基幹システムや業務システムなど、「〇〇システム」の名を冠したシステムは数多く存在します。
ビジネスや開発で扱うシステムの中でも、「公共システム(公共系システム)」と呼ばれるシステムがあるのはご存知でしょうか。
今回は、「公共システムってどんなシステム?」「公共システムを開発するには?」という疑問を持つ企業担当者に向けて、公共システムの概要や種類、開発企業などを網羅的に紹介します。
公共システムがどういったもので、基幹システムと何が違うのかを知りたい方であれば、ぜひ当コンテンツをご参照ください。
目次
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公共システムとは?
まずは、公共システムがどういったものなのか概要や特徴について説明しましょう。
●公共システムの概要
公共システムは、以下のように「公共施設や公共サービスなどで導入されているシステム全般」のことを指しています。
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図書館の書籍検索や貸出管理システム
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公共のスポーツ施設の予約管理システム
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行政施設で利用する税金や保険料の管理システム
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高速道路における料金徴収システムなど
どういったものが公共システムにあたるのかというと、日本年金機構の社会保険のオンラインシステムや自治体が運営する図書館の書籍管理システム、スポーツ施設などの予約システムも公共システムに該当します。端的にいえば、社会インフラを支えるためのシステムという認識でも構いません。システム開発と聞くと、企業の業務システムをイメージすることも少なくないですが、国や政府、自治体などのシステムの開発もエンジニアが実施することがほとんどなのです。
なお、公共システムを専門に取り扱うエンジニアは、「公共系システムエンジニア」と呼ばれます。公共系システムエンジニアが同じ会社に所属する他のメンバーと連携を取り、公共システムの企画、要件定義、システム開発やパッケージ開発、運用保守を進めていきます。システムが完成して依頼人にシステムを渡してからも、すぐに現場の人たちが運用することは難しいことから、企業によってはシステムの運用サポートを担うケースも少なくありません。
●公共システムの特徴
公共システムの開発は、通常のシステム開発とさほど変わりません。しかし、公共施設や公共サービスにフォーカスを当てていることから、他のシステム開発と違って法律や条例に対する意識を持って開発に取り組む必要があります。公共系システムエンジニアには、システム開発と法務知識の両方のスキルが求められます。
業務システムなどはパッケージの中身をクライアントと話し合いながら自由に組み替えられますが、公共システムは法律というすぐにはアップデートできないものを背負ってシステム開発しなければならない分、技術力に任せてフレキシブルなものを作ることが困難です。自治体や公共施設では、エンジニアを抱えていないケースがほとんどなので、多くの公共システムはアウトソーシングで開発されます。
公共システムの種類
公共システムは、国や政府が利用する官庁系システムや、福祉・子育てに利用する自治体系システムの2種類に分類できます。以下では、この2つのシステムについて簡潔に説明します。
●官庁系システム
官庁系システムとは、国や政府といったマクロ視点のパッケージに対するシステムのことです。官庁系システムは、そのシステムの設計段階でエンジニアの力が必要となり、他には制度の変更や法律の改正が行われた際にもエンジニアが手を加えます。官庁系システムは国の制度にかかわるものがほとんどで、システムの数自体は非常に少ないです。公共システムの多くは、後述する自治体系システムばかりです。
●自治体系システム
自治体系システムは、都道府県や市町村にフォーカスを当てたシステムのことを意味しています。こちらの方が、多くの企業にとって、関係のあるシステムが多いです。自治体系システムは以下のようなものが存在します。
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福祉・子ども子育て
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後期高齢者医療
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図書館の書籍検索や貸出管理
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高速道路の料金徴収
自治体が主体となるお金にかかわる制度や、公共施設に関わるもののシステム全般が自治体系システムに該当します。こういったシステムは、ほとんどの場合依頼されて公共系システムエンジニアが作ることがほとんどです。官庁系システムよりは柔軟性がありますが、法律や条例に沿ってシステムを構築しなければならない点に変わりありません。
公共システムと基幹システムは何が違う?
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公共システム:公共施設や公共サービスなどで導入されているシステムのこと
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基幹システム:業務の根幹を担うシステムのこと
公共システムと似たような立場にあるのが基幹システムです。公共システムが公共施設や公共サービスに対するシステムであるのに対して、基幹システムは業務の根幹を担うシステムのことを指しています。
●基幹システムとは?
基幹システムは業務を行うのに必ず必要となるシステムのことを意味し、主に以下のような業務を取り扱っています。
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生産管理システム:主に製造業が扱うシステムで、製造から出荷までの進捗状況を管理する
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販売管理システム:主に小売業が扱うシステムで、各商品の売れ行きや利益などの情報を管理する
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購買管理システム:小売業や卸売業が扱うシステムで、注文書や支払伝票の取り扱い、支払管理などを担う
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在庫管理システム:小売業や流通業が扱うシステムで、仕入れた材料や製造途中の半製品などの在庫を管理する
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総合基幹業務システム:複数の基幹システムをまとめて管理する
基幹システムの中でも、総合基幹業務システムはERPとも呼ばれています。取り扱う作業工程の幅の広い企業などでは、ERPを採用するところが多いです。基幹システムを導入することで、業務や実績の「見える化」につながって、業務の効率化やヒューマンエラーの防止、情報の見やすさの向上といったさまざまなメリットが得られます。
●2つのシステムの違い
公共システムと基幹システムの大きな違いは以下の3つが挙げられます。
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システムを利用する対象者
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利益にかかわるかどうか
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カスタマイズのしやすさ
例えば、公共システムと基幹システムでは、システムを利用する対象者が違います。基幹システムが導入される企業の多くは、形ある商品を販売しているところに限定されています。サービスを提供するような企業であれば、そのサービスを提供するために使う道具を管理することはありますが、労働者が使うだけの量であればそこまで徹底した管理は必要ありません。
公共システムは公共施設や公共サービスに対するシステムなので、提供されるものは主にサービスです。そうなると、商品などの管理を労働者側が把握するために使う業務システムではなく、特定の公共サービスなどをより消費者が使いやすくするために構築されるシステムとなります。
また、利益にかかわるかどうかという点でも違います。基幹システムは一般企業でも商品を提供するなら導入されていることがほとんどです。営利目的のある企業は、業務の効率化や人件費の削減などを通じて全体的なコストカットをはかり、利益を向上させます。
一方で、公共システムはそれ以外の法人にあたる、公法人あるいは非営利法人が運営母体となっていることが多いです。サービスの内容も利用者のサービスの使いやすさを促すものがほとんどで、直接利益に何らかの影響を与えるものではありません。サービスを利用するのに料金を徴収するならともかく、公共施設や公共サービスは料金を徴収されることなく利用できるので、それぞれのシステムの生み出すメリットは大きく異なっているといえます。
他にも、法律や条例に対する意識の違いもあります。公共システムは法律や条例という硬い制約の中で運用されるシステムなので、基幹システムのように柔軟にカスタマイズするのは容易ではありません。なお、基幹システムについては別ページでも紹介しているので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。
公共システムの開発方法
システムの開発はアウトソーシングするか、社内にシステム開発が得意な人材がいれば、内製で別途対価を支払って作成してもらうかの2つの選択肢が挙げられます。特徴の項でも触れましたが、公共システムを利用する自治体はシステム開発分野とはかけ離れたところが多く、開発環境がない場合がほとんどです。そのため、公共システムの開発や運用は、アウトソーシングで外部に依頼をします。
システム開発が得意な企業はいくつもありますが、その中でも公共システムの開発を専門とする企業は増えてきていて、気軽にシステム開発や運用の依頼をかけられます。とはいっても、インターネットで検索をかけて公共システムの開発を請け負うことのできるクライアントがすぐに見つかるというわけではありません。
公共システムの開発を得意とする企業を見つけるため、「発注ナビ」を利用してみてはどうでしょうか? 発注ナビはシステム開発に特化したマッチングサイトで、紹介達成率92%を誇る優れたサービスです。こちらのサービスを利用して、公共システムの開発の依頼をしてみてください。以下のページでは、公共システムを得意とするシステム開発会社を詳しく紹介しています。
公共システム開発は得意な会社を見極めて
公共システムは公共施設や公共サービスを利用者にとってより使いやすいものにするために導入されるシステムのことを意味していて、公共系システムエンジニアがこれらの公共システムを開発しています。公共システムは基幹システムとやや立場が似ていると考えられていますが、実際は提供する対象物やシステムの対象者、利益、法律や条例に対する意識といったさまざまな違いが見られます。
その根っこにあるのは運営主体の違いで、基幹システムを導入しているのが利益を追求する企業であることが多いのに対して、公共システムを導入しているのが利益を追求しているとは限らない公法人や非営利法人であることがほとんどです。公共システムを開発するとなると、基幹システム以上にアウトソーシング頼りになってしまうと考えられています。公共システムの発注を依頼する際は、失敗のリスクを避けるためにも、発注ナビを活用して公共システムの開発が得意な企業に依頼しましょう。
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