オープンソースのひとつであるLinuxは、システム開発、特にOS開発やサーバ構築で役立つOSです。
ここではLinuxの基礎知識をはじめ、Linuxを活用するメリットやデメリット、Linuxでできることの例をご紹介します。
目次
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Linux(リナックス)とは
Linuxとは、Windowsなどと同じOSの一種です。
OSとは「オペレーティングシステム」の略語で、ソフトウェア(アプリなど)とハードウェア(データなどの記録・保管装置)をつなぐ役割を担っています。たとえばWordやメモ帳などの「ソフトウェア」で作成したテキストは、ハードウェアへ記録・保存されます。このときデータがハードウェアへ正しく記録・保存されたり、保存したデータを読み込んで閲覧できたりするのは、OSが機能しているからこそです。このほか、OSはユーザーのアクション(操作)をコンピューターへ正しく伝える役割も担っています。
スマホやPCなどをはじめとしたデバイスは、OSが備わっていないと「画面の付いた箱」と言っても過言ではないのです。Linuxは、そんなOSの一種です。
Linuxは「無料で使えるオープンソース」。オープンソースとは、その名のとおり世界中に公開されている無料のソースコードを指します。したがって、Linuxをベースとした開発・改良を誰でも簡単に行えるのが特徴です。改良や開発だけでなく、再配布も可能。そのため国内外の有志が自由にカスタマイズを行い、新たなLinuxを再配布しています。
Linuxの特徴・できること
Linuxでできることの具体例を、以下でいくつかピックアップしてご紹介します。
●無料なので手軽に使える
PCを家電量販店などで購入する際は始めからOSが備わっていることが多いので忘れられがちですが、新たにOSを組み込む際は有料となる場合もあります。一方、Linuxは無料で公開・配布されているため、誰でも手軽に使えます。新たなOSの導入を検討している場合、経済性に優れる理由でLinuxを選択肢に加えるのもおすすめです。
●新しいOSを開発できる
無料で公開・配布されている分、Linuxのベースを活用すれば、新たなOSを作ることもできます。代表的な例を挙げれば、スマホOSのAndroidもLinuxをベースにしたOSの1つです。一から構築するよりも、手軽な形でOSの設計が可能です。
●サーバを自由に構築できる
Linuxは自由に改良できるオープンソースのOSであるため、必要な分だけサーバを構築できるのが強みです。本来、サービスの速度や安全性をキープするためには多くのサーバが必要になり、その分のコストも発生します。その点Linuxは無料であるため、コストを大幅に抑えてサーバを立てられるのが魅力です。
●自由にカスタマイズできる
Linuxは有料のOSと違い、自由にソースコードを書き換えられます。したがって、中級者や上級者のほか初心者にもおすすめです。万が一ソースコードを書き換えた結果、正しく作動しなくなってもOK。無料で何度でもインストールできるため、何かあれば再度インストールして改めてカスタマイズを進めましょう。OSの基礎や仕組みを学ぶ目的で、Linuxが活用されるケースも少なくありません。
●安全性の高いサーバとして活用できる
Linuxは無料で使えるうえ、ユーザー権限が厳しく管理されているのが特徴です。常に厳重なセキュリティ体制のもとで最新版をリリースしているため、安全性の高いサーバとして活用できます。
以下では、Linuxを導入することで得られるメリット・デメリットを、いくつかご紹介します。
Linuxのメリット
Linuxのメリット・デメリット | |
---|---|
メリット | デメリット |
導入コストがかからない | トラブルがあった時は自己解決する必要がある |
低スペックのデバイスでも使える | 他OSで使えるソフトウェアが使えない |
ディストリビューションが豊富 | 周辺機器が正常に動かないこともある |
●導入コストがかからない
繰り返しになりますが、Linuxは無料で使えるOSです。コストがかからないため、個人用PCはもちろん開発用PCやサーバ用PCなどさまざまなシチュエーションで活用できるのが魅力と言えます。特に、大量のサーバ用PCを必要とするWebサービス・アプリの現場では、無料でいくらでも使えるLinuxが重宝されるケースもしばしばです。
●低スペックのデバイスでも使える
Linuxは、必要最低限の機能だけを備えた軽量OSです。したがって、動きが非常にスピーディーという利点があります。古いPCや低スペックのPCでも、Linuxをインストールすれば、スムーズに稼働してくれるでしょう。ゲームや開発用PCとして使ったり、趣味の製作物用のPCとして活用したりと、再利用の方法もさまざまです。
●ディストリビューションが豊富
Linuxには、多くの「ディストリビューション」があります。ディストリビューションとは「分布・流通」という意味の単語ですが、Linuxにおいてはさまざまな団体や企業がLinuxをベースに開発・再配布している亜種のOSだと考えると分かりやすいでしょう。これらのディストリビューションの多くも、無料で再配布されているため、より自身や自社のニーズに合ったOSを選べるのが特徴です。
Linuxのデメリット
●トラブルがあった時は自己解決する必要がある
Linuxには公式サポートがありません。したがって、問題が発生した時のトラブルシューティングは自分で行う必要があります。とはいえ、Linuxは世界中で利用されているポピュラーなOSです。Linuxの使い方を記したWebサイトや教本などは数多く存在するので、問題解決に必要な情報自体は集めやすいと言えます。
●他OSで使えるソフトウェアが使えない
Microsoft OfficeやAdobeシリーズなど、特定のOSで使うことが前提となっているソフトウェアは基本的に使えません。この前提を理解しておかないと、「せっかく購入したソフトウェアが使えない」というトラブルも起こり得ます。
●周辺機器が正常に動かないこともある
USBメモリなど、周辺機器の種類によっては正常に作動しないことがあります。その都度、Linux専用のフォーマットへ変更する作業が発生するほか、Linuxに対応している機器を揃える必要があるでしょう。
初心者が知っておくと役立つLinux用語
Linux用語 | |
---|---|
用語 | 意味 |
カーネル | ユーザーの指示を正しく反映させるOSの中核部分 |
シェル | Linuxのカーネル(中核)の指示を伝えるためのツール |
コマンド | シェルへ入力する命令文 |
パッケージ | Linuxが導入しているアプリケーションの配布形態 |
Linuxを使いこなすうえで不可欠なのが、専門用語の知識です。以下では、とくによく耳にするLinux用語をまとめて解説しています。
●カーネル
OSの中核となる部分を「カーネル」と呼びます。ソフトウェアとハードウェアを上手く繋げて、ユーザーの指示を正しく反映させる役割を担っているのが特徴です。Linuxにおけるカーネルは、メモリ管理機能やネットワーク、ファイルシステムなどから成り立っています。
●シェル
ユーザーの指示を、Linuxのカーネル(中核)へ伝えるためのツールです。人間の指示を翻訳して、カーネルへ伝えてくれる通訳者のようなツールだと覚えておくと良いでしょう。
●コマンド
Linuxを動かす際に、シェルへ入力する命令文のことを「コマンド」と呼びます。たとえば「cd」はディレクトリの移動、「cp」はファイルやディレクトリの複製、「rpm」はパッケージのインストールというように、それぞれの動作に相当するコマンドが決まっているのが特徴です。Linuxをより便利に使いこなすためには、できるだけ多くのコマンドを覚える必要があります。
●パッケージ
Linuxが導入しているアプリケーションの配布形態を指します。Windowsでは「インストーラー」を用いてアプリケーションをインストールするように、Linuxでは「RPM」や「DFN」などのパッケージ管理ツールを用いてアプリケーションをインストールするのが特徴です。
Linuxを使ったシステム開発を外注する際の方法
Linuxを使ったシステム開発やアプリ開発を行う際は、AtomやStudio Codeなどのエディタツールを揃える必要があります。
Linuxはサーバ構築やシステム開発に適したOSですがその反面、多く普及しているWindowsなどのOSとも異なるGUI(コンピューターの操作画面)であるため、初心者には扱いづらい一面もあります。したがって、Linuxを使ったアプリ開発・システム開発は外注を活用するのも良い方法です。
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