インバウンドが注目される背景に、中国人による「爆買い」がありますが、訪日観光客による経済効果が、流通・小売業界の追い風になっています。インバウンドECは、日本国内を訪れた外国人観光客をターゲットとしたWebマーケティングですが、越境ECは日本国外の需要を見据えます。
訪日外国人の増加とECの盛り上がり
航空会社や観光庁による積極的なインバウンド施策により、訪日外国人が急増しています。彼らから日本製の商品、文化などの評判が広がり、需要が急拡大したことにより、インバウンドECや越境ECが重要視されるようになりました。
越境ECの契機になったのは、中国の消費者向け電子商取引モール「天猫国際」の開設です。2014年に開設された天猫国際は、中国最大の企業間電子商取引会社、アリババ・グループによって立ち上げられ、世界中の流通・小売り業者が天猫国際で出店しました。日本では健康食品通販のケンコーコムや、ドラッグストアのキリン堂が、いち早く出店し、大きな収益を上げました。2014年の中国への越境ECの市場規模は6064億円と言われ、その後毎年約2000億円ずつ増加。2018年には1兆3943億円になる予想です。
インバウンドECが盛り上がる理由
EC事業者の多くは、インバウンドECを主軸に事業を展開していますが、越境ECについては慎重な姿勢を崩していません。
その理由として、まず外国語の対応が難しいということです。外国語を習得している人材の確保と、外国語に対応したECサイトの開発などの投資コストが高く、予測していた収益が得られなかった時のリスクが大きいとされています。次に、越境による負荷が大きいということです。日本と海外とでは異なる商習慣や法的規制、外国為替、クレーム処理などへ対応するためにも外国語が必須になってきます。
このようにインバウンドECが盛り上がりを見せる背景として、日本国内での対応のしやすさがあります。国内で景気低迷と言われる中、海外市場は多くの企業が参入したい分野であり、各企業の積極的なインバウンド活動が日本ブームという結果に結びついたと言えます。
越境ECが盛り上がる理由
「2015年は日本の越境EC元年」と言われるように、この年に楽天は中国のECモール「京東」と連動した「JD Worldwide」に旗艦店を出店し、中国への市場参入を図っています。中国人は食品や日用品、家電を集中的に購入する傾向があり、楽天は今後も取り扱い商品の拡大する考えです。このように中国をはじめ海外から見た「日本製」の評価はすでに高く、越境ECによる収益は無視できないものになりました。
楽天自身も越境ECを手がけており、越境ECの障壁であった「外国語ECサイトの開設」、「輸出伝票の作成」、「決済の仲介」、「集客」を自動化するWebアプリケーションを初期費用・固定費無料で提供しています。また、決済時に入金されなかったといった被害に対し、1ヶ月あたり最大で50万円を補償するとしています。
これまで海外市場の急拡大を横目で見るだけだったEC事業者も、このサービスを利用し参入する動きを見せています。
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