IT展示会は、見込み客を集めて商談を行い、受注へつなげる手段として有効なイベントです。
IT展示会を開くには、1つの企業だけで独自開催したり大規模な展示会へ出展したりといろいろな方法がありますが、成果を出すには事前の準備が不可欠です。また、最近ではオンライン系の展示会も増えてきており、コロナ禍では見込み客とタッチポイントを持つ有効な手段として注目されています。今回は、IT展示会へ参加・出展すべき理由や成功させるポイント、利用する時の流れなどを解説していきます。
目次
発注意欲の高い見込み顧客の獲得は「発注ナビ」でシステム開発に特化したビジネスマッチング
IT展示会に出展したほうが良い理由
IT展示会とは、ITシステムを開発・提供しているベンダーなどが自社のサービス紹介を行い、見込み客を集めるためのイベントです。IT展示会と銘打っているイベントでは商談が前提になっており、学生や18歳未満などはお断りになっているケースが多いです。そのため企業側の担当者を効率的にブースへ集客して、受注を獲得できるのがポイントになっています。このIT展示会には以下のような種類があり、サービスの展示方法もさまざまです。
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合同展示会:複数の企業が合同で展示を行う
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独自展示会:1つの企業が展示を行う
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パブリックショー:トレンドといったテーマを中心にプレゼンを行う
展示会の来場者は、展示会のテーマに関連したニーズを持っている可能性が高く(IT展示会であればITシステムにおける導入・運用に関する課題、およびそれの解決方法など)、新規顧客との関係を築きやすいのもポイントです。IT展示会へ出展するメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
●見込みの顧客と知り合うことができる
IT展示会へ参加する人は、足をわざわざ運ぶ必要があります。オンライン展示会であっても、参加の準備や手続きは必要です。つまり手間が掛かっても展示会で企業とマッチングして問題を解決したい企業が、自然と集まることになります。わざわざ展示会へ来てくれるわけですから、ITサービス提供者としては機会を逃せません。受注確度の高い見込み客と知り合えるのはIT展示会の大きなメリットです。
なお、リアルの展示会だと、「隣のブースに寄った人が、こちらへもついでに寄ってくれる」といった効果も見込めます。商店街や商業施設へ行った時、寄るはずのなかった隣のお店につい入ってしまう感覚に似ているともいえるでしょう。オンライン展示会だとついでにブースへ寄ったり、呼び込みを会場で行い集客したりといったことが難しいので、展示会を物理的に開くかオンラインで開くかの比較材料として覚えておきましょう。
●既存の顧客との関係を構築できる
IT展示会には、すでに顧客になってくれている企業担当者が参加するケースもあります。出展側としては、この既存顧客の存在も忘れてはいけません。IT展示会という場所で新たな接触点を持つと、対話する時間ができるので、以下のような行動ができます。
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新商品・サービスの紹介をする
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自社提供商品・サービスに関する悩みや疑問を聞く
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その他相談を受け付けるプレゼンを行う
ただし、展示会のブースには新規顧客も訪問しますし、対応すべき人の数が多いとどうしても既存顧客に時間を割けない可能性があります。スムーズに捌けるように事前準備を行うことで、顧客満足度を下げない適切な対応ができるでしょう。
●自社の宣伝につながる
IT展示会に出展すると、ブースに来ない人へもアピールができます。これは、実店舗で看板などを設置して客引きするのと同じです。ブース自体が目立っていれば、自然と横を通る人からの注目度も上がります。たとえ最後までブースへ寄ってもらえなくても、後の機会に「この前のブースへ出展していたベンダーだ」と想起してもらえれば受注へつながる可能性もあります。ブースを横切る人も見込み顧客と考えて、自社ブースが競合のブースへ埋もれないようにレイアウトやデザインなどを工夫できると安心できるでしょう。
ちなみに、認知獲得を狙う場合、ブースでの客引きを行うのも手です。積極的にチラシを配布したり商品の宣伝を口頭でアピールしたりすることで、ブースへ目が行く可能性が高まります。通常の営業だと同じように客引きするのが難しいかもしれませんが、IT展示会だとニーズが高いため、嫌がられたり無視されたりする可能性は少ないといえるでしょう。
IT展示会に出展して成果を出すポイント
IT展示会に出展して成果を出すためには、次のポイントを押さえてみてください。
●出展する目的を決める
出展を決めたら、なぜそもそも出展するのか目的を決める必要があります。目的はこの後のスケジュール立てや資料作りといった工程にかかわってきます。見込み客をなるべく多く獲得したい、商談数を増加させて売上を増やしたい、自社提供サービスの認知度を向上させたいなど、さまざまな目的が考えられるでしょう。
目的決めの時は、見込み客が不足していると感じる、商談がうまく獲得できていない、自社が立ち上がったばかりでまだサービス認知度が低いといった課題から形を作っていくのが理想です。ちなみに、漠然とした目的決めは控えてください。「IT展示会出展で認知度を30%向上させたい」といったように、数値を根拠とする目的決めを行うのが良いでしょう。
●展示会のテーマに合った訴求を行う
目的が決まったら、次は展示会当日どういったアピールを行うのか決めていきましょう。過度にサービスをプッシュし過ぎる営業は嫌われる傾向にあるので、ユーザーファーストで受け入れられやすいようなアピール項目を決めていく必要があります。基本情報として、会社概要や企業理念、出展しているサービス内容などが必要です。これらに加えて、以下のような内容を加えて肉付けしていくと説得力が増します。
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サービスを導入するとどんな課題が解決できるのか
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導入後に具体的な効果はどうやって現れるのか
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実際に利用した企業がどういった感想を持っているのか
●展示会当日までのスケジュールや担当者の役割を決めておく
訴求方法が決まったら、当日までどうやって動いていくのか決めていきましょう。成功させるためには1ヶ月前からといったように、ある程度の余裕を持って当日の営業に努められるような期間を設ける必要があります。特に、以下のような項目はあらかじめ考える必要があるでしょう。
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どのくらいまでに資料を完成させるか
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デモンストレーションはどのタイミングで行うか
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各担当者をどれくらい集めるのか
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どういった流れで客引きや商談を進めていくのか
また担当者には、集客や接客、名刺の管理、ブース全体の監督といった役割が与えられます。必要な人員数の確保も考えながら適任者を探していってみてください。
●出展の目的に合わせたブースと資料作りを行う
出展の目的に合ったブースおよび資料作りも行いましょう。出展ブースが埋もれないようにするには、以下のような工夫が必要です。
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看板は大きめに見やすくする
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出展名のフォントを大きくして視認性を持たせる
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大きく派手な色の看板にしてみる
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口頭での説明だけでなく利用実演・パネル・セミナー形式でも集客するのか
競合がどうやって出展するのか事前に把握できると、ブース作成時の参考情報になるでしょう。また資料については簡潔に要点を書き、グラフや図版などを多用して視認性を持たせる、サッと見ただけでも大体の内容が頭へ入ってくるといった点を確認して作ってみましょう。作成後のプレゼンをデモンストレーションしてみると、より安心できます。
●自社に関する資料・名刺を携行しておく
自社で作った資料は携行しておきましょう。これは、いち早く見込み客や既存顧客へ情報を提供できるようにするためです。
また、名刺も必須です。名刺は自分の顔や企業名などを覚えてもらうためのツールです。商談のはじめに交換することでこちらの情報を提示できますし、また相手方からも受け取ることで顧客情報を蓄積できます。紙の管理が大変だと思う方は、名刺をデータ化してくれるツールや代行サービスなどがあるので利用を検討してみてください。
IT展示会に参加して成果を出すポイント
IT展示会に参加して成果を出すためには、次のポイントを押さえましょう。
●商談へ特化した展示会に参加する
IT展示会にもいろいろありますが、「ブースですぐに商談を行いたい」という企業におすすめなのが商談へ特化した展示会です。例えば、国内最大級のIT展示会として知られる「Japan IT Week」では「事前アポイントシステム」というサービスが提供されています。事前アポイントシステムでは、展示会参加者が事前に登録を行っておくことで、以下のようなメリットが受けられます。
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あらかじめ出展企業情報が分かるので、会場を効率良く歩ける
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事前に出展企業と打ち合わせできるので、開催時により細かい商談を行える
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登録内容によって自動で企業からのレコメンドメールが送信される
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システムの早期導入やコストを抑えた導入がしやすくなる
このJapan IT Weekのように、商談へ特化したサービスが提供される展示会であれば、それだけ契約に至る可能性も高くなります。
●自社に関する資料・名刺は携行しておく
ブースの担当者に見せられるように、自社の課題に関係する資料を持ち歩いておけると安心できます。また、名刺についても交換前提で携行しておくと安心です。せっかくのマッチング確度を下げないためにも、上記の書類は用意しておきましょう。
●展示会当日までのスケジュール、参加する社員と役割などを決めておく
展示会に参加する際は、当日のブースを回るスケジュールを決めておいてください。事前に回るブースが決まっていると時間が掛かりません。また、参加する社員や役割も決めておきましょう。具体的には、適当なブースを探す係、商談へ参加する係、班の取りまとめ役などを事前に決めておくのが理想です。
「オンライン展示会」「バーチャル展示会」も要チェック
現在では、物理的な展示会の代わりに、オンライン上で開催されるオンライン展示会やバーチャル展示会といったイベントの需要が増加しています。オンライン展示会やバーチャル展示会には次のようなメリットがあります。
●コストが抑えられる
物理的な展示会だと、資料の印刷代やブースの制作代、人件費などさまざまなコストが掛かります。しかしオンライン展示会やバーチャル展示会だと、印刷代やブース代、さらに人件費まで抑えられます。少ない人員で効率良く対応がしやすいので、総合的なコストは物理的な展示会より抑えられるでしょう。ただし出展費用は発生します。
●大きな集客効果を見込める
オンライン展示会やバーチャル展示会は、天候といった現実世界の状況に影響されません。コロナ禍においても高い人気があるのはこのためです。また、物理的な展示会の弱点となる、「会場キャパシティの限界」もありません。サーバーといったシステムに余裕があれば、数千人でも1万人でも同時に参加可能です。コロナ禍の影響もあり、オンライン展示会やバーチャル展示会のキャパシティを超える集客は物理的な展示会において困難といって良いでしょう。集客施策を工夫する必要はありますが、うまくいけば物理的な展示会よりも大きな集客効果を見込むことができるのはメリットです。
●足を運ぶ必要がないので参加ハードルが低い
物理的な展示会は天候の影響もありますが、「遠方だから出向けない」といった地理的な影響を受けてしまうのもデメリットです。足を運ぶというのはハードルが高いと感じる方は多いでしょう。しかしオンライン展示会やバーチャル展示会だと、何かしらの理由で会場に直接赴けない方でもインターネット上から参加可能です。その分参加ハードルが低くなるので、今まで物理的な展示会では見込み客として集客できなかった人が多く訪問してくれる可能性があります。ただし、離脱の可能性も高まるので、長い時間ブースにいてくれる、あるいは商談がすぐ終わるような仕組み構築は必須です。
「オンライン展示会」「バーチャル展示会」に参加・出展する方法
オンライン展示会やバーチャル展示会へ参加および出展するには次の手順を踏みます。
●参加
参加申し込みをするには、公式サイトから参加申し込みをする、主催者側から送られてきたURLをクリックして入室するという手順を通します。参加申し込み時には、担当者の名前や企業名、どこから展示会を知ったのかなどを聞かれます。項目をスムーズに埋められないようであれば事前準備が不足している可能性があるので、もう一度計画を練ってみましょう。
●出展
出展を行う際は、次の手順を踏みます。
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自社にあった展示会を選び、出展を申請する
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展示するコンテンツを作成する
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事前テストを行う
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来場者への接客・アフターフォローを行う
まずは、自社に合った展示会を選んで出展を申請してみましょう。次に展示するために必要な資料やブースといったコンテンツを作成していきます。次に事前テストを行いましょう。インターネット回線や話し方などさまざまな点をデモンストレーションして本番へ備えられると安心です。本番時には来場者への接客を行う必要がありますが、以下のようなオンラインならではの注意点があります。
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話を区切りながら順番に説明していくことをより意識する
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身ぶりや手ぶり・表情を大きめに変更する
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回線が途切れた時もスムーズに対応する
本番終了後のアフターフォローも忘れないようにしてみてください。分析を行った上でホットな顧客を抽出し、お礼や販促メールなどを送ると効率的です。また、すぐ受注につながらなかった顧客もこれからお客様になってくれる可能性があるので、データベースには情報を保管しておいてください。
代表的なIT展示会を紹介
以下では、国内で代表的なIT展示会をご紹介していきます。
●Japan IT Week
日本最大級のIT展示会であり、年に何度も開催されます。東京以外での都市開催やオンラインイベントも含まれているので、参加しやすいIT展示会です。展示会のジャンルとしてはや情報セキュリティやデジタルマーケティング、5Gソリューションといったサービス提供の企業が集まります。
●IT & Marketing EXPO
先に挙げたJapan IT Weekと並び、大手企業の出展実績も多いIT展示会です。公演企画が多く、チャットやZoomでオンライン商談が可能なほか、オンラインブースで企業を一括検討できるといった特徴があります。オンラインなのをアピールポイントにしているので、オンライン展示会に興味のある方はチェックしてみてください。
IT展示会はオフラインとオンラインの特徴をしっかりと把握して
今回はIT展示会が有益な理由や参加・出展などをする手順などをご紹介してきました。
オフライン・オンラインにかかわらずIT展示会は魅力があります。効率的な受注やマッチングなどに興味のある方はぜひ参加してみてください。展示会によって、複数の企業とつながりを持つことができれば、業務の効率化や利益拡大に向けた取り組みが行いやすくなります。
受託案件の新規開拓を効率的に行う方法
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