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Webサイトをアプリ化する「PWA」とは?メリットやデメリット・導入手順を解説

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Webサイトをアプリ化する「PWA」とは?のイメージ図

Webサイトをアプリのように利用できる技術PWA(Progressive Web Apps)。「ネイティブアプリと比較して導入コストが安い」や「ユーザー体験を向上させられる」など、多数のメリットを備えています。PWAは、「自社サイトのアクセス数がなかなか増えない」「商品の購入までには至らない」などの課題を抱えている企業にとって頼もしい味方となってくれるでしょう。もちろんメリットのみではないので、PWAが自社サービスや商品と適合するのかきちんと知ってから導入を決めることが大切です。

そこで、本記事では、PWAの基本知識、メリット、導入手順やPWAを活用して成功した企業の事例を紹介します。PWAの導入を検討している担当者の方は、ぜひご一読ください。

 

目次

 

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Webサイトをアプリ化する「PWA」

PWAとは、Webサイトをアプリ化する技術や仕組みのことです。「Progressive Web Apps」の頭文字を取ってPWAといわれています。PWAを導入してWebサイトをアプリ化すると、スマートフォンのアプリのように、ホーム画面にアイコンを設置でき、すぐにアクセスできるようになります。ほかにも、オフラインでの動作を可能にしたり、プッシュ通知を送ったりと、ネイティブアプリのような機能を使えるようになるのが特徴です。そんなPWAは多機能でありながらネイティブアプリよりもコストを抑えて開発できるため、多くの企業が注目しています。

 

●PWAとネイティブアプリには違いがある

ネイティブアプリとPWAの違いは、「ストアへの登録や審査の有無」や「アップデートの必要性の有無」です。ネイティブアプリを配信する場合、App StoreやGoogle Playといったアプリストアに登録してもらうために審査を通過する必要があります。一方PWAは、Webサイトをアプリのように利用できる技術であって、Webサイトということには変わりありません。そのため、アプリストアを経由する必要がなく、インストールも不要です。ブラウザ上で動作するため、デバイスやOSに依存せずにユーザーはすぐアクセスできます。

またアップデートの有無について、ネイティブアプリを最新の状態にするには、所定のストアを経由したアップデートが必要です。一方、PWAの場合は、ブラウザ上で更新を行うことで最新版にできます。

 

●Webサイトをアプリ化することで使えるようになる機能の例

Webサイトをアプリ化することで、主に3つの機能が実装されます。

  • ホーム画面へアイコン追加

  • キャッシュ利用による動作の高速化

  • ネイティブアプリ風のUI(ユーザーインターフェース)設計

PWAでは、スマートフォンのホーム画面にアイコンを追加することができます。

これにより、ユーザーがブラウザを開くことなく、ホーム画面から直接Webサイトにアクセスできるようになり、アクセス回数の増加も期待できます。アイコンをカスタマイズして、ネイティブアプリと同様の見た目にすることも可能です。

また、PWAはキャッシュ機能を活用することで、Webサイトの表示速度を向上させられます。キャッシュとは、一度アクセスしたデータをブラウザに保存しておくことで、次回以降のアクセス時にデータの再読み込みを不要にする技術です。これにより、高速なページ表示が可能となり、ユーザーの離脱率の低下を目指せます。

ほかにも、WebサイトをネイティブアプリのようなUIに設計できるのもPWAの特徴です。具体的には、ブラウザのアドレスバーやメニューを非表示にし、全画面表示ができます。ユーザーはWebサイトをアプリのように直感的に操作ができるようになるので、Webサイトの利用がより容易となり、使用頻度を増やすことができるでしょう。

PWAを導入することで、Webサイトは単なる情報提供の場から、ユーザーと積極的にコミュニケーションを取ることができるインタラクティブなプラットフォームになります。これからの時代、WebサイトのPWA化は企業にとって重要な戦略の一つです。ネイティブアプリと同様の体験を提供しつつ、開発コストを抑えることができるPWAは、特に中小企業やスタートアップにとって大きな魅力となります。

 

Webサイトをアプリ化するメリット・デメリット

Webサイトのアプリ化によって、アクセスやユーザビリティ向上などのさまざまなメリットを享受できる一方で、デメリットも存在します。PWAに関する利点と弱点を把握し、PWAの導入が自社にマッチするか考えてみましょう。

 

●メリット1:Webサイトへのアクセスの手間を減らせる

Webサイトをアプリ化することで、ユーザーはデバイスのホーム画面にアイコンを追加でき、ワンクリックでアクセスが可能になります。そのため、従来のブラウザを立ちあげてURLを入力する手間が省かれるのがメリットです。ユーザーは簡単にアクセスできるため、企業や店舗との接触機会を増やすことができます。頻繁に利用するオンラインショップへのアクセスが簡易化されることで、ユーザーが気軽にサービスを利用できるようになれば、ユーザー体験が向上し、企業のブランドロイヤリティも高まるでしょう。

 

●メリット2:ユーザビリティが向上する

Webサイトをアプリ化すると、データが軽量になり、コンテンツの表示速度が向上するので、ユーザーがストレスなくサイトを閲覧できます。また、オフライン時でもコンテンツを閲覧できるため、インターネット接続が不安定な場所でもスムーズに利用できるのが大きな利点です。これにより、ユーザーエクスペリエンスが改善され、ユーザーがサイトに長く滞在する可能性を高められます。

 

●メリット3:開発工数が軽減できる

ネイティブアプリを開発する場合、iOSとAndroidなど異なるOSごとに開発環境や開発言語を用意し、それぞれに適した開発を行わなければなりません。しかし、Webサイトは、HTML、CSS、JavaScript などのWeb技術をベースにしているため、OSごとの違いを考慮する必要がなく、開発工数を大幅に削減できます。さらに、PWAは一度開発すれば全てのプラットフォームで利用可能になるため、メンテナンスも容易です。

 

●メリット4:コンバージョン率アップも期待できる

PWAでWebサイトをアプリ化すると、プッシュ通知機能が利用できます。すると、ユーザーがアプリを開いていなくてもリアルタイムで通知を送ることができるので、ユーザーに対して効果的に情報を伝えられるのがメリットです。例えば、セール情報や新商品のリリース、重要なアップデートなどを即座にユーザーに知らせることができ、サイトへのアクセス数やコンバージョン率の向上を狙えます。

 

●デメリット1:従来のWebサイト制作と比べるとコストが増える

WebサイトをPWA化する際、通常のWebサイト制作に加えて、プッシュ通知設定やアイコン作成など追加の開発費用がかかります。また、PWAの開発には専門的な知識が必要であり、そのための技術者を雇うコストや、既存の開発チームに新たな技術を学習させるための時間とリソースも必要です。また、PWAは最新のブラウザ技術を利用するため、古いブラウザとの互換性を考慮した開発も必要になる場合があります。これらの要素が積み重なることで、従来のWebサイト制作よりもコストが増加する可能性があるのがデメリットです。

 

●デメリット2:インストールやアンインストールの対策が必要

ユーザーのスマートフォンやタブレットにアプリをインストールしてもらうのはもちろん、利用してもらわなくてはPWAの真価は発揮できません。そのため、インストールをしてもらうための施策を立てる手間や時間が発生するのがデメリットといえます。また、インストールしてもらえたとしても、「利用するまでのプロセスが長い」「プッシュ通知が多い」などの不便があるとアンインストールされてしまう恐れがあります。

インストールしてもらうためのポイントは、アプリの魅力を伝えることです。例えば、インストールすることで割引が利用できる、商品情報をいち早く入手できるなど、ユーザーにメリットを感じてもらう対策を立てましょう。また、ユーザーが利用する際にハードルを感じないようにすることも大切です。定期的に特典や魅力を発信し、利用価値を感じてもらうことで、アンインストールを防ぐ対策になります。

 

PWAのやり方と手順

PWAを導入する際に必要な作業は、下記の3つです。スムーズに開発を進められるように手順や必要なものは揃えておきましょう。

  1. Webサイトのアイコンを準備
  2. マニフェストファイルを作成
  3. Service Workerを設定

 

●1.Webサイトのアイコンを準備

PWAに適した形のWebサイトのアイコンが必要です。これは、ユーザーがホーム画面に追加した際に表示されるアイコンとして使用します。画像は、512×512ピクセルおよび192×192ピクセルのサイズに設定します。また、アイコンを用意する際に押さえておきたいポイントは、自社の特徴を表現していることとユーザーにとってわかりやすいものであることです。ユーザーの目に留まるアイコンにすることにより、Webサイトへの訪問を促す効果が見込めます。

 

●2.マニフェストファイルを作成

Webアプリの基本的な情報が含まれているファイルのことを、マニフェストファイルと呼びます。例えば、アプリの名前、アイコン、表示されるスタイル、アプリが動作する URL などが含まれます。マニフェストファイルは手動で記述することもできますが、時間と手間がかかるのが課題です。そのため、自動でマニフェストを作成できるマニフェストジェネレーターを使用するのがおすすめです。これにより、アイコン画像やサイト名などの必要な情報を入力するだけで、簡単かつ正確なマニフェストファイルを作成できます。

 

●3.Service Workerを設定

Service Workerとは、スマートフォンにプッシュ通知を送信したり、オフライン状態でもアプリが動作するようにキャッシュを保存したりできるJava Script環境のこと。Webサイトのアプリ化において中核となる技術といえます。Service Workerの設定には、一定のJavaScriptの知識や技術が必要です。

Webサイトのアイコン作成やマニフェストファイル作成など、これらの作業はあくまで大枠の手順です。実際に作業するとなると、プログラミングやService Workerに関する専門的な知識が必要です。知識レベルや人材リソースによっては、自社での対応が難しいケースもあり得るでしょう。外部の専門家に委託することで、スムーズなPWAの導入が叶えられます。

 

Webサイトのアプリ化事例

ここでは、アプリ化の事例として、SUUMO、Alibaba.com、日本経済新聞の3つのPWA導入事例を紹介します。各企業が抱えていた課題がPWAによってどのように改善したのかを見ていきましょう。

 

●SUUMOの事例

不動産情報サイトのSUUMOは、Webサイトの閲覧者は多いものの、ページ表示の速度が遅く、ユーザーがなかなか定着しないことが課題でした。しかし、PWAの導入によりサイトをアプリ化したところ、ページ読み込み時間の75%を削減。ユーザーは高速で物件情報にアクセスできるようになり、サイトの利便性が大幅に向上しました。さらに、プッシュ通知により、アプリを使用していないユーザーに対しても、物件情報のアプローチができるようになり、開封率も31%という数値を記録しています。PWAを導入することで大きな成果をあげた企業といえるでしょう。

 

●Alibaba.comの事例

中国の大型Eコマース企業であるAlibaba.comの課題は、ネイティブアプリを開発していたものの、ユーザーの利用にはつながらないという点でした。そこで、モバイル体験を改善するPWAに注目。Alibaba.comは、従来のサイトをPWA仕様に更新し、ページ表示の高速化、オフライン対応、ホーム画面へアイコンを追加、新規訪問向けと再訪問向けのコンテンツ配信など、ユーザーエクスペリエンスの向上を目的に対策し、Webページのコンバージョンが76%向上しました。月間アクティブユーザーもiOSで14%、Androidで30%の増加に成功しています。

 

●日本経済新聞の事例

日本経済新聞は、Webページの読み込み速度が遅いことに課題を感じていました。全てのコンテンツが表示されるまで20秒ほどかかるため、ユーザーが離脱してしまうのです。そこで、日本経済新聞は、PWAにより表示速度や読み込み速度の改善を実施。結果、サイトの読み込み速度が75%以上改善され、ユーザーはスムーズで迅速な情報取得が可能になりました。さらに、オフラインサポートやホーム画面に追加などの機能を活用することで、2.3倍のオーガニック流入増加を達成し、Webサイトの品質とパフォーマンスを向上させました。

 

Webサイトをネイティブアプリのように利用できるPWAは、ページの表示速度を改善したり、インターネット環境に左右されずに使用できたりと、企業にとって多くの魅力があります。しかし、実際にWebサイトをアプリ化するとなると、JavaScriptやHTMLの専門的な知識が必須です。1から社内でノウハウを蓄積するとなると、時間や費用を大きく消費してしまいます。自社のスキルや知識レベルに不安があれば、外部の開発会社や制作会社へPWAを依頼するのも一つの手段です。

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