自社サイトへの集客やコンバージョン獲得を目的に、オウンドメディアをローンチする企業が増えています。
このオウンドメディア、名称は見たり聞いたりしたことがあっても、従来のメディアサイトや自社のホームページとの違いなど、詳しいことはよくわからないという人もいるのではないでしょうか。
今回は、サイト運営や集客に頭を悩ませている企業のマーケティング担当者向けに、オウンドメディアの基本情報やメリット・デメリットを詳しく紹介します。
新規でオウンドメディアを立ち上げるうえでも、当コンテンツをぜひご参照ください。
目次
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オウンドメディアとは
オウンドメディアとは | |
---|---|
言葉 | 意味 |
オウンドメディア | 自社で所有するメディア |
オウンド(Owned) | 所有する、持っている |
メディア(Media) | 媒体、手段 |
オウンドメディアとは、端的に言えば「自社で所有するメディア」を指す言葉です。企業が所有するホームページ、ブログ、SNSアカウントなどのメディアを総称して、オウンドメディアと呼びます。主に、「ユーザーの興味を引く有益な情報を発信する」という役割を持ち、動画やコラムなどに載せて、企業ごとにユニークな情報を発信しているのが特徴です。
ホームページやブログのようなインターネット上のメディア以外にも、企業が発行しているカタログやパンフレットといった物理的なメディアなども、オウンドメディアに該当します。著名な企業、またはPR事業に注力をする企業ともなれば、いくつものオウンドメディアを運営するケースも少なくありません。
オウンドメディアが注目される理由とは?
定期的な情報発信を行うという都合上、オウンドメディアの管理には相応のコストが発生します。コストを投じてまで、企業でオウンドメディアを運営する理由は何なのでしょうか。注目される4つの理由を見てみましょう。
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従来の広告手法の限界
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検索エンジン対策
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コンテンツの資産化
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モバイルへの移行
●従来の広告手法の限界
オウンドメディアが注目される理由のひとつに、従来の広告手法の限界が挙げられます。誰でも簡単にホームページが作れるようになったことや、TwitterやFacebookといったSNSで、ユーザー自らが情報を発信できるようになったことでインターネット全体の情報量が格段に増加しました。
その結果、企業の発信している広告が埋もれてしまい、従来の広告手法ではユーザーに対して情報を届けにくくなりました。代わって、オウンドメディアが新たな情報発信ツールとして脚光を浴び始めたというわけです。オウンドメディアはこれまでの一方的な情報発信と異なり、企業がユーザーとダイレクトに関係を築ける特徴があります。
●検索エンジン対策
また、Googleに代表される検索エンジンは、コンテンツの「質」を重視するようになり、被リンクやキーワード対策などの機械的なSEO対策が通用しなくなっています。そのため、ユーザーにより価値のあるコンテンツを提供することを目的とした「コンテンツマーケティング」が広まりました。オウンドメディアはコンテンツマーケティングを効果的に運用するために役立つ集客とブランディングのためのツールと言えます。
●コンテンツの資産化
コンテンツを資産化して継続的な集客を促す目的にも、オウンドメディアは効果的です。一時的なアクセスを集めるものではなく、普遍的な内容で、ユーザーにとって価値の高いコンテンツはGoogleからの評価に繋がりやすいでしょう。検索エンジンで上位表示を継続できれば、持続的な集客に役立ちます。
●モバイルへの移行
スマートフォンやタブレットなどの普及で、情報を取得するデバイスがPCからモバイル端末へ移行し、移動中やちょっとした空き時間に利用できるようになったことも、コンテンツ型の情報発信が増えてきた理由のひとつです。オウンドメディアなら手軽にコンテンツにアクセスし、そのままサイトへ誘導することも可能なので、高い集客効果を実感できるでしょう。
オウンドメディアのメリット
オウンドメディアのメリットとデメリット | |
---|---|
メリット | デメリット |
広告費を削減しやすい | 初期費用が生じやすい |
ブランディングを構築しやすい | 効果が出るまでの期間が長期化しやすい |
SNSを活用した情報拡散が可能 | 運用に手間がかかりやすい |
どのメディアにも弱点があるように、オウンドメディアにもデメリットがあります。オウンドメディアを取り入れる前に、メリットとデメリットの両方を理解しておきましょう。
●広告費を削減しやすい
オウンドメディアは、Googleなどの自然検索経由での流入を目指すコンテンツマーケティングです。そのため、オウンドメディア自体が広告になります。従来のリスティング広告、バナー広告、検索エンジン広告、ポータルサイト広告などと比較して大幅な広告費削減が期待できます。
●ブランディングを構築しやすい
コンテンツ内容を自社でコントロールし、蓄積することができるため、企業にとって最適なブランディングの構築が可能です。価値のある情報を発信し続け、企業の認知度や信頼度を上げることで、繰り返し自社のオウンドメディアに訪れてくれるファンを増やします。
●SNSを活用した情報拡散が可能
オウンドメディアで発信したコンテンツが、TwitterやFacebookなどで紹介、拡散されている様子を見たことがありませんか?コンテンツの内容が良質であれば、過去の記事でもSNSで情報が拡散・共有されていきます。SNS上でコンテンツが話題になれば、サイトへのアクセス数の増加が期待できます。そのためにも、質の高いコンテンツを継続して発信することが重要です。
オウンドメディアのデメリット
●初期費用が生じやすい
オウンドメディアの開設を検討する際に、メディアの方向性やデザインなどを綿密に計画しないと、期待通りの効果も生まれにくくなります。企業内に依頼できる方がいない場合、外部のプランナーやデザイナーに発注をすることもしばしばです。長期的な視点で広告費を削減しやすい一方、オウンドメディアは初期費用が発生する欠点があります。
●効果が出るまでの期間が長期化しやすい
大手ポータルサイトへの出稿など従来の広告手法を活用した集客はコストがかかる一方、短期間で効果を得られやすいという特徴があります。しかし、オウンドメディアの場合は、コンテンツの質を重視した検索エンジン対策を行うために、質の良い情報を継続的に発信していく必要があり、すぐに効果を出すことは難しいでしょう。良質なメディアを育てるには、ある程度の時間がかかってしまいます。
●メディアの運用管理に手間がかかる
オウンドメディアは、継続的にコンテンツを更新し続け、ユーザーにとって有益な情報を蓄積していかなければなりません。有益な情報を生み出すためには、コンテンツの企画から執筆、効果の測定、分析、リライトなど多くの作業工程があります。自由に運営ができる一方、オウンドメディアを効果的に運営するには人的なリソースが発生しがちです。
トリプルメディアにおけるオウンドメディアの位置づけ
トリプルメディア | |||
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名前 | アーンドメディア(Earned Media) | ペイドメディア(Paid Media) | オウンドメディア(Owned Media) |
概要 | 口コミなどの評判獲得を目的とするメディア | 広告費を支払うメディア | 自社で所有するメディア |
媒体 | SNS | リスティング広告 | Webサイトやブログ |
主なメリット | ユーザーと密接なコミュニケーションが可能 | 短期的な集客に最適 | 広告費を削減しやすい |
主なデメリット | 投稿が炎上する危険性がある | 広告費がかさみやすい | 運用に手間がかかりやすい |
オウンドメディアについて考えるうえで、知っておくべき用語として「トリプルメディア」があります。トリプルメディアとは、オウンドメディアのほかに、「アーンドメディア」「ペイドメディア」を合わせた3つのメディアを意味し、後者の2つはオウンドメディアとの対比として位置づけられています。
●アーンドメディア(Earned Media)
「アーンド(Earned)」は「信用された」という意味で、その名の通り口コミなどの評判獲得を目的とするメディアです。主にTwitterやFacebookなどのSNSを指し、ユーザーとの距離を近づけたコミュニケーションを得意としています。一定の評価を受ければ、自然拡散するメディアです。投稿したコンテンツが、俗に呼ばれる「バズった状態」となれば、爆発的な宣伝効果を得ることも夢ではありません。
しかし、投稿したコンテンツがSNS上で炎上してしまえば、企業やメディアの評判を落としてしまうという危険性もあります。ユーザーとのコミュニケーションをはかる企業担当者の発言や投稿によって、被害が大きく拡大してしまうケースもしばしばです。
●ペイドメディア(Paid Media)
ペイドメディアとは、広告費を支払うメディアのことで、リスティング広告といった従来型の一方通行的な広告を掲載しているメディアです。費用対効果を重視した仕組みで、オウンドメディアやアーンドメディアへの誘導も狙います。アーンドメディアとは対象的に短期的な集客を得意としており、即効性の高いメディアです。
ただし、一方的な情報発信のためユーザーとのコミュニケーションをはかることはできません。おまけにペイドメディアは広告費がかさみやすく、長期的に広告を掲載するほどその負担も大きくなります。
アーンドメディア、ペイドメディアと比べて、オウンドメディアは自社所有のメディアです。企業側が出したい情報を出したいタイミングでコントロールできます。これら3つのメディアはそれぞれ特徴が異なり、メディアごとにメリット・デメリットがあります。そのため、オウンドメディアを支える手段として、アーンドメディアとペイドメディアを組み合わせることで、単一で運営するよりも相互作用や相乗効果が期待できます。
具体的には、ペイドメディアで短期に集客したユーザーをオウンドメディアへ誘導し、企業とユーザーとの関係性がより長期的で深いものになるよう目指します。また、アーンドメディアで獲得したユーザーをオウンドメディアへ誘導すると、より詳しい情報をユーザーに与えられるとともに、企業側が情報をコントロールしやすくなるでしょう。
さらに、オウンドメディアからアーンドメディアへの誘導、ペイドメディアからアーンドメディアへの誘導といったパターンもあり、トリプルメディアではそれぞれの効果を高め合いながらユーザーを循環させられる点がメリットといえます。
オウンドメディアとホームページの違い
企業が公式に運営するWebサイトをホームページと呼びます。オウンドメディアは自社所有のメディアですが、ホームページとは何が違うのでしょうか?
●ホームページとは?
ホームページとオウンドメディアの違い | |
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ホームページ | 企業の公式Webサイトのこと |
オウンドメディア | ユーザーにとって有益な情報を発信するメディアのこと |
ホームページは企業の公式Webサイトで、企業内部の情報や新製品のリリース情報などを発信します。ホームページでは企業理念といった短期間では変化しない企業の情報などを掲載することが多く、主に社内または取引先、あるいはすでに興味を持っているユーザーに向けて発信されています。そのため、一般の新規ユーザーを獲得しづらいのが特徴です。
●オウンドメディアとの違い
オウンドメディアは、自社を知らない新規ユーザーにも訴求できるメディアです。企業の情報そのものを発信するというより、ユーザーにとって有益な情報を発信することで、プロモーションやブランドイメージの向上に結びつけるという目的を持っています。
ホームページは、企業の名刺代わりにもなるメディアです。企業の情報を発信する場であるため、広告表示はないものが一般的です。一方、オウンドメディアは自社のプロモーションを行い、企業の利益を上げるために運営しています。記事の中に広告を埋め込むネイティブ広告や、自社のコンテンツを動画で紹介し、その動画の中に広告を埋め込む動画広告などもオウンドメディアに含まれます。そのため、オウンドメディア自体が広告になるとも言えるでしょう。
オウンドメディア構築のポイント
実際にオウンドメディアを構築する場合には、どのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか。オウンドメディアを立ち上げる前にチェックしておきたいポイントをご紹介します。
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ユーザー視点に立ったサイトを意識する
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各ページに検索ワードを決める
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導線を正しく設計する
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サイト制作を依頼する
●ユーザー視点に立ったサイトを意識する
オウンドメディアは、ユーザー視点に立ったサイトを意識する必要があります。サイト全体が商品視点に偏っていると、ユーザーは「商品を押し付けられている」と感じて離脱してしまい、その後再訪してくれる可能性は低くなってしまいます。ユーザーの関心や知りたいことを中心にコンテンツを作り込んでいくことが大切です。
●各ページに検索ワードを決める
コンテンツ発信の際は、各ページの検索ワードをしっかりと決める必要があります。ページ数が多くても、対象ワードが明確になっていなければ自然検索での上位表示は期待できません。ただページを増やすのではなく、対象ワードを盛り込んだ質の高いコンテンツページを作成しましょう。
●導線を正しく設計する
サイト内の導線も重要なポイントです。広告やソーシャルから導いたページは、しっかりとした着地点が準備できているかを確認しましょう。関連コンテンツをリンクで表示させるなど、ユーザーがもっと読みたくなるような導線や、コンバージョンに繋げやすい導線を意識してサイトを構成することが大切です。
●サイト制作を依頼する
検索ワードや導線設計が完了したら、晴れてオウンドメディア制作に移行ができます。内製で作る場合、エンジニアやデザイナーなどを招集したうえで開発を進めますが、システム会社に発注を行うことで、オウンドメディアを開発することも可能です。Webマーケティングに精通したシステム会社であれば、効果が期待できるオウンドメディアを作成できます。実際にオウンドメディア制作におすすめの企業や、得意とする開発案件を知りたい方であれば、以下のページをご確認ください。
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企業の価値を高めるオウンドメディア
オウンドメディアは、ユーザーが求める情報を発信したり、悩みを解決したりすることで企業の本質的な価値を高めていけるメディアです。
広告コストの代わりに人的なリソースは必要になりますが、その分コンテンツを自社メディアにストックして資産化し、継続的な集客効果を得られることも大きなメリットです。企業の利益を上げるのはもちろん、「いかにユーザーを満足させられるコンテンツを作れるか」がオウンドメディアの成功のポイントといえます。利益や費用、ブランディング、効果が出るまでの期間、工数などを考慮して、目的に合ったメディア構築・運営を行いましょう。
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