iPhoneは世界的な人気を誇るスマートフォンであり、多くのユーザーが利用しています。Appぁ Storeを通じてアプリを提供することで、収益化の機会も広がります。また、iOSはセキュリティが強固であるため、ユーザーの信頼を獲得しやすいという利点もあります。ただし、競争も激しいため、ユーザーのニーズを理解し、魅力的なアプリを開発することが重要です。そこで今回は、「iPhone向けアプリを開発してみたいが、どのプログラミング言語を選べば良いのかわからない」とお悩みの担当者の方へiPhone向けのプログラミング言語や開発環境、フレームワークの選び方から、効果的なアプリ開発の手順や成功させるためのポイントまで、具体的に解説していきます。
目次
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iPhone向けアプリ開発に必要なプログラミング言語
iPhone向けのアプリ開発を行うにあたり、どのようなプログラミング言語が必要となるのでしょうか。 「Swift」をはじめとした、iPhone向けアプリ開発におすすめのプログラミング言語の種類・特徴をご紹介します。
●iPhoneアプリ開発におすすめの言語1:Swift
Swift(スウィフト)とは、Apple社が提供している独自のプログラミング言語です。iPhoneに搭載されているOS(基本ソフトウェア)である「iOS」のほか、MacやApple TV、Apple Watchなどといった、アップル製品のアプリ開発に使用できます。
Swiftは、コードの構成が比較的シンプルなのが特徴で、読みやすく書きやすい言語のためプログラミング初心者でも習得しやすいのが魅力です。
くわえて、Swiftは高速なコンパイルも得意としています。コンパイルとは、ソースコードをコンピュータが理解できるプログラムへ翻訳する作業のことです。コンパイル速度が速いため、動作テスト時の処理が高速化されることで実行時のストレスが軽減できます。何より、SwiftはApple社より提供されてる言語であるためiPhoneアプリをはじめとしたアップル製品向けアプリの開発に適しています。
「初心者であるため、覚えやすいプログラミング言語から学びたい」「手軽に触れられるプログラミング言語が良い」とお考えの方に適した言語です。
●iPhone向けアプリ開発におすすめの言語2:Python
Python(パイソン)は、統計処理やデータ分析を得意とするプログラミング言語です。Swiftと同じくコード構成がわかりやすく、学習しやすいプログラミング言語だといえます。例えば、YouTubeアプリはPythonによって開発されています。そのほか、タクシーが呼べる配車アプリ「GO」やクラウドストレージアプリである「Dropbox」も、Pythonで開発されました。Pythonは、アプリ開発のほかにも動画の埋め込みやAI開発など幅広い場面で使用されているのも特徴です。高いシェア率と汎用性を誇るため情報が豊富に備わっており、学習につまずいた際も疑問を解決しやすいでしょう。
●iPhone向けアプリ開発におすすめの言語3:JavaScript
JavaScript(ジャバスクリプト)は、検索フォームの搭載や画像の拡大、アニメーションの表示など、Webサイトに動きをつけられるプログラミング言語です。例えば、サイトのメイン画像が入れ替わるスライドショーやECサイトの商品画像が拡大する動きなどは、JavaScriptによってつくられています。アプリ開発においては、ゲームアプリなどで多く用いられている言語です。ゲームアプリではログイン時のポップアップ広告やイベント発生時の演出など、多くの動きが必要となります。したがって、JavaScriptはゲームアプリと特に相性の良い言語だといえるでしょう。SwiftやPython同様、シンプルで覚えやすいコード構成となっておりプログラミング初心者にもおすすめの言語です。
●iPhone向けアプリ開発におすすめの言語4:Dart
Dart(ダートまたはダーツ)は、Googleによって2011年に発表されたプログラミング言語です。もともとJavaScriptの代替言語として開発されたため、JavaScriptの知識がある方にとっては馴染みやすい言語だといえるでしょう。くわえて、オンラインエディタ「DartPad」やフレームワーク「Flutter」などがあれば、すぐにDartによる開発が可能です。複雑な作業環境を構築する手間がありません。発展途上な部分も多く、今後の将来性が期待されるプログラミング言語です。
iPhoneアプリを開発する手順と必要な開発環境
iPhone向けアプリを開発する際の基本的な流れを、以下でご紹介します。こちらでご紹介するのは、「アジャイルモデル」と呼ばれる開発手法の流れです。アジャイルモデルとは、アプリの要件定義と開発、テストを小さな単位ごとに区切って繰り返し、最終的なリリースまで進める開発スタイルを指します。同時に、アプリ開発に欠かせない統合開発環境の概要や種類についてもまとめました。アプリ開発の準備にこれから取り掛かるという企業の担当者は、こちらの情報も参考にしてみてください。
●iPhoneアプリ開発の基本的な流れ
iPhoneアプリの開発は企画に始まり、設計・開発・実装テストを経て公開となります。各工程の作業内容を、順を追って解説いたします。
企画
「どのようなコンセプト・機能のアプリを開発するか」を企画します。具体的には、以下のような視点で企画を練ると良いでしょう。
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どのようなアプリにするか(対応OSのバージョン・アプリのジャンルなど)
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アプリを開発する目的は何か
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ターゲットユーザーはどのような方々か
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どのような機能を実装すべきか
企画は、アプリの骨格となる部分です。企画がしっかりしていれば、プロジェクトが行き詰まった時や迷走した時の指標となります。「なぜこの企画が立ち上がったのか」「アプリを開発する目的は何か」といった点を見返せるようにしておけば、行き詰まった際に、目的に立ち返りやすくなるでしょう。
設計
企画をベースに、要件定義を行いアプリの画面設計図を制作します。iPhoneアプリ開発における要件定義とは、アプリ開発の目的や盛り込みたい要望(機能)、基本仕様をまとめる工程のことです。要件定義で固めた方針をもとに画面設計図を制作しましょう。「必要な画面の一覧」「各画面のレイアウト案」「画面操作によって発生するアクションの定義」「操作ボタン一覧」などの要素を盛り込みます。この画面設計図をもとに開発が進められるため、開発の下流工程を担当するプログラマーにも正確に意図が伝わるようなわかりやすい設計図をつくることが重要です。
開発
画面設計図をもとに、プログラミング言語を用いて開発作業を進めます。画面設計図についての質問がプログラマーからあった場合は、上流工程の担当者とディレクターを交えて必ず意見のすり合わせを行い、適切に指示を出せる体制を整えておきましょう。確認作業がおろそかになると、予想外のミスや意見の齟齬につながってしまいます。
動作テスト
1つの機能が出来上がったところで、機能が正常に稼働するか否かを確認する動作テストを行いましょう。iPhoneや統合開発環境の一種である「Xcode」を使い、指示したとおりの動きが実行されるかをチェックしていきます。動作にエラーやバグが見つかったら、その都度修正作業を行いましょう。この時重要なのは、アプリがひととおり完成してから動作テストを行うのではなく、機能1つひとつが完成する度に動作テストを行うという点です。アプリが完成した後にまとめて動作テストを実施すると、一部の修正点に合わせて全体の見直しも必要となります。このパターンが続くと開発工数やコストが増えてしまい、ロスが発生します。こうした無駄をできる限り省くためにも、一定の区切りごとの動作テストを実施することが大切です。
「開発作業→動作テスト→修正作業」を繰り返し、最終的な実装テストでも問題がなければ、いよいよアプリ公開となります。
リリース
iPhoneアプリのため、App Storeへ配信の申請を行います。申請が認可されれば、いよいよアプリの公開・リリースとなります。
●アプリ開発に使用する統合開発環境
「統合開発環境」とは、コードを書くエディタや動作テストをサポートしてくれるデバッガ、プログラミング言語をコンピュータに伝えるために必要なコンパイラなど、アプリ開発に必要なツールがひとまとめになったソフトウェアのことです。英語ではIntegrated Development Environmentと呼び、「IDE」という略語で呼ばれることもあります。統合開発環境があれば作業ごとのツールやソフトウェアを別々に揃える手間が省け、作業を効率化できます。
iOSアプリを開発するにあたって必要となる統合開発環境は、Apple社が提供する「Xcode」です。Xcodeにはプログラミング作業をサポートするためのアシスト機能やリアルタイムでアプリの動作確認が行えるテスト機能など、様々な機能が搭載されているのが特徴。くわえて、iOSアプリだけでなくMacOS用アプリやApple Watch( watch OS)用のアプリなど、Apple製品に対応する幅広いアプリを開発できます。ただし、Xcodeの対応OSはMacのみとなっており、Windowsで作業する場合はほかの統合開発環境を選ぶ必要があります。Windowsで使える統合開発環境としては、「Xamarin」が挙げられます。
iOSアプリの開発費用についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
▷「iOSアプリを開発する方法とは?必要な準備やリリースまでの流れなどを紹介!」
iOSアプリ開発におけるフレームワークの役割
アプリ開発における「フレームワーク」とは、開発に必要な基本機能があらかじめ搭載されている雛形のことです。フレームワークを活用することでゼロから開発作業を行う必要がなくなり、作業にかかる労力を軽減できます。
履歴書に例えて考えてみましょう。自身のこれまでの経歴や資格、特技を記入する際、体裁の整っていない白紙に書くのと専用の履歴書を書くのとでは作業効率が大きく異なります。専用の履歴書は既に体裁が出来上がっているため、記入欄を埋めていけば書類が完成します。アプリ開発においても同じく、フレームワークに沿って開発を進めることで、作業効率アップが期待できます。
●おすすめのフレームワーク2つ
iOSアプリ開発に役立つフレームワークを2つご紹介いたします。今回は、「SwiftUI」と「Flutter」の機能や特徴をまとめました。
SwiftUI
SwiftUIは、プログラミング言語「Swift」で使用できるフレームワークです。アプリケーションのグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)の構築が行えます。これまで、iOSアプリの開発には「UIKit」と呼ばれるフレームワークと、プログラミング言語「Objective-C」が利用されていました。しかし、UIKitとObjective-Cはコードの記述量が多く、作業が煩雑化しやすいという弱点がありました。
一方、Swift及びSwiftUIであればコードの記述量が少なく、作業効率を大幅に向上させられます。くわえて、プレビュー機能を使えばプログラミング作業中もアプリの動作をリアルタイムで確認でき、シミュレーターを立ち上げたり実機を用意したりする必要もありません。学習用のチュートリアルコンテンツが充実しており、初心者や開発経験の浅いプログラマーにも向いているフレームワークです。
Flutter(フラッター)
Flutterは、2018年にGoogleが発表したフレームワークです。プログラミング言語「Dart」を用いて作業を行います。モバイルアプリ用のフレームワークであり、iOSアプリはもちろんAndroidアプリも同時に開発・リリースできるのが特徴。通常であれば、iOSアプリとAndroidアプリは別々のプログラミング言語を用いて開発する必要があり、2回分の開発コストがかかってしまいます。しかし、Flutterであれば共通のコードでiOSアプリ・Androidアプリを開発でき、開発コストを大幅に削減できます。Flutterのように、異なるOS上でもアプリを動かせる仕組みを備えたフレームワークは「クロスプラットフォーム対応」と称されます。
フレームワークの選び方のポイント
フレームワークを選ぶ際は、使用するプログラミング言語に合わせたものを選びましょう。例えばSwiftを用いるのであれば、「SwiftUI」のほか「perfect」「Kitura」などのフレームワークが選択肢に入ります。くわえて、実装したい機能や搭載したいUIに合ったフレームワークを選ぶことも重要です。
iPhoneアプリ開発を成功するためには?
iOSアプリ開発を成功させるために押さえておきたいポイントを、以下で2つご紹介いたします。
●作りたいアプリのイメージを明確にする
「どのような機能のアプリをどのような目的で作りたいのか」というイメージを明確にしましょう。イメージが明確になることで、「実装すべき機能」「OSアップデート時の対応」「使用するプログラミング言語の選び方」の基準が明確になります。「どのようなターゲット層を見据えるべきか」といった要素も明確になるでしょう。
●要件定義を行う際の注意点
要件定義の際にはどのような情報や要望を盛り込めば良いのか、どのように伝達すれば良いのかを把握しておきましょう。要件定義がしっかりできていないと、「要望が曖昧で正しく伝わっていない」「情報に過不足がある」「希望した機能が搭載されていない」など、思うようなアプリに仕上がらない可能性があります。慣れないうちは、テンプレートやサンプルを参考にしつつ、工程によって認識に齟齬が出ないようにすることが大切です。
自社開発と外部委託はどちらを選ぶべきか
iOSアプリの開発において、自社開発すべきか外部委託すべきか悩む方もいるのではないでしょうか。自社開発・外部委託それぞれのメリット・デメリットを以下で解説します。
●自社開発のメリット・デメリット
iOSアプリを自社開発するメリットは、開発費用を抑えられるという点にあります。社内の人材のみで作業が完結するため、外注にかかる費用を大幅にカットできます。くわえて、iOSアプリ開発のノウハウが社内に蓄積されるためエンジニアのスキルアップにつながるというメリットもあります。
デメリットは、アプリの品質が左右されやすいという点です。社内のエンジニアのスキルによっては、「思うようなアプリに仕上がらない」といったことにもなりえます。さらに、「ノウハウが無くリリースまでに時間がかかる」「育成から始めなければならない」などのデメリットも考えられます。
●外部委託のメリット・デメリット
外部委託のメリットとして挙げられるのは、「一定の品質が担保される」という点です。十分な専門知識と実績を持った開発会社へ依頼できれば、想定よりハイクオリティなアプリに仕上がる可能性もあります。「自社に十分なスキルを持ったエンジニアがいない」という場合は、外部委託がおすすめです。リリースの予定日が決まっているなら、開発に慣れている外注先に依頼することで、納期を守ることもできるでしょう。
デメリットとしては「外注コストがかかること」が挙げられます。基本的に、スキルや実績が豊富な開発会社・エンジニアほど費用がかかります。また、iOSアプリ開発のノウハウが社内に蓄積されないため、自社のエンジニアが育ちにくい点もデメリットです。
「アプリのクオリティを重視したい」「開発における失敗のリスクを減らしたい」という場合は、外部委託を考えておくと良いでしょう。外部委託に重要なのは、自社が開発したいアプリに合った開発会社へ依頼することです。
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