社員の業務負担を減らし、業務の効率化を図る方法の1つにサービスデスクの外注が挙げられます。サービスデスクの業務内容は多岐に渡り、どの範囲の業務を外注するのかによって、費用は大きく左右されます。そこで本記事では、業務内容ごとにサービスデスクを外注する際の費用相場を解説していきます。また、サービスデスクの料金形態や運用形態、サービスデスクを導入するメリット、サービスデスクの外注先を選定する際のポイントについても詳しく解説いたしますので、サービスデスクの外注を検討する際に参考にしてみてください。
目次
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サービスデスクの費用相場と料金形態の違いを解説
サービスデスクとは、様々な問い合わせや各種申請などに対応する窓口のことです。サービスデスクといっても、社内ITシステムに関する問い合わせ対応を行う社内ヘルプデスク、サーバーやネットワーク、PC端末全般を安定的に運用するための運用保守を行うテクニカルサポート、企業に代わって顧客からの問い合わせなどに対応する窓口業務を引き受ける総合窓口など、業務内容は多岐に渡ります。
サービスデスクを導入する場合には、この業務内容によって費用相場が異なります。ここでは、業務内容ごとの費用相場、サービスデスクの料金形態について解説していきます。
●サービスデスクを外注する際の費用相場
前述のとおり、サービスデスクの業務内容は多岐に渡ります。その業務内容によって、外注する際の費用は異なります。ここでは、それぞれの業務内容ごとに費用相場を解説しています。
●社内ヘルプデスクの費用相場と業務内容
社内ヘルプデスクの費用相場は、月額5万円〜20万円程度です。
企業によって多少は異なりますが社内ヘルプデスクは、社内ITシステムに関する問い合わせに対応することを主な業務としており、業務内容としてはモバイル端末やグループウェア、基幹システムなどのサポートを行います。企業によっては、システム管理部門に代わり、問い合わせを一手に引き受けているケースもあります。
●テクニカルサポートの費用相場と業務内容
テクニカルサポートの費用相場は、月額10万円〜150万円程度です。
企業によって多少は異なりますがテクニカルサポートは、顧客がITインフラを安定的に利用できるよう、サーバーやネットワークなどの運用・保守業務を行います。業務内容としてはセキュリティインシデントへの対応はもちろんのこと、システムを安全に運用管理できるよう提案を行うこともあります。物理的な故障が発生した場合には、顧客先に直接エンジニアを派遣してサポートするケースもあります。
●総合窓口の費用相場と業務内容
総合窓口の費用相場は、月額15万円〜35万円程度です。
テクニカルサポートのような高度な専門知識を必要とするサービスや、顧客からの質問やトラブル相談を一括で受け付け・管理する総合窓口は、専門性が低い社内ヘルプデスクと比べて、月額料金が高めに設定されることが一般的です。
総合窓口は、企業の代わりに顧客からの問い合わせに対応する窓口業務を一手に引き受けるサービスです。上記のテクニカルサポートに加えて、製品・サービスのサポート業務も含め、窓口部門の業務をすべて行う点が特徴です。
サービスデスクの料金形態
サービスデスクには、大きく分けると、月額固定型と従量課金型の2パターンの料金形態があります。それぞれの料金形態の特徴についてご紹介します。
●月額固定型の特徴
月額固定型は、毎月一定額の料金が発生するタイプです。問い合わせ内容や件数の上限が設定されており、その範囲内であれば、定額でサービスを利用できます。ただし、上限を超える場合には、追加料金が発生することや上位のプランの料金に変更されることが多いため、注意が必要です。毎月、一定額の支払いであるため、予算の立てやすさがメリットと言えます。
●従量課金型の特徴
従量課金型は利用したサービスやサポート時間に応じて、その都度料金が発生する方式であり、必要なサポートが少ない場合にはコストを抑えられる利点があります。ただし、利用が急増した場合には予想以上の費用がかかるリスクがあるため、事前に利用状況の予測や制限を設けることが重要です。
このように、サービスデスクは業務内容によって費用が大きく左右されます。月額固定型・従量課金型という料金形態の違いもあるため、自社に合ったサービスを選びたい場合には、見積もりを依頼しましょう。
サービスデスクの運用形態
サービスデスクの運用形態は、大きく分けると以下の3つに分けられます。ここでは、それぞれの形態の特徴を紹介しています。
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常駐型(オンサイト型)
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オンライン型
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ハイブリッド型
●常駐型(オンサイト型)
常駐型(オンサイト型)は、サービスデスクサービスの担当者が企業に常駐して業務を行う運用形態のことです。
委託している業務の情報が共有しやすく、コミュニケーションも直接取れるため、緊急時にスピーディーに対応できることが魅力です。既に社内にヘルプデスクがあって増員を考えているケースや、少人数のサポート要員を必要としているケースなどに適しています。
●オンライン型
オンライン型は、担当者が企業には常駐せずに業務を行う運用形態のことです。依頼企業は、ヘルプデスクを運用するための座席や設備を用意する必要がないため、常駐型(オンサイト型)と比べると、費用を抑えることができます。
頻繁に問い合わせがあり、常時複数のオペレーターが必要なケースに適しています。軽い問い合わせ内容や手続の対応で利用されるケースが多いです。
●ハイブリット型
ハイブリット型は、常駐型(オンサイト型)とオンライン型を組み合わせた運用形態です。依頼企業内に常駐する担当者と、依頼企業を訪問せずに対応する担当者が分担して業務を行います。部分的に遠隔対応を導入することで、費用を抑えつつ運用が可能となります。緊急時には、常駐している担当者が対応するため、迅速な対応も十分に確保できます。
ハイブリット型は常駐型(オンサイト型)とオンライン型の2つの形態をうまく組み合わせた、コストパフォーマンスに優れた運用形態と言えます。
各運用形態には向き不向きがあるため、外注を検討する際には、問い合わせ内容や件数がどの程度か、現在サービスデスク業務を担っている部署との連携方法などを考慮し、最適な運用形態を見極めることが重要です。
サービスデスクを外注するメリット
ここからはサービスデスクを外注するメリットについて、詳しく解説していきます。
●コア業務に集中できる
サービスデスクを外注する最大のメリットは、本来のコア業務に集中できることです。
企業の情報システム部には、様々な内容の問い合わせが寄せられます。多くの場合、これらの問い合わせは予期せぬタイミングで発生し、緊急性が高いため、迅速な対応が求められます。その結果、対応者はコア業務を中断して問い合わせに対処しなければなりません。サービスデスクの外注によって、コア業務の中断が減り、業務に専念できるため、効率が向上するでしょう。
●社内の負担軽減やリソース確保につながる
サービスデスクを外注することで、社内の人材をサービスデスク業務に割かず、負担の軽減とリソースの有効活用が図れます。これにより、優秀な人材をコア業務に集中させ、理想的な事業戦略を展開できます。
●顧客満足度を高められる
外部のサービスデスクは、複数の企業の問題を解決するために多数のスキルや専門知識を持っています。自社でサービスデスク業務を行うよりも、高品質なサービスが提供できます。これにより、顧客満足度が向上するでしょう。
●運用リスクの低減
企業の情報システム部門は、1人の担当者が業務を行うケースが少なくありません。このような状況では、担当者が休職や退職すると、サービスデスク業務の安定運用が困難になります。サービスデスクを外注することで、担当者の退職などがあっても、業務をスムーズに継続できます。
サービスデスクを外注する際のポイント
サービスデスク業務を提供している企業はたくさんあります。外注するメリットを最大限活かすためには、自社に合った外注先企業を選ぶ必要があります。ここでは、サービスデスクを外注する際に、外注先を選ぶポイントを5つ紹介しています。
●自社の課題に合った運用形態を敷いているか
サービスデスクの運用形態には、常駐型(オンサイト型)、オンライン型、ハイブリット型の3つがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。従って、自社の課題に適した運用形態を選択することで、外注するメリットを活かすことができます。外注先企業は特定の運用形態に限定されることがあるため、自社の課題に合った運用形態を採用されているかを確認することが重要です。
●必要な専門知識/実績を備えているか
専門的な知識が求められる場合、対象業種における豊富な経験を確認しておくべきです。実績があれば、サービスデスク業務の質の高さが期待できます。また、適切な業務フローを構築するためのヒントも得られるでしょう。
●セキュリティ対策は十分か
サービスデスクを外注する際、機密性の高い情報を共有する必要がある場合があります。このため、個人情報などが外部に漏れるリスクを防ぐため、サービスデスクを外注する場合には適切なセキュリティ対策が実施されているかを注意して確認しておく必要があります。
●幅広い問い合わせチャネルに対応してくれるか
問い合わせチャネルには、電話、メール、チャットなどが挙げられます。また、近年増加しているものとして、LINEなどのSNSもあります。多様な問い合わせチャネルが用意されていても、外注先企業が対応していなければ意味がありません。そのため、幅広い問い合わせチャネルに対応しているかは重要なポイントです。自社のすべての問い合わせチャネルに対応できるかを確認しましょう。
●円滑にコミュニケーションがとれそうか
サービスデスク業務は、緊急対応が求められるケースが多々あります。そのため、円滑なコミュニケーションが不可欠です。また、顧客対応を任せることも多いため、円滑なコミュニケーションが取れなければ、企業の評価が低下する可能性もあります。コミュニケーションが十分に取れるかどうかは、外注先を選ぶ際の大きなポイントとなります。
ただし、外部のサービスデスクを利用する場合には、コミュニケーションや運用管理に対する注意が必要です。運用管理や品質管理の観点から、契約内容を明確化し、適切なSLA(Service Level Agreement)を設定することが重要です。
以上のように、サービスデスク業務の外注先を選ぶ際には、多くのポイントが存在します。発注する企業側のニーズや予算を考え、サポート内容や、実績、セキュリティ対策、コミュニケーション体制など、様々な観点からサービス会社を検討することが必要です。また、選定後も適切な契約管理や運用管理を行うことで、外部のサービスデスクを運用する上でのリスクを低減し、高品質なサポートを実現することができます。
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