商品の生産を効率良く行うために、生産管理システムを導入したものの、システムの機能が自社に合わないものだったというケースがあります。こういった業務システムは、導入すれば確実に業務効率化につなげられるとは限りません。システム選びのコツに沿って選択することで、自社に合うシステムが見つけやすくなります。そこで今回は、生産管理システムの導入を成功させたい方に向けて、生産管理システムのタイプや導入にかかる費用相場、選び方を中心に解説していきます。
目次
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導入前に知っておきたい生産管理システムのタイプ
生産管理システムは、主に製造業などで生産計画や在庫、原価計算などを総合的に管理していくシステムのことです。専用のシステムがなかった頃は、作業が複雑化しやすくミスが発生することも少なくありませんでした。そういった経緯もあり、業務を効率化してミスを減らせる生産管理システムの導入が推進されています。
この生産管理システムには、主に以下の3つのタイプが存在します。
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中小企業向け(特定の業種や生産方式に対応)
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中堅以上の企業向け(複数の業種や生産方式に対応)
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中堅以上の企業向け(ERPにも対応)
例えば、特定の業種にしか対応していない中小企業向けのシステムを中堅以上の企業に導入すると、複雑な業務に対応できません。複雑な業務に対応できるものかどうかを見て、自社にとって適切な生産管理システムを選ぶことが大事になってきます。なお、ERPとは業務の根幹を担う基幹システムのことです。ERPにも対応したシステムを選ぶ際には、カスタマイズ性や既存システムとの連携性を意識して、生産管理システムを選びましょう。具体的な導入目的別の選び方は、以下のとおりです。
導入目的 | 導入するシステム |
---|---|
100名以下で使いたい、コストを抑えたい | 小規模から中規模向け生産管理システム |
生産管理業務の一元管理がしたい | 一元管理・全体最適化のできる生産管理システム(ERP) |
システム連携で全体を可視化したい | |
必要な機能だけ欲しい、自社専用の機能が欲しい | カスタマイズ性の高い生産管理システム |
海外に工場がある、海外進出を視野に入れたい | 海外展開におすすめの生産管理システム |
生産形態が複数ある | 複数の生産形態に対応が可能な生産管理システム |
上記の表を参考にしつつ、生産管理システムは3つのスケール別に分けられることを覚えておきましょう。
提供形態で考える生産管理システムの費用相場
生産管理システム開発には、主に以下の3つの導入方法があります。
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ゼロから自社独自のシステムを開発してもらう方法
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クラウド型のパッケージソフトを導入する方法
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オンプレミス型のパッケージソフトを導入する方法
それぞれの方法の費用相場は、以下の表のとおりです。
導入方法 | 費用相場 |
---|---|
システム開発 | 233万円~ |
パッケージソフト(クラウド型) | 1,000円~100万円 |
パッケージソフト(オンプレミス型) | 10~1,000万円 |
●ゼロから自社独自のシステムを開発してもらう方法
自社独自のシステムを開発してもらう場合、ゼロから開発を行う分、開発コストも高くなりがちです。システム開発に携わるエンジニアの人件費に、開発に要した月数分をかけたコストが発生します。例えば、月100万円で受けてくれるエンジニアが2人で2ヶ月かけて開発に着手した場合、「100万円×2人×2ヶ月=400万円」が人件費となります。コストがかかる一方、開発後に運用・保守のサポートが受けられたり、カスタマイズを請け負ってくれたりするところが多いです。確実に自社に合った生産管理システムを手に入れるなら、システム開発による導入が一番おすすめです。
●クラウド型のパッケージソフトを導入する方法
クラウド型のパッケージソフトは、初期コストが低めな反面ランニングコストがかかります。ここでいうパッケージソフトとは、あらかじめ機能が決まっていて形になっているシステムのことで、クラウド型の場合は月額課金制でランニングコストを払っていく形となります。ランニングコストには、月額料金はもちろん保守コストやそのほかの必要となるコストが含まれています。十分な資金を持ち合わせていない企業や、初期コストを抑えたい企業におすすめです。ただ、カスタマイズ性に欠けるものが多いため、機能面を吟味して選ばないと失敗するリスクが高くなります。ノープランで契約しないように、注意が必要です。
●オンプレミス型のパッケージソフトを導入する方法
オンプレミス型のパッケージソフトは、自社に合わせたカスタマイズが受けやすいのが特徴です。また、利用するサーバーやネットワーク機器を自由に選定しやすいメリットもあります。ただし、ハードウェアなどを自社で持つ必要があるため、初期コストがどうしても高くなりがちです。加えて、ハードウェアの運用を自社で行う必要があるため、ITスキルに長けた人材が求められます。それらのデメリットに対応できるなら、オンプレミス型のパッケージソフトを購入する方法も1つの手段です。
費用を基準にしたシステムの選び方
3つのシステム導入方法の特徴を踏まえると、生産管理システムの選び方は以下のようになります。
導入方法 | システムの選び方 |
---|---|
システム開発 | 初期コストはかかるけど、自社の業務に合う独自システムが欲しい企業 |
パッケージソフト(クラウド型) | 初期コストを抑えたい企業 |
パッケージソフト(オンプレミス型) | 初期コストが高くても、オーソドックスな機能が欲しい企業 |
適宜カスタマイズもして欲しい企業 |
この表のシステムの選び方を参考に、自社に合うシステム導入方法を採用してみてください。
費用のほかに押さえておきたいこと
生産管理システムを導入する際には、コスト面のほかにも以下の点を押さえておく必要があります。
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生産管理システムの基本機能の有無
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対応業務の範囲
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生産方式への対応
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業界・業種への対応
●生産管理システムの基本機能の有無
前提として、生産管理システムの基本機能の有無を確認しましょう。生産管理システムの基本機能として、以下のものが挙げられます。
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生産計画登録
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資材調達
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原価計算
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作業指示
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生産実績収集
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生産状況照会
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作業日報
まずは生産計画登録や資材調達、原価計算といった生産計画にあたる機能が備わっているか確認してください。これらの機能があるかどうかで、生産計画のしやすさや正確性が大きく変わってきます。それから、作業指示・生産実績収集・生産状況照会・作業日報といった、生産する際の各工程の状況を管理する機能があるか見ていきましょう。生産管理システムには、最低でも上記のような機能が必要です。
●対応業務の範囲
生産管理システムの基本機能に加え、対応業務の範囲も意識しましょう。例えば、計画管理・実績管理・原価管理の3つに特化したシステムや、受発注のような販売管理ができるシステムなど、生産管理システムによって対応できる業務は異なります。そのため、どこまでをシステム化させたいか明確にして、それに沿ってシステム選びをしてみてください。
●生産方式への対応
生産方式には、見込み生産や受注生産、個別受注生産などさまざまなものがあります。会社のサービス内容によって、どの生産方式を取っているか変わってきます。生産管理システムも、どの生産方式に対応しているか変わってくるため、システムごとの生産方式もチェックしておいたほうが良いです。
現状採用している生産方式が適切であるのかを見直したうえで、自社の生産方式に合ったシステムの導入を検討しましょう。
●業界・業種への対応
自動車生産や金属加工業など、生産管理システムには特定の業界・業種に特化したものも存在します。特化したシステムを導入すれば、一般的なシステムでは手の届かないところまでシステム化させることも可能です。まずは自社の業界・業種に特化したシステムを見てみて、合うものがなければ一般向けのシステムを見てみると良いでしょう。
システム開発会社の選び方について
生産管理システムをシステム開発会社にアウトソーシングする場合、適切なシステム開発会社を見極めることが大事です。その際に必要なシステム開発会社の選び方として、以下のものが挙げられます。
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自社開発の会社かどうか
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業績が安定しているか
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自社と同じ業界・業種での開発実績が多いか
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コミュニケーション能力が高いか
●自社開発の会社かどうか
システム開発会社には、すべての開発業務を自社で担当しているところと、業務の一部はアウトソーシングしているところがあります。自社開発のシステム開発会社だと、エンジニアのレベルが高いケースが多く、高品質のシステムを作ってもらいやすいです。一方で、直接的なシステム開発業務をアウトソーシングしているところは、委託先のことがわからない分、品質にやや不安が残ります。また、自社開発だと自分たちの要望を直接伝えやすいため、完成したシステムに要望が反映されやすいです。それらの点を踏まえると、なるべくシステム開発会社は、自社開発をしてくれる企業にしたほうが良いです。
●業績が安定しているか
システム開発会社の業績が安定しているかどうかも、重要な要素となってきます。開発してもらったシステムは、5年や10年使い続けていく場合がほとんどです。しかし、5年や10年もの月日が経つと、社会全体の流れが大きく変わり、それに合わせてシステムも機能改善やアップデートを施していく必要があります。そのため、システム開発会社の業績によっては、将来的に機能改善やアップデートが難しくなることもあります。継続的に使い続けていくためにも、業績の安定しているところに依頼したほうがリスクも少ないです。
●自社と同じ業界・業種での開発実績が多いか
同業界・業種での開発実績が多いシステム開発会社に依頼したほうが、失敗するリスクが低いです。システム開発会社の中でも、企業ごとにそれぞれ得意な業界・業種が異なります。餅は餅屋といいますから、同じ業界や業種で開発実績があるかを公式サイトや口コミを参考に、確認しましょう。少しでも使いやすいシステムにするなら、システム開発会社ごとの得意な業界・業種もチェックしてください。
●コミュニケーション能力が高いか
意外とコミュニケーション能力の高さもシステム開発では大事になってきます。システム開発会社に依頼する場合、自分たちの要望を相手に正確に伝える必要があり、その際にコミュニケーションが求められます。もしすり合わせの段階で自分たちの意図を相手が正確に汲み取ってくれなかったら、思ったものと違うシステムが完成するリスクが高いです。
システム開発会社では、プロジェクトマネージャーが担当窓口を務めていることが多いです。依頼の話を持ちかける際に、相手の受け答えの仕方からコミュニケーション能力が高いかどうかで判断しましょう。以下のページでは生産管理システムでおすすめの開発会社を紹介しています。システム開発会社にシステム開発の依頼をしたい方は、チェックしてみてください。
生産管理システムの導入メリット
生産管理システムを導入することで、以下の状況を解消してくれるメリットがあります。
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不良率、ロス率が高い、ムラがある
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業務の負担が特定の社員に偏っている
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余剰在庫が多い、無駄が発生している
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経営層などが現場の状況を把握できていない
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製造についてデータはあっても、業務分析を行えていない
どれか1つでも当てはまることがあれば、課題の解消を目的として、生産管理システムの導入を進めていきましょう。
自社の特性を見極めて生産管理システムの導入を
生産管理システムは、生産について業務を効率化してミスを減らすために必要とされるシステムです。
ただ、なんとなく導入を進めてしまうと、かえって損失を増やしてしまうこともあります。予算などを踏まえながら、自社のスケールにあった生産管理システムを導入することが大事です。また、生産管理システムの機能面などをよく見て、自社に合ったシステム開発会社に依頼することも大切です。業務内容に合っていないシステムや自社の業界・業種をよく知らないシステム開発会社に依頼すると、かえって現場を混乱させることもあります。システム導入の目的や必要とする機能を決めて、質の高いシステム開発ができる依頼先を選定していきましょう。
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