“本当にやりたいこと”だけをやりながら、会社を経営していくことができれば言うことはないが、現実は、うまくいかないことも多い。売上を確保しつつ、本当にやりたいことを手掛けていくような折り合いをつけなければならないだろう。ジェイ・ライン株式会社もこうした悩みがあり、複数の案件マッチングサービスを使い分けているが「本当にやりたい案件は発注ナビで受注している」という。同社で営業を担当するマネージャーである知野見氏に詳しくお話をうかがった。
社名 | ジェイ・ライン株式会社 |
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所在地 | 大阪府大阪市西区南堀江1-11-1 三共四ツ橋ビル8F |
従業員数 | 101 – 300名 |
事業内容 | ブランディング、クリエイティブ制作、マーケティング、採用ソリューション |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
お客様のHRソリューションから派生したWebマーケティングを事業化したが、事業部拡大に伴い受注案件を増やすことに。複数の案件マッチングサービスを試したが、価格競争やスピード勝負になることが多く、これまでのように、お客様の課題を丁寧に聞き取り、解決策を練り上げ、提案・制作していくというカタチがとれずにいた。
- 導入後の効果
発注ナビは、見積りありきでも先着順でなく、お客様と打ち合わせた後に、しっかりと提案できることから、本当にやりたいことが実現できた。しかも1000万円規模の大型案件の受注にも成功するなど、売上数字の計上にもしっかりと貢献している。
HRソリューションからスタートしてWebビジネスを展開。その後地域プロモーションなども手掛け、さらなる成長へ!
ジェイ・ライン株式会社は1993年に設立され、HRソリューション事業、Webマーケティング事業、Webコンテンツ事業、地域プロモーション事業、海外ビジネス支援事業、広告事業などを展開している。
「もともと企業に向けた採用ソリューションを提供するビジネスからスタートした会社のため、採用ブランディング(クリエイティブの企画・制作)を得意としています。大手求人サイトの求人広告を販売したり、採用支援活動を行ったりしていました。間もなく30周年を迎えようとしています。採用戦略から、営業戦略、事業戦略などにも携わるようになり、15~16年前からWebマーケティング、サイト構築の支援をスタートしました」(知野見氏)
さまざまな企業が求人を行う中、求人サイトに募集広告を出すだけでは、なかなか応募にはつながらない。自社コーポレートサイトの情報をいかに充実させるかで、応募数も違ってくる。同社がWeb事業に進出・展開したのも、そうした採用戦略の一環からだ。そしてHRソリューション事業部に加え、Webマーケティング事業部が設立される。
当初はシンプルなホームページの制作からスタートし、受注数も月間で数件程度だったという。
「地域のブログサービスなどを手掛けるようになり、Webマーケティングでも音頭を取り、京都・大阪を当社で、その他の地域はパートナー企業と一緒になってブログ・ポータルを構築していきました。次第に案件が増えていったのですが、Webマーケティング事業部には営業スタッフがおらず、せっかく築いた制作体制をどう活かしていくかが大きな課題でした」
営業代行や案件マッチングサービスをいくつか試し、発注ナビと出会った!
インバウンドからの受注がメインだったという同社ではあるが、広告代理店からの案件も多かったため、受け身の姿勢は変わらない。とはいえ、能動的に受注していく体制の構築は、一朝一夕にできるわけではない。
「社内に営業専任のチームを置くという案もあったのですが、ソリューション提案型の営業であるため、結果が出るまでに時間もかかるということで、いきなりは難しいという判断に至りました」
営業代行サービスを試したが、結果は芳しいものではなかったという。
「複数の営業代行サービスを利用してみましたが、営業先を1件紹介してもらっていくらというケースが多く、まったくニーズのないお客様を紹介してくるケースもあり、サービス品質は決して満足のいくものではありませんでした」
結局、同社はニーズが顕在化した案件の獲得が見込めるマッチングサービスの利用を開始する。マッチングサービスは、複数社試したという。
「サービスの中には、1案件に20社~30社以上の開発会社が集まるサービスもありました。しかし、いたずらな価格競争は避けたいので、そういうサービスは利用を見合わせました。また、発注企業に対して、紹介する開発企業数を制限するサービスもありましたが、先着順だと、新着案件の到着からエントリーまでの時間的な余裕が厳しく、営業担当者の負荷が大きくなるため、運用は難しいと判断しました」
その中で評価が高かったのが発注ナビだったという。
「発注ナビは、発注企業への開発企業紹介数も3~5社とちょうど良く、紹介も先着順ではない点が当社の営業スタイルにもフィットしていました。当社が“本当にやりたいこと”ができるのは嬉しいですね」
マッチングサービスを目的に応じて使い分け
同社が本当にやりたいのは、価格やスピードでの競争ではなく、お客様の課題をじっくりと聞き取った上で分析し、持てる技術やノウハウを使って、その課題を解決する最適なシステムを提供していくこと。もちろん価格を度外視するということはなく、それも含めて打合せをしていくことで、お客様に納得してもらえるサービスを提供していくのだという。
そうした一連の流れを実現するのに最も適したサービスが発注ナビだった。
ただし、同社では発注ナビ以外のサービスも併用している。
「発注ナビからの受注件数だけでは、揃えた開発体制を維持できないので、“本当にやりたいこと実現するため発注ナビ”と、“日々の売上を計上していくための他社マッチングサービス”という感じで目的別に使い分けています」
目的や解決すべき課題を明らかにしてお客様と共有する
同社では、主にどのような案件を選び、受注に向けてどのように動いているのだろうか。
「新着案件の中からどの案件にエントリーするかの基準はいくつかあります。スタートが採用支援事業だったので、採用におけるブランディングページや採用に向けたホームページについては、積極的にエントリーしています」
そのほかにも、課題が明確な案件、新しく立ち上げるサービス、目的がハッキリしている案件にはエントリーするようにしているとのことだ。
「ホームページをリニューアルしたいというご要望を、そのまま何も考えずに受けてしまうと、多くの場合、お互いが不幸になります。なぜリニューアルするのか、リニューアルによって何を期待するのかなど、さまざまな課題を明確にしておかなければ、リニューアルが成功だったのかどうか、あるいはコストが適正だったのかどうかを判断することもできません。そのため当社では、事前に詳しいヒアリングと、きちんとしたオリエンテーションを実施し、場合によっては、決裁者の方にも参加していただくようにしています」
制作・開発についても、同社なりの流儀があるという。
「ブランディングについては特に時間をかけます。成果物はビジュアルデザインやUI/UXも大切で、ターゲットに“刺さる”ように作らなければなりません。ターゲットはどういう層なのか、その層に何を伝えるのかをしっかりと分析します。そうすることで、認知度が以前に比べて向上したかどうかもきちんと計測できるようになります」
1000万円規模のホームページ案件を受注! お客様への誠実な対応が受注のカギ
当然だが、発注ナビからの案件は同社の売上に貢献もしている。
「昨年には、1案件で1000万円を超える案件を受注することができました。それ以外の案件でも、しっかりとした提案ができるので、無用な価格競争にならず、数字的には良い結果を出しています」
発注ナビにおけるエントリー数や受注数も明かしてくれた。
「エントリーは平均すると月5件程度でしょうか。直近(2022年6月)の実績で言えば、紹介された2件が、いずれも受注に至っています」
実際に、発注企業を紹介されてからの同社のレスポンスは速い。紹介のあった当日中に連絡を入れ、可能な限り、その段階で初回の打合せのアポイントメントを取るという。
「早い段階でしっかりとしたヒアリングを行い、そこから、企画書、見積書、スケジュール等を揃え、1~2週間のうちに提案をしています。何がなんでも当社が、という姿勢ではありません。内容をヒアリングした結果、当社よりも向いている制作会社さんがあると判断した場合は無理をせず“この案件はこういう制作会社さんが良いですよ”とアドバイスすることもあります。何よりお客様と誠実に向き合うことが、受注につながっているのだと思います」
また、受注に向けてはカスタマーサクセスと呼ばれる発注ナビのサポート体制も活用しているという。
「専任アドバイザーの方と2~3か月に1回程度の割合でミーティングを行っています。まれにご紹介をいただいて、やりとりをしている発注企業様と連絡がつかなくなるケースがあるのですが、発注ナビ側から連絡をとっていただけるなど、フォローが手厚くてありがたいですね。この案件をどうしても受注したいという相談に、こうしてみたら良いのでは、というアドバイスがもらえることもあります」
今後はHR事業のリブランディングと地方創成、海外ネットワークを使ったインバウンド振興にも注力していきたい
「今はホームページ制作や紙媒体の制作などを行っていますが、これはあくまでも手段であり、得意だというだけ。今後は、もともとのHRソリューション事業もリブランディングして、発信していきたいと考えています」
同社は地方創成にも力を入れており、内閣府地方創成推進室が進めるテレワーク宣言の認定も受けており、地方の企業価値をプランニングすることにも注力している。
「注目されるのはサステナブルな事業の構築です。地域に根差して息の長い事業を展開していこうとしているお客様企業に対して、当社としてWebコンテンツやWebマーケティングの技術やノウハウで、どのようなカタチでお手伝いをしていけるのか。情報発信以外にも、できることがあるのではないかと考えています」
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