Webシステムを開発するには、開発における設計図とも言える「構成図」の存在が欠かせません。
システム開発を検討する企業担当者の中には、「構成図の種類や作り方について知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
本コンテンツでは、システム開発に必要不可欠な構成図の種類や目的、システム構成図を作成するメリットについて解説します。
目次
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Webシステムとは
その名の通り、Web上で利用できるサービス(または仕組み)のことを総称してWebシステムといいます。
Webシステムとは | |
---|---|
利用例 | 概要 |
ECサイト | インターネットを通じて商品の検索や売買が行えるサービス |
ネットバンク | オンラインでお金の入出金や残高照会が行えるサービス |
オンラインストレージ | インターネットを通じてデータの保存や編集が行えるサービス |
SNS | 不特定多数と会話や情報交換が行えるサービス |
SNSやネットバンクキングなど、Webシステムを代表するサービスは数が多く、サービス内容もそれぞれで大きく異なります。パソコンやスマホが世間に普及した現代においては、誰もが「一度はWebシステムを利用している」と言っても過言ではありません。データのサーバー上に保存されるという特性から、インターネットに接続できる端末を用意すればシステムへの接続が可能です。インターネットを経由するため、不特定多数が同時にリアルタイムの情報を閲覧できるのも、Webシステムの大きな特徴と言えます。このWebシステムに関しては、以下のページでも解説しているので、詳しく知りたい方はご参照ください。
⇒Webシステムの基本を解説!その仕組みと導入のメリットとは?
Webシステム構成図とは?
参照:システム構成図のサンプルとテンプレート/bizroute(ビズルート)
Webシステムの概要を簡単に理解いただけたところで、Webシステム構成図の紹介に移行しましょう。Webシステム構成図(以下構成図)とは、記載した画像のように「システム全体の構成を図で示したもの」を指します。
システム開発は複数人で動くプロジェクトであり、全員の認識を統一するのは至難の業です。そんな中で情報共有・認識のすり合わせのために用いられるのが、システムの全体像を分かりやすく記した構成図なのです。言い換えれば、構成図は「システム開発における簡単な設計図」という認識でも構いません。
構成図にはどんな種類がある?
ひと口に構成図といっても、「具体的に何が記されているか」によって、呼び方が異なることもあります。
例えば、システム全体やネットワーク、サーバーなど、構成図でフォーカスしている部分に応じて呼び方が変化するのです。いずれにしても、構成図は「誰が見ても一目で理解できる」レベルの見やすさ、わかりやすさが重視されます。以下では、それぞれの構成図の特徴・用途を簡単に解説します。
●システム構成図
システム構成図は、ハードウェアを主眼にした構成図で、記されている内容も「システムの機能」が中心です。一方、ネットワークに関する情報は省略して書かれることが多くなっています。
●ネットワーク構成図
ネットワーク構成図は、名前の通りネットワークに関する情報をまとめた構成図で、端末やサーバーに割り振られるIPアドレス、VLANやPathの情報などを中心に記されています。ネットワークは複雑になりやすく、1枚に収めるのが難しい構成図でもあります。しかし、必要な情報を省いてしまうと構成図として役に立ちません。無理に構成図を1枚に収めることはせず、わかりやすさ重視で、トラブル時の経路調査に使える「全体概要図」と設計・設定時に使用する「コンポーネント詳細図」などを用意するケースもあります。
●サーバー構成図
サーバー構成図は、システムの基盤となるサーバー情報をまとめた構成図です。サーバーがどんな役割を担っており、どこに配置されているのかを表すために記載するもので、ネットワークとサーバーをまとめて「インフラ構成図」と呼ぶこともあります。新しくサーバーを構築する場合は、構成図を基に優先度を確認しながら構築します。そうしないと、特定サーバーにアクセスが集中してパフォーマンスが低下するといったトラブルが起きかねませんし、他の障害が起きた場合も原因の特定が難しくなります。このような運用時の動きも踏まえて、メンバー間で情報の粒度をそろえておくことが大切です。
このほか、構成図によっては「物理構成図」と「論理構成図」という2種類に分けることもあります。物理構成図は、文字通り物理的な配置・配線を示します。論理構成図は、ネットワークの相互接続を可視化した構成図です。より簡単に言えば、目に見える繋がりを示したものが物理構成図、目に見えない繋がりを示したものが論理構成図という認識でも構いません。
注意点として、これらの区分に明確な基準や分け方は存在せず、種類別の掲載内容も「あくまで目安」ということを留意しておきましょう。
なお構成図は、システム開発に必須の設計書にも記載します。システム開発における設計書とは、「システムをどのように作るか」を示した資料となりますが、開発計画を立てる上で構成図は欠かせない存在です。この設計書について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
⇒設計書(設計ドキュメント)ってなに?チェックポイントも知りたい
システム構成図を作る目的やメリットは?
構成図を作成するメリット |
---|
システムの開発状況を把握しやすくなる |
エンジニア間で情報の共有や伝達がしやすくなる |
システムの改善を検討する際の資料として利用できる |
ユーザーやクライアントへ情報共有がしやすくなる |
システムの全体をビジュアルで明確に表す構成図は、システムの開発や運用時はもちろんのこと、顧客やユーザーに対する情報共有でも重宝します。
システム構成図によって全体が可視化されることで、絶えず変化を続ける開発状況の中でもすばやく現状を把握できます。また、システムの改善や機能の追加を行う上でも、構成図は欠かせません。システムの全体を把握した上で「どこの部分に手を加えるべきか」、「どのような機能を追加するべきか」などを検討するための情報となります。
おまけに、システム構成図は「どの部分の開発を行うのか」「どのような仕組みのシステムなのか」を視覚的に示しており、知識のない方でも漠然と理解できるため、顧客やユーザーへ齟齬なく情報を伝えられるというメリットがあります。ユーザーやクライアントへの製品説明・変更提案などの用途に、構成図を使用することもしばしばです。
構成図が備える「知識のない方でも機能や仕組みが把握できる」という特性から、家電メーカーやシステム開発会社によっては、自社製品のシステム構成図をオフィシャルホームページや製品情報に掲載していることも珍しくありません。
システム構成図を作成する方法とは?
参照:システム構成図のサンプルとテンプレート/bizroute(ビズルート)
システムによって作り方が変化することもありますが、構成図を作成する上で押さえておきたいポイントは以下の通りです。
●システムの全体を簡単にまとめる
通信経路はどのように繋がっているのか、開発環境・本番環境をどのように分けているのか、外部サービスへどのようにアクセスしているのか、エンドユーザーのアクセス経路など、必要に応じて簡潔にまとめます。ユーザー認証やネットワークの帯域幅について検討すれば、構成図の書き方もおのずと変化します。
このように全体像を明示にすることで、開発に直接携わっていないメンバーでもシステムの全体図が把握でき、部分的なメンテナンスや修正も容易になります。
●色・アイコンを活用する
どのようなシステムにしても、構成図は「事情を知らないメンバーが見ても全体像を把握できること」を念頭に、見やすく作成することが大切です。色付けして関連性を強調したり、パッと見たときに分かりやすいようアイコンを用いたりすれば、より視覚的に役割を把握できます。
●詳細は別紙に記載する
構成図は必要な情報だけをピックアップして簡潔にまとめるのが理想です。
細かく情報を記載すれば分かりやすくなりますが、大規模な開発ではかえって煩雑になり、重要な情報を見落としてしまいかねません。必要のない情報は省きつつ、詳細に確認する必要があれば別紙にまとめるといった工夫も取り入れましょう。
●テンプレートを活用する
Webサービスの中には「構成図のテンプレート」を公開しているケースも少なくありません。パワーポイントやExcelを利用するのも手ですが、テンプレートを利用すれば、サンプルを基に短時間で構成図が作成できます。ご自身で作成する場合はこのようなツールも最大限に活用しましょう。
構成図を作らずにシステムやソフトウェア開発は可能?
結論から言えば、構成図は「開発における設計図」であり、トラブルシューティングやメンテナンスの際に必要不可欠な存在です。構成図なしで開発を進めるとメンバー間の情報伝達が滞ってしまうばかりか、認識の齟齬によるヒューマンエラーを誘発しかねず、トラブルがあった際に原因究明が遅れてしまうというリスクも考えられます。
構成図を作らなければ、開発を円滑に進行させることはもちろん、製品のリリースや運用・保守も難しくなるでしょう。
構成図によって作成方法は様々ですが、システム開発に慣れた企業やアプリ開発に長けたエンジニアでなければ、構成図の作成は困難を極めます。該当分野に対する造詣が深く、図示に慣れていなければ、端的で役に立つ構成図の作成は難しいでしょう。自社に開発部門がない状態でシステムやソフトウェア開発を検討している場合は、外部の開発企業にシステム開発を委託することをおすすめします。
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