
ビジネスや広報、採用活動など、さまざまな場面で動画の活用が広がっています。しかし「どんな流れで進めるの?」「初めてだけど失敗したくない」と不安を感じる方も多いでしょう。この記事では、動画制作の企画から納品・公開まで、各工程で大切なポイントや準備しておくべきことを、わかりやすくご紹介します。外注・内製どちらにも役立つ内容なので、これから動画制作に取り組みたい方はぜひ参考にしてください。
目次
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動画制作の全体の流れを把握する
動画を制作する際は、「企画」「撮影・素材作成」「編集」「納品・公開」の4つのステップを、ひとつずつ積み上げることが大切です。外部に依頼する場合でも、社内で制作する場合でも、全体像を知ることで各工程の意味や役割を正しく理解でき、計画的にプロジェクトを進めやすくなります。
●最初に全体の流れをつかむ
動画制作を行う際、最初に整理すべきは「目的」「ターゲット」「配信先」の3つです。なぜこの動画を作るのか、どんな人に見てほしいのか、どの媒体で公開するのかを決めておくと、方向性がぶれません。例えば、新商品を知ってもらうためなのか、採用応募者を増やすためなのかによって、必要な内容も大きく変わります。
さらに、予算や納期も事前に目安を立てておくことが重要です。動画制作は企画から納品までに1~3か月程度がかかることが多く、予算も動画の長さやクオリティによって大きく変わります。これらを踏まえて、おおまかなスケジュールを組んでおくと、制作会社との話し合いもスムーズに進みます。
主要な検討ポイント
| 項目 | 内容例 |
|---|---|
| 動画の目的 | 商品紹介/ブランド認知/採用募集など |
| ターゲット | 年齢・職業・関心事・利用メディア |
| 配信先 | YouTube/SNS/社内用サイトなど |
| 予算 | 30万~200万円以上(内容・尺による) |
| 納期 | 1~3か月(内容によって変動) |
こうした計画を予めしっかり行うことで、現実的な計画と期待通りの成果につながりやすくなります。全体のイメージをつかみ、次の具体的な作業に進めるよう準備して臨みましょう。
●各工程の役割を確認
動画制作は大きく「企画」「撮影・素材作成」「編集」「納品・公開」の4つの工程に分かれています。
- 企画:動画の設計図をつくる段階です。何を伝えたいのか、どんな内容・構成にするかを決めて、企画書やシナリオ、絵コンテにまとめます。関係者全員が同じイメージを持てるように、できるだけ具体的な形で情報共有しましょう。
- 撮影/素材作成:企画で決まった内容に沿って、動画の材料となる映像やイラストを用意します。実写ならキャストやロケ地、撮影スケジュール、機材なども準備が必要です。アニメーションの場合は、キャラクターや背景、グラフィック素材をデザイナーが作成します。
- 編集:撮影や作成した素材を編集ソフトでつなげて、1本の動画に仕上げていきます。テロップやBGM、ナレーションを入れることで、より伝わりやすく印象的な映像に仕上げます。
- 納品/公開:完成した動画を、配信先に合わせた形式で納品・公開します。たとえばYouTube用なら「MP4」形式、社内向けや保存用には「MOV」や「AVI」形式が選ばれることもあります。公開後の効果測定も忘れずに行いましょう。
これらの役割を整理しておくことで、目的が明確化し進行しやすくなります。
動画制作を依頼する前に準備しておくこと
動画制作会社に相談したり見積もりを依頼したりする前に、社内で最低限決めておくと役立つポイントがあります。
- 動画の目的とターゲットを決めておく
- 配信先や動画の長さ・予算・納期もイメージしておく
●動画の目的とターゲットを決めておく
動画の内容を決める前に、「なぜ動画を作るのか」「誰に届けたいのか」を整理することが大切です。例えば、「会社のPR動画を作る」といった漠然とした目的だけでなく、「ブランド認知度の向上」や「新商品への問い合わせ数増加」など、具体的なゴールを1つに絞ることで、メッセージがより明確になりやすくなります。
また、ターゲットについては、できるだけ詳しくイメージしましょう。年齢や性別だけでなく、職業や普段の行動、悩みまで考えておくと、響く内容が作りやすくなります。
また、動画を見た人にどんな行動をとってほしいか(問い合わせ、購入、応募など)も具体的に考えておきましょう。「行動」を明確にすることで、動画の評価指標(KPI)も決めやすくなります。
目的・ターゲット設定の例
| 項目 | 設定例 |
|---|---|
| 目的 | 新製品の認知拡大、リード獲得、応募増加 |
| ターゲット | 30代女性・営業職、課題:商品知識不足 |
| 行動 | 資料請求、Web購入、応募フォーム記入 |
予めこれらを決めておくことで、制作会社への依頼も具体的になり、良い提案を受けやすくなります。
●配信先や動画の長さ・予算・納期もイメージしておく
配信先によって、動画の仕様や長さは大きく異なります。たとえば、YouTubeなら数分の詳細な動画が好まれますが、InstagramやTikTokでは15秒程度の短い動画が向いています。どの媒体で配信するかを段階で決めておくと、制作の方向性も定まりやすくなります。
予算や納期についても、最初に目安をもっておくと見積もりや相談がスムーズです。明確な数字を決めておけば、制作会社もより現実的な提案をしてくれます。
また、希望するイメージの参考動画や画像がある場合は、相談時に共有することをおすすめします。イメージの食い違いを減らし、より満足のいく仕上がりにつながります。
配信媒体ごとの仕様比較
| 配信媒体 | 主な利用者層 | 最適な長さ | 推奨アスペクト比 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| YouTube | 10~60代 | 2分以上・60秒以内 | 16:9/9:16 | 詳細解説、How-to |
| 10~40代 | 15-60秒 | 9:16/1:1/4:5 | ビジュアル重視 | |
| TikTok | 10~20代 | 9~15秒 | 9:16 | エンタメ性、短尺 |
| X(旧Twitter) | 10~30代 | 15~45秒 | 16:9/9:16/1:1 | 情報拡散、速報性 |
| 30~40代 | 15~60秒 | 4:5/1:1/16:9 | ビジネス・共有向き | |
| Web/社内用 | ターゲットによる | 2-3分など | 16:9 | 詳細解説、教育など |
配信先やターゲットを事前に整理し、動画の長さや仕様もイメージしておくことが、完成度の高い動画を作る近道です。
動画制作の流れと進め方
ここからは、実際の動画制作の流れをご説明します。外注でも内製でも共通する基本の流れです。
●1. 企画・構成の設計
最初に行うのは「企画・構成」です。ここでは、プロジェクトの方向性や骨組みを具体的に定めます。制作会社の場合は、クライアントへのヒアリングを通じて、目的やターゲット、伝えたい内容、配信先、KPI(成果指標)などを確認します。
その後、企画書や構成案、絵コンテ(映像の設計図)を作成し、完成形のイメージを関係者全員で共有します。台本やナレーション原稿もこの段階で用意して、話し言葉として自然か、動画の尺に収まるかなども確認します。1分のナレーション原稿はおよそ300字を目安にまとめると良いでしょう。
●2. 撮影または素材作成
設計図ができたら、次は実際の素材を準備する段階です。実写の場合は、キャスト選びやロケ地の下見、撮影スケジュールや機材の手配など細かい準備が必要になります。撮影当日は、絵コンテや撮影リストをもとに、必要なカットが抜けなく撮れているかその場で確認しながら進めましょう。
アニメーションや図解動画の場合は、イラストやグラフィックなどをデザイナーが描き起こします。動画全体のトーンやアートスタイルの統一感を持たせることが大切です。
●3. 編集
素材が集まったら、編集ソフトを使って動画を組み立てていきます。まずは、ベストなテイクを選び、絵コンテの順番通りにつなぐ「カット編集」を行います。次に、強調したいメッセージや名前をテロップや字幕で表示したり、BGMや効果音、グラフィックなどを加えて見やすくしたりする等、印象的な動画に仕上げていきます。
動画の内容がまとまった段階で、ナレーションの録音や音声素材の調整も行います。音量バランスをとることで、視聴者が聞き取りやすくなります。中間段階でのラフカットをクライアントに見てもらい、修正点があれば早めに確認・調整して完成に近づけていきましょう。
●4. 試写・修正・納品
編集が終わったら、関係者全員で完成動画の試写を行います。ここでは、誤字やタイミングなどの微調整を中心に修正します。大規模な修正が必要になった場合は、追加費用や納期の延長につながることもあるため、契約時に修正回数や範囲をしっかり確認しておくことが重要です。
最終チェックをクリアしたら、配信先に合わせたファイル形式で納品します。YouTubeなどWeb用には「MP4」、テレビCMには「MXF」など、それぞれの仕様に適した形式で書き出します。公開後は、再生回数やクリック率などのKPIをもとに効果を測定し、次回制作に活かしていきましょう。
動画制作で失敗しないためのポイント
動画制作が初めての方でも、いくつかのポイントを把握するだけで失敗を避けやすくなります。特に、「認識のズレ」を防ぐことと、契約内容の確認が重要です。
●工程ごとにイメージのズレを防ぐ
企画や構成の段階で、抽象的な言葉だけに頼らず、具体的な参考動画や絵コンテを用いてイメージを共有しましょう。たとえば「もっとかっこよく」という曖昧な表現ではなく、「この参考動画のようなテンポ感が理想」など具体的な指示を伝えることで、完成後のイメージ違いを防げます。
撮影や素材作成のフェーズでは、撮り直しが非常に難しいため、事前準備と現場でのチェックを徹底しましょう。台本や絵コンテの段階でしっかり内容を固め、関係者全員が納得したうえで次の工程に進むことが大切です。
●予算・納期・修正回数なども確認
外部に依頼する場合は、見積書の内訳や修正の範囲・納品形式など、契約内容を細かくチェックしましょう。修正は何回まで無料か、どこまでが追加費用になるのかなどを事前に決めておくことで、トラブルのリスクを減らせます。
プロジェクト進行中に仕様変更や追加要望が発生した場合も、早めに制作会社に相談することが大切です。問題を先延ばしにせず、できるだけ早くコミュニケーションをとりましょう。
社内で動画を作る場合でも、「絶対に譲れない部分」「割り切る部分」をチームで整理しておくことで、効率よくプロジェクトを進めやすくなります。
動画制作の流れを理解して依頼先を検討しよう
ここまで動画制作の全体像や各工程、失敗を防ぐポイントを解説してきました。動画制作のコツを知ることで、次に何をすればよいかが見えてくるはずです。
特に初めて動画制作に取り組む方は、「目的」「ターゲット」「予算・納期」の3つをまず整理してみましょう。そして、参考になりそうな動画やイメージ資料を集めて、制作会社や社内チームとイメージを共有することから始めてみてください。
もし、「どこから相談したらいいか分からない」「見積もりや提案を比較したい」という場合は、複数社へ問い合わせをするのも有効です。納得できる動画制作の一歩を、ぜひ踏み出してみてはいかがでしょうか。
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