Shopifyとは?基礎知識から導入方法までを詳しく紹介

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越境ECの図
「インターネット上で自社の商品を販売したい」と考えても、ECサイトをゼロから製作し運営管理を行うための労力はけして小さくありません。そこで役立つのが、ECサイトの構築・運用が可能なプラットフォームShopify(ショッピファイ)です。本記事では、Shopifyの基本情報から具体的な導入方法、Shopifyが持つメリット・デメリットなどをご紹介します。

 

目次

 

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そもそもECサイトとは

ECサイトとは、「EC(電子商取引)のサービスを提供するWebサイト」のことです。わかりやすく言えば、通販サイトやオンラインショップ、ネットオークションサイトを総じて、ECサイトと呼びます。大手家電量販店で知られる「ヨドバシカメラ」や、衣料品のブランドとして高い知名度を誇る「ユニクロ」など、自社ECサイトを運営する有名企業も少なくありません。

ほかにも「Amazon」や「楽天市場」のように、様々な商店や企業が出店しているショッピングサイトなども、ECサイトに分類されます。この複数の店舗によって成り立っているECサイトのことを、商店街やショッピングモールに見立てて「モール型EC」と呼び、自社で運営管理を行う「自社EC」と区別しています。

ECサイトを開設して運営管理をするには、一般的なWebサイトとは違い「顧客情報を管理する機能」や「商品の在庫管理を行う機能」などが最低限必要となります。これは、Webサイトに訪れたユーザーが安全かつ円滑にWeb上で買い物をするために欠かせない機能です。このECサイトのサイト形態に関して、詳しくは「ECサイト構築の7つの方法を比較!目的に合ったサイト形態を選ぼう」のページを参照してください。

 

Shopifyとは

Shopify

Shopifyは、ECサイトの作成と店舗の運営管理ができるプラットフォームサービスです。2004年にカナダでリリースされ、2017年に日本進出を果たしました。「できあがったWebページに商品を登録して掲載する」「商品の配送方法や決済方法を選択して決める」「テーマの中からECサイトのデザインを選ぶ」など、ECサイトの開発と運営に必要な機能がひととおり揃っています。HTMLタグやプログラミング言語などの専門知識がなくても、シンプルな操作でECサイトを構築できるのが魅力です。

 

  • 事業を始めたばかりだけどネットショップを開業したい。

  • コストをかけずにインターネット上にお店を開きたい。

  • 国内向けのショッピングサイトを海外向けに対応させたい。

 

上記のように考えている企業担当者にとって、Shopifyは心強いプラットフォームだといえます。

 

Shopifyの具体的な機能とは

Shopifyには多様な機能が搭載されています。それぞれの機能は、「フロント機能」「管理機能」「分析機能」の大きく3カテゴリーに分けられます。Shopifyに搭載されている機能を、カテゴリーごとにチェックしましょう。

 

●フロント機能

フロント機能では、サイト運営者とサイト利用者(購入者)が直接目にする各種画面を管理できます。具体的には、以下のような機能がフロント機能に含まれます。

 

機能名 概要
商品ページ 商品一覧や詳細ページの設定と管理が行える
カートチェックアウト ショッピングカートの導入や管理ができる
おすすめ商品表示 レコメンドシステムを導入できる
詳細検索 キーワードやカテゴリーで商品を検索できるシステムを導入する
予約販売 予約販売システムを導入できる
顧客管理 ユーザーのアカウントの作成や管理ができる
ブログ設置 Shopifyのストア内に企業ブログを設置できる

 

 

●管理機能

Shopifyの管理機能には、バックオフィス業務を効率化できる機能がそろっています。具体的には、以下のような機能が管理機能に含まれます。

 

機能名 概要
オンラインストア デザインテーマやSEO関連の設定を管理する
商品管理 商品のタイトルや画像、価格、説明文などを設定する
注文管理 受注履歴に基づいて受注情報の検索や出荷登録ができる
販売チャネル 各種SNSやAmazonなど連携しているチャネルを管理できる
決済機能 必要な決済システムを導入できる
マーケティング メール配信やクーポンコードの作成など販促に関する設定を管理
アプリ管理 各種アプリのインストールやアンインストールを行う

 

 

●分析機能

分析機能では、集客や売上などの数値から効果検証を行えるのが特徴。Shopifyの分析機能を活用できれば、有効なマーケティング施策も打てるようになります。具体的には、以下のような機能が分析機能に含まれます。

 

機能名 概要
商品レポート 集客や財務など、ジャンルごとの業績をチェックできる
レポート出力 ExcelやGoogleスプレッドシートにデータを出力できる
ライブビュー リアルタイムにストアのアクティビティを閲覧できる
Googleアナリティクス連携 トラフィックや流入元に関する情報を入手できる

 

 

Shopifyの7つのメリット

開発コストの低さや拡張機能の豊富さなど、Shopifyが持つ魅力は様々です。Shopifyの主なメリットを、以下で6つ紹介します。

 

●1.ECサイトの開発や運営にかかる手間が少ない

Shopifyのメリットの1つは、専門知識がなくてもECサイトの開発や運営ができるという点にあります。ECサイトを立ち上げる際、これまでであればサーバの設定やWebエンジニアの育成などが必要でした。しかし、Shopifyであればサーバ不要で手軽に導入でき、直感的に操作できるため高度な開発知識も必要ありません。さらに、Shopifyの公式サイトでは具体的な店舗の開業方法が動画形式でわかりやすく解説されています。商品情報や画像などの準備が整っていれば、1日程度で店舗を開始することも可能です。

 

●2.導入や運営にかかるコストが安い

Shopifyは導入コストが安く、経済的な負担が少なくて済むのもメリットです。導入するにあたって初期費用がかからず、各プランの月額費用だけで基本的な機能を利用できます。Shopifyにはベーシック、スタンダード、プレミアムの3プランが用意されています。中でも、特に人気の高い「ベーシックプラン」の月額料金は、2023年10月時点で33ドル/日本円で約5,000円となっています(2023年10月時点)。また、3日間の無料トライアルも設けられているため、お試しでお店を開いてみるのもおすすめです。

 

●3.拡張機能アプリが豊富で業務効率化も可能

Shopifyには、拡張機能として使用できるアプリが豊富に用意されています。例えば、メルマガ配信アプリ「Klaviyo(クレイビヨ)」では、顧客ごとの購買履歴や属性などに最適化したメルマガを配信できるアプリ。くわえて、カゴ落ち後のメールの自動送信や、メルマガの開封率解析、文面内のリンクボタンのクリック率なども解析可能です。そのほか、自動的にSEO対策できる「Smart SEO」、Instagramの投稿一覧フィードをShopifyのストアに表示できる「Instafeed」、在庫の再入荷をユーザーに知らせる「Back in stock」など、Shopifyには様々な拡張機能アプリがそろっています。

 

●4.幅広い配送会社と提携している

国内外の幅広い配送会社と提携しているのも、Shopifyの魅力です。国内では佐川急便をはじめヤマト運輸や日本郵政、海外ではDHLやFedEx、UPSなどの配送会社と提携しており、世界中に商品を届ける体制を構築できます。配送会社の選択肢が多ければ、顧客に合わせた配送方法も選択しやすくなります。

 

●5.デザインテンプレートが豊富にそろっている

Shopifyでは、デザイナーが手掛けた多彩なデザインテンプレートが公開されています。無料テンプレートや有料テンプレートが用意されており、有料テンプレートは買い切り型となっています。アパレルや服飾雑貨、テーブルウェアなど、ショップのジャンルに合わせたテンプレートを選べる点が魅力です。また、テンプレートの配色やフォントデザイン、画像なども簡単にカスタマイズできます。

 

●6.各種SNSと連携し幅広い販売チャネルを確保できる

Shopifyは、YouTubeやInstagram、PinterestなどのSNSと連携できます。SNSとの連携は、ECサイトの認知や集客力を高めるために必要な要素です。例えばYouTubeでは、「動画の中で紹介したアイテムをそのまま購入してもらえる」という購買体験を提供できます。

 

●7.越境ECに向いている

越境ECとは、国外を対象としたECビジネスのことです。Shopifyはカナダ発のECプラットフォームであり、50の言語に対応しています。言語翻訳のアプリを活用することで、さらに柔軟な翻訳を実現できます。くわえて、130カ国以上の通貨での支払いや100種類以上の決済方法に対応しているのもShopifyの魅力です。

 

Shopifyの3つのデメリット

メリットに対し、Shopifyのデメリットとして挙げられるのが以下の2点です。Shopifyを導入する際は、以下のデメリットについても把握しておきましょう。

 

●1.日本語に対応していないケースがある

Shopifyは、手軽さやコストの低さに優れる反面、「サポート体制の甘さ」がデメリットとして挙げられます。前述のとおり、Shopifyはカナダ発のサービスですが、使用する拡張機能によっては日本語に対応していないこともあります。Shopifyの使い方をレクチャーするWebサイトにおいても、日本語ではなく英語表記の場合があります。

 

●2.Web開発に関する技術や知識が必要となることも

ECサイトの設計によっては、機能やアプリだけで対応しきれないこともあります。場合によっては、HTMLや各種プログラミング言語などの専門知識が必要となることも考えられるのです。必要に応じて、外部の開発会社へShopifyの開発やカスタマイズを依頼することも考えておきましょう。

 

●3.管理画面が頻繁に変更される

Shopifyの管理画面は、頻繁に変更されます。操作に慣れた頃に管理画面のUIが変更された場合、始めから操作方法を覚え直さなくてはいけなくなることも。自身で操作方法を覚え直すことはもちろんですが、運営スタッフへの再レクチャーも必要です。毎日使う操作画面の変更頻度が高いと、ストレスにつながることもあります。

 

Shopifyの活用事例

Shopifyを導入した企業の事例を、以下でピックアップしました。各企業がどのようにShopifyを活用しブランドを確立させたのかをご紹介します。

 

●Hush Tugの事例

Hush Tugは、2015年創業の革製品ブランドです。オーナーの戸田氏は、モンゴルへ単身移住した経験の持ち主。移住経験を活かして、高品質なモンゴルレザーを使った革製品を取り扱っています。Shopifyを導入する決め手となったのは、決済手数料の安さと入金サイクルの速さ。煩雑な申請が必要なく、毎週売上が入金されるシンプルでわかりやすい入金サイクルが整っていたため、Shopifyの導入を決定しました。

そんなHush Tug のECサイトは、革製品の高級感とデザイン性の高さを強調するシンプルなデザインとなっています。拡張機能アプリは、メルマガ配信アプリであるKlaviyoを導入。また、Instagramのフィードを表示するInstafeedも採用しています。

 

●Kurasu Kyotoの事例

Kurasu Kyotoは、コーヒー豆やコーヒー器具の販売を手掛けるECショップです。オーナーの大槻氏はECサイトを構築するにあたり、「ECショップに関する知識や高度な開発スキルがなくても、デザイン性の高いECサイトをつくりたい」と考えました。くわえて、海外への在住経験があったことから「国際的に使えるECプラットフォームが良い」と考え、いくつかのプラットフォーム候補を比較したそうです。

その結果、候補の中からShopifyを選択。決め手となったのは、クオリティの高いデザインテンプレートが豊富にそろっていたことでした。Shopifyによってクオリティの高いECサイトを構築したことで、顧客から信頼を得ることにも成功。現在ではECサイトの運営にくわえ、京都市に実店舗も出店しています。

 

●KURANDの事例

KURANDは、多彩なお酒を取り扱うECサイト。ユニークなネーミングの日本酒や、訳ありのお酒をランダムで購入できる「酒ガチャ」など、独自の販売企画で人気を集めているショップです。日本酒専門のサブスクリプションサービスから事業をスタートさせ、オリジナル製品が充実してきた頃にECサイトを構築しました。「ゆくゆくは海外にも販路を拡大させたい」という考えから、プラットフォームにShopifyを選択。越境ECをスムーズに実現できそうであることにくわえて、データ収集や分析が手軽にできることや、拡張機能の充実度にも魅力を感じたことも、導入した理由です。

 

●オリオンビールの事例

オリオンビールは、アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーに続く、国内5番手のビールメーカーです。2020年1月に、それまでのECサイトをリニューアルすることが決まったことが転機でした。同年4月には新型コロナウイルスの感染拡大を受け、前倒しで新ECサイトをオープンすることが決定。Shopifyの拡張性の高さ、シンプルな操作性がきっかけとなり、ShopifyによるECサイト構築が進みました。アプリによって受発注や入出荷の作業が効率化されたほか、メールマガジンの送付、会員機能に紐づけたサブスクリプションサービスなども実現。「自宅で沖縄時間を楽しんでもらいたい」というショップのコンセプトも手伝い、県内外の顧客に愛されるECサイトへ成長しています。

 

●Runtrip Storeの事例

Runtrip Storeは、ショップ名のとおり、走ること・旅をすることにぴったりなアイテムを取り扱っているECショップです。ECサイトはShopifyで構築されており、Shopifyのアプリの1つ「Yopto」を導入。連携したSNSの情報収集・分析ができるこのアプリを導入することで、購入者のレビューを収集したり、各種SNSとの連携を強化したりといった使い方をしているのが特徴です。このほか、商品の再入荷を知らせてくれるShopifyアプリ「Back in Stock」も活用することで、ユーザーが利用しやすいECサイト運営をしています。

 

Shopifyを導入するには?

実際にShopifyでお店を開く場合は、Shopifyのオフィシャルサイトで手続きを進めます。オフィシャルサイトの「無料体験をはじめる」という入力フォームから、トライアル手続きをスタートさせましょう。無料体験の段階ではクレジットカードが不要で、3日間の無料体験期間が経過したのちに料金プランを決定する流れになります。

 

  • メールアドレス

  • パスワード

  • ストア名

  • ストアURL

 

以上の4つを設定すれば、ショップを開けます。その後、オフィシャルサイトで紹介されているとおり、商品の追加や決済方法の設定などを行うことで、実際の店舗運営をスタートさせることが可能です。

 

●Shopifyの構築はどのような開発会社へ依頼すべき?

Shopifyは、簡単な操作でECサイトを構築できます。しかし、取り扱う商品の数やショップの規模によっては、大きなカスタマイズが必要になることも。WebデザインやHTML、ECサイト構築のノウハウが社内にない場合、社外の開発会社へ委託するのも手です。Shopifyの構築を外部へ依頼する場合は、以下のポイントに注目しましょう。

 

開発実績を確認

ECサイト構築の具体的な実績があるか否かも重要です。特に、自社と近い規模や商材、業種のECサイトを手掛けた経験のある開発会社が理想。「どのような対応をしてもらえるのか」「成果物の規模やユーザビリティはどの程度か」といったイメージがしやすくなります。

 

公認パートナーの称号に注目

公認パートナーの称号に着目するのもおすすめです。Shopifyの公認パートナーとして認定されるためには、基準以上の実績や開発技術を備えている必要があります。いくつかのタイプがあるため、公認パートナーと謳っている開発会社はどのタイプなのかもあわせて確認しましょう。

Shopifyは、国内外で人気のECサイトプラットフォームです。そのため、Shopify構築に対応している開発会社や制作会社は多く、自社の要望に合う外注先を選定するのは意外に労力がかかるものです。

発注ナビでは、Shopifyの構築やECサイトの運用実績が豊富な開発会社の情報を、豊富に取り扱っております。全国6000社以上の開発会社の中から、ご要望に合った開発会社を厳選して提案します。「自社に合った開発会社がわからない」「選定にできるだけ時間をかけずにスムーズに導入したい」とお考えのご担当者様はぜひ一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

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