システムエンジニア(SE)と聞くと、「パソコンの前に座ってプログラミングをしている」というイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、日本においてはプログラミングスキルのないシステムエンジニアの存在も認知されており、コードを書けないSEがシステム開発を成功に導くことも珍しくはないのです。
今回は、システムエンジニアの業務内容、必要なスキル、年収に焦点を当ててご紹介します。
システムエンジニアを採用したい、システムエンジニアに開発を依頼したいという企業担当者の方であれば、当コンテンツを是非ご参考ください。
目次
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システムエンジニアとは?
システムエンジニアは、システム設計や開発を行う職種です。プログラミング業務を専門とするプログラマーの上位職として扱われるケースも多く、プロジェクトに関わるプログラマーをまとめるリーダーのような役割を担います。プログラミング業務で実装に携わるだけではなく、クライアントにヒアリングを行い、どのようなシステムを求めているのかを明らかにして要件定義を行います。クライアントと話し合って予算・納期との折り合いをつけるという、プロジェクトの成否を握る重要な立場です。
小規模な開発によっては、システムエンジニアが「プロジェクトリーダー」と「プログラマー」双方の役割を担当するケースもあります。
システムエンジニアの仕事内容
システムエンジニアが担う主な仕事は、以下の通りです。
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クライアント・外注とのやり取り
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仕様書・設計書の作成
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プロジェクトやチームの管理
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テスト
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運用・保守
管理と開発の両方に携わるという点を考慮すれば、システムエンジニアは「システム開発における何でも屋」と言っても過言ではないでしょう。以下の項では、それぞれの仕事内容を詳しく紹介します。
●クライアント・外注とのやり取り
案件によっては、システムエンジニアがクライアントや外注とやり取りする窓口になります。大規模な開発であればPM(プロジェクトマネージャー)が窓口になりますが、小~中規模の開発であればシステムエンジニアがPL(プロジェクトリーダー)としてこのような役割を担います。
PMの有無にかかわらず、システムエンジニアが担当する中でも特に重要な業務は、開発の土台となる「要件定義」です。クライアントと話し合う場を設け、「どのようなシステムを求めているのか」「不可欠な機能は何か」「予算はどれくらいを目安にしているか」「いつまでに納品する必要があるのか」など詳細をヒアリングしてまとめていきます。
クライアントは必ずしもシステム開発に詳しくないため、実現不可能な要望が飛び出してくるかもしれません。どうして実現が難しいのかをクライアントに納得してもらい、代替案を提示しながら開発の指針を定めるのがシステムエンジニアです。顧客折衝のスキルが問われるという点で、プログラマーと異なります。
ここでクライアント側の正確なニーズを把握できないと、クライアントにとって不満の残るシステムを構築してしまいかねません。要件定義が不十分だと、今後のシステム開発が見当違いな方向へ進んでしまい、プロジェクトが失敗してしまう可能性もあります。
●仕様書・設計書の作成
要件定義が決まったら、システムの構成や処理方法を決めるためにシステム設計を行います。設計は外部・内部の仕様を決める「基本設計」と、実際にプログラミングできるところまで落とし込む「詳細設計」に分けられますが、いずれの設計書もシステムエンジニアが作成します。
クライアントの希望をどこまで設計に組み込めるか、開発に携わる人材をどのように準備するか、開発期間や予算を守れるかなど、仕様書・設計書の作成する上で、考慮すべきポイントは少なくありません。
●プロジェクトやチームの管理
開発がスタートすると、プログラマーと一緒に手を動かして実装を進めることもありますが、システムエンジニアはプロジェクトやチームの管理を担うのが一般的です。開発が円滑に進むようリスク・マネジメントを行い、実装時の課題を集約して解決策を講じます。
開発で何かしらのアクシデントが発生した際、スケジュールを組み直したり、人材の再編成を行ったりするのも、システムエンジニアが担うケースが多くなっています。
●テスト
一通りの実装が済んだら、問題なく動作するかどうかのテストを行います。テストを専門に行うエンジニア(QA)もいますが、QAの有無にかかわらず、多くの場合システムエンジニアは開発者としてテストに携わります。システムエンジニアが関わるテストは、以下3つです。
システムエンジニアが関わるテスト | |
---|---|
種類 | テストの内容 |
単体テスト | プログラム単体でもきちんと動作するか |
結合テスト | プログラム間の連携に問題がないか |
総合テスト | すべてのプログラムを結合して正常に動作するか |
このほかにも、案件によってはシステムの運用が可能かどうかをチェックする「運用テスト」などを行うこともあります。テストが完了すれば、晴れて完成したシステムやソフトウェアがリリースされる仕組みです。
●運用・保守
クライアントにシステムを引き渡した後で運用上の問題が発生すれば、システムエンジニアが原因特定と解決を行います。リリース後の動作を確認し、必要であれば改修や追加機能の実装も行います。
以上が、システムエンジニアが担う主な仕事内容となります。なお、システム開発はどんな手順で行われるのか詳しく知りたい方であれば、以下のページをご参照ください。具体的な開発工程から進め方に至るまで、詳しく紹介しています。
⇒システム開発の工程(流れ)とは?覚えておきたい略語も解説|発注成功のための知識が身に付く【発注ラウンジ】
システムエンジニアの平均年収
システムエンジニアの平均年収 | ||
---|---|---|
年代 | 男性 | 女性 |
20代 | 300~450万円 | 300~400万円 |
30代 | 500~600万円 | 450~500万円 |
40代以上 | 600~700万円 | 500~600万円 |
システムエンジニアの平均年収は、おおよそ上記の通りになります。もちろん企業や携わる業務などによって、年収は大きく異なりますが、おおまかな目安として留意しておきましょう。国税庁が発表している『令和元年分 民間給与実態統計調査』によると、全国の平均年収は男性で540万円、女性で296万円です。平均という点で見れば、30代や40代を境に平均よりも高い年収を得やすいと言えるでしょう。
システムエンジニアの役割・重要性
上記の平均年収においては、男女ともに早い段階で全国の平均年収を超える給与に達しています。このことからも分かるように、システムエンジニアの希少性が高まっています。特に、AIやビッグデータを取り扱う人材、セキュリティやクラウド関連の業務に就くシステムエンジニアの需要が伸びています。
システムエンジニアに必要なスキル
●コミュニケーション能力
ここで言うコミュニケーション能力とは「折衝力」のことです。折衝とは、利害が一致しない相手と駆け引きをして有利な状況に立つこと。クライアントや外注先と接するシステムエンジニアは、話し合ってお互いの合意点を見つけ、お互いが目的を達成できるような方向でシステム開発の契約を取り付けなくてはなりません。
●マネジメント能力
システム開発では往々にしてトラブルに見舞われ、予定通りに進まないことも珍しくありません。システムエンジニアは、プログラマーのリーダー的存在としてプロジェクトを推進し、クライアントとプログラマーの間に立って調整を行います。リスク回避のために先んじて行動し、品質と納期の双方を担保するマネジメント能力がシステムエンジニアには求められます。
●技術力
プログラムが読めない、または書けないシステムエンジニアの存在は日本特有ですが、実はさほど珍しくありません。システムエンジニアの主な仕事は上流工程と進捗管理であるため、プログラマーの人員に余裕があったり外注が前提であったりすると、プログラムを書けなくても問題ないのです。
このようなシステムエンジニアは、クライアントの要望を整理してプログラマーに伝える緩衝材となり、適切な単位でタスクを区切ってプロジェクトを管理するマネージャーとして頼りになります。
ただし、一定の技術力がないということは、「無理のない設計」を正確には知らないということです。折衝力に乏しいシステムエンジニアだと、明らかに無謀な要望を持ち帰ってプロジェクトを炎上させかねません。もっとも、コードを書けるシステムエンジニアの提案が問題なく稼働しない可能性もあります。コードの読み書き能力が必須とは言えませんが、システムエンジニア本人がゼロから構築できるレベルの技術力を有していると、より頼もしく感じるはずです。
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優秀なシステムエンジニアを社内で育てる、あるいは引き抜くのは一筋縄ではいきません。システムエンジニアに不可欠なのはテクニカルなスキルではなく、交渉力・マネジメントといった「対人関係能力(ヒューマンスキル)」と、正解のない問題の本質を捉えて答えを出す「概念化能力(コンセプチュアルスキル)」であるからです。
システムエンジニアの業務に限らず、システム開発は全体を通して専門性が求められる仕事であり、ノウハウも知見も持たない企業はシステム構築を行うだけのリソースがないことも珍しくありません。システム開発を採算が取れる形で進めたいとお考えであれば、専門の企業に発注するという選択肢もひとつの手段です。システムエンジニアという役割を外部に依頼するケースも多々あります。
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