化粧品や健康食品の商品企画から卸売までを行う伸栄商事株式会社からの依頼は悲鳴にも近いものだった。グループ会社でShopifyを使ったECサイトのリニューアルオープンを予定していたが、直前になってオープンが2度も延期され、それでも問題が解決していなかった。その声に応じた開発各社の中で、株式会社オープランからの提案は、他社とは全く異なる画期的な内容だった。
ECサイトリニューアルオープンの直前に問題発覚！ 急遽、外注先探しが必要に
――伸栄商事さまはどのような企業でしょうか？
伸栄商事 山本氏 1982年の設立以来、化粧品・オーラル・日用品・健康食品等の幅広いカテゴリーで、商品の企画から販売戦略立案、OEMメーカーへの製造依頼、物流までをトータルに手掛け、250品目以上のアイテムを展開しています。多数のOEMメーカー、容器メーカーの協力を得ながら、市場のトレンドを分析し、ニーズにマッチした商品を生み出しています。当社は主に、全国展開する流通事業者様、および事業連合会様とお取引をさせていただいておりますが、グループ企業である株式会社エクロールでは、BtoCの小売り事業も展開しています。今回、オープラン様に発注したのは、その株式会社エクロールが展開するECサイトのリニューアルで発生した問題を解決するためでした。
――どのような問題だったのでしょうか？
山本氏 当社は主に流通向けのBtoBのお取引を中心に展開していますが、グループ会社のエクロールではBtoCの小売りも展開しています。そのECサイトをリニューアルしたいということで、エクロール社内では、すでにコンサル企業が間に入ってプロジェクトが進んでおり、運用プラットフォームもShopifyに決まって開発も着々と進んでいました。ところが、サイトのリニューアルオープンの直前になってShopifyから出力する注文データが、当社が管轄する既存の業務システム側に取り込めないという事態が発覚しました。
管理部情報システム課
係長 山本 崇大氏
――なぜ、そのような事態に至ったのでしょうか？
山本氏 旧サイトでは、伝票番号、受注日、出荷日（出荷予定日）、納品日、納価合計額、税込納価合計額、税率など、さまざまな項目をEC側からデータとして取り出し、経理等の既存システムに流し込んでいました。新しいサイトでも同じことができるように、事前に既存のシステムに取り込むデータについて、フォーマットやサンプルデータをコンサル会社にお渡ししていました。コンサル会社からは、「データの生成については対応可能です。」とお返事を頂いたのですが、最終の仕様確認のなかで「対応不可です。」と返答が。一言でいえば、エクロール側と開発サイドとの確認ミスなのですが、開発サイドにワークフローを押さえている人がいなかったことに驚きました。結果として、サイトのリニューアルオープンを2度延期することになりました。本来は2021年9月オープン予定でしたが、12月に延期し、再び2022年4月に延期したのですが、それでも解決しなかったため、当社から4月に発注ナビに依頼を出しました。
Shopifyの豊富な知見と、他社とは異なる課題解決にフォーカスした提案が発注の決め手に！
――オープラン様はどのような開発会社なのでしょうか？
オープラン 植竹氏 株式会社オープランは2018年2月に設立した企業です。 “Auplan=オープラン”の由来は、Aurum（黄金）とPlan（計画）を合わせたもので、関わるすべての人に最適なものを届けることを私たちの使命としています。施工管理システム「Rencon（レンコン）」をはじめとする自社サービスを中心に技術を磨きながら、Web制作やシステム開発、マーケティング企画を中心にサービス提供を行い、企業を中心に学校や病院など多くのお客様に恵まれ、現在5期目を迎えています。当社は、お客様が持つイメージを大切にするために、事前のヒアリングに力を注ぎ、お客様の目線に合わせた提案・開発することを心掛けながら、必要に応じて当社から逆提案を行うことで、よりビジネスに貢献できるサービスを開発しています。
営業部
植竹 牧子氏
――今回の伸栄商事様の案件にエントリーされたのは、どういった経緯からだったのでしょうか？
植竹氏 内容がとても明確で、Shopifyの出力設定に関する問題だということがあらかじめ分かっていたことが大きいですね。Shopifyは当社の得意分野の1つで、経理側のシステムとのデータ連携ということなら、おそらく大がかりな開発にはならず、データ変換で済むのではないかというところまで、エントリーする段階で推測できていました。
――伸栄商事様には複数の開発企業をご案内しました。その中から、今回オープラン様を選ばれた理由をお聞かせください。
山本氏 今回発注先を選定する上で最も重視したのがShopifyに対する知見です。また、すでに何度もリニューアルオープンを延期していたこともあり、コストと納期も重要な検討事項でした。そうした観点で各社と商談を進め、それぞれのご提案を検討していきました。植竹さんとお話をさせていただく中で、オープラン様にはShopifyの知見がかなりあることが伺えました。また、他社がいずれも開発が伴う提案をくださった中で、既存のアプリを使い、必要最小限の作業で効果を出すというオープラン様からの提案は、予算も納期も抑えられると同時に、何より「課題をどう解決するか？」にフォーカスしたものであることが明確でした。そこが大きな決め手になりました。
Shopifyに精通したオープランならではの提案とは？
――オープラン様は具体的にどのようなご提案をしたのでしょうか？
植竹氏 Shopifyは、Shopify社とサードパーティが開発したアプリプラグインがダウンロードできるShopify app storeというサービスサイトを用意しています。そのShopify app storeで手に入るDataChamp Excel & CSV Exports（以降DataChamp）の利用を軸にしたご提案を差し上げました。周辺のアプリプラグインを使うのか、開発をするのかは、ケースバイケースですが、既存のアプリプラグインで事足りる場合は基本的にそれらを使うようにしています。Shopifyの公式サイトに登録されていて実績もあるプラグインならば一定の信頼性も担保されますし、お客様にとっても、納期面やコスト面でメリットが生じることが多いですから。
――今回のプロジェクトで苦心されたところはありましたか？
植竹氏 消費税まわりは苦心しました。もともとShopifyは海外サービスなので、日本の実情に合わせて慎重に設定を行う必要があります。また、伸栄商事様の今後のご要望にもある軽減税率対応などは、果たしてDataChampだけで対応できるかどうか、検証・検討していく必要があるでしょう。
●DataChampの設定画面
――実際の工期も短かったようですね。
山本氏 5月末に発注し、3週間で基本的な部分を作っていただけました。その後、実際に変換したデータをシステムに取り込めるかどうかのテストを行い、サイトの公開に漕ぎつけました。今のところ運用していてトラブルはありません。
――オープラン様の提案が正解だったということですね。
植竹氏 ありがとうございます。今回の件をきっかけに、エクロール様のサイト改修および保守のご契約もしていただきました。当社としても嬉しい限りです。
●今回の発注で無事公開されたECサイト『MICHIKO.LIFE』
オープラン以外だったら、ここまでうまくいかなかった!? 伸栄商事のレスポンスの速さが短納期に貢献！
――今回の案件でお互いにプロジェクトを進めたわけですが、いかがでしたでしょうか？
山本氏 正直なところ、オープラン様以外の開発会社さんだったら、ここまでうまくはいかなかったのではないかと感じています。他社さんはシステムの開発はできるけれど、Shopifyの知見についてはどうだったのか、お話をする中でうかがい知ることができませんでした。それから、打合せの早い段階でオープラン様にデータのことを、もう少しうまく伝えられていればという反省もあります。こちらの準備不足で、お手間をとらせてしまいました。
植竹氏 いえ。むしろ、こちらからの問合せに対するレスポンスがとても速かったので助かりました。今回のように時間との戦いという場合には、レスポンスの速さも重要な要素です。遅い時間帯の打ち合わせも快くご対応いただけたのも、当社としてはありがたかったですね。
――今後の両社の展望などをそれぞれ教えてください。
山本氏 将来は、自社でブランドを育てていきたいと考えています。サイトを「ブランドサイト”に育ててください」と経営サイドからも言われています。また、いずれは当社で使っている業務システムの更新時期も迎えるはずです。当社がお取引しているお客様の流通は一般的なものと異なるため、既存のパッケージソフトウェアは使えません。フルスクラッチで開発する必要があるため、その準備も必要になるでしょう。さらに、将来は海外展開も視野に入れています。
植竹氏 これまで通り、受託開発も続けていきますが、自社サービスやパッケージの提供も強化していきたいと考えています。施工管理の分野で強力なカスタマイズ要素を持つサービスの提供を検討しています。開発体制の強化も進めていきます。当社はもともとリモートワークを推奨しており、全国各地のエンジニアが開発を進めています。本社こそ東京にありますが、大阪や福岡、山梨にもメンバーがいます。タイム・ロケーションフリーというこのスタイルを、さらに広げ、フリーランスのエンジニアに働く場を広げていくことにも取り組んでいきたいと考えています。
――ありがとうございました。
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