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アプリ開発の要件定義とは?進め方や成功のポイントを解説

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アプリ開発における要件定義は、開発の目的を明確にするために欠かせない重要なものです。アプリの成功は要件定義にかかっているといっても差し支えないでしょう。しかし、アプリ開発に慣れていないと、何をどう決めれば良いのか不安に思うかもしれません。

本記事では、アプリ開発を外注する際における要件定義の重要性や進め方、作成方法、注意点などについて詳しく解説します。また、外注を成功させるためのポイントも併せてまとめました。

 

目次

 

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要件定義とは

要件定義は、設計・実装作業の前工程(上流工程)として行われ、アプリ開発の目的を明確にする作業や工程のことです。発注側(クライアント)が求めるものを、開発側(受注側)が正しく理解するために作成されます。要件定義では、アプリで何がしたいのか・何故必要なのかといったことを分析し、必要な機能や性能を決めていきます。要件定義を行うために発注側が要望を伝えることを、要求定義といいます。

アプリを作成する方法について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。

「アプリ作成をする方法とは?作成の準備から解説」

 

アプリ開発における要件定義の重要性

要件定義は、アプリ開発におけるもっとも重要な役割を担うパートです。プロジェクトの進め方・認識のすり合わせ・アプリの目的や意義の決定といった、アプリ開発を成功させるのに必要となる各条件を決めるため、アプリ開発の土台となります。

重要な工程のため、要件定義はプロジェクトマネージャー(PM)やSE(システムエンジニア)が担当することが多いですが、企業によって誰が行うかは異なります。また、要件定義でプログラミングすることはほぼありませんが、要件定義を行う人には開発言語やアプリ開発に関する専門知識があるのが望ましいでしょう。しかし、発注側が専門知識を有していないケースもあります。その際は、開発側の担当者に説明を受けながら要件定義を進めると良いでしょう。

 

●要件定義において外せないポイント

要件定義を行うにあたって、外せないポイントが大きく3つあります。

 

  • 認識をしっかりとすり合わせるためにコミュニケーションを密に取ること

  • 要望は漏らさずに伝えること

  • 費用感を掴んでおくこと

 

コミュニケーションを密に取ること

発注側(クライアント)と開発側(受注側)の認識をすり合わせるため、必要なだけ打ち合わせを実施しましょう。クライアント側は、アプリを作る目的や機能が欲しい理由を伝え、開発側は要望を正しく捉えるために、何度もコミュニケーションを重ねていきます。認識に齟齬があるまま開発を進めてしまうと、開発途中で「仕様を変更したい」「機能を追加したい」といったことが起こり、アプリの品質低下やリリース日の超過など、トラブルが起こるリスクがあります。土台となる要件定義をきちんと行うことで、アプリ開発の失敗要因を軽減できるでしょう。

 

要望は漏らさずに伝えること

打ち合わせでは、アプリに対する要望や目的、開発背景を漏らさずに伝えるようにしましょう。開発会社は、その内容を聞いたうえで、実装が可能か・代替機能があるかなどを返してくれます。コスト的に難しそうだから伝えない・専門知識がないからいわない、といった遠慮があると、開発会社は依頼主のニーズを正しく把握できません。まずは、一度すべての要望を伝えきったうえで、要件定義を進めていくと良いでしょう。

 

費用感を掴んでおくこと

アプリ開発を外注する際は、ある程度の費用感を掴んでおくようにしましょう。相場がわからない時は、ひとまず複数社に相見積もりを取っておくと、おおよその金額を把握できます。開発費用の多くは人件費のため、開発にかかわる人数が多いほど高額になりますが、すべての開発を外注するのではなく一部にする、問題ない程度に納期を短くするといった方法で抑えられます。とはいえ、金額の安さを主軸にしてしまうと、アプリの品質担保や運用などに影響を与える可能性もあるので、費用対効果が最大になるように要件定義を進めていくのがおすすめです。

 

アプリ開発の要件定義の進め方

要件定義をどのように行えば良いかわからないといった方に向けて、進め方を3ステップで紹介します。それぞれで気を付けたい点についてもまとめました。

 

●ステップ1:アプリ開発の目的を明確にする

まずは、アプリ開発を行いたい理由を明確にし、本当に開発するアプリで解決できるのかを考えます。

例えば、「リモートワーク社員とスムーズにコミュニケーションを取りたい」といった理由からコミュニケーション用アプリの開発を考えたとしましょう。社員同士のつながりを密にして、生産性を上げるのが目的とします。

その場合、本当にアプリを使えば解決する問題なのかを検討します。アプリ開発以外にも、既存システムの導入や社内体制の変更など、ほかの手段が取れる可能性があるためです。様々な手段を検討した結果、「やはりアプリを作らないと解決は難しい」となるなら、開発会社に依頼を進めると良いでしょう。そうでないなら、手段と目的を取り違えてしまっている可能性があります。そうして明確にしたアプリ開発の目的は、開発会社にきちんと伝えましょう。

 

●ステップ2:目的に合わせた機能やスケジュールを決めていく

目的がはっきりしたら、次は目的を達成するために必要な機能を考えます。発注先の担当者と相談しながら、「コストや納期的に実現可能なのか」「より良い機能は無いか」などを決めていきます。

搭載したい機能が増えれば、それだけ開発費用や開発期間が必要になるので、欲しい機能には優先順位を付けておくと話し合いがスムーズになります。また、個人情報保護や情報セキュリティに関する懸念点や必要なセキュリティについても決めておきましょう。

盛り込む機能を決めたら、開発会社と相談しながらスケジュールを切っていきます。あまりにも短期間にしてしまうと、アプリの品質担保が難しく、長期すぎると開発コストがかさんでしまうため、適切な納期を設定しましょう。

 

●ステップ3:要件定義書を作成する

搭載する機能やスケジュールが決定したら、要件定義書を作成します。要件定義書とは、決めた内容をドキュメントに落とし込んだ書類です。アプリの概要や導入目的、業務フローなどがまとめられており、要件定義書にそってアプリ開発が進んでいきます。開発チームの指標となる資料で、基本設計や詳細設計のベースとなる重要な書類です。

 

アプリ開発における要件定義書とは

要件定義書は、要件定義という工程における成果物です。発注側の要望(要求定義)を、開発側が要件を定義して作成します。ここでは、要件定義書の構成要素や作成時に意識したいこと、フォーマットやテンプレートの活用方法などについて紹介します。

 

●要件定義書の構成要素

要件定義書は、概要、業務要件、機能要件、非機能要件の4つの要素から構成されています。

 

要素 解説とポイント
概要 ・アプリを開発する目的や背景、目標など、アプリ全体の概要を説明する項目
・アプリによって得られるメリットや具体的にアプリが使用されるシーンなども盛り込むと良い
業務要件(システム要件) ・アプリによってシステム化する業務の流れを明確にしたもの。システム化するものとしないものとを分けて考える
・流れの図解や組織図を添付して視覚的に見やすくするケースもある
・開発会社視点では、システム要件ともいう
機能要件 ・発注側が希望する業務要件に合わせて、機能をどう実装していくかを記載する項目
・要件定義で決めた機能を定義するのが目的のため、各機能を具体的に決定する
・出来上がりのイメージに齟齬が無いように、図を用いることもある
非機能要件 ・機能面以外の要件全般を記載する項目
・パフォーマンスやセキュリティ、保守運用などに関する内容を記載することが一般的
・業務要件、機能要件に入らない要件が抜けないように注意して作成する

 

●要件定義書を作成する時に意識したいこと

要件定義書は、プロジェクトにかかわる多くの人が指標とするものです。ここでは、要件定義書を作る方に向けて、ポイントを解説します。

要件定義書を作る際に意識したいことは、次の2点です。また、開発会社により良い要件定義書を作成してもらいやすいメリットがあるため、発注側の担当者も下記の内容を覚えておくと便利です。

 

  • 誰が見てもわかる見やすさで作る

  • 課題解決を意識した内容にする

 

誰が見てもわかる見やすさで作る

要件定義書は、アプリ開発にかかわる多くの人が見るものです。そのため、専門知識がない人が見てもわかるように、専門用語は極力控えるか、注釈を入れるようにすると良いでしょう。また、パッと見た時に字が多く、行間が詰まっていると見にくくなるため、適度に図や箇条書きなどを用いて見やすくするといった工夫も大切です。見にくい書面は見落としが発生しやすいため、見やすさを重視することはミスを防ぐことにもつながります。

 

課題解決を意識した内容にする

アプリ開発の目的は課題の解決です。そのため、要件定義書にはどのように課題を解決するのかまで記載するようにしましょう。

課題解決の方法が記載されていることで、アプリを使って何ができるのかが明確になります。要件定義書の概要や非機能要件などに、解決について記載するようなテンプレートがあるともれなく記載できます。

また、課題解決の方法が明確になると、専門知識がない人でもアプリの必要性が理解できるため、分かりやすさの観点からも記載しましょう。

 

●要件定義書のフォーマットやテンプレートの活用法

要件定義書の内容は、発注側の要望により異なります。しかし、基本的には型があるのでそれに倣うと管理もしやすくなるでしょう。

フォーマットやテンプレートがあると、担当者が誰になっても利用でき、かつ抜けもれの少ない要件定義書を作成できます。毎回一から作っていると手間もあるので、活用しましょう。

ちなみに、テンプレートは定められた項目を埋めれば完成するように作られたもので、フォーマットは大枠のみが決まっているものという違いがあります。

 

外注でアプリを開発する際の準備

要件定義の前段階にあたる、開発を外注する際に押さえておきたいポイントを紹介します。事前に準備をしておくと、要件定義もスムーズに進むでしょう。

 

  • 自社内でアプリ開発の目的を共有しておく

  • 追加費用が発生するかを確認しておく

  • 担当者との相性をチェックする

 

●自社内でアプリ開発の目的を共有しておく

自社内でアプリ開発プロジェクトにかかわる社員には、もれなく開発の目的や意図を共有しておきます。管理職や一部の社員のみが目的を知っている状態になると、チームがうまくまとまらなくなるためです。また、プロジェクトメンバーが入れ替わることも考えられます。その際に、目的の共有がされていないと、引継ぎがうまく行っていないという印象も与えかねません。

 

●追加費用が発生するかを確認しておく

ありがちなのが、運用・保守の費用を見誤るケースです。開発費用はしっかりと見積もって依頼をしたが、運用・保守の費用を甘くみており、追加でコストがかかってしまったとならないように注意しましょう。そのほかにも、サービス内容に何が含まれているか、オプションの料金、納期が延びた際の対応など、費用が発生すると考えられるケースを想定して、前もって確認しましょう。

 

●担当者との相性をチェックする

開発会社の担当者との相性は、アプリの品質にも影響します。例えば、話しやすい人のほうが、話しにくい人よりも要望や修正を伝えやすいのは明らかでしょう。そのほか、レスポンスのスピードや提案内容の納得感などでも相性を図れます。

やり取りを通して、「一緒に仕事をしたい」と思えるかといった観点から担当者との相性を確認し、どうしても合わないなら担当を変えてもらう・契約しないなどを決めましょう。

 

要件定義はアプリ開発外注の成功のカギ

要件定義は、アプリやシステムを開発する側が行う工程です。だからといって、発注側が要件定義を丸投げしてしまうと、良いアプリは開発できません。アプリ開発を外注する際には、プロジェクトの全体像が伝わるように意識してコミュニケーションを取り、発注側と受注側とで一緒に要件定義を進めていきましょう。

打ち合わせを通して口頭で伝えるのはもちろん、完成イメージやスケジュールなどを図にして共有するのもおすすめです。また、不安要素がある時は要件定義の段階で解消させておかないと、アプリ開発に着手した後になってトラブルが生じる可能性があるので、小さいことでも相談や共有をしておきましょう。アプリ開発の基盤となる要件定義のポイントを押さえていれば、アプリ開発が成功する可能性が高まります。

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