プロビジョニングとは?技術の概要や事例をわかりやすく解説

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ITに詳しくない方にとって、「プロビジョニング」は難しい単語かもしれません。しかし、プロビジョニングは適切な環境でシステムを運用するために必要な技術なので、覚えておくとシステム開発や運用などに携わる際に役立つでしょう。また、プロビジョニングは分野によっても意味合いが違ってくるので、意味を正しく理解するのも重要です。今回はプロビジョニングの概要や主な種類、身近な活用事例などについて解説していきます。

 

目次

 

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1.プロビジョニングとは?

そもそもプロビジョニングの元となる英単語の「プロビジョン(Provision)」は、本来「準備」「提供」「供給」「設備」といった意味を持ち、「プロビジョニング(Provisioning)」とは、必要なものを準備することを指します。そのためIT分野では、「設備やサービスを提供できるように事前準備を行うこと」を指すようになっています。

かつて、プロビジョニングは通信分野で広く使われていました。本来は、ユーザーがスムーズにネットワークを利用できるように、需要予測の上で必要なハードウェアやソフトウェアなどを準備し、備えるような行為をプロビジョニングと呼びます。

しかし、現代ではIT分野以外でも使われるようになっており、意味合いも変わってきています。どの分野でも「目的のために何かを事前に準備する」といった意味合いは変わりませんが、具体的にどういった使われ方をされているのかは、分野ごとに理解する必要があるでしょう。

 

2.プロビジョニングとデプロイの違い

一般的にIT分野でのプロビジョニングは、必要なPCやサーバーなどを準備・設定し、使えるようにすることを指します。ストレージのサイズ・方式、CPUやメモリなどのリソースを適切に設定します。物理的なインフラの用意だけでなく、OSや基礎的なライブラリ・ツールのインストール、ネットワーク設定なども含まれることが通常です。一方、デプロイは、主にアプリケーションソフトウェアのインストールを指すことが一般的です。

 

3.プロビジョニングの種類と意味

プロビジョニングには主に次のような種類があります。

 

●シンプロビジョニング

シンは英語で「Thin(薄い)」という意味合いがあり、「クライアントが使っている端末に重きを置かず、中央のサーバーで仮想技術を使いシステムを提供するような技術全般」を指します。シンプロビジョニングとは「ストレージ仮想化技術を活用して、その場その場で適切なストレージをクライアント側で利用するような技術」です。例えば、クラウドストレージサービスである「Googleドライブ」などは、シンプロビジョニングの事例です。Googleドライブでは必要な時に応じて必要な容量を追加・ユーザーが利用できるようになっています。一方で、必要な容量を事前に見積もって仮想ディスク作成時に固定的に確保しておく方式を対義語の「Thick(厚い)」を用いて、シックプロビジョニングと呼びます。

このようにシンプロビジョニングはクラウドストレージなどで使われている手法です。具体的にはまず、複数のストレージ機器を仮想化ソフトウェアで一台のストレージと認識できるようにします。例えば、「5TBと10TBのストレージサーバーを足して15TBのストレージとして扱う」といった具合です。そしてユーザーの利用状況に応じて物理容量をあてがい、残りは仮想容量として区分けして管理するのもポイントになっています。

シンプロビジョニングを使わずにストレージを調整すると、「物理的なストレージを調達し、サーバーへ新規で認識させる」といった面倒な作業が必要となります。また「このサーバーではストレージがひっ迫しているが、こちらでは余っている」といったトラブルが起こりやすく、ストレージ利用の適切化が行いにくい点もデメリットです。

シンプロビジョニングによってストレージを仮想化、一台として扱うことで上記の課題が解消されます。容量が必要な際は現在の容量を簡単に拡張して割り当てが可能です。また必要な分だけをリアルタイムで使えるので、ストレージ利用に偏りが出ません。これにより、ストレージを常に適切な量だけ利用できる、ストレージ運用に掛かる消費電力といったコスト削減が可能といったメリットが得られます。

なお、シンプロビジョニングはあくまでストレージを効率的に運用するシステムであり、データの容量を削減する仕組みではないことに注意が必要です。例えば10TBの容量だけしか確保できていなければ、もちろん10TBまでしか利用できません。容量を超えてデータを処理できなくなる事態を防ぐため、一定の数値(しきい値)を超えたらアラートが出る機能を設けるようにしましょう。

 

●サーバープロビジョニング

サーバープロビジョニングは、難しい意味合いでは使われていません。要は、「サーバーを利用する上での一連の準備工程」を指して、サーバープロビジョニングと呼んでいるだけです。

具体的には、サーバー用OSのインストールやアプリ開発環境の設定、ストレージ・CPU・メモリなどのハードウェア認識・設定といった工程はすべてサーバープロビジョニングとして扱われます。またサーバーの割り当てを利用することもサーバープロビジョニングです。例えば、メインのサーバーがメンテナンスで使えずに予備のサーバーで代用する際、利用サーバーの設定変更、予備サーバーのソフトウェア・ハードウェアの調整といった工程がサーバープロビジョニングに該当します。またメインサーバーのメンテナンス時に発生する一連の作業も、サーバープロビジョニングです。

主にISP(インターネットサービスプロバイダ)やホスティングサービスが利用しており、需要に合わせて自動でサーバーの設定変更を行うソフトウェアも販売されています。

 

●サービスプロビジョニング

自宅やオフィスでインターネットを使うには、インターネット回線が必要です。この回線は、事業者が有線で引いてくれたり、すべて無線で構築したりとさまざまな種類があります。これらの回線を準備する際、ISPが行うユーザーのための作業が、サービスプロビジョニングです。具体的には、DNSサーバーの設定やISP専用のメールアドレスの発行、FTPの設定といった行為が該当します。

インターネット回線構築は物理的に機器を用意して起動させれば終わりではありません。上記のようにさまざまな設定が必要であり、複雑な仕組みで動いています。ITリテラシーのない初心者が、インターネット回線絡みのトラブルで苦戦し不安になるのは、プロビジョニングを始めとして一連の作業で成り立っている回線の仕組みが複雑だからです。

 

●ユーザープロビジョニング

ユーザープロビジョニングとは、「アカウントプロビジョニング」や「IDプロビジョニング」とも呼ばれます。その名の通り、アカウントを利用するのに発生する一連の準備工程が該当します。具体的には、会員登録などによるアカウントの情報作成やパスワードの設定、時限式パスコードといった二段階認証の設定などは、すべてユーザープロビジョニングです。このユーザープロビジョニングは、セキュリティの点でも重要です。アカウントが不正に作成されたり、二段階認証を設定せずにセキュリティ被害を受けたりするといった被害を防ぐためには、ユーザープロビジョニングを適切に行い、リアルタイムでアカウント内容を把握する必要があるからです。

個人でプライベートのアカウントを利用する場合は、アカウント発行を数種類のみに絞るといった方法で問題解決できるかもしれません。企業の場合、新入社員が入るたびにアカウントを新規作成してシステムへ同期、といった作業をしていると情報量が多くなるので管理が困難です。

そこでアカウント管理用のツールを使い適切な新規作成や削除、履歴確認などを行う企業もあります。管理用のツールはクラウドツールとしても提供されており、クラウドアカウントを管理する場合「クラウドツールでクラウドツールアカウントを管理する」といった入れ子の状態になっています。要は複数のクラウドアカウントを管理するのに、統合用の管理クラウドツールが必要になってきているということです。

なお、ユーザープロビジョニングの中でも、組織で業務用ソフトの利用権(ライセンス)をまとめ買いしている場合、必要に応じて各利用者に適切な権限を付与・移転・剥奪する管理について「ライセンスプロビジョニング」と呼ぶことがあります。

 

●クラウドプロビジョニング

組織が利用するクラウド環境の基盤となるインフラを整備することを指します。ネットワークの調達やサービスのインストールから始まり、各クラウドサービスのセットアップなどを行います。

 

●ネットワークプロビジョニング

ネットワークプロビジョニングは、ユーザーが通信サービスを利用するために必要な機器や配線などを提供することを指し、状況によって2種類の意味があります。

ITインフラに関してこの言葉を使用する場合は、具体的にはルーターやスイッチ、ファイアウォールなどのコンポーネントのセットアップや、IP アドレスの割り当てなどを実行することを意味しています。通信事業者で使用する場合は、具体的には電話番号の割り当てや機器および配線の設置などの実行を指します。

 

4.プロビジョニングの活用事例

プロビジョニングはビジネスだけでなく、次のような身近な場面でも使われています。ここではプロビジョニングの主な活用事例について紹介します。

 

●プロビジョニングサービス

PC製品ではプロビジョニングサービスを受けられる場合があります。例えば、「Windows10」では「プロビジョニングパッケージ」という提供形態があり、PCへすでにインストールされているOSやアプリケーションなどを一度削除してから再度設定し直す必要がありません。プロビジョニングパッケージを利用することで、必要な箇所だけを新規設定・反映させて利用できます。プロビジョニングパッケージではOSのマスターデータを丸ごと更新する、といったビジネスで面倒な手間が必要ありません。また機種依存に関する問題も解決しており、あらゆるPCへサービスを反映させて利用できる点もメリットです。アプリのインストールも自動化されるので便利です。

 

●SIMカード

プロビジョニングは、携帯電話やスマートフォンといった通信業界でも使われています。例えば、携帯電話は契約者情報が書き込まれた「SIMカード」を挿入しないと、端末で通信サービスを利用できません。情報が書き込まれていないSIMカードは、ただのICチップにすぎません。そこで、携帯電話会社は契約者の情報をSIMへ書き込み、ユーザーが使えるように準備しておきます。これがSIMのプロビジョニングという行為です。

そのため、「プロビジョニングされていないSIMです」などと表示される場合は、「契約者情報が何かしらの原因で読み込めないので通信サービスが利用できない」という意味になります。SIMのプロビジョニングができていない原因としては、プランを解約していてSIMカードがただのICチップと化している、乗り換えといった手続きが未完了で情報が書き込まれていない、といったものが考えられます。

SIMカードを使っていた携帯電話会社のプランをすでに解約しており、SIMカードを返送あるいは廃棄してよい状況になっている際は、プロビジョニングされていなくても当たり前なので問題はありません。なお、格安SIMでは設定を自分で行う必要があるので、プロビジョニングの問題が起こりやすいと言えます。エラーが出ても冷静に対応して課題を解決してみてください。

 

●AWS

IT分野では現在プロビジョニングが盛んに使われています。例えば、日本政府も採用している「AWS(Amazon Web Services)」でもプロビジョニングが行われています。AWSの場合、プロビジョニングはサーバーやネットワーク、ストレージといったシステム構築に必要な各リソースを、ユーザーから希望があった場合に「動的に変更しながら提供する」という意味合いで使われています。

プロビジョニングを手動で行うと、各リソースを上手く組み合わせながらテストを行う必要があるので、時間と手間が掛かるのがデメリットです。しかしAWSではコードを打つことによってプロビジョニングを自動化、システム運用における環境構築を柔軟に、そして簡単に実行できるというメリットがあります。プロビジョニングの自動化によってユーザーはシステム構築や運用といったより重要な作業へ注力することが可能で、サービスの質向上やコスト削減などを達成できます。

 

5.プロビジョニングを自動化するメリット

ほとんどのプロビジョニングの作業は、コードを利用して自動化することができます。これをIaC(Infrastructure as Code)と呼びます。プロビジョニングの自動化には多くのメリットがあります。

プロビジョニングにはアクセス権の付与など、繰り返し行うタスクが多く、これを自動化することで開発担当者の工数を削減できるだけでなく、ヒューマンエラーの防止にもつながります。単調なタスクに費やす時間を減らすことで、開発担当者のリソースをより重要なタスクやビジネス目標の達成に集中させることができます。

また、IaCにより簡単に同じ環境をプロビジョニングできるようになるため、生産性も向上します。 開発担当者は迅速にサービスを市場に投入できるようになり、CXや収益の向上にもつながります。

 

6.プロビジョニング業務は外部委託をしよう

今回は、プロビジョニングの概要や種類、事例などを解説してきました。

プロビジョニングは、分野によって使われ方が違っています。しかし「何かしらを準備して備える」といったニュアンスは共通のため、事前に概念を理解した上で「どのように使われているか」を確認するとスムーズに理解がしやすいでしょう。サーバープロビジョニングなどを自社でやるには時間と手間が掛かります。そこで、外部の企業にプロビジョニングを任せて自社ではほかの作業へ時間を回す、といった方法が有効です。

 

 

発注ナビ」では、システム開発やサーバー運用・保守、インフラ構築のようにプロビジョニングを得意とする企業を紹介しています。今回紹介したプロビジョニングを検討している企業担当者の方は、発注ナビをぜひ一度利用してみてください。

 

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