「情報化社会」と謳われる現代では、ビジネスにおいてもあらゆる情報を扱います。
得意先ごとに担当や連絡先をまとめた顧客情報、自社製品の原材料や販売数などを記録した商品情報など、その種類はさまざまです。
そして、これらの情報は紙やノートのような物理的な媒体で管理することがほとんど不可能と言えます。
そんな時に役立つのが、「データベース」の存在です。今回はビジネスから日常生活に至るまで、さまざまな場所で目にするデータベースについて詳しく解説します。データベースを業務で使いたい方や、システム開発に役立てたい企業担当者であれば、当コンテンツをぜひご参照ください。
目次
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データベースとは?
データベースとは? | |
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広義のデータベース | データの基礎や土台、情報の集合体のこと |
ビジネスにおけるデータベース | データベース管理ソフトのこと |
データベースとは、直訳するとデータの基礎や土台、情報の集合体を指す言葉です。広義で言えば、紙媒体の電話帳やスーパーマーケットのチラシ、ショッピングサイトの商品ページなどもデータベースに該当します。「何かしらの情報がまとまったもの」であれば、データベースという認識でも構いません。
ですが、ビジネスにおいてはデータベースと言うと、社内のあらゆるデータを保存、管理する「データベース管理ソフト」を指すのが一般的です。以下の項では、データベース管理ソフトの具体的な用途について紹介します。
データベースは何ができるの?
情報の蓄積と管理ができるデータベース管理ソフトは、具体的にどんな時に役立つのでしょうか。
●データの加工
データベース管理ソフトを使えば、蓄積したデータをカンタンに加工することができます。例えば、企業の従業員情報を管理するソフトであれば、「特定の従業員の基本給を上げる」「正社員のみ有給を付与する」といった操作も一度に行うことが可能です。データの加工に加え、必要な情報を必要な時に引き出せるというのは、データベースの大きな利点と言えます。
●データの分析
蓄積されたデータを分析すれば、企業の経営方針や商品の販売戦略に役立てることも可能です。例えば、商品の売上情報などを分析することで、「売上が好調な商品は何か」「自社製品はどの年齢層に人気なのか」などの情報を割り出しやすくなります。分析された情報を基に新商品を開発したり、店舗の出店場所を決めたりすることも容易になるでしょう。
●システム開発
データベースは、蓄積されたデータを基にソフトウェアやアプリケーションといったシステム開発にも利用されます。システム開発においては、HTMLファイルや画像ファイルといったさまざまなデータを扱うため、それらを保管しておく場所が不可欠です。プログラムの要求に対して、保管したデータの受け渡しを行うのもデータベース管理ソフトの役目と言えます。
ちなみに、データベース管理ソフトはデータの管理方法によって「リレーショナル」や「分散型」、「階層型」などのいくつかの種類に分かれます。令和の現代ではリレーショナルが主流となっていますが、これらの詳しい情報は以下のページで解説しているので、詳しく知りたい方はご参照ください。
データベースで情報をまとめて格納!エクセルにはないDBMSの優れた機能
システム開発に使われるデータベースって?
さて、ここからはビジネスやシステム開発で使われることの多いデータベース管理ソフトを紹介しましょう。それぞれで特徴が大きく異なるため、企業でデータベース管理ソフトを導入したい方であれば、細かい違いを把握しておくのが理想です。
主なデータベース管理ソフト | |
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名前 | 特徴 |
FileMaker | ・操作に必要となる専門知識が少ない ・大規模なシステム開発には不向き |
PostgreSQL | ・費用をかけずに導入可能 ・ほかのオープンソースのソフトウェアと連携しやすい |
MySQL | ・世界でもトップシェアを誇るデータベース ・大規模なシステム開発でも処理速度が低下しにくい |
SQL Server | ・データの復元や復旧が容易で拡張性も高い ・機能に合わせて有料版と無料版が選べる |
Access | ・Excelに似たリレーショナル型データベース ・テンプレートやフォーマットが豊富 |
●FileMaker(ファイルメーカー)
FileMakerは、Appleの子会社である「Claris International Inc.」が開発したデータベース管理システムです。マウスとキーボード操作で簡単に管理できるうえ、操作に必要となる専門知識が少ないことから、IT初心者に適しています。一方、処理速度が遅いというデメリットがあるため、大規模なシステム開発には不向きという特徴もあります。Webブラウザ、iPadなど複数のデバイスに対応しているので、シームレスな開発環境を求めている方におすすめのデータベースです。
FileMaker(ファイルメーカー)とは?基礎知識やできることをわかりやすく解説
●PostgreSQL
PostgreSQLは、オープンソースで費用をかけずに導入できるので、コストを抑えてデータベースを構築したい企業に向いています。ほかのオープンソースのソフトウェアと連携できる特徴を持ち、大規模なシステム開発にも対応できます。ですがオープンソースのため、ほかのデータベースと比較をするとサポート体制は期待ができません。トラブルが発生した時は自己解決が基本となります。
PostgreSQLとは?これからデータベースに触れる人に知ってほしいこと
●MySQL
MySQLは、世界でもトップシェアを誇るデータベースとして高い人気を誇るデータベース管理システムです。GoogleやYahoo!といった著名な検索エンジンでも使用されていることから、高い信頼性を備えていることが分かります。大規模なシステム開発でも処理速度が低下しにくいうえ、MacやWindows、Linuxといったさまざまなプラットフォームにも対応しています。
●SQL Server
SQL Serverは、Windowsで馴染み深いMicrosoftが開発したデータベース管理システムです。高い拡張性を備えているほか、データの復元や復旧なども容易に行えるため、データの破損にも強いというメリットがあります。また、Windowsとの相性に優れているため、Windowsで動作するシステム開発においては採用されることも多いのも特徴です。加えて、機能に合わせて有料版と無料版が選べるので、試験的に導入して使い勝手を確かめてからアップグレードをするのも良いでしょう。
●Access
Accessは、SQL Serverと同じくMicrosoftが開発したデータベース管理システムになります。表計算ソフトとして知られるExcelと似た感覚で使えますが、Accessのほうが大規模なデータを扱えるという違いがあります。作りたいデータベースに合わせてテンプレートやフォーマットが多数用意されているので、開発工数を抑えやすいのがメリットです。
このほかにも、日本国内で高いシェアがある「Oracle(オラクル)」や、クラウドアプリ開発などに向いている「MongoDB」など、数多くのデータベース管理ソフトがあります。それぞれで特徴や操作性などが大きく異なるため、目的に合わせて選ぶことをおすすめします。
企業でデータベースを導入するメリット・デメリット
企業でデータベースを導入するメリット・デメリット | |
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メリット | 業務効率の向上に繋げやすくなる |
作業ミスを防ぎやすくなる | |
経営戦略の構築などを立てやすくなる | |
デメリット | 管理ソフトの使い方を従業員に周知させる必要がある |
情報漏洩の対策を万全にしておくことが必須 |
用途の項でも言及しましたが、顧客情報や製品情報など、企業が扱うデータは膨大なものになりやすいため、管理するにはデータベース管理ソフトが必要です。導入することで、業務効率の向上や作業ミスの防止、経営戦略の構築に役立てることができます。ビジネスで何かしらの情報を扱う際は、データベース管理ソフトの導入を検討すると良いでしょう。
ただし、データベース管理ソフトを導入する際は、ソフトの使い方や注意点などを従業員に周知させる必要があります。ソフトを利用する従業員が多いほど、周知が大変になるため、マニュアルなどを作成するほか「どのように伝達するか」を検討しておくことが賢明です。
また、大量の情報を扱うということは、万が一情報が漏洩してしまった時のリスクについても考えておく必要があるでしょう。もしも、すべての顧客情報を保存したデータベースが外部に流失してしまえば、企業に甚大な被害をもたらすことは言うまでもありません。セキュリティ性の高い管理ソフトを使うことはもちろんのこと、情報の扱い方に関してルール作りをしたり、責任者を設けたり、徹底した対策を施しておくことは欠かせないでしょう。
データベースの選び方は?
最後に、データベース管理ソフトの選び方について簡単に紹介しておきましょう。
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保存できるデータ容量はどのくらいか
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使用するのに料金は発生するのか
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扱える従業員を確保できるか
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サポート体制は整っているか
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セキュリティ性は十分か
データベース管理ソフトは、ソフトごとに操作性や料金などが異なるため、上記のような点を基準に選ぶことが賢明です。ちなみに、データベースを専門に扱う技術者のことをデータベースエンジニアと呼びます。データベース管理ソフトを導入する時は、データベース管理ソフトを扱える従業員を確保できるかどうかも念頭におきましょう。
万が一、ソフトを扱える従業員がいないと、どんなに高性能な管理ソフトであっても、使いこなすことは難しくなるでしょう。ですが、システム開発を担う企業の中には、データベース構築を得意とする企業も少なくないため、外注でエンジニア不足を補うことも可能です。自社でデータベースエンジニアを確保するのが困難でも心配する必要はないでしょう。
「データベース構築を担う企業を探したい」「複数の企業で比較検討をしたい」という方であれば、以下のページをご参照ください。データベース構築を得意とする企業一覧を掲載しているので、目的に合わせて企業選びをすることができます。中には、データベースの移行や運用保守などを依頼できる企業もあるので、必要に応じて相談してみてはいかがでしょうか。
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