「発注ナビ」にご登録いただいている開発会社の皆様が発注ナビの導入に至った経緯、その使用感、そして導入後のビジネスの変化は、どのようなものだろうか。日本ソフト技研株式会社で営業を担当する有元利信氏、新谷尚志氏、藤田学氏の三名にお話を伺った。
社名 | 日本ソフト技研株式会社 |
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所在地 | 神奈川県川崎市多摩区登戸3398-1 大樹生命登戸ビル4F |
従業員数 | 51 – 100名 |
事業内容 | 業務ソリューション・ITソリューション・WEB制作 |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
長年にわたり大手SIerなどと取引を行ってきたが、エンドユーザーから直接受注する案件を増やすと同時に、エンジニアの上流工程の経験値をアップさせたい。東京支店では、顧客ニーズに合わせて、ホームページ制作の受注に関する新たな営業スキームも必要となっていた。
- 導入後の効果
エンドユーザーからの受注は着実に増加。また、エンドユーザー向けの営業ということで、システムの提案時にイメージを掴みやすくする、専門用語を詳しく解説するといった取り組みを行うようになり、結果として顧客満足度も向上した。ホームページ制作では発注ナビ経由の案件が4割程度まで上昇。
製造業関連から最新IT技術への取り組みまで、長年にわたり日本のITシーンをリード
日本ソフト技研株式会社は、まだ日本のビジネスシーンにおいてコンピュータの導入が珍しい存在であった1986年に北九州市小倉北区で設立された。以来、36年にわたり、さまざまな業種のシステムソフトウェア開発、ネットワークインフラ構築、自社パッケージソフトの開発・販売、システムコンサルティング、Web制作など、企業のIT化を力強く支えてきた。業務の拡大に応じて、本社に加え、九州支店、東京支店、赤坂オフィスと広範囲に拠点を展開している。
九州エリアは、明治期より鉄鋼業をはじめとする製造業が多く、同社も製造業向けのシステムを数多く手掛けてきた。そこで蓄積された技術やノウハウで、現在は、販売業、金融・保険業、不動産業、各種サービス業、官公庁など、幅広い業界に向けた多様なシステムを開発。また、自社オリジナルパッケージとして、スポーツクラブ・スクール向けカードシステム「Spoca」、サロン向け予約管理・顧客管理システム「ReserBeauTion」、人材派遣業向け業務支援システム「StaffPro」などを用意している。これらパッケージが適用できる課題であれば、短納期・低コストでのシステム導入も可能だ。
本社を福岡県北九州市に構え、川崎市多摩区と東京都港区にも拠点を展開している。今回お話を伺った三名のうち、有元氏は川崎市の東京支店で、新谷氏と藤田氏は港区赤坂オフィスの拠点で活動しているという。
エンドユーザーからの直接受注を増やすために発注ナビを導入
同社が発注ナビを導入した理由は、エンドユーザーからの直接受注を増やしたいという思いからだったという。
同社は、長年にわたりコンピュータベンダーや大手SIerとの取引が多かった分、東京側では直接エンドユーザーから受注する案件が少なかった。
「当社のビジネスの内訳は、SESと受託案件が50対50という割合です。福岡で手掛けている案件は2/3ぐらいが受託で、東京はコンピュータベンダーや大手SIerが多く、ほとんどがSESとなっています。東京の受託案件は、SESでお客様先に出ているエンジニアがお客様からの信頼を獲得し、部分的に切り出して自社に持ち帰って開発するというもの。当時、東京でエンドユーザーから受注していた案件は1件のみでした」(有元氏)
案件によるものの、コンピュータベンダーや大手SIerからの受注では、ユーザーからのヒアリング、システムの提案、要件定義や概要設計といった上流工程部分を手掛けられないケースが多い。なぜなら、そうした上流工程は、すでにコンピュータベンダーやSIerがエンドユーザーとの間で行っているからだ。しかし、エンジニアがさらなるステップアップを目指していくためには上流工程を数多く経験する必要がある。
また、同じ時期に新たな事業展開も重なった。
「東京支店で、理容室やサロン向けのASP型サービスを開発し、その営業活動でいろいろな店舗のオーナー様にお話を伺っていたのですが『その前にホームページを制作したい』『ホームページでの集客がうまくいっていない』といったご相談をたくさんいただきました。当初はシステムの導入と合わせてホームページ制作もご提案していたのですが、そのうちに逆転して、ホームページ制作案件が主となり、システム以外に、ホームページを受注するためのスキームが必要になりました」(藤田氏)
エンドユーザーから直接受注を増やしたいという同社のニーズは、業務システム、Webシステム、そしてホームページ制作にも広がった。そこで、何らかの営業支援ツールを導入しようという気運が高まったという。
システム開発とホームページ制作それぞれに担当者を決めて狙った案件を獲得していく
同社が発注ナビを選んだポイントはどこにあったのだろうか。
「新たな営業方法を模索しているとき、ちょうど発注ナビの営業の方が当社を訪れました。当時(2015年)は、今ほど競合サービスも多くなかったのですが、案件へのエントリー数や送客数、受注件数で料金が変動することのない発注ナビの料金体系に魅力を感じ、導入することに決めました」(新谷氏)
発注ナビにはいくつかのプランが用意されているが、「ベーシックプラン」では同プランの契約の間いつでも、どれだけ案件にエントリーしても、どれだけ受注しても、料金は一定で変わらない。この料金体系が同社の心を掴んだ。
営業スタッフも増員しているという同社だが、発注ナビの利用については、システム開発案件を新谷氏が、ホームページ制作案件を藤田氏が、それぞれメインで担当しているという。
同社がエントリーする案件の第一条件はエンドユーザーからの案件かどうかということ。これは、そもそもの目的なので当然と言えるだろう。それ以外の、エントリー基準はどのようなところに置いているのだろうか。
「システム開発案件では、自社のエンジニアのスキルセットにマッチした案件かどうか、開発言語や開発環境は見ています。また、規模やスケジュールが妥当かといった点も判断基準としています」(新谷氏)
「ホームページでは、当社が得意としているWordPressを利用できそうな案件やコーポレートページの制作案件に積極的にエントリーしています。また、お客様に紹介する開発企業数が多いかどうかは気にしています。10社紹介する案件だと、競合相手が多く、決まるまでに時間がかかりそうだなとか。通常は4~5社程度に紹介している案件にエントリーしています」(藤田氏)
商談時のさまざまな工夫で受注率アップ!お客様からの満足度向上にもつながった
案件へのエントリー後、お客様を紹介してもらい受注(成約)に至るまでは、各社の営業ノウハウが物を言う。この段階で、同社はどのような取り組みを心掛けているのだろうか。
「私が担当するホームページ制作では、ご紹介いただいてから24時間以内にご連絡を取るようにしています。当初はできるだけ早い段階で、としていたのですが、現在はルールとして決めています」(藤田氏)
商談の段階でもお客様本位で工夫をしているという。
「見積書を出すだけということは、ほとんどしていません。必ず、どういうものを作るのかをきちんとご説明させていただいています。たとえば参考となるような既存サイトをご紹介したり、場合によっては、ワイヤーフレームやラフデザインなどを添えたりすることもあります」
発注企業の担当者が必ずしもITに詳しいとは限らない。そうした点も藤田氏は考慮している。
「ITの専門用語は丁寧に解説しています。『ワイヤーフレームって何?』とか『解析って何をどう解析するの?』といったお客様の疑問をそのままにしません。ホームページを初めて導入するお客様でも不安がないよう、丁寧に対応しています」
こうした努力の効果は着実に出ている。同社では納品1カ月後を目安に、独自の顧客満足度調査を実施しているが、「満足している」との回答が数多く寄せられているという。
「営業努力としては、少しずつですが、現場で気づいたことをフィードバックしながら、工夫し改善しています。その甲斐もあって成約率は向上しています。ホームページ制作では、発注ナビの依存率が4割近くに達しています」
専任アドバイザー「カスタマーサクセス」からの情報で営業がやりやすくなった
発注ナビでは、それぞれの開発会社に専任アドバイザーが付く「カスタマーサクセス」というサービスがあり、月に1回の割合で情報交換などを行っている。
同社が発注ナビを導入した当初は、このサービスはまだ存在していなかった。そのため「カスタマーサクセス」提供の前と後を知る同社は、その効果を的確にとらえていた。
「カスタマーサクセスでは、月1回のミーティングを通じて、紹介を受けた案件に対する当社の動きを聞き取るのと同時に、他社の動きも教えてくれます。それによってこちらも動き方を変えられるので、とても助かっています」(藤田氏)
「発注ナビが発注企業側に確認しくれているので、案件の受注先がその後どうなったのかについても専任アドバイザーから教えてもらえます。当社も受注できていないが、他社も受注できていないという場合、この案件はまだ(受注に向けて)追い続けていいのかどうか、そこが分かるようになったのは嬉しいですね」(有元氏)
同社の今後の動きについて、新谷氏は、ホームページ制作案件の受注を増やしていくのはもちろんだが「Salesforceやkintoneに代表されるクラウド型パッケージの導入など、ローコードによるシステム開発案件の受注も発注ナビを通じて行えるようにしていきたい」と語ってくれた。また、藤田氏は、エンドユーザーであるお客様を開拓していくということで「今後は保守サービスなども充実させてきたい」と考えているという。
エンドユーザー企業に向けた同社の今後のビジネス展開は、新たなステージに突入しようとしている。
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