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ファイルシステムとは?今さら聞けない基礎知識とOSごとの種類

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コンピュータで文書や画像データなどを保存・整理しているファイルは、「ファイルシステム」というOS機能のひとつです。
コンピュータ上にデータを格納したり、格納したデータを出してきて使用したりするのに、ファイルシステムが大きな役割を果たしています。
今回は、コンピュータに使われるファイルシステムの基礎知識や機能、さまざまなファイルシステムについてご紹介します。

目次

 

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システム開発「はじめの一歩」ITのプロから学ぶ基礎知識

この資料でわかること
・システム開発の流れ
・専門用語の解説
・開発手法によるメリット・デメリット
・失敗を防ぐコツ

 

ファイルシステムとは?

ファイルシステムとは、記憶装置に保存されたデータを管理し、操作するために必要な機能です。OSが提供する機能の一つで、ほとんどのOSはファイルシステムでファイルを管理しています。

ファイルとは、記憶装置に保存された情報のことです。ソフトウェアやユーザーが作成したデータ、HDDレコーダーに録画したテレビ番組や、DVDに焼かれた映画などもファイルに含まれます。普段、HDDレコーダーにテレビ番組を録画したり、再生したりするとき、気付かないうちにファイルシステムを使っているということです。

ファイルシステムは、ファイルを操作するためのインターフェイスも提供しています。ファイルを階層構造に格納してラベルをつけ、必要なときにファイルを使えるようにします。ファイルシステムがないと、データを正しく保存できなかったり、保存した位置がわからなくなったりしてしまいます。
OSごとに使用しているファイルシステムは異なりますが、特定の用途向けのOSを除き、ほとんどのOSにはファイルシステムが存在します。

ファイルシステムの機能のひとつにフォーマット(初期化)があります。フォーマット(論理フォーマット)とは、使用しているOSのファイルシステムに合わせて記憶領域を区切り、番号を設定することであり、データを消すことではありません。フォーマットすることでその記憶装置が認識され、使用できるようになります。
フォーマットで作成する区切りをクラスタと言います。クラスタは、ファイルを保存するための最小単位で、クラスタのサイズが小さいほどディスクを無駄なく使うことができます。

 

ファイルシステムの機能

ファイルシステムの基本的な機能はファイルの管理ですが、ほかにも一般的なファイルシステムには次のような機能があります。

 

●ファイルの保存機能

ドキュメントを作成したあとに「名前を付けて保存」をすると、任意の名前を付けたファイルとして保存できます。保存したファイルは、エディタなどのアプリケーションから開くことができます。アプリケーションで作成したデータを保存するのも同じ機能です。

 

●暗号化機能

ファイルを暗号化して保存できます。ファイルのオーナーやユーザーごとに操作を許可したり、パスワードでファイルの操作権限を管理したりすることが可能です。

 

●圧縮機能

作成したデータを圧縮して保存することで、ディスクの領域を節約します。特に、HDD(ハードディスク)よりも容量の小さいSDD(ソリッド・ステート・ドライブ)で有効な方法です。

 

ファイルシステムの種類

ファイルシステムは、Windows、Mac、UNIXなどOSごとに規格が異なり、規格が異なると扱えるドライブやファイルサイズの制限も変わります。

例えば、Windowsは「FAT」や「NTFS」を使っていますが、Windowsのバージョンやエディションによっても使用するファイルシステムは異なります。
また、Macはこれまで「HFS+」というファイルシステムを使っていましたが、2016年に新しいファイルシステムである「APFS(Apple File System)」を発表しました。
UNIX系OSのLinuxでは、主に「XFS」や「ext4と」呼ばれるファイルシステムを使っています。

 

●FAT

FAT(File Allocation Table)はマイクロソフトが開発したもので、Windowsより前のMS-DOSから採用されているファイルシステムです。文字通りファイルの位置情報を記録するもので、当初は500KB程度の小さなファイルを扱うものでした。
その後、ファイルのサイズが大きくなるとともに機能も拡張されて「FAT12」「FAT16」「FAT32」と進化しました。数字が大きくなると、ドライブやファイルサイズの制限が大きくなります。現在主に使われているのは、FAT16とFAT32です。

FAT16はMS-DOSからWindows3.1、Windows 95、Windows NTなどで使用できます。
FAT32はWindows98、WindowsMe、Windows2000、WindowsXP、WindowsVista、Windows7、MacOSなどで使用できます。MacOSからもアクセスできるので共有ファイルを置くディスクにも使われています。

 

●NTFS

NTFS(NT File System)はFATを進化させたもので、Windows XP以降のすべてのWindowsに使用でき、現在のWindowsで主流となっています。もとはWindowsNT系のファイルシステムなので、Windows95やWindows98では使用できません。
ファイルの変更履歴などの情報を保存するジャーナリング機能があり、FATよりも高機能で堅牢なシステムです。また圧縮機能、ファイル単位の暗号化機能などがあります。

FATやNTFSはどちらもドライブレターがユーザーに見えるのが特徴です。ハードディスクにCドライブなどの名前がついているのがエクスプローラから見え、どのドライブにどのファイルが保存されているのかが一目でわかります。

 

●HFS+

1985年から使われていた「HFS(Hierarchical File System) 」の拡張版として、1998年からMac OS8.1で導入されました。ひとつのファイルとして扱える容量が8EB(エクサバイト)と大容量のファイルに対応しています。1EBは100万TBです。
ディレクトリ構造を導入したHFSにジャーナリング機能を追加した堅牢なシステムで、ファイル単位での暗号化も可能です。ただし、MacOSにしか対応していないので、デュアルブート可能なMacでもWindowsからはアクセスできません。

 

●APFS

APFS(Apple File System)は2016年にAppleが発表した新しいファイルシステムです。MacOS、iOS、watch OSなどのApple社が開発しているOSは、これから順次APFSに切り替わっていく予定です。
APFSはSSDやフラッシュメモリなどに最適化され、ファイルコピーの速度が(見かけ上)高速化しています。スナップショット機能や高度な暗号化機能も導入されています。

 

●XFS

XFSは1993年に開発が始まった64ビットのジャーナリングファイルシステムで、主にLinuxで使用されています。UNIX系のファイルシステムはファイルを階層構造で保存しているのが特徴で、この方式はWindowsのFATやNTFSにも導入されています。中でもXFSは、UNIXでもかなり古い形式のため安定しています。ジャーナリングシステムにも対応しているので堅牢性は高いですが、いったん削除したファイルを復元することはできません。

 

ファイルシステムの変換方法

Windowsはバージョンによって、FAT32にもNTFSにも対応しています。FAT32では扱えないサイズのファイルを扱いたい場合など、使用しているOSに対応しているファイルシステムであれば、システムを変換できます。

 

●ファイルシステム変換方法の違い

ファイルシステムを変換するには、フォーマットとコンバートの2つの方法があります。

 

<フォーマットで変換する>

フォーマットには、通常のフォーマットとクイックフォーマットがあります。通常のフォーマットは、ディスクのすべての領域をエラーチェックしてクラスタを区切るので、時間がかかります。新品のディスクを初めて使用する際に使う方法です。
一方、クイックフォーマットはデータ管理領域だけを消去するので時間はかかりませんが、クラスタを区切ることはできません。クラスタサイズも変更したいときは、通常のフォーマットを行いましょう。
フォーマットによってファイルシステムを変換すると、保存していたデータはすべて消去されます。クイックフォーマットでは、内部のデータは消去されたように見えますが、ツールで復元が可能です。ただし、Cドライブなど使用中のドライブはフォーマットできません。

 

<コンバートで変換する>

ファイルシステムのコンバートでは、保存したデータを残したままファイルシステムをFATからNTFSに変換できます。コマンドプロンプトを起動してコマンドを打ち込み、実行するという中級者以上の方向けの方法です。
ファイルシステムのコンバートを行うには、作業領域として変換するドライブにある程度の空き領域が必要です。空き領域が不足しているとコンバートできません。
ただし、コンバートではNTFSからFAT32には変換できません。この場合には通常のフォーマットが必要です。

 

●変換方法(Windowsの場合)

ここでは、クイックフォーマットでファイルシステムを変換する方法をご紹介します。

 

1.クイックフォーマットするドライブを選択する

マイコンピュータ、もしくはエクスプローラからクイックフォーマットするドライブを選択し、右クリックします。

2.フォーマットを選択する

表示されたメニューから「フォーマット」を選択すると、「フォーマット」というポップアップが表示されます。

3.オプションを選択する

メニューの「ボリュームラベル」でドライブ名を指定します。次に「フォーマットオプション」で「クイックフォーマット」にチェックを入れます。
そのほかのオプション部分は初期値のままで大丈夫です。

4.フォーマットを実行する

「開始」ボタンをクリックすると、クイックフォーマットが始まります。終了すると「完了」が表示されます。

5.フォーマットを確認する

マイコンピュータ、もしくはエクスプローラからクイックフォーマットしたドライブを選択し、右クリックします。表示されたメニューから「プロパティ」をクリックすると、ドライブのプロパティが表示されます。そこでファイルシステムを確認できます。

ただし、保存していたファイルが破損したり消去されたりすることもあるため、必ずバックアップを取ってから操作しましょう。

 

ファイルの保存に不可欠なファイルシステム

普段、ファイルを探すときに見ているエクスプローラの画面はファイルシステムの一部ですが、文書やデータを使っているだけではあまり意識することはないでしょう。
ファイルシステムがなければ、記憶装置はファイルを整理して保存することができません。
スマートフォンやカメラなど、ほかのデバイスとPCをつなぐと、PCからデバイスのファイルが操作できるのもファイルシステムの働きです。
業務上で活用するときはもちろん、今度スマートフォンとPCを次回スマートフォンとPCを同期するときには、ファイルシステムのこともぜひ意識してみてください。

 

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