加速度的に進む少子高齢化、人口減少などの影響により、ますます縮小する国内市場。どの業界も、国内のマーケットだけで高業績を出し続けるのは厳しい状況です。そこで、ますます注目を浴びる海外マーケット。日本には、幸いなことに海外で高く評価される「メイド・イン・ジャパン」「クールジャパン」のブランド力があります。海外EC事業のITパートナーとして、多くの一流企業の支援をしているIVP(アイブイピー)の笠原取締役にお話を聞きました。
今回の記事内容をざっくり言うと…
約3年で40円も進んだ円安。ますます収益性が高まる海外向けEC事業。
海外向けECサイト運営の成功。秘訣は優秀な海外エンジニアの活用。
目で見て確かめるのが一番!毎月、ECのオフショア現場の視察ツアーも実施中。
さらに続く円安基調。海外EC事業の進出・拡大なら今が絶好のチャンス
発注ナビ 円安がものすごい勢いで進んでいますね。3年前くらいは1ドル76円台でしたが、現在は116円台。(2014年12月取材)改めて考えると怖いくらいのマーケット変化です。
笠原 この約3年間で40円も進んだ円安トレンドをつかんでビジネスを展開し、驚異的に収益を伸ばした企業も多いですね。実際、当社がECサイトの運営支援をしているクライアント企業も、その多くが過去最高益を記録しています。
これだけ円安が進むと、海外の人たちは日本の商品やサービスを圧倒的に買いやすくなりますね。先進国はもちろん、発展途上国の人たちにも、メイド・イン・ジャパンやクールジャパンが手の届きやすいものになっています。
笠原 当社では、すでに18年の実績があるECサイト構築の総合サービス「ERS」の提供を軸として、国境を超え世界の誰でも利用できるショップサイト、いわゆる越境ECサイト、グローバルECサイトの支援を多数行なっています。以前は、海外事業というと資金力のある大手企業だけが行なうイメージも強かったですね。しかし現在はインターネットと格安航空会社の普及によって、企業が海外事業に参入する際の障壁は非常に低くなりました。
円安の恩恵を直接受けられるのは、もう大手企業だけではありません。
笠原 今後円安はさらに進み、近いうちに120円へ乗りそうな市況感があります。安倍政権の経済政策を考えても、円安傾向は長期的に続きそうです。海外にも通用する製品やサービスを持つ企業は、今が進出の大きなチャンスだと考えます。
海外向け人気ECサイト支援で実績多数。
その理由は、優秀なフィリピン人エンジニアの活用。
しかし、海外向けECサイトを運営するといっても、普通の会社にはまだまだ難しいのではないでしょうか。まずひとつは「言葉」の問題。少なくとも英語ができないと、グローバルサイトの運営は不可能です。
笠原 実は当社は、3年前からフィリピンの首都マニラにある世界有数のITアウトソーシング拠点、オルティガスにおいてECサイトの開発拠点を持っています。そこで、すでに日本企業の有名ECサイトの開発と運営支援をしています。フィリピンではつい最近、人口1億人を突破し、世界第3位の英語公用語国になりました。
英語ネイティブのエンジニアが、サイトの開発を行なってくれるのですね。それなら、サイト開発を依頼する会社側も英語を話せないとダメなのでしょうか。
笠原 当社の場合、その心配はありません。日本人エンジニアが、お客様とフィリピン人エンジニアの間に必ず入って橋渡し、いわゆるブリッジを行なっています。
開発コストに関してはどうですか。海外のエンジニアに依頼するとなれば、もちろん発注側としては、人件費削減を期待したいもの。しかしそもそも海外開発は、昔ほど安いのでしょうか。
笠原 確かに中国やインドでは、人件費もかなり上がっていますね。しかしフィリピンでは現在、新卒の人件費が、日本のまだ7分の1程度と言われています。(日経コンピュータ 2014年10月「1冊で分かるSE欠乏リスク」より)
つまり月給20万円、日本の新卒エンジニアレベルの給料を現地で払うと…現地では月給140万円、年収1680万円相当になるということですか?!
笠原 そこまでの差はありません。しかし、フィリピンも貧富の差が大きく中国やインド、ベトナムと同じく、高等教育を受けている人たちも多くなっています。今は、日本よりもフィリピンのほうが、優秀なIT人材は採用しやすく、英語なのでコミュニケーションが取りやすいというのが私たちの実感です。
確かにそれだけ年収レベルが違えば、エンジニアたちのモチベーションは断然変わってきますよね。また御社は、もともとNTTの研究プロジェクトからスタートしている会社です。最先端のシステム開発を海外でも行なえるレベルの技術とノウハウは、他社にない強みでしょう。
笠原 おかげさまで当社のマニラオフィスでは、すでにフィリピン進出している日本の一流IT企業と同様、「実務経験3年以上、情報処理系の学位を持つ人材」と条件を高く設定しても、多数の若手エンジニア採用に成功しています。
海海外向けECサイト開発を成功させる3つのポイント。
それは「エンジニアのスキル」「開発コスト」、そして「品質管理」。
優秀な海外エンジニアが、日本人から見て圧倒的に低いコストで開発してくれる。しかしそれでもまだ、品質面は気になります。確かな経歴を持つ優秀なエンジニアとはいえ、日本人の目から見て本当に高品質のECサイトを開発してくれるのですか。
笠原 ECサイト構築の開発会社を選定する際、ポイントとなるのはECの開発経験量、エンジニアのスキル、開発コスト、そして何より重要なのは、品質管理です。当社では、どれだけ小規模のシステムを納品する時にも、外部のセキュリティ診断ツールを活用して徹底的に検査を行ないます。その為、セキュリティサービス大手、セコムのグループ会社であるセコムトラストシステムズと、当社の品質管理部門で連携し、徹底した品質保証をしているのです。
サイトの運用支援はどのような体制ですか?たとえば深夜や早朝に起こるサイト上の不具合は、ECサイト運営会社の頭を悩ませる問題です。
笠原 当社では、24時間・365日完全有人の保守運用センターを運営しています。専門スキルを持つオペレーションスタッフが、深夜や早朝もシステムの監視や再立ち上げを実施しています。保守運用業務においても、フィリピンのエンジニア人材をすでに活用中。日本でもフィリピンでも、お客様の保守運用業務を支えるスタッフの数と質が、どちらも充実しているのは当社の強みです。
海外向けECサイトの開発・運用。だからこそ、海外エンジニア人材の強みを生かす価値は、他のシステム開発・運用より高いと言えるかもしれません。
笠原 システム開発を依頼する前には、たとえば開発者と実際に会ったり、開発会社を訪問したりして、自分の目で確かめるのが一番安心です。そこで当社では毎月、フィリピンの視察ツアーを実施しています。興味があればぜひご参加いただきたいと考えています。
フィリピン人と日本人は国民性が似ていて、互いに親しみを持ちやすいという話も聞いたことがあります。実際に会ってコミュニケーションをとったら、視野が広がるかもしれません。本日はありがとうございました。
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