ChatGPTのAPIは、従量課金制に基づく料金体系で、使用したテキストのトークン数によってコストが決まります。各モデルの性能や用途は異なり、プロジェクトに適したモデルを選ぶことで、余計な費用を抑えることが可能です。
本記事では、ChatGPTのAPIについて、料金の仕組みやモデルごとの特徴を解説します。また、トークンの管理や言語選択によってコストを効率的に節約する方法についても触れています。AI活用を始めたい方や、コスト管理に不安がある方に向けて、効果的な活用法を詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
目次
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ChatGPTのAPIの料金概要
ChatGPTのAPIは、使用したテキストの「トークン数」に基づく従量課金制です。トークンとはテキストを細かく分割した単位で、入力したテキストだけでなく、ChatGPTが生成する出力のテキストもトークンとしてカウントされます。モデルごとに料金が異なり、用途や性能に応じて使い分けが可能です。料金体系を理解して、用途に適したモデルを選ぶことがコスト管理のポイントです。
●料金の基本
ChatGPTのAPIは従量課金制で、使用した分だけ料金が発生します。課金は「トークン数」に基づいており、1Mトークン(100万トークン)ごとに料金が計算されます。入力(ユーザーが送信するテキスト)と出力(ChatGPTが返す応答)どちらもトークンとして計上され、使用量が多いほど料金が上がる仕組みです。
●トークンのカウント方法
トークンの数え方は、テキストの言語や内容によって異なります。例えば、英語では1トークンは約4文字(0.75単語)に相当します。一方、日本語の場合は1文字が1トークンとしてカウントされるため、英語と比べてトークンの消費が多くなる傾向があります。トークン数が増えるとそれに応じて料金も上がるため、使用する言語やテキストの長さを気にかけると良いでしょう。
●モデル別の料金
モデルごとに料金が異なるため、用途に応じて選びましょう。
モデル | 料金や特徴 |
---|---|
o1 Preview | 入力1Mトークンあたり$15、出力1Mトークンあたり$60。高度な推論や複雑なタスクに適しています。 |
o1 mini | 入力1Mトークンあたり$3、出力1Mトークンあたり$12。軽量な処理やコストを抑えたい場面で便利です。 |
GPT-4o | 入力1Mトークンあたり$2.5、出力1Mトークンあたり$10。多機能で幅広いタスクに活用できます。 |
GPT-4o mini | 入力1Mトークンあたり$0.15、出力1Mトークンあたり$0.6。基本的なテキスト生成や短文処理に向いています。 |
GPT-4 Turbo | 入力1Mトークンあたり$10、出力1Mトークンあたり$30。スピードと性能のバランスが良いモデルです。 |
GPT-3.5 Turbo | 入力1Mトークンあたり$3、出力1Mトークンあたり$6。基本的な作業や低コストでの運用に適しています。 |
※2024年11月時点
参照元:OpenAI「料金」
モデルの特徴と使い分け
ChatGPTのAPIでは、様々なモデルが提供されており、それぞれの特徴や用途に応じて使い分けが可能です。各モデルは、データ処理の規模や応答の複雑さに合わせた性能を持っており、目的に応じて選ぶ必要があります。ここでは、主要なモデルの特徴と、その具体的な活用方法を紹介します。
●o1 Preview:高度な推論タスク向け
o1 Previewは、複雑な推論や高度な自然言語処理を必要とするタスクに適したモデルです。大規模データの処理や、専門的な質問に対する的確な応答が求められるタスクで力を発揮します。このモデルは、128Kのコンテキストウィンドウを持ち、大量の情報を一度に処理することが可能です。
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推奨用途:データ分析や専門分野のテキスト処理、複雑な質問応答など。
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メリット:広範囲のデータや情報を扱う際、精度の高い応答を期待できる。
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活用例:金融データの解析や数学、詳細なデータ分析など、多くの情報を扱う業務で利用されます。
●o1 mini:軽量でコスト効率の良い選択肢
o1 miniは、軽量でコスト効率の良いモデルです。コーディングのサポートやシンプルなタスクに向いており、大量のトークンを消費しないタスクを効率よく処理できます。トークン数が多い場合でも負担を抑えながら活用できます。
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推奨用途:計算サポート、プログラミング支援、FAQボットの作成、短文生成などの軽作業。
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メリット:基本的なタスクに対して、無駄なく処理できる効率性。
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活用例:社内ツールの自動化やプログラミングの補助など、日常業務をサポートする場面で役立ちます。
●GPT-4o:高機能で幅広い活用が可能
GPT-4oは、テキストだけでなく画像認識も可能な多機能モデルです。処理速度も優れており、複雑なタスクに対して幅広く対応できます。128Kのコンテキストウィンドウを持ち、テキストと画像を組み合わせた分析や生成が必要なプロジェクトに適しています。
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推奨用途:画像認識、マルチモーダルデータ(テキストと画像)の解析、複雑なテキスト処理。
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メリット:画像とテキストの両方を使ったデータ処理や解析ができるため、様々な形式のデータを統合して扱えます。
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活用例:商品画像の解析や、カスタマーサポートの自動化など、多様なデータを扱うプロジェクトに活用されます。
●GPT-4o mini:コストを抑えたモデル
GPT-4o miniは、基本的なテキスト生成や日常業務の自動化に適したモデルです。高度な推論を必要としないシンプルなタスクを、低コストで効率的に処理することができます。トークン消費が少なく、軽い作業を中心に利用されます。
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推奨用途:FAQボット、短文生成、日常業務の自動化。
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メリット:コストを抑えながら、日常的なタスクをスムーズにこなせます。
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活用例:簡単なチャットボットの開発や、業務の自動化に役立ち、低予算で効率的に運用が可能です。
●GPT-4 Turbo:スピードを重視したモデル
GPT-4 Turboは、処理速度と性能のバランスに優れたモデルです。広範囲のタスクに対応し、速度が求められるプロジェクトやリアルタイムの応答が必要な場面で活用されます。テキスト生成や応答の迅速さを重視するプロジェクトに向いています。
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推奨用途:テキスト生成、迅速な応答が必要なチャットボット、リアルタイムデータ処理。
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メリット:速度と精度のバランスが良く、リアルタイム性が求められる場面で力を発揮します。
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活用例:カスタマーサポートやリアルタイムでのデータ処理など、時間に敏感なプロジェクトに適しています。
料金を抑えるための活用法
ChatGPTのAPIを効果的に利用し、コストを抑えるには、モデルの選び方やトークンの管理が重要です。無駄な消費を避け、効率よく運用するためのポイントを解説します。
●1. モデルごとの用途に応じた使い分け
プロジェクトに適したモデルを選ぶことで、コストを抑えながら効果的に作業を進めることができます。例えば、FAQボットや基本的なテキスト生成には、コスト効率の良いo1 miniやGPT-4o miniが適しています。これらのモデルはシンプルなタスクに向いているため、余分なコストを抑えながら活用できるでしょう。
テキストと画像の両方を扱うタスクには、画像認識機能を備えたGPT-4oが便利です。マルチモーダルに対応できるため、テキストや画像どちらのデータも効率的に処理できます。そのほかにも、複雑なデータ分析や専門的なテキストを求める場合は、精度の高い応答が期待できるo1 Previewが向いています。
●2. トークン数を制限する設定
トークンの消費量を抑えるためには、プロンプト(指示文)の長さや内容に注意する必要があります。プロンプトは簡潔で明確にし、必要以上にトークンを使わないようにしましょう。また、APIの設定でトークンの上限を設けておくことで、予期しない高額な請求を防げます。長い出力が必要ない場合には、出力トークン数を制限する設定を活用し、消費を抑えることもできます。
ほかにも、会話の履歴を参照する必要がない場合は、その部分を省略することで無駄なトークン消費を抑えられます。これらの設定を行うことで、効率的にトークンを管理しましょう。
●3. 英語を利用してトークンを節約
日本語は、英語と比べてトークンを多く消費します。英語では1単語が1トークンとしてカウントされるのに対し、日本語では1文字ごとに1トークンが消費されるため、同じ内容でも日本語の方がトークン数の消費が大きいからです。そのため、英語を使うことでトークンの節約が可能です。
大量のテキストを処理する際や、コスト削減を重視する場面では、リクエストを英語にして送ると、トークン消費の節約になります。特に長文や多量のテキストを扱う場合には、英語での入力が費用対効果を高める方法と言えるでしょう。
利用シーン別おすすめモデル
前述したとおり、ChatGPTのAPIには様々なモデルが用意されています。ここでは、利用シーンに合わせたモデル選びのポイントを説明します。
●1. 低コストで基本的な利用をしたい場合
おすすめモデル:GPT-3.5 Turbo
GPT-3.5 Turboは、基本的なチャットやテキスト生成を低コストで行いたい場合に適しています。簡単な文章生成やFAQボットを作成する際に役立ち、特にリアルタイムのやりとりは特に必要ない業務に向いています。高精度な分析を必要としない日常業務や、シンプルな学習支援ツール、顧客対応システムの簡易版としての利用が推奨されます。手軽に活用できるため、導入コストを抑えつつ、業務の自動化や効率化が期待できます。
●2. 複雑なタスクや推論、コーディングを処理したい場合
おすすめモデル:o1 Mini
o1 Miniは、コストを抑えながらも、数学や科学分野などで高度な推論を必要とするタスクに適しています。プログラミングの支援やコード生成にも対応しており、FAQシステムやサポートシステムを強化する際に役立ちます。論理的な推論や計算処理が求められるシーンでは、このモデルが効率的です。また、実用的なデータ処理や統計分析にも応用でき、幅広い業務で活用可能です。
●3. 大量データ処理や高度な推論が必要な場合
おすすめモデル:o1 Preview
o1 Previewは、複雑なシステムや大規模な会話、データ分析が必要な場合に適しています。高度な推論を行い、多くの情報を一度に処理することが可能です。ビジネスの意思決定をサポートするための分析ツールとして活用でき、多様なデータソースを統合して詳細な解析を行いたい場面で力を発揮します。特に、高度な質問応答や自然言語処理が求められる専門分野での利用に向いています。
●4. 複数のデータ形式(テキスト・画像)を扱いたい場合
おすすめモデル:GPT-4o
GPT-4oは、画像認識やテキストの分析を組み合わせて、多様なデータ形式を一度に扱いたい場合に適したモデルです。商品画像の解析やカスタマーサポートの自動化に役立ち、画像を含むデータ処理を行うプロジェクトに向いています。例えば、eコマースやサービス業における商品分類や品質管理の場面で効果的に活用できます。画像とテキストを統合的に扱うプロジェクトでは、マルチモーダルに対応できるGPT-4oが活躍できるでしょう。
●5. 日常業務の効率化や自動化を進めたい場合
おすすめモデル:GPT-4o mini
GPT-4o miniは、日常業務の自動化や簡単なチャットボットの作成に適しています。短文の生成や簡単な応答が必要な場面で役立ち、シンプルなタスクや軽量な業務アプリケーションにも対応可能です。問い合わせ対応や書類の自動生成など、事務作業の効率化を進める際には、このモデルが便利です。特に、日常的な作業を自動化したい場合や、プロセスを省力化したい場合に効果的です。
AI開発パートナーの重要性
ChatGPTのAPIのモデルには、それぞれに異なる特徴と料金設定があり、プロジェクトの内容や予算に応じて柔軟に選ぶことが大切です。ChatGPTを活用してより高度なタスクや自社の業務フローに合わせたAIシステムを導入したいなら、AIの開発会社に相談するのも1つの手です。
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