新しいシステムの開発を検討する際、外注する会社選びはとても神経を使います。システム開発には多額の費用と長い時間がかかるため、「絶対に失敗できない」と頭を抱えてしまいますよね。加えて、システム開発は会社の在り方にも大きく左右することもあります。
そこで今回は「失敗しないシステム開発会社の選び方」をテーマに、システム開発会社選びのポイントや種類別の費用目安をわかりやすく解説します。発注前に考えておくことや、押さえておくべき注意点にも触れていますので、ぜひお読みください。
目次
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システム開発会社の選び方は?押さえておきたい6つのポイント
システム会社を選ぶうえで重要なポイントは、大きく分けて以下の6つです。
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得意な分野・強い分野は何か
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似たシステムの開発実績はあるか
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納品後の運用・保守への対応はどうか
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担当者は相談に乗ってくれるか・相性は良いか
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会社の業績が安定しているか
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自社開発をしているか
それぞれの項目を具体的に見ていきましょう。
●得意な分野・強い分野は何か
システム開発会社は、企業ごとに得意な開発分野は異なります。特定の開発言語(プログラミング言語)に長けていたり、医療系のシステムに強かったりと得意な分野があるケースも多いです。そのため、システム開発会社を選ぶ際はその企業の得意な分野を確認し、依頼したいシステムの内容と一致しているか確認しましょう。
●似たシステムの開発実績はあるか
実際に企業の得意分野を把握する際は、開発実績に注目します。Webサイトなどで公開していることもありますが、実績非公開のケースも多いため、直接担当者に聞くのが確実です。
依頼したいシステムについて説明し、過去に同じような開発事例があるか尋ねてみましょう。似たシステムの開発実績があれば、こちらの要望や質問に適切に対応してもらえる可能性が高まります。
●納品後の運用・保守への対応はどうか
システム納品後の運用・保守への対応が手厚いかどうかも、気にしておきたいポイントです。システムは作ったらそれで終わりではありません。その後も、定期的なメンテナンスやアップデートが必要になります。
運用・保守費用がある程度契約時の料金に含まれているのか、いないのかによって費用の差は大きいです。「この企業は安い」と思って依頼した結果、運用・保守費用が別途発生し、想定より大幅に費用がかかったという話もあります。
システム開発のための費用はある程度高くても、その後の運用・保守費用が安価で手厚ければコストパフォーマンスに期待できるでしょう。可能な限り運用・保守対応が手厚い企業を選ぶのがおすすめです。
●担当者は相談に乗ってくれるか・相性は良いか
システム開発会社を選ぶうえで、相手企業の担当者との相性も重要です。相性が悪いと開発してもらいたいシステムのイメージが正しく伝わらず、結果的に想像と異なるものができあがってしまいます。
こちらの伝えたいことを十分に汲み取り、そのうえで双方にプラスとなる助言をしてくれる担当者がいる企業を選ぶことが大切です。初めてシステム開発会社に依頼する場合、1社だけだと相性の良し悪しを判断できません。そのため、可能な限り複数のシステム開発会社に相談し、担当者とやり取りしてみるのがおすすめです。
●会社の業績が安定しているか
システム開発会社の業績そのものにも注目しましょう。「システムを作ってもらえれば、企業の業績は関係ないのでは?」と思われるかもしれませんが、システム開発会社を選ぶうえで、企業の業績が安定していることは非常に大切です。
システムは作って終わりではなく、運用・保守にも対応してもらう必要があります。もし企業の業績が悪化し、システム納品後に倒産してしまったら、運用・保守を別の会社に依頼することになります。開発・運用・保守と長い期間安心して任せるためにも、業績の安定している企業を選ぶことが肝心です。
●自社開発をしているか
システム開発の工程は、要件定義や設計、開発、保守・運用などいくつものフェーズに分かれています。すべての工程を自社で行う会社もあれば、途中の工程からは別の会社に委託する会社もあるなど様々です。
複数の企業がかかわる場合、システムの品質にばらつきが出たり、間に多くの人物が入るため、開発意図が上手く伝わらなかったりすることがあります。そのような事態を回避するためにも、自社開発の割合が高い企業に任せるほうが安心です。
システム開発会社の依頼にかかる費用目安
システム開発の費用は、依頼したいシステムの種類によって大きく変動します。システムの種類とは、例えばWeb系のシステムや業務系のシステム、顧客管理のシステム、スマートフォンやタブレット用のアプリなどです。
また、システムの規模によっても費用は変動します。システム開発のための費用は主に人件費と期間から割り出され、かかわる人数が多く開発期間が長くかかる大規模なシステムほど料金は高くなります。ここでは、よくある4つのシステムについて費用の目安について紹介します。
●ECサイト
ECサイトとは「Eコマース(Electronic Commerce)」、つまり電子商取引に関するWebサイトのことです。実はECサイトが内包する概念は幅広く、多くの場合はインターネット上でモノ(またはサービス)を販売するサイトを指しています。
ECサイトの開発は小規模なものなら100万円以下、中規模なものなら200~500万円程度です。多くの機能をつける以外に、規模が大きくなると費用が上がります。どの程度の規模にしたいのか、どのような機能が欲しいのかを事前に決めておきましょう。
●CMS
CMSとは「コンテンツ・マネジメント・システム(Contents Management System)」のことで、Webサイトの作成や画像やファイルなどの管理を総括的に行えるシステムです。
比較的規模の大きなWebサイトを作りたい場合や、デザイン性を重視したい場合に最適なシステムです。また、サイトを頻繁に更新したい場合や作成後のサイト運営を自社の社員で行いたい場合にも、多くのメリットがあるといえるでしょう。
開発費用はスクラッチでの開発の場合は、80~400万円程度です。CMSの費用は、WordPressなどOSS(Open Source Software)を利用することで、さらに安く依頼できる場合もあります。
●予約管理サイト
飲食店や美容院などの実店舗運営に役立つ「予約管理サイト」の開発費用の目安は、100~400万円程度です。予約管理サイトの開発費用は、新規予約や変更、キャンセルなどの管理機能や受付完了メールの送信機能に加えて、オンライン決済機能なども連動させるのかによって変動します。
例えば既存の予約機能と連動できれば良いケースに比べて、会計機能や従業員の勤怠管理機能の追加、もしくは自社のニーズに合わせて独自で開発してもらいたいケースでは、費用に大きく差が出るため注意が必要です。
●クチコミサイト
消費者に商品やサービスのクチコミを投稿してもらうための「クチコミサイト」は、アカウントを作成し文章や評価を投稿してもらうだけのシンプルなシステムであれば、50万円程度で開発できます。なお、「投稿内容や投稿数によりインセンティブをつけたい」など、複雑な機能を追加する場合は、費用が上がり、300~500万円程度です。
システム開発会社に依頼前の準備ポイント
依頼するシステム開発会社を決定した後、準備しておくべきことを2つ紹介します。
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目的と納期を明確にする
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運用・保守を含んだ予算を決めておく
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
●目的と納期を明確にする
発注前に、システムを開発してもらう目的や納期を擦り合わせておきましょう。目的は「予約管理システムを作ってお店に足を運んでもらうお客様を増やしたい!」のような曖昧なものではなく、「いつまでにどの程度増やしたい」「増やしたいお客様のターゲット像」など、具体的に決めておくことが大切です。
具体的に決めることで、適切な機能を過不足なくシステムに盛り込めます。もし、「こんな機能が欲しい」という希望がある場合は、あわせて伝えておきましょう。「絶対にこの機能がなければ嫌だ」というスタンスではなく、開発会社の意見に耳を傾ける姿勢が大切です。本当に必要な機能か、ほかの機能で代替できないかをプロに相談しながら進めていきます。
「できあがり次第」ではなく、納期も決めておきましょう。納品後の修正依頼や、運用開始前に使い方を覚える期間も必要になります。すべてを考慮したうえで、日数に余裕のある納期を決めるのが重要です。
●運用・保守を含んだ予算を決めておく
システムを長く使い続けるためには、メンテナンスやアップデートを繰り返す必要があります。予算を組む際は、運用・保守の対応も含めてどの程度お金をかけられるか考えておきましょう。
契約の際、どこまで含んだ金額なのかを明確にしたうえで、その後の年間費用も確認しておきましょう。予算を超えてしまいそうな場合は、むやみに運用・保守の費用を削るのではなく、必要のない機能をつけていないか、省ける部分はないかを相談してみてください。
システム開発会社を選ぶ際の注意点
最後に、システム開発会社を選ぶ際の注意点を2点紹介します。
●開発を丸投げしない
1つ目のポイントは「システム開発会社に開発を丸投げしない」ことです。社内の手間を省くことを優先し、開発から完成まで一切関与せずに済む会社を探そうとする方もいるかもしれません。
しかし、システム開発では途中で本来の意図と異なるものになったり、スケジュールが徐々に遅れたりと予定どおりに進まないケースが考えられます。そのため、すべてを放任するのではなく、担当者と連絡を取り合い、進捗状況の確認を行うようにしましょう。状況を細かく把握しておくことで、スケジュールのずれや予想外のアクシデントが起きても、対策が立てやすくなります。
最近は機能を細かく分割し、計画からテストまでを繰り返す開発手法(アジャイルソフトウェア開発)を取り入れているシステム開発会社も増えています。従来の開発手法(ウォーターフォール開発)に比べ、仕様変更に素早く柔軟に対応できる点が特徴です。この手法を取り入れている開発会社の場合、開発途中での擦り合わせもしやすく安心して依頼できます。
●費用面だけを重視しない
2つ目のポイントは「費用面だけを重視しない」ことです。システムの開発費用は安いに越したことはありませんが、安さばかりに注目すると質の悪いシステムが納品されてしまう可能性があります。特に自社開発の割合が低く、下請けや孫請けの会社に多くの作業を任せている場合、クオリティが均一になっているか、要求したことはすべて守られているかの確認が必要です。
開発実績や自社開発の割合を事前に確認し、その条件を満たしている中から比較的リーズナブルだと考えられる会社を選ぶようにしましょう。
今回はシステム開発会社の選び方について解説しました。会社を選ぶ際のポイントや費用の目安だけでなく、依頼する前に発注側が考えておくべきことや選ぶ際の注意点を踏まえて外注を成功させましょう。作りたいシステムに適した開発会社を探すのは、業界やシステムに関する知識がないと難しいものです。社内に有識者がいない場合「本当にここに開発を頼んで良かったのだろうか」とやきもきしてしまうケースも見受けられます。
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