インターネットが発達している昨今、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを使用した業務が増えています。これらの端末を活用した仕組みの1つが、情報共有システムです。従来の電話やFAXなどを使った業務に比べて格段に業務効率が上がるため、導入を検討している方も多いでしょう。今回は、情報共有システムに関するメリットやデメリットを詳しく解説します。
目次
システム開発会社選びはプロにお任せ完全無料で全国5000社以上からご提案
情報共有システムとは
情報共有システムとは、企業間で発生するやり取りを情報通信技術の活用により、効率化する仕組みのことを指します。従来は、電話やFAX、郵送などの手段が主流であり、資料の提出や修正依頼に時間を費やしていました。場合によっては必要書類を持参することもあり、移動に関するロスも課題でした。
しかし、情報共有システムを導入するとクラウド上にすべての情報が集約されるため、受発注者や検査スタッフなどの関係者が同時に閲覧できるようになります。膨大な書類管理もWeb上で完結し、時間やコスト削減にも繋がるため、各業界で活用できるシステムです。
ASPとは
ASPとは「Application Service Provider」の略称で、インターネットプロバイダー事業者が提供するサーバーに置かれたソフトを、ユーザーがインターネットを使ってアクセスし有料で使用するサービスを指します。
本来は、このサービスを提供する事業者を表す言葉でしたが、現在はサービスそのものを意味するようになりました。ASPのうち、建設業に特化したサービスを「建設ASP」と呼び、国土交通省や各自治体でも多く活用されています。
情報共有ツールのメリット
情報共有ツールは企業間のやり取りに限らず、社内での情報共有でも大変役立つツールです。これまでアナログな手段を使って情報共有をしていた企業で情報共有ツールを導入すれば、多くのメリットを感じられるでしょう。情報共有ツールによって得られる主なメリットを6つ紹介します。
●円滑なコミュニケーションが期待できる
従来のコミュニケーションは電話や直接訪問、メールなどが多く、形式張った手段で交流しづらいデメリットがありました。しかし、情報共有ツールを使えば、従来の手段と比べて気軽にやり取りができるため、コミュニケーションがスムーズになります。日常的に細やかな交流ができていれば、報告を忘れたりタスクが漏れたりと人為的なミスを軽減できます。また、仕事上のやり取りだけではなく、社内の食事会やお祝い事などを共有する際にも活用できるため、よりスタッフ間の結束が強まります。
●情報の整理が楽になる
情報共有ツールの特徴として、共有するドキュメントやコンテンツをグループごとに管理できる点が挙げられます。従来の保管方法だと各々が整理をするため、統一感がなく検索に時間がかかっていました。しかし、情報共有ツールによっていつでも情報が整理されるようになると、検索しやすくなり無駄な時間がかかりません。
●場所や時間を問わずアクセスできる
情報共有ツールでは、サービスを提供する会社のサーバー上にデータを保管します。そのため、パソコンやスマートフォンなどの端末とインターネット環境さえあれば、場所や時間に関係なくいつでも情報を閲覧することが可能です。会社に出向かなければ情報の確認ができない点が課題でしたが、出張先や在宅ワークでも必要な情報が問題なく手に入るため、業務効率が格段にアップします。
●進捗状況の見える化ができる
情報共有ツールを活用すると、業務の進捗が把握しやすくなります。チーム内の様子が適宜わかれば、お互いに的確なフォローが可能です。万が一トラブルが発生したとしても、状況が明確になっているため迅速に対応できるでしょう。進捗状況の見える化によって報告漏れや遅延が防止できる点は、情報共有ツールの大きなメリットです。
●顧客満足度のUP
従来の情報管理方法だと、担当者のみが情報を把握している状況に陥りやすく、顧客に対する対応がバラつくデメリットがありました。しかし、情報共有が社内で徹底されていると、顧客から問い合わせが来た際にも一律の対応が可能です。例えば、担当者が不在だったとしても対応履歴を確認できるため、顧客を手間取らせることがありません。このように顧客のストレスが軽減されれば、顧客満足度アップにも繋がります。
●生産性の向上
情報共有ツールによって社内全体に情報が行き届いていると、その都度担当者に確認する手間が減ります。また、必要な情報がスムーズに取り出せるため、時間的なロスも削減できます。さらに、入社したばかりのスタッフも先輩から情報を共有してもらうことで、知識やノウハウを効率良く得られます。こうしたメリットを踏まえると、結果的に事業全体の生産性アップにも繋がるでしょう。
情報共有ツールのデメリット
時間やコスト面のロスがなくなり、生産性アップも期待できる情報共有ツールですが、デメリットもあることを念頭に置いておかなければなりません。デメリットを事前に把握しておけば、課題が予見された際に慌てず対処できます。情報共有ツールの4つのデメリットを解説します。
●情報漏えいの危険性がある
インターネットが浸透している昨今、不正アクセスによる被害は拡大傾向にあります。情報共有ツールもクラウド上にデータを保管するため、情報漏えいのリスクが考えられます。企業が管理する情報の中には機密性の高いものや顧客情報などが多いため、情報共有ツールを利用する際は、セキュリティ対策がしっかりと施されたサービスを選ぶことが大切です。
●対面コミュニケーションの減少
情報共有ツールのコミュニケーション方法は、メールよりもスムーズなチャットを使うケースが一般的です。気軽にやり取りができるためWeb上でのコミュニケーションは活発になりますが、一方で、対面コミュニケーションが減るデメリットがあります。ツールに依存しすぎないように、対面コミュニケーションが取れる機会を定期的に設けることが大切です。
●情報量が多くなり必要な情報が探し出せない
情報共有ツールを導入すると各スタッフが保有する情報を共有するため、情報量が膨大になります。特に、チャットでやり取りをしながら情報を共有した場合、時系列で表示されるため過去の情報を見つけにくいケースも少なくありません。検索にかかる時間を削減するための情報共有ツールではありますが、過去の情報を探しにくい状況になると意味をなさなくなるため注意が必要です。
●通知が増えて自分の仕事に集中できない
情報共有ツールには、大切な情報を見逃さないために通知機能が付いています。個人間でやり取りをする際に役立つ機能ですが、複数人で利用する場合、自分に必要のない情報まで通知されるため仕事に集中できなくなる可能性があります。集中の妨害にならないように、適宜ミュート機能を活用することが大切です。
情報共有システムでかかる費用
情報共有システムでかかる費用は、利用するサービスや機能数によって様々です。いずれにしても、ある程度のコストがかかることは理解しておかなければなりません。主なコストとして挙げられるのが「初期費用」「運用費用」「人件費」の3つです。続いては、それぞれの概要について詳しく見ていきましょう。
●初期費用
情報共有システムを導入する際に必要なのが、サーバーやモニターなどのハードウェアです。インターネット上のサーバーを利用する場合は、自社にサーバーを設置する必要はありませんが、サーバー管理費は別途発生します。また、システムの設定も必要になるため、初期費用として数十万円かかるケースが多いです。
●運用費用
情報共有システムを導入する際は、初期費用だけでなく運用コストも押さえておく必要があります。運用費用に該当するのがシステムの利用料ですが、サービスによって月額タイプと年間一括タイプがあるため、慎重に選ぶことが大切です。また、決済方法も機能別や事業所別など様々なパターンがあるため、契約前に確認しておきましょう。
●人件費
情報共有システムにかかるコストとして忘れてはならないのが人件費です。特に運用に乗るまでの導入段階では、ツールを利用するためのルール設定やレクチャーなどやるべきことが複数あります。これらの作業をこなすためにはスタッフを投入する必要があり、その分人件費が発生することを念頭に置いておきましょう。
情報共有システムの導入や開発を検討中の方は、ぜひ発注ナビをご利用ください。
発注ナビでは、システム開発会社に特化した開発パートナー選定支援サービスを手がけています。業界を熟知した専門スタッフが丁寧にヒアリングをしたうえで、全国5,000社の開発会社の中から最適な会社を紹介します。相談や見積もりなど無料で利用できるため、お気軽にご相談ください。
初心者でも利用しやすい情報共有ツールとは?
クラウドを活用したツールが増えている昨今、情報共有ツールも各社からリリースされています。しかし、たくさんあるツールの中から、自社に見合ったタイプを見つけるのはなかなか難しいです。初めて情報共有ツールを利用する場合は、できるだけ使いやすいものを選ぶことが大切です。続いては、情報共有ツールの中から、初心者でも利用しやすい5つを紹介します。
●NotePM
株式会社プロジェクト・モードにより提供されているのが「NotePM」という情報共有ツールです。登録企業7,000件を超える実績を持ち、初心者でも使いやすいデザインと操作性になっています。また、情報を階層化で管理できるため、整理しやすい点も特徴です。ExcelやWord、PDFなどあらゆるドキュメントの中から必要な情報がすぐに見つかる検索機能があり、各社で重宝されています。
●Dropbox Business
ファイル管理に重点を置くのであれば「Dropbox Business」が向いています。重いデータでも難なく保管できるため、動画や写真などを管理する際にも役立つでしょう。シンプルなデザインが採用されているため、パソコンが苦手な方でも使いやすいシステムです。また、セキュリティ対策も万全で、ファイル自体にパスワードや閲覧期限を設定することができます。
●Fleekdrive
1つの作業を複数人で行う場合に使えるのが「Fleekdrive」です。共同作業に重点を置いた仕組みになっており、ファイルの受け渡しは、パスワードで保護されるため安心して作業ができます。また、ファイルをアップロードしたタイミングで連絡が入ったり、ルーティン業務は事前に登録したルールに沿って自動的に行えたりと、業務の効率化を図るうえでも活躍します。
●Box
セキュリティを重視したい場合は世界中で活用されている「Box」がおすすめです。最高クラスのセキュリティが設けられており、プライバシーやコンプライアンスに関するサポートも充実しています。セキュリティ面がしっかりしていることから、世界で10万社を超える企業がBoxを利用し、各社から高い信頼を得ています。
●Slack
100ヶ国以上で活用されている人気の情報共有サービスツールが「Slack」です。日本でも50万人を超えるユーザーがあり、その使いやすさがうかがえます。2,400以上 のアプリと連携が取れるため、既存の情報共有手段がある場合でも活用しやすいでしょう。無料ビデオ通話機能もあるため、画面を共有しながらの作業にも長けています。
情報共有のポイント
情報共有ツールは、非常に便利で作業効率を上げるためにもぜひ活用したい仕組みですが、ポイントを押さえておかなければ反対に業務が滞ってしまうため注意が必要です。また、自社内だけでなく取引先にも迷惑をかける可能性もあるため、次に挙げる3つのポイントをしっかり把握しておくようにしましょう。
●社内でもセキュリティ意識を高める
情報共有ツールのデメリットからもわかるように、自社のサーバーではなくクラウド上で保管するツールは、セキュリティに関するリスクがあります。リスクを避けるためには、サービス側のセキュリティだけでなくユーザーの意識も大切です。例えば、特定されやすいパスワードを使っていれば、情報漏えいに繋がる可能性が高いでしょう。パスワードの設定や管理は、スタッフ間で徹底して周知する必要があります。
●クラウド化する範囲を明確にする
情報共有ツールは、社内だけではなく取引先とも共有できる便利なツールです。そのため、クラウド化する範囲を決めておかなければ、社外秘の情報まで共有してしまう可能性があります。また、クラウド化するラインがあやふやだと、クラウド化したファイルとそうでないファイルを区別できなくなり、かえって不便になるため要注意です。
●計画的に導入を進める
各社が情報共有ツールを活用しているからといって無計画に導入を決めてしまうと、本来の目的を見失ってしまいます。まずは、自社における課題を洗い出し、必要なツールを検討しましょう。併せて、コスト面の対策も重要です。ツールによって費用が異なるため、複数のツールを比較検討することが大切です。そのほか、急に複雑なツールを導入するとスタッフの間で混乱が起きたり、レクチャーが間に合わなかったりとトラブルに発展するため注意しましょう。
情報共有をクラウド化した導入事例3つ
情報共有ツールを使ってみたいけれど、具体的にどのような効果があるかわからない方も少なくありません。具体例にイメージできると自社に置き換えて考えられるようになるため、情報共有ツールを選ぶ際の参考にもなります。最後に、情報共有ツールを使って実際に効果を上げた3つの導入事例を見ていきましょう。
●三井倉庫ビジネスパートナーズ株式会社
三井倉庫ビジネスパートナーズ株式会社は、書類管理やバックオフィスサービスを手がける会社です。機密性の高い業務内容ということもあり、情報共有ツールでもクライアント専用のフォルダを設けています。閲覧制限を設定することで取引先が安全に利用でき、業務効率にも繋がった点は大きな効果といえるでしょう。
●新潟市教育委員会事務局施設課
新潟市教育委員会事務局施設課は、政令指定都市である新潟市内の教育環境の整備を担う部署です。市立の学校施設は177を超え、維持管理や整備をするにあたって大量の情報をやり取りしなければなりません。従来は、メール添付により共有していたため、大きなファイルを送付するうえで不便が生じていました。情報共有ツールを取り入れてからは、必要な時にダウンロードできる方式に変わり、業務の効率化が実現しています。
●株式会社ネイキッド
映像や音楽を使ったクリエイティブワークを手がける株式会社ネイキッドでは、業務上サイズの大きいファイルを共有するために情報共有ツールを活用しています。従来は、簡易的なファイル共有サービスを利用していたため、スムーズなやり取りができずデータ保全にも不安がありました。しかし、セキュリティの高い情報共有サービスを使うことによって、大切なデータのやり取りに対する不安を払拭しています。世界各地で活躍する企業であり、どこにいても活用できる情報共有ツールが、円滑な業務を支えているといえます。
ここまで、情報共有システムについて解説しました。現在、情報共有システムの導入や開発を検討されている方は、ぜひ発注ナビをご活用ください。
発注ナビでは、情報システム業務を外注したい企業様と、確かな実績を持った専門企業様のマッチングを支援するサービスを提供しています。相談から見積もりまで完全無料で行っているため、お気軽にご相談ください。
システム開発会社選びはプロにお任せ完全無料で全国5000社以上からご提案