企業の中には見積書を依頼される機会が多く、課題を感じられているところも多いでしょう。それなら、見積システムの導入をご検討ください。
これまではExcelベースで作成していた見積書を、システムを導入することで効率化させるのはもちろんのこと、経営戦略のデータとして活用する企業も出てきました。見積システムを導入することで、企業のさらなる発展が期待できます。本記事では見積システムとはどのようなものか、メリットや選び方、費用相場までを解説します。
目次
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【おさらい】見積システムとは
見積システムとは、自社で行う見積作成業務を効率的に行うためのシステムです。
見積業務には見積書の作成から、見積書の発行、作成した書類の保管などが挙げられます。これらの業務を同一のシステム上で一元管理することで、業務効率化の達成や受注率の向上を目的としています。
また、見積システムを導入することで、作成した見積の成約率などが数字で簡単に分かるため、自社の経営戦略の分析にも利用できます。
●見積システムが持つ5つの基本機能
見積システムは基本機能として、主に以下が備わっています。
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カスタム(セミ)オーダー機能
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商品管理機能
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見積書作成機能
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セキュリティ機能
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システム連携機能
カスタム(セミ)オーダー機能
「カスタム(セミ)オーダー機能」とは、自社の取引を効率的に行うために、既存の製品を元にオプションをつける機能です。顧客からのニーズに細かく対応できるメリットがあります。細かいニーズに対応できるので、収益性の向上にも貢献できます。
商品管理機能
「商品管理機能」とは、自社で取り扱っている商品をマスターデータとして管理する機能です。見積書の作成時は、システムに一元管理されている商品の型番などからスムーズに作成することが可能です。また、見積書に記載する商品の記載ミスを防止します。
見積書作成機能
「見積書作成機能」とは、見積書作成の手間を低減してくれる機能です。例えば、過去に取引にある企業の見積書の作成する際は、すでに登録されている取引先情報を自動で反映します。ほかにも、過去に作成した見積書を他企業の見積書に転記して流用する機能も備わっています。
セキュリティ機能
「セキュリティ機能」とは、その名の通り見積システムに保管されている情報を守る機能です。保管している見積書の閲覧権限を制限する、作成時に誰が作成を行ったのか、ログを確認するなどの機能が備わっています。見積システムには取引先の情報や重要機密の取引データなども保管されているため、外部に流出した場合は重大な問題になってしまいます。そのためセキュリティ機能が備わっているシステムの活用や、情報管理の徹底が求められています。
システム連携機能
「システム連携機能」とは、見積システムと連携するための機能です。見積システムは、販売管理システムや購買管理システムなどと連携を行うことで、一連の事務作業がスムーズになり業務全体の業務効率化につながります。
なお、見積システムの基礎知識についてより詳細に知りたい方は、ぜひ下記の記事をご確認ください。
【メリット】見積システムが業務を効率化する3つの理由
見積システムのメリットは、主に以下の3点が挙げられます。
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見積業務の効率化
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書類のペーパーレス化
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過去の見積もりデータから分析ができる
以下には、それぞれのメリットについて解説します。
●見積業務の効率化
見積システムを導入すると、見積業務の効率化につながります。見積もりに関するすべてのデータが、システム上で一元管理されるからです。Excelで見積書を作成している場合、テンプレートをコピーし、その都度商品名や個数、型番、単価などを入力する必要があります。また、顧客情報についても、転記を行う必要があります。さらに、企業によっては管理上の問題から、作成した見積は販売管理などと紐付けるといった作業が発生します。
こうした見積書の作成業務に関する手間をシステム上で行うことで、入力の手間や紐付け作業の簡略化が可能です。他部署が見積書の作成を行う企業の場合でも、システム上で製品や仕入れ価格について確認できるため、営業担当と見積書の作成者間でズレのないやり取りが行えます。
●書類のペーパーレス化
見積システムを導入することで、見積書のPDF化やブラウザでの閲覧が可能なため、書類のペーパーレス化が実現できます。Excelで見積書を作成している場合、顧客へ提出する場合は紙ベースです。しかし紙ベースだと、発行から印刷、郵送、手渡しなど見積書作成後の手間も発生してしまいます。見積書のペーパーレス化が実現できれば、社内に紙の見積書を保管する必要はなくなり、すべてシステム上で管理が可能です。システム上で管理できると、過去の見積を参考にしたい場合、検索機能を活用して簡単に探し出すことができます。
経費の削減にも期待できます。見積書を紙で発行していた場合、印刷費などが必要でしたが、PDFなどのデータ化を行うことでコスト削減にもつながるからです。
●過去の見積もりデータから分析ができる
見積もりデータが蓄積されるほど、見積もりごとの成約率や利益率を算出することが可能です。過去の見積もりデータから、自社の経営戦略や営業戦略が効果的だったかの分析が行えます。例えば、成約数は多かったが想定の利益に至らなかった場合、仕入れ価格は妥当だったか、提示金額は問題なかったかなど客観的に振り返ることが可能です。過去のデータを分析できるため、将来に向けての戦略に活かすことができ、適切な販売価格を設定できます。
また、データは一部門だけでなくあらゆる部門と連携ができ、多角的な視点からの営業戦略の策定ができます。
見積システムの導入は3つの方法がある
見積システムの導入方法は以下の3点が挙げられます。
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パッケージ化されたシステムを購入する
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フルスクラッチで独自のシステムを開発する
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パッケージをカスタマイズする
●パッケージ化されたシステムを購入する
パッケージとは、すでに見積システムと完成している製品を自社に導入して利用するものです。パッケージを導入するメリットは、導入費用のみですぐ利用が開始できる点です。自社の業務に合った適切な見積システムを導入できれば、面倒な設定をせずに運用できます。
一方、パッケージは汎用的なものになってしまうため、機能が不十分であったり、一部の機能が自社に適しておらず使用せずに終わってしまったりする可能性もあります。コスト面だけに囚われず、自社の業務に合った適切なパッケージかを見ていく視点が大切です。
●フルスクラッチで独自のシステムを開発する
フルスクラッチとは、自社に合う見積システムをゼロから開発していくことです。フルスクラッチは、自社の特徴にマッチしたシステムを作り上げられる点が最大の魅力です。その分、コストや開発期間がほかの導入方法よりも大幅にかかってしまうデメリットがあります。
機能面や操作性、連携したいシステムへの対応など自社の要望に沿ったシステムを開発できるので、導入後の運用におけるミスマッチの不安は少ないです。
●パッケージをカスタマイズする
カスタマイズとは、パッケージ化された見積システムを自社の業務に合うように機能の追加などを行うことです。基本的な機能はすでにパッケージとして備わっているため、パッケージのフレームワークを活用して適宜開発していくのが特徴です。カスタマイズの魅力は、フルスクラッチでの開発よりもコストを抑えて自社に合った見積システムにできることです。
コストを抑えつつ、自社に合ったシステムを導入したいと考えている企業におすすめです。
見積システムの開発・構築・改修・導入の違い
それぞれの考え方は以下の通りです。
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開発…プログラムの設計から完成したシステムのテストまでの作業。
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構築…テスト作業後にシステム運用できるように組み立てていく作業。
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改修…現状のシステムより使いやすいシステムにする作業。
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導入…システムを導入する作業。
見積システムを新規で開発した場合をシステム開発、見積システムに合わせてほかのシステムまでを含めた開発をシステム構築と呼ぶ場合もあります。
こうした開発や構築は自社で行っているケースは少なく、多くの企業が開発会社に外注を行っています。なお見積システムに限らず、自社にシステムを導入する場合には、ゼロからフルスクラッチで開発を行うか、パッケージ化されたシステムを導入するかの選択が必要です。
見積システムの開発をシステム開発会社に依頼する場合は、システム開発会社向けマッチングサイトの利用をご検討ください。システム開発に詳しいスタッフが、要望を叶えられる会社をご提案します。さらに「フォーム入力」「担当スタッフとのヒアリング」そして「会社のご紹介」というステップを踏むだけなので、会社を探す手間の軽減が可能です。
詳しくは「即戦力のシステム開発会社を探すなら|発注ナビへ相談」をご覧ください。
見積システムの費用相場はシステム形態によって異なる
見積システムの費用相場は、システム形態によって異なります。例えばとある見積システムの費用を比較するだけでも、差がはっきりとわかります。
システムの種類 | システム形態 | 費用 | 無料でのシステム利用 |
---|---|---|---|
システムA | オンプレミス型 | 数十万円~数百万円 | なし |
システムB | クラウド型 | 月額また年額:数千~数万円 (初期費用:無料~十数万円) |
あり |
※「オンプレミス型」と「クラウド型」の違いについては、「オンプレミスとクラウドのメリットを比較!自社に合うのはどっち?」で詳しく解説しています。
導入するシステムや規模感によって変わってくるため、自社に合った適切なシステムを選ぶ視点が大事です。
例えば無料版のパッケージ製品の導入を考えている場合、無料で導入できるという点だけで検討すると失敗する可能性があります。無料版のパッケージには機能が大幅に制限されている、利用できるアカウントが限定的であるなどのデメリットがあるからです。
一方で、有料版はコストがかかりますが、機能面が充実しています。システムを選ぶ時は自社の業務に必要な機能を見極め、費用対効果を算出して導入することが求められます。
【パッケージ向け】見積システムの選び方5選
自社に合った見積システムの選ぶ場合は、以下の5選を注意して考えていくことが大切です。
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導入形態が適切か
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業種に合った機能を有しているか
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営業システムと連携できるか
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カスタマイズが可能か
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適切なコストか
●導入形態が適切か
見積システムの導入形態には「インストール型」と「クラウド型」があります。
インストール型とは、サーバーにシステムをインストールし、オフライン状態で利用するものです。オフラインで運用するため、外部との接続はなく、情報流出などのリスクは低減されます。またカスタマイズ性に優れている点や、自社で運用している他システムとの連携も社内インフラを活用して行いやすく魅力的な点です。
「クラウド型」とは、インターネット環境に接続して運用していくシステムです。情報のリアルタイム性や常に最新のバージョンでシステムを運用できるなどのメリットがあります。また導入コストもインストール型より抑えられるため、導入する企業が増えてきています。
自社の運用体制を精査したうえで、どちらの導入形態が適切かを判断するのがおすすめです。
●業種に合った機能を有しているか
見積システムには汎用的に利用できるものから、業種に特化したものまで様々な種類があります。そのため、自社の業種に合った機能を有したシステムを選ぶことが大切です。特に、専門的な分野であればあるほど、必要な機能が増えていきます。
自社の業種に合わないシステムを選んでしまうと業務効率が落ちてしまうこともあるため、業種に適しているかを事前に確認することが大切です。
●営業システムと連携できるか
見積システムは営業システムと連携させることで、より効果的な活用ができます。営業システムには、顧客への営業活動の履歴や過去の契約情報のデータが蓄積されているからです。見積システムと連携させることで効率的な営業活動が行えているか、なぜ契約に至ったのか、成約率はどれくらいだったのかなど客観的なデータとして集めることにつながります。
こうしたデータを経営戦略に活かすことで、より営業活動を効果的に行うことが可能です。営業システムと連携ができるかどうかは、選ぶ基準の1つです。
●カスタマイズが可能か
カスタマイズができるシステムかどうかも大切です。カスタマイズが可能であれば、ビジネス・社会の変化に柔軟な対応ができます。システムは常にバージョンアップを行わないと、システムの限界が来てしまうからです。
ビジネス・社会の変化に適応した見積もり業務をするためにも、カスタマイズできるシステムかどうかをチェックしましょう。
●適切なコストか
導入を行う際にコストが適切かを判断することも大切です。導入時の費用はもちろんのこと、保守費用などのランニングコストも確認し、長期的な視点から適切かどうかを判断すると良いでしょう。
多くのコストをかければ、自社に合ったシステムを導入できるわけではありません。必ず費用対効果を算出して、導入する見積システムが自社と噛み合っているか判断することが求められます。
見積システムの開発で気をつけたいこと
見積システムの開発を行う際の注意点は、以下の3点です。
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細部まで仕様を決めて見積もる
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リスクを考慮して見積もる
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管理・調査・分析にかかる工数も見積もる
●細部まで仕様を決めて見積もる
システムの開発、導入、運用のイメージが粗すぎると、適切な開発は行えません。まずはシステム全体の骨格を決め、自社にとって必要な部分を肉付けしていき、細部まで仕様を決めることが大切です。
開発会社と入念に打ち合わせを行い、必要な仕様が揃った見積もりを提出してもらうことで、想定コストを把握できます。
●リスクを考慮して見積もる
システム開発は修正対応などが発生し、スムーズにいかない場合が多々あります。そのため見積もり提出時には、リスクを考慮したものを提出すべきです。
修正対応が発生してしまうと、対応工数が余計にかかってしまい、人件費などのコストがかかります。トラブルを追加コストで対応するのではなく、依頼前にリスクを考慮しているかを確認しましょう。
●管理・調査・分析にかかる工数も見積もる
システム開発は開発にかかるコストだけではなく、開発を行ううえでの打ち合わせにかかる工数や、システム分析にかかる工数なども発生します。
例えば管理工数とは開発しているシステムを適宜確認し、修正箇所などがあれば早期に発見できるものです。こうした様々なコストも見積書に記載されているかを確認するようにしましょう。
まとめ
見積システムは無料で導入できるものから、コストをかけて導入できるものまで様々です。大切なことは、自社に適切な見積システムを導入することです。業務内容に適しているか、必要な機能は備わっているかを確認したうえで、コスト面と機能面を十分に精査し、自社に合ったシステムの導入に向けてご検討ください。
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