能が必要になるかもイメージし、今後の拡張性まで視野に入れて選んでください。
●サポートやセキュリティ体制も重視
ECサイトでは顧客情報や決済情報を扱うため、セキュリティやサポート体制がとても重要です。無料ASPや有料ASPは、提供会社が最新のセキュリティ対応やサポートを行ってくれるため、初心者でも安心して使えます。
一方、オープンソースやWordPressでサイトを運用する場合、セキュリティ対応や障害発生時の対応はすべて自分で行う必要があります。専門知識に自信がない方は、外部の専門家や制作会社のサポートを利用することも考えてみてください。
ECサイト作成の主な流れを知っておく
どの構築方法を選んでも、サイト公開までの基本的なステップは共通しています。以下の流れに沿って進めることで、スムーズに準備を進めることができます。
●1. サービス選び・アカウント登録
まずは自社のビジネス規模や目標、技術力に合ったサービスを選びます。選んだら、公式サイトでアカウント登録を行い、ショップ名やドメイン(URL)、連絡先などの基本情報を入力します。ブランドの信頼性や独自性を高めたい場合は、独自ドメインの利用もおすすめです。
●2. デザイン・レイアウトの設定
次に、サイト全体のデザインやレイアウトを決めていきます。多くのASPサービスでは、プロが作成したテンプレートを選び、自社ロゴやカラー、画像を設定するだけで雰囲気を簡単に変更できます。スマートフォンからのアクセスが多いので、モバイル対応やレスポンシブデザインにもしっかり対応しましょう。直感的なナビゲーションや分かりやすいカテゴリー分けも重要です。
●3. 商品情報の登録
サイトの骨組みができたら、商品情報を登録していきます。商品名・価格・在庫数・型番などの基本情報だけでなく、写真や説明文も丁寧に用意しましょう。
特に写真は、複数の角度から高画質で撮影したものを用意すると親切です。説明文には、スペックだけでなく、どんな人に向いている商品か、どんな体験ができるのかなど、「買う人の気持ちに寄り添った内容」を盛り込むと、安心感が伝わります。
●4. 決済・配送設定
次に、さまざまな決済方法と配送方法を設定します。クレジットカード決済はもちろん、銀行振込やコンビニ払い、代引き、Amazon Payなど、ターゲット層に合わせて選択肢を広げると購入率が高まりやすいです。
また、配送業者や送料、配送日数も明確にしておきましょう。「1万円以上で送料無料」などのインセンティブも活用するとよいでしょう。配送や支払いに関する情報は、必ず特定商取引法に基づく表記ページにも明記してください。
●5. テスト注文とサイト公開
すべての設定が終わったら、必ずテスト注文を行い、購入フローに問題がないかチェックします。実際に商品をカートに入れ、決済まで進めてみることで、エラーや不明点、送料の計算ミスなどを事前に防ぐことができます。問題がなければ、いよいよ「公開」ボタンを押して販売をスタートしましょう。
無料で始める場合の注意点と選び方
無料ASPや無料プランはコストをかけずに始められる点が魅力ですが、その分気をつけたいポイントもあります。ここでは特に注意しておきたい点を紹介します。
●手数料や機能の制限に注意する
無料プランの場合、販売手数料や決済手数料が高めに設定されていることが多いです。たとえばBASEの無料プランでは、売上ごとに6%以上の手数料がかかるケースもあります。独自ドメインや高機能なツールは有料オプションとなる場合もあり、サイトが成長してくると手数料負担や機能制限がビジネスの障害になることもあるので、あらかじめ将来的な有料プランや別サービスへの移行も検討しておくと安心です。
| サービス名 | 初期/月額費用 | 決済手数料 | サービス利用料 | 独自ドメイン利用 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| BASE | 0円 / 0円 | 3.6% + 40円〜 | 3% | サブドメイン(有料Appで可) | 機能拡張可だが手数料高め |
| STORES | 0円 / 0円 | 5%(スタンダード3.6%) | 0円 | サブドメイン(有料で可) | テンプレ豊富、サービス利用料なし |
| カラーミーショップ | 0円 / 0円 | 6.6% + 30円 | 0円 | 有料オプション(月額550円) | 決済手数料高め、有料プラン移行がスムーズ |
●サービス終了リスク・サポート体制をチェック
無料サービスは、運営会社の都合でサービス内容が変更されたり、最悪の場合サービスが終了してしまうリスクもあります。安心して長く使うためには、運営実績がある信頼できるサービスを選ぶことや、サポート体制(メール・チャット・電話など)が充実しているかも大切なポイントです。何かトラブルがあったときも、すぐに相談できる体制があれば安心して事業を続けられます。
「自分で難しい」と感じたら外注やサポートの活用も視野に
ECサイトの運営には、サイト構築やデザインだけでなく、商品写真の撮影や説明文の作成、SEOや広告運用、在庫管理や顧客対応など、さまざまな業務があります。これらを全て自分で行うのは負担が大きく、肝心の商品開発やマーケティングに集中できなくなることもあるでしょう。
そのため、技術的な部分や苦手な作業は、専門家に外注することも検討してみてください。たとえば、サイト構築・デザイン、集客コンテンツ制作、広告運用や受注管理など、外注できる範囲は広く、必要な部分だけ依頼することも可能です。
外注費用は業務内容や契約形態によって異なりますが、月額固定型(数万円~30万円程度)や成果報酬型(売上の5~10%)などがあります。専門家の力を借りることで、より高品質なサイトを短期間で立ち上げたり、トラブル時も安心して運用を続けられたりするようになります。自分だけで抱え込まず、うまく外部リソースを活用することも成功のポイントです。
まずは小さく始めてみよう!一歩を踏み出すことが成功への近道
現在では、ECサイトを開設するためのサービスやツールが充実しており、個人や小規模事業者でも簡単にネットショップを始めることができます。大切なのは、最初から完璧を目指しすぎず、「まずは小さく始めてみる」ことです。
最初は分からないことや戸惑うことも多いかもしれませんが、運営しながら徐々に慣れ、必要に応じて外部のサポートを活用していけば問題ありません。アクセス解析やお客様の声を活かして、少しずつサイトを改善していくことで、愛されるECサイトへと成長させることができます。
「自分に合った方法を選び、小さな一歩から始めてみる」ことが、長く続くビジネスの秘訣です。もし不安や疑問があれば、信頼できる開発会社やサポートサービスも積極的に活用してください。
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