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デュアルシステムとは?基礎知識とデュプレックスシステムとの違い

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デュアルシステム1-min

システムは、すべて同じ構成で稼働しているわけではありません。
定期的なメンテナンスで停止させるシステムがあれば、一定時間利用しない時間帯が定められている社内システムや、24時間365日停止することなく稼働し続けるシステムもあります。
停止させることができないシステムを運用するには、デュアルシステムが用いられます。
近年、特に高い信頼性が求められるシステムに活用されている手法です。
今回は、デュアルシステムの基礎知識や適用することによるメリットとデメリット、デュプレックスシステムとの違いについてご紹介します。

 

目次

 

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この資料でわかること
・システム開発の流れ
・専門用語の解説
・開発手法によるメリット・デメリット
・失敗を防ぐコツ

 

デュアルシステムとは?

デュアルシステム(Dual System)とは、信頼性の高いシステムのひとつです。「デュアル(dual)」とは日本語で二重という意味で、同じ処理を2組のシステムや系統で行い、実行結果を照合機でチェックしながら処理を行う方法です。反対に、1つの処理を1つのシステムのみで行うことを「シンプレックスシステム」と呼びます。

デュアルシステムは同じ処理を2組のシステムで同時に行い、万が一故障した場合に問題のあるシステムを切り離すことで、システム全体を稼働させ続けます。問題のあるシステムをメイン処理から切り離すため、システム全体の処理を停止させることなく処理が続行できます。
また、残されたシステムで処理を続けながら、一方で障害が発生したシステムの原因究明や復旧対応など回復を図ることもできます。システムを完全に停止させることなく処理を続行できる点が、デュアルシステムが信頼性の高いシステムであると言われる理由です。

デュアルシステムは、プロセッサの信頼性が低い時代に広く用いられたシステム構成で、近年は特殊な用途にのみ採用されています。例えば、実行結果の誤りや停止が許されない銀行や証券といった金融機関など、高い信頼性が求められる場合に、デュアルシステムが活用されています。

 

デュアルシステムのメリット・デメリット

高い信頼性を誇るデュアルシステムが、特殊な用途にのみ採用されているのは、デメリットもあるためです。ここでは、デュアルシステムのメリットとデメリットを解説します。

 

●メリット

デュアルシステムのメリットは、高い信頼性を確保できる点です。2つの処理結果を突き合わせて照合することで処理の正しさを随時確認するため、結果の誤りが発生する可能性は低く、間違っていたとしてもどこで誤りが発生したのかを発見できます。
また、処理やシステムが停止する心配がない点も大きなメリットです。2組のシステムが同時に動いており、メインのシステムに障害が発生したとしても、もう一方で処理を続行できます。2組のシステムが同時に停止するような事象が起きない限り、システム全体が停止することはありません。こうしたメリットから、デュアルシステムは停止が許されない重要なシステムで使われています。

 

●デメリット

高い信頼性を実現できるデュアルシステムですが、もちろんデメリットもあります。デュアルシステムによるシステム運用は、コストがかかります。同じ処理を二重に実行するため、ハードウェアやソフトウェアの費用、システムを稼働させるための電気代、バージョンアップ作業など、単純に比較しても2倍のコストが必要です。

 

デュアルシステムとデュプレックスシステムの違い

デュアルシステムとよく似たシステム構成に、「デュプレックスシステム」があります。デュアルシステムとデュプレックスシステムの違いについて解説します。

 

●デュプレックスシステム(Duplex System)とは?

デュプレックスシステムとは、1つの処理に対して2組のシステムを用意しておき、一方は障害が発生した際の予備機として待機させておく手法です。通常は主システム側で処理を実行し、障害によるシステム停止や結果の誤りが検出されたときに、待機させておいた予備システムに切り替えて処理を続行させます。

 

●デュプレックスシステムの3つの種類

<ホットスタンバイ>

ホットスタンバイは、予備機をいつでも開始できる状態で待機させておく方法です。いつでも稼働できる状態のため、主システム側に障害が発生して予備機に切り替える際のダウンタイムは発生しないか、または限りなく短い時間で切り替えが済みます。
しかし、デュアルシステムのように2台のシステムを同時に稼働させておくことになるため、デュプレックスシステムの中でも最もコストがかかります。

 

<ウォームスタンバイ>

ウォームスタンバイは、OSやアプリケーションのインストールなど、ある程度準備が整った状態で予備機を待機させておく方法です。ホットスタンバイと後述するコールドスタンバイの中間に位置し、障害が発生したときは一定のオペレーションだけでシステムを切り替えることが可能です。
ウォームスタンバイの場合は、システムの切り替え時に何かしらのオペレーションが必要です。そのため、一定時間はシステムのダウンタイムが発生してしまいます。

 

<コールドスタンバイ>

コールドスタンバイは3種類の中で最もコストのかからない方法です。コールドスタンバイでは、予備機は稼働準備をせずにシステムだけ使えるように確保しておきます。そのため、主システム側に障害が発生した場合は、予備機の起動から実行する必要があり、障害発生時のダウンタイムはデュプレックスシステムの中で最も長くなります。
しかし、シンプレックスシステムで1つのシステムを1つのシステムでしか運用していない場合と比較すると、ハードウェアを調達してソフトウェアをインストールするといった復旧作業をゼロから実施しなくて済みます。「システム復旧の目処が立たない」といった心配はありません。

 

●両者の違い

デュアルシステムとデュプレックスシステムは、どちらも2組のシステムを用意しておくという点は同じです。しかし、常に2つのシステムを本稼働させているデュアルシステムに比べて、デュプレックスシステムは待機用として備えておくところに違いがあります。
重要なシステムとはいえ、計画せずにデュアルシステムを導入してしまうと、コストばかりが増えてしまうというリスクもあります。一定のダウンタイムが許されるシステムならばデュアルシステムではなく、デュプレックスシステムを選択するという方法もあるでしょう。

デュアルシステムもデュプレックスシステムも高い信頼性を確保するという目的は共通しているので、障害発生時に許容されるダウンタイムや運用コストから、どちらが適切かを選択しましょう。

 

デュアルシステムは停止させられないシステム向け

デュアルシステム2-min

導入・運用コストの肥大化から、デュアルシステムは近年あまり採用されていません。
しかし、24時間365日、常に停止することが許されないような業務の核となる重要なシステムの場合には、デュアルシステムを選択するケースもあります。
システムは開発したら完了ではありません。
計画された処理を時間どおりに稼働するために、信頼性の高い運用を継続的に行うことが重要です。
停止することが許されないシステムには、デュアルシステムやデュプレックスシステムによる運用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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