「発注ナビ」にご登録いただいている開発会社の皆様が発注ナビの導入に至った経緯、その使用感、そして導入後のビジネスの変化は、どのようなものだろうか。株式会社クロコで発注ナビの運用を担当している営業の星氏、エンジニアの若松氏の両名にお話を伺った。
社名 | 株式会社クロコ |
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所在地 | 東京都中央区銀座4-3-9 クイーンズハウス地下1F |
従業員数 | 51 – 100名 |
事業内容 | システム開発事業 動画プロモーション事業 デザイン制作事業 |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
エンジニアと営業の3人でシステム開発事業をスタートし、当初は役員のリファラル営業で受注してきたが、事業部の方針である「やりたいことをやる」ためには、もっと社内の人的リソースを増やし、売上を上げていく必要があった。
- 導入後の効果
発注ナビ導入後1年6カ月で11件の受注に成功。当初の目的であった売上も向上した。人員も増えたため、発注ナビのプランも変更し、受注のため提案作成の改善を繰り返した結果、価格より内容で勝負できるようになり、日本を代表する大手消費財化学メーカーからの案件受注にも成功した。
隣の事業部で使っていた案件紹介サービスを導入!その後コスパで発注ナビに
株式会社クロコは、2017年に「社員のやりたいことを叶える会社」という新しい組織・働き方を目指すために3名で創業、資本金100万円の会社としてスタートした。その後、社員の得意な分野に応じて、システム開発、動画プロモーション、グラフィックデザイン、エネルギー事業、飲食事業など多岐にわたる事業を展開。現在は、社員にして100名規模、資本金は2,965万円に拡大している。
「事業ごとにやり方も方針任せるというのが当社のスタンスでした。もともと、設立メンバーにシステム開発エンジニアがいて、そこに私と若松が合流し、当初は3名でシステム開発事業をスタートさせました」(星氏)
「当初は私が中心となってコードを書いていました。現在は社員も増え、システム開発事業部で20名のメンバーを擁しています」(若松氏)
同社のシステム事業では、スタート当初から一次請け案件のみを手掛けてきた。二次請け案件、三次請け案件は、ほとんど手掛けていないという。
「私たちは、お客様と直接打合せをして、解決策をご提案していくところに大きな意味があると考えています。そのため、エンドユーザーであるお客様から直接ヒアリングし、お客様に使いやすいと感じていただけるシステムを開発するには、一次請けしかありません」
当初は、同社役員のコネクションを活かしたリファラル営業で案件を受注していった。
「当社が事業部ごとの自由度を高くしているのは、会社として、やりたいことをやれるようにしようという思いからです。そのためには、事業規模を大きくしなければなりません。売上を大きく伸ばすためには、リファラル営業だけでは難しいと判断しました」
しかし、新たな顧客をイチから開拓していく営業スキームやノウハウが社内にあるわけでなく、何らかの営業支援を使わなければならなくなった。
「そのようなときに、動画プロモーション事業部が、発注ナビとは別の案件紹介サービスを使い始めていました。しかも、それで案件が受注できていると聞いたので、一度、案件の情報を見せてもらったのですが、動画以外の案件もありそうだということで、私たちの事業部でも導入することにしました」
実際にそのサービスを使ってシステム開発案件の受注にも成功した。
「受注はできたのですが、コストパフォーマンスが、それほど良くありませんでした。そこで、他のサービスも使ってみようということになり、発注ナビにたどりつきました」(星氏)
社内の人的リソース拡充に合わせて発注ナビの契約プランも変更!
2020年3月に発注ナビを導入した同社システム事業部だが、当初はセレクトプランを契約、その後、更新時にベーシックプランに乗り換えている。
発注ナビのセレクトプランは、発注ナビの利用を契約期間内の任意の月にすることができる。
社内の開発リソースが限られていて、開発プロジェクト進行中は営業が不要というケースなどに向いている。
一方のベーシックプランは契約開始から終了まで毎月使えるという最も基本的なプランだ。
同事業部が、セレクトプランからベーシックプランに乗り換えた背景も、やはり社内のリソースの問題だった。ただし一般的な例とは異なり、むしろ上流工程の負荷によるものだったようだ。
「当初は、確かに社内のエンジニアも少なかったのですが、そこはパートナー企業のエンジニアも動員することができたので、詳細設計や実装を行う人的リソースが不足するということはありませんでした。問題は、お客様からヒアリングし、仕様を詰めていく上流工程にありました。大きい案件を受注してしまうと、そこに負荷がかかり、他の営業活動ができなくなっていました」(星氏)
同事業部が大事にしている部分だけに、そこを端折ってしまうことはできなかったのだ。
「その後、上流工程を担える人的リソースも充実してきたので、プランを変更しました」
提案改善で価格勝負が不要になり大手の案件受注も!
導入から1年6カ月間で、発注ナビ経由の受注案件は11件を数える。平均するとおおよそ2カ月に1件のペースであり、かなり高い受注率と言えるが、何か受注率を高める工夫をしているのだろうか。
「発注ナビの利用や受注に向けた活動は、常にチーム内で改善を繰り返しています。お客様からよく言われるのは『最初の提案資料が分かりやすい』『見積もりが詳細なので納得できる』ということでしょうか」(若松氏)
ヒアリング能力の高い営業スタッフや、同席するエンジニアやデザイナーが、しっかりと聞くポイントを押さえ、お客様が悩んでいることを引き出し、個社ごとの提案をしっかりと作り込み、デザインについても、テンプレートのように見えないよう、お客様ごとにオリジナルのデザインを起こした。
それでも当初は価格で勝負していた部分があったそうだ。しかし、お客様からのフィードバックを次回以降に反映し、PDCAを回し改善を繰り返した結果、提案書自体がブラッシュアップされ、今では価格で勝負しなくとも選んでもらえるようになったという。
それを端的に表しているのが大手消費財化学メーカーからの受注だ。
大手からの受注成功の鍵は営業・デザイナー・エンジニアの一致団結
同社システム事業部は、大手消費財化学メーカーから発注ナビ経由で案件を受注した。
内容は、お客様がCSR(Corporate Social Responsibility )の一環として展開している学校向けのWeb教育プログラムの開発だった。お客様からは「1回のヒアリングで、現実的なシステム化を提案してもらえたのが良かった」と言われたそうだ。
価格ではなく、内容で選ばれる会社になった同社は、発注ナビの案件情報を、営業のみならず、社内のエンジニアやデザイナーの間でも共有しているという。
同案件については、「やりたい」とデザイナーが率先して手を挙げてくれたという。エンジニアからも「同席したい」という声があがった。
相手は大企業であり、打合せには複数の人が同席するが、そのスケジュール調整にかかる苦労は中小企業の比ではない。そのため、1回のヒアリングでポイントを突いた要件を聞き出していく必要があった。デザイナーとエンジニアが同席することで、営業スタッフを介した伝言ゲームにならず、お客様の求めていることが詳細かつ正確に掴み取れた。自ずと提案作成にも力が入ったという。
結果として、冒頭にあるように、同事業部の提案はお客様から高い評価を得ることができ、受注に成功した。
「受注金額も大きく、当事業部としてもとても勉強になりました。この案件でよいものを作り、次につなげていきたいですね」(若松氏)
いずれは自社サービスの展開が目標!それでも、受託開発はずっと続けていく
ところで同事業部では、案件にエントリーするかどうかは、どのように決めているのだろうか。
「予算的に見合うかどうかと、納期については必ずチェックします。それから、当該案件だけでなく、長くお付き合いできるお客様かどうかという点も大切です。実際に、あるお客様とは、最初の案件だけでなく、その後も長くお付き合いさせていただいています。そうした関係を構築できるお客様を増やしていきたいですね」(若松氏)
同事業部は今後、どのような方向を目指していくのだろうか。
「ゆくゆくは、自社プロダクト、自社サービスを開発して提供していきたいと考えています。ただし、自社サービスを開始して軌道に乗ったとしても、当事業部のビジネスに占める割合で、お客様からの受託開発がゼロになることは今後もありません。さまざまな業種・業界のお客様の多様な課題に触れ、それを解決していく力を衰えさせないためにも、新規で案件を獲得し続けなければなりません。ですから、今後も発注ナビを経由して、お客様の課題解決にしっかりと取り組んでいきます」(星氏)
同社の社名である「クロコ」は、演じ手の舞台を陰で支える「黒子」に由来しているという。あくまでも役者が演じやすいように、自身は陰に回る。顧客のビジネス上の課題解決を陰で支え、成功に導く役割に徹しようというプロフェッショナルの気概が、そこに込められている。
●Infomation:
スマートフォン向け公式アプリ「クロコアプリ」
システム開発のほか、ラーメン店やフレンチレストラン、カフェ&バーなどの飲食事業も展開している同社が、飲食店のスマートフォン向け公式アプリをリリース。
最新情報が届き、来店ポイントによるお食事とクーポンが交換できるサービスとなっています。ご興味のある方はこちらよりご確認ください。
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